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中島 宏; 柴田 徳思; 中根 佳弘; 増川 史洋; 松田 規宏; 岩元 洋介; 平山 英夫*; 鈴木 健訓*; 三浦 太一*; 沼尻 正晴*; et al.
Proceedings of 14th Biennial Topical Meeting of the ANS Radiation Protection and Shielding Division (CD-ROM), p.267 - 282, 2006/00
大強度・高エネルギー陽子加速器コンプレックスである大強度陽子加速器施設(J-PARC)は、600MeVリニアック、1MW出力3GeVシンクロトロン,0.75MW出力50GeVシンクロトロンから構成される。これらの加速器はそれぞれ、核変換実験施設に200kW, 600MeVビームを、物質生命科学実験施設に1MW, 3GeVビームを、ハドロン実験施設に0.75MW, 50GeVのビームを供給する予定である。これらJ-PARCの特徴ゆえ、放射線遮蔽の観点からは、克服すべき問題が多数存在する。これらに対して、J-PARCでは合理的な遮蔽設計を行うために、多様な遮蔽計算手法を、それぞれ、その妥当性を検証しながら用いている。そこで、ここでは、J-PARCのために行われている放射線遮蔽研究の現状について報告する。
中島 宏; 中根 佳弘; 増川 史洋; 松田 規宏; 小栗 朋美*; 中野 秀生*; 笹本 宣雄*; 柴田 徳思*; 鈴木 健訓*; 三浦 太一*; et al.
Radiation Protection Dosimetry, 115(1-4), p.564 - 568, 2005/12
被引用回数:8 パーセンタイル:48.93(Environmental Sciences)大強度陽子加速器計画(J-PARC)では、世界最高出力の高エネルギー加速器施設が建設されている。そこで、施設の合理的な遮蔽設計を行うために、J-PARCの遮蔽設計では、簡易計算手法と詳細計算手法を組合せた設計手法が使われている。ここでは、J-PARCの遮蔽設計にかかわる研究の現状について報告する。
明午 伸一郎; 執行 信寛*; 伊賀 公紀*; 岩元 洋介*; 木附 洋彦*; 石橋 健二*; 前畑 京介*; 有馬 秀彦*; 中本 建志*; 沼尻 正晴*
AIP Conference Proceedings 769, p.1513 - 1516, 2005/05
核破砕中性子源等のビームライン機器の設計に使用される核子・中間子輸送計算コードの計算精度検証のためには、薄いターゲットを用いた微分断面積測定データのみならず、厚いターゲットの実験が有効である。今回はKEKにおいて鉄ターゲットから生成される中性子スペクトルを測定した。実験はKEKの東カウンターホール内で行った。1.5GeV陽子を20cm厚の鉄ターゲットに入射し、生成中性子のスペクトルを飛行時間法により測定した。測定で得た結果とNMTC/JAMによる計算結果との比較を行った。計算は実験と全体的によい一致を示しており、特に重金属ターゲットに見られた過小評価は見られない。また媒質効果を考慮した核子・核子断面積を用いることにより、計算はさらに実験とよい一致を示し、最大でも50%以内の精度で予測できることがわかった。この結果は、鉄製機器の核特性評価を行ううえで本計算手法が十分な精度を有していることを示す。
春日井 好己; 甲斐 哲也; 前川 藤夫; 中島 宏; 高田 弘; 今野 力; 沼尻 正晴*; 猪野 隆*; 高橋 一智*
JAERI-Research 2003-034, 115 Pages, 2004/01
ブルックヘブン国立研究所のAGS(Alternative Gradient Synchrotron)加速器を使って、2.83, 24GeVの陽子及びそれら陽子が水銀ターゲットに入射し発生する核破砕中性子による誘導放射能の測定実験を行った。ホウ素,炭素,アルミ,鉄,銅,ニオブ,酸化水銀,鉛,ビスマス,アクリル,SUS316,Inconel-625及びInconel-718の試料を水銀ターゲットの周りで照射した。照射後、冷却時間2時間から200日において、それぞれの試料の放射能をHPGe検出器で測定した。測定した線スペクトルから90以上の放射性核種を同定し、それらの放射能データを得た。このレポートは、これらの実験手順,データ処理及び測定結果をまとめたものである。
中島 宏; 高田 弘; 春日井 好己; 明午 伸一郎; 前川 藤夫; 甲斐 哲也; 今野 力; 池田 裕二郎; 大山 幸夫; 渡辺 昇; et al.
Proceedings of 6th Meeting of the Task Force on Shielding Aspects of Accelerators, Targets and Irradiation Facilities (SATIF-6), (OECD/NEA No.3828), p.27 - 36, 2004/00
米国ブルックヘブン国立研究所AGS(Alternating Gradient Synchrotron)加速器を用いて行われている一連の核破砕ターゲット実験及びその解析の概要について報告する。本実験では、中性子発生特性,遮蔽設計パラメータに関する情報を得ることを目的として、AGS加速器から得られる数GeV,数百kJの陽子ビームを水銀核破砕ターゲットに入射し、そこで発生する二次粒子を用いて、中性子工学及び遮蔽に関する実験を過去4年間にわたって行ってきた。昨年、遮蔽実験を行うとともに、これまでの実験結果の解析を通して大強度陽子加速器施設の設計コードの精度検証が精力的に行われている。本報告では、昨年行った遮蔽実験の最新結果及びこれまで行ってきた実験解析の結果について紹介する。
中島 宏; 高田 弘; 春日井 好己; 明午 伸一郎; 前川 藤夫; 甲斐 哲也; 今野 力; 池田 裕二郎; 大山 幸夫; 渡辺 昇; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.2), p.1155 - 1160, 2002/08
次世代の数MW級核破砕中性子源の開発を目的として、日米欧の国際協力の下、米国ブルックヘブン国立研究所においてAGS(Alternating Gradient Synchrotron)加速器を用いた一連の実験が行われている。実験では、AGS加速器から得られる数GeV,数百kJの陽子ビームを水銀核破砕ターゲットに入射して、中性子源開発における重要な課題である、圧力波発生機構,中性子発生特性,遮蔽設計パラメーターに関する情報を得るため、圧力波測定,発熱分布測定など熱工学的実験並びに、発生中性子分布,エネルギースペクトル測定,遮蔽体内中性子減衰特性測定,核破砕生成物測定等,中性子工学実験及び遮蔽実験を行っている。ここでは、中性子工学実験及び遮蔽実験に関してこれまでに得られた成果など研究の現状について紹介する。
神田 征夫*; 沖 雄一*; 遠藤 章; 沼尻 正晴*; 近藤 健次郎*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 247(1), p.25 - 31, 2001/01
被引用回数:9 パーセンタイル:55.99(Chemistry, Analytical)12GeV陽子照射場において、空気中に生成されるNガスの化学組成、O等の放射線分解生成ガスの濃度を測定した。照射条件は、陽子フルエンス率810/cm・s、吸収線量率80mGy/s、照射時間0.5-7minであった。核破砕反応で生成されたNは、約60%がNN,40%がNOを主とする窒素酸化物で、その組成は照射時間によらず、ほぼ一定であった。また、放射線分解生成ガスはOが主で、生成G値は6.4と評価された。NO等の窒素酸化物濃度は、Oの約3分の1であった。これらの結果は、陽子加速器トンネル内に生成されるNガスに対する内部被ばく線量評価、化学的毒性、腐食性を有するO等の有害ガス濃度の評価に利用できる。
明午 伸一郎; 高田 弘; 千葉 敏; 中本 建志*; 石橋 健二*; 松藤 成弘*; 前畑 京介*; 執行 信寛*; 渡辺 幸信*; 沼尻 正晴*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 431(3), p.521 - 530, 1999/00
被引用回数:38 パーセンタイル:91.36(Instruments & Instrumentation)中間エネルギーの粒子輸送のベンチマークデータ取得のために、0.5及び1.5GeV陽子を厚い鉛ターゲットに入射した場合の中性子スペクトル測定を行った。測定では1.6MeV以上のエネルギー領域における、精度の良い中性子スペクトルが得られた。実験結果をNMTC/JAERI-MCNP4Aコードシステムによる計算結果と比較した。この結果、計算は10MeV以下のエネルギー領域において実験を良く再現できることがわかった。しかし、20から80MeVにおいては実験値よりも50%程度小さい値を与えている。この不一致は、核子核子散乱断面積に媒質効果を考慮することにより縮少した。
大山 幸夫; 馬場 護*; 渡辺 幸信*; 河野 俊彦*; 沼尻 正晴*; 植木 絋太郎*; 小田野 直光*; 山野 直樹*; 小迫 和明*; 林 克己*; et al.
JAERI-Review 98-020, 130 Pages, 1998/11
シグマ委員会では近年の加速器利用の進展に伴い、基礎研究、放射性廃棄物の消滅処理研究、核融合炉材料研究、医学診断・治療研究など多岐に渡る分野において共通の基礎データである中高エネルギー領域核データの整備を目的として、JENDL High Energy File(JENDL-HE)の整備作業を実施してきた。一方、そのデータレビュー及び積分テスト手法が未確立であり、JENDL-HEの利用を促すためにも積分的検証が必須である。このため、シグマ委員会ではJENDL-HEに関する積分評価のためのタスクフォースを設置し、問題点の現状を調査・検討し、今後のシグマ委員会における中高エネルギー核データ評価及び整備に対する指針を得ることを目的として調査活動を実施した。本報告書は本タスクフォースの調査検討結果をまとめたものであり、シグマ委員会に対する報告を行うものである。
中本 建志*; 石橋 健二*; 松藤 成弘*; 執行 信寛*; 前畑 京介*; 明午 伸一郎; 高田 弘; 千葉 敏; 沼尻 正晴*; 中村 尚司*; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 32(9), p.827 - 833, 1995/09
被引用回数:30 パーセンタイル:92.09(Nuclear Science & Technology)0.8~1.5GeVの陽子をC及びPbターゲットに入射した場合の中性子生成二重微分断面積測定方法をテストした。テスト実験では、飛行距離1m、でfA程度のビーム強度という条件で、液体シンチレータを用いた飛行時間法によって中性子を測定し、短い飛行距離のためにバックグランド中性子量を十分低く抑えることができ、また、中性子と線のパルス波形弁別にはゲート積分法が適することがわかった。実験の結果、中性子のエネルギーが100MeVまでの領域の断面積データが許容できるエネルギー分解能で得られた。今回の0.8GeV陽子入射の結果は長い飛行距離で得られた他のデータと一致した。本実験を通して、スポレーション中性子の測定には、検出器のシールドを用いず、短い飛行距離での飛行時間法を行うことが適していることが分かった。
明午 伸一郎; 高田 弘; 千葉 敏; 中本 建志*; 石橋 健二*; 松藤 成弘*; 前畑 京介*; 執行 信寛*; 和久田 義久*; 渡辺 幸信*; et al.
PSI-Proceedings 95-02, Vol. 2, 0, p.442 - 453, 1995/00
本グループでは高エネルギー陽子を薄いターゲットに入射した場合の中性子生成二重微分断面積の系統的な測定を行ってきた。本研究では、積分的なデータを得て高エネルギー核子・中間子輸送コードを検証することを目的として、0.5及び1.5GeV陽子を黒い鉛ターゲットに入射した場合の生成中性子スペクトルを測定した。測定は高エネルギー物理学研究所の陽子シンクロトロンを用いて、断面1515cm、厚さ20cmの直方体の鉛ターゲットを用いて行った。中性子スペクトルはTOF法とアンフォールディング法により得た。NMTC/JAERIによる計算値は数100MeV以下及び百MeV以上の中性子については実験値に良く一致したものの、その中間領域については50%程度過小評価した。薄いターゲットの計算値は実験値と良く一致していたので、計算は一回衝突による中性子生成過程では問題がなく、ターゲット内の粒子輸送過程に問題があると思われる。
柴田 徳思; 中島 宏; 中根 佳弘; 増川 史洋; 松田 規宏; 三浦 太一*; 沼尻 正晴*; 鈴木 健訓*; 竹内 康紀*
no journal, ,
J-PARCは400MeVLNAC, 3GeVシンクロトロン,50GeVシンクロトロンと物質生命,ハドロン,ニュートリノの3つの実験施設から構成される。J-PARCの放射線安全設計は遮へいの外側,管理区域の境界,事業所の境界に置ける線量計算に基づいてる。異なる計算法の精度の確認のためビームダンプ,遮へい,漏洩,放射化について解析した。空気の放射化,冷却水の放射化,土の放射化と地下水への影響も評価した。J-PARCは複合加速器なので、インターロックシステムは放射線安全上重要である。計画外被ばくを避けるために注意深く設計されたインターロックシステムを組み込んだ。
加藤 小織; 春日井 好己; 西藤 文博; 増川 史洋; 沼尻 正晴*; 中村 一*; 山崎 寛仁*; 斎藤 究*; 藤原 一哉*
no journal, ,
J-PARCセンター発足以降、施設整備の進捗とともに、日本語を母国語としない海外からの研究者の数は増加してきた。放射線安全(一般安全を含む)に関しても、外国人研究者と日本人研究者が同レベルの理解のもと、実験を安全に進められる環境を整備する必要がある。そこで放射線安全等に関する英語対応体制を系統的に整備するためのワーキンググループを2014年に立ち上げ活動している。本ワーキンググループでは、日本語の非論理性や説明不足を補いながら、もともとの日本語にこだわらず説明を付け加えたり、場合によっては省いたりして、日本語とは全く別の英語としての資料・教材等を独自に作り上げている。
西藤 文博; 春日井 好己; 関 一成; 中根 佳弘; 谷 教夫; 佐藤 浩一; 山崎 寛仁*; 別所 光太郎; 沼尻 正晴
no journal, ,
J-PARCで事故等が発生した際は、組織的な対応を行うため「事故現場指揮所」が開設され、関係者が招集される。事故現場指揮所では、発生した事象に対して迅速に状況を把握しつつ、事故現場における活動を指揮するとともに、現場からの情報を正確かつ迅速に発信することが求められる。事故等への対応に係る訓練として、非常事態を想定した訓練(非常事態総合訓練)を毎年実施している。非常事態総合訓練は、大まかに「想定事象の検討」、「訓練シナリオの作成」、「訓練の実施」、「訓練の評価・改善」の4つのプロセスで構成される。非常事態総合訓練を通して、事故対応における課題等を抽出し、これまでにソフト面・ハード面の両面で改善を行ってきた。また、訓練自体に対しても、Web会議システムを利用した遠隔モニタリングなど、訓練の評価に資するための工夫を行ってきた。今後もより有意義な訓練となるように、内容の充実化を進めていく。
加藤 小織; 春日井 好己; 西藤 文博; 伊藤 崇; 田中 武志*; 菅原 正克*; 沼尻 正晴*; 別所 光太郎*; 中根 佳弘; 宮本 幸博
no journal, ,
J-PARCにおいて、2013年5月に発生した「放射性物質漏えい事故」を風化させず、得られた教訓を次の世代に確実に引き継ぐとともに、今後の安全対策に生かすことを目的として、これまでに3本のビデオを製作した。ビデオの上映時間は何れも15分程度で、事故後、毎年5月下旬に開催しているJ-PARC「安全の日」において上映を行っている。今後も、J-PARCにおける安全文化の育成及び継承に活用していく予定である。
中島 宏; 柴田 徳思; 澤畠 啓; 宮本 幸博; 中根 佳弘; 増川 史洋; 関 一成; 佐藤 浩一; 小栗 朋美*; 平山 英夫*; et al.
no journal, ,
大強度陽子加速器計画(J-PARC)では、世界最大強度を有する高エネルギー陽子加速器が建設されている。本施設は大強度,高エネルギー,大規模であるために、放射線安全性上の困難な問題が生じている。そこで、本発表では、これら放射線安全上の諸問題にかかる考え方、方策及び許認可にかかる放射線安全評価の現状について報告する。