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佐藤 達彦; 片岡 龍峰*; 塩田 大幸*; 久保 勇樹*; 石井 守*; 保田 浩志*; 三宅 晶子*; 三好 由純*; 上野 遥*; 永松 愛子*
Journal of Space Weather and Space Climate (Internet), 9, p.A9_1 - A9_11, 2019/03
被引用回数:2 パーセンタイル:49.6(Astronomy & Astrophysics)巨大な太陽フレア発生時における宇宙飛行士のリアルタイム被ばく線量評価モデルの開発は、宇宙放射線防護研究で最も挑戦的なトピックの1つである。そこで、原子力機構では、科学研究費補助金(科研費)新学術領域PSTEPの枠組みで、国内の研究機関や大学と協力して、航空機被ばく警報システムWASAVIESを地球衛星軌道に拡張したWASAVIES-EOを開発した。WASAVIES-EOは、任意の地球衛星軌道上における巨大太陽フレア時の銀河宇宙線及び太陽高エネルギー粒子をリアルタイムで推定することができる。また、国際宇宙ステーション(ISS)の乗組員の実効線量当量も計算可能であり、その計算精度は、POSE衛星で測定した陽子フラックス及びISS内で測定した吸収線量により検証した。
片岡 龍峰*; 西山 尚典*; 田中 良昌*; 門倉 昭*; 内田 ヘルベルト陽仁*; 海老原 祐輔*; 江尻 省*; 冨川 喜弘*; 堤 雅基*; 佐藤 薫*; et al.
Earth, Planets and Space (Internet), 71, p.9_1 - 9_10, 2019/01
被引用回数:4 パーセンタイル:25.48(Geosciences, Multidisciplinary)2017年6月30日22時21分から26分(世界時)にかけて、昭和基地にあるPANSYレーダーによってオーロラ爆発時の中間圏における過渡電離が観測された。通常、中間圏における過渡電離は100keV以上の高エネルギー電子が中間圏まで到達することにより引き起こされるが、同時間帯においてあらせ衛星が観測した100keV以上の電子フラックスは有意な上昇を示していなかった。このことから、本イベントは、10keV以下の低エネルギー電子が大量に熱圏に降り注ぐことにより発生したX線による電離であるとの仮説を立てた。この仮説の妥当性を検証するため、粒子・重イオン挙動解析コードPHITSを用いて様々なエネルギースペクトルを持つ電子が大気上空に進入した場合の電離分布を計算した。その結果、10keV以下の電子でも中間圏において十分な電離を引き起こすことが可能であることが分かり、仮説の妥当性が証明された。
佐藤 達彦; 永松 愛子*; 上野 遥*; 片岡 龍峰*; 三宅 晶子*; 武田 和雄*; 仁井田 浩二*
Radiation Protection Dosimetry, 180(1-4), p.146 - 149, 2018/08
被引用回数:3 パーセンタイル:40.19(Environmental Sciences)宇宙線環境は、太陽活動、磁場、遮へい効果の影響を受け、場所や時間によって大きく異なる。本研究では、原子力機構が中心となって開発している放射線挙動解析コードPHITSを用いて、地球・月・火星及び低軌道や惑星間空間にある宇宙機内の宇宙線環境を評価した。その際、惑星や宇宙機に入射する宇宙線フラックスは、ドイツDLRが開発した銀河宇宙線モデルと捕捉放射線モデルAP9/AE9を用いて再現し、宇宙機は、宇宙航空研究開発機構が開発した仮想国際宇宙ステーションモデルを用いて模擬した。そして、得られた結果を比較することにより、様々な宇宙線環境における最適な宇宙線遮へい方法に関して検討した。
片岡 龍峰*; 佐藤 達彦; 三宅 晶子*; 塩田 大幸*; 久保 勇樹*
Space Weather, 16(7), p.917 - 923, 2018/07
被引用回数:8 パーセンタイル:23.91(Astronomy & Astrophysics)2017年9月10-11日にかけて、太陽高エネルギー粒子(SEP)放出を伴う太陽フレアが発生した。SEPは、磁気圏や大気圏を突破することが可能なため、地上中性子モニタの計数率上昇(Ground Level Enhancement)や航空機高度における被ばく線量を上昇させる可能性がある。そこで我々は、航空機被ばく警報システムWASAVIESを用いてこのイベント時の航空機高度による被ばく線量を評価した。その結果、標準巡航高度(高度約12km)における被ばく線量は最大でも2Sv/h程度であり、人体に影響があるレベルではないことが分かった。
佐藤 達彦; 片岡 龍峰*; 塩田 大幸*; 久保 勇樹*; 石井 守*; 保田 浩志*; 三宅 晶子*; Park, I.*; 三好 由純*
Space Weather, 16(7), p.924 - 936, 2018/07
被引用回数:7 パーセンタイル:28.73(Astronomy & Astrophysics)本研究では、航空機被ばく警報システムWASAVIESを改良し、太陽フレア時の航空機乗務員被ばく線量をリアルタイムで評価可能とした。具体的には、地上中性子モニタ計数率とGOES衛星により計測した高エネルギー陽子フラックスを5分毎にダウンロードし、そのデータを自動解析してWASAVIES物理モデルで必要となる4つのパラメータを決定することにより、世界各地での宇宙線被ばく線量の現況評価とその時間変化を予測するプログラムを開発した。改良したWASAVIESの性能は、21世紀に発生した3つの大きな太陽フレアイベントを解析することにより検証した。その結果、WASAVIESのリアルタイム線量評価結果は十分な精度を有するものの、その予報精度はイベント毎に大きく異なることが分かった。WASAVIESの結果は、近日中に情報通信機構の公開サーバーから発信される予定である。
三宅 晶子*; 片岡 龍峰*; 佐藤 達彦
Space Weather, 15(4), p.589 - 605, 2017/04
被引用回数:11 パーセンタイル:27.42(Astronomy & Astrophysics)近年の弱い太陽活動から、次の太陽周期では地球に到達する宇宙線フラックスが高くなると予想されている。本研究では、時間依存性を考慮した3次元太陽変調モデルを用いて、次期太陽周期における航空機乗務員の宇宙線被ばく線量や中性子モニタの計数率を定量的に予測した。その際、粒子・重イオン輸送計算コードPHITSを用いて構築した宇宙線による空気シャワーデータベースを利用して、大気上空の宇宙線フラックスを航空機乗務員の被ばく線量や中性子モニタ計数率に変換した。本研究による結果から、次期太陽周期では、宇宙線強度が頭打ちになるフラットトップ現象など、太陽磁場の向きに依存したいくつかの特徴的な現象が観測されると予想される。
片岡 龍峰*; 佐藤 達彦
Geoscience Frontiers, 8(2), p.247 - 252, 2017/03
被引用回数:2 パーセンタイル:83.59(Geosciences, Multidisciplinary)原始惑星円盤における銀河宇宙線・太陽陽子・超新星残骸による電離量評価は、惑星形成の解析に重要となる。そこで、我々は粒子・重イオン輸送計算コードPHITSを用いて様々なスペクトルの宇宙線に対する原始惑星円盤の電離減衰長(電離密度が1/eになる距離)を計算した。その結果、銀河宇宙線による電離減衰長は118g cmとなり、一般的に使われている値よりも20%ほど高いことが分かった。また、太陽陽子による電離減衰長は、銀河宇宙線による値と比較して最大で5%程度大きく、最小で20%程度小さいことが分かった。さらに、原始惑星円盤の成分を考慮した混合ガスを想定することにより電離減衰長は約10%増加することが分かった。この結果は、原始惑星円盤におけるデッドゾーンの大きさの推定に重要な影響を与える。
片岡 龍峰*; 中川 裕美*; 佐藤 達彦
Annales Geophysicae (Internet), 33(1), p.75 - 78, 2015/07
被引用回数:6 パーセンタイル:68.05(Astronomy & Astrophysics)中性子モニタの計数率増加を引き起こすような地上レベルでの二次宇宙線の強度上昇(GLE)を伴う巨大な太陽フレアが発生した場合、航空機高度における被ばく線量は大幅に上昇する。したがって、GLEをトリガとして航空機高度の被ばく線量を評価するモデルがいくつか開発されてきた。しかし、太陽フレアにより放出される陽子が極めてエネルギーの低い軟スペクトルを持つ場合、GLEを引き起こさずに航空機高度の被ばく線量を有意に上昇させる可能性がある。そこで、粒子・重イオン輸送計算コードPHITSを用いて実施した空気シャワーシミュレーション結果と、GOES衛星により測定された陽子フラックスを組み合わせ、GLEを引き起こさない太陽フレアが航空機高度にもたらす被ばく線量を推定した。その結果、その最大値は4.5Sv/h
であることが分かった。この成果に基づき、GOES観測値を用いた成層圏における最大被ばく線量推定モデルを提案する。
久保 勇樹*; 片岡 龍峰*; 佐藤 達彦
Earth, Planets and Space (Internet), 67, p.117_1 - 117_13, 2015/07
被引用回数:6 パーセンタイル:68.05(Geosciences, Multidisciplinary)巨大な太陽フレアが発生した際、航空機高度における被ばく線量が急激に上昇する可能性がある。そこで我々は、太陽フレアによる航空機被ばく警報システムWASAVIESの開発に取り組んでいる。WASAVIESでは、Fokker-Planck方程式の形式を持つFocused transport equationを用いた惑星間空間粒子輸送シミュレーション、テスト粒子法を用いた磁気圏内粒子輸送シミュレーション、粒子輸送計算コードPHITSを用いた大気圏内粒子輸送シミュレーション結果を組み合わせて、航空機乗務員の被ばく線量を予測する。本論文では、そのコンポーネントの1つである惑星間空間粒子輸送シミュレーションに関して、磁気圏外側に到達する太陽高エネルギー粒子(SEP)の強度やスペクトルの時間変化を予測するモデルの開発、観察されたSEPイベントへの適用によるモデルの妥当性の検証結果について報告する。
佐藤 達彦; 片岡 龍峰*; 保田 浩志*; 八代 誠司*; 桑原 孝夫*; 塩田 大幸*; 久保 勇樹*
Radiation Protection Dosimetry, 161(1-4), p.274 - 278, 2014/10
被引用回数:17 パーセンタイル:12.12(Environmental Sciences)航空機乗務員は、銀河宇宙線(GCR)に恒常的に被ばくするのみならず、巨大な太陽フレアが発生した場合、それに伴って放出される太陽高エネルギー粒子(SEP)にも被ばくする。そのSEPによる被ばく線量を評価するため、われわれは、放射線挙動解析コードPHITSをベースに構築したGCRが引き起こす空気シャワーシミュレーション技術をSEPに応用し、単色のSEPが大気に入射したときの各高度における放射線フラックスを計算するデータベースを作成した。そして、そのデータベースを開発中の航空機被ばく警報システム(WASAVIES)に組み込み、過去における巨大太陽フレア時の被ばく線量を推定した。本稿では、WASAVIESの概要について説明するとともに、空気シャワーシミュレーションの詳細について解説する。
片岡 龍峰*; 佐藤 達彦; 久保 勇樹*; 塩田 大幸*; 桑原 孝夫*; 八代 誠司*; 保田 浩志*
Space Weather, 12(6), p.380 - 386, 2014/06
被引用回数:13 パーセンタイル:47.1(Astronomy & Astrophysics)巨大な太陽フレアが発生した場合、大量の太陽高エネルギー粒子(SEP)が放出され、航空機高度における宇宙線被ばく線量が急激に上昇する可能性がある。そのような事象に対していち早く警報を発するため、我々は、物理モデルに基づいて太陽フレア時の航空機高度における被ばく線量を予測するシステムWASAVIESを開発した。WASAVIESには、粒子・重イオン輸送計算コードPHITSを用いて実施した空気シャワーシミュレーションの結果をまとめたデータベースが組み込まれている。そのため、WASAVIESは、航空機高度における被ばく線量の時間変化を、太陽フレア発生後に最も早くかつシンプルに予測することができる。
片岡 龍峰*; 戎崎 俊一*; 宮原 ひろ子*; 二村 徳宏*; 冨田 孝幸*; 佐藤 達彦; 丸山 茂徳*
Gondwana Research, 25(3), p.1153 - 1163, 2014/04
被引用回数:20 パーセンタイル:30.29(Geosciences, Multidisciplinary)本論文では、大量絶滅やスノーボールアースなど地球規模での破局的イベントを説明する星雲冬理論を提案する。本理論を用いれば、過去に発生した破局的イベントの原因を、地球が銀河の中で超新星爆発や暗黒星雲に遭遇することによる宇宙線や宇宙ダストの増加と、それに伴うオゾン層の破壊や地球規模での気候変動により説明することができる。この中で報告者は、本理論を確立する際、超新星爆発による大気圏内の宇宙線フラックスの増加率をPHITSコードを用いて定量的に解析した。
片岡 龍峰*; 佐藤 達彦; 保田 浩志*
Space Weather, 9(8), p.S08004_1 - S08004_2, 2011/08
被引用回数:11 パーセンタイル:59.16(Astronomy & Astrophysics)太陽フレアにより放出される高エネルギー放射線(SEP)は、航空機高度や地表面における被ばく線量を増大させる可能性があるため、その予測は宇宙天気研究や放射線防護において極めて重要な課題となっている。われわれは、2015年頃と言われる次期太陽活動極大期を前にその被ばく線量予測モデルを完成させるため、2011年の日本地球惑星科学連合大会において、モデル開発に必要となる学術的課題について議論する特別セッションを開催した。セッションには、太陽物理学者,地球物理学者,放射線防護学者,航空機乗務員などさまざまな分野の研究者や技術者が参加した。本稿では、大気圏内の宇宙線挙動解析の現状など、セッションで発表された日本で行われているSEP被ばく線量予測モデル開発研究の最新情報について解説する。
戎崎 俊一*; 宮原 ひろ子*; 片岡 龍峰*; 佐藤 達彦; 石峯 康浩*
Gondwana Research, 19(4), p.1054 - 1061, 2011/06
被引用回数:6 パーセンタイル:76.1(Geosciences, Multidisciplinary)火山には、Siを多く含むタイプと含まないタイプがある。Siを多く含むタイプは、表面圧力が高く、その内部のマグマは、過飽和状態になる。そして、そのような状態の火山は、何らかの外的要因により噴火を引き起こすと考えられている。しかし、何がその外的要因となるかは、まだわかっていない。そこで、本論文では、その外的要因の新たな候補として、宇宙線(おもにミューオン)によるマグマ内の電離作用を提案する。その仮説の妥当性を検証するため、過去304年間における火山活性度と宇宙線強度の変動の相関を調査した。その際、長期間における宇宙線強度の変動は、原子力機構が開発したPARMAモデルを用いて推定した。その結果、Siを多く含むタイプの火山活性度は、含まないタイプと比較して、統計的に有意な差で宇宙線強度と相関があることがわかった。この仮説は、1991年のピナトゥボ火山噴火や、過去に起きた全球凍結(スノーボールアース)の原因を説明できる可能性がある。
佐藤 達彦; 片岡 龍峰*; 保田 浩志*
no journal, ,
現在、太陽活動は活性化する傾向にあり、数年後には、極大期を迎えると予想されている。太陽活動が活性化すると、巨大な太陽フレアが発生し、太陽高エネルギー粒子(SEP)と呼ばれる高エネルギー陽子が太陽圏内に大量に放出される。これらSEPの一部は、大気圏内まで進入し、航空機乗務員の宇宙線被ばく線量を顕著に上昇させる可能性がある。原子力機構では、過去300年間に渡る地球上任意地点の銀河宇宙線スペクトルを評価可能な計算モデルPARMAを開発し、そのモデルを組み込んだソフトウェアEXPACSを一般公開している。本発表では、この計算モデルの概要を紹介するとともに、そのモデルを太陽フレア時に対応させるための今後の研究計画について解説する。
佐藤 達彦; 保田 浩志*; 片岡 龍峰*; 八代 誠司*; 桑原 孝夫*; 塩田 大幸*
no journal, ,
太陽の爆発事象から地球に向かって放出される高エネルギー放射線(SEP)は、最大規模のもので5mSvもの被ばく線量を航空機搭乗者に与える可能性がある。したがって、その予測は宇宙天気予報や放射線防護などの複数の研究分野で最重要課題として知られている。そこでわれわれは、太陽物理学や地球電磁気学などさまざまな分野の専門家と協力し、太陽コロナ衝撃波加速,太陽風磁気流体,空気シャワーに対する最新のシミュレーション技術を応用した理論的なSEP予報システムWASAVIES(WArning System for AVIation Exposure to SEP)を開発している。本発表では、原子力機構が中心となって開発した計算コードPHITSをSEPが引き起こす空気シャワーシミュレーションに応用した初期結果について報告する。
佐藤 達彦; 片岡 龍峰*; 保田 浩志*; 八代 誠司*; 桑原 孝夫*; 塩田 大幸*
no journal, ,
巨大な太陽フレアが発生した場合、太陽から放出される高エネルギー太陽放射線(SEP)の影響により航空機高度の被ばく線量は短時間で劇的に上昇する。そのような場合、1飛行あたりの被ばく線量が1mSvを超えることがあり、被ばく線量の時間変化を予測して適切な対応をとる必要が生じる可能性がある。しかし、太陽フレアの発生や時間変化を予測することは科学的に極めて困難であり、そのような予報システムは未だ完成していない。本発表では、航空機被ばく線量予測の観点から宇宙天気予報の必要性をレビューするとともに、報告者らが取り組んでいるSEPによる航空機被ばく警報システムWASAVIESの開発の現状について報告する。
佐藤 達彦; 保田 浩志*; 片岡 龍峰*; 八代 誠司*; 桑原 孝夫*; 塩田 大幸*
no journal, ,
巨大な太陽フレアが発生した場合、太陽から大量の高エネルギー太陽放射線(SEP)が放出される。大気に入射したSEPは、大気圏内で中性子などを発生しながら空気シャワーを引き起こし、宇宙線被ばく線量を短時間で劇的に上昇させる。したがって、その被ばく線量を的確に評価するためには、精度の高い空気シャワーシミュレーションが不可欠となる。そこでわれわれは、PHITSコードを用いて大気圏内に単色の陽子が入射したときの挙動を解析し、各高度における放射線フラックスのデータベースを構築した。そして、そのデータベースと人工衛星を用いて測定した太陽フレア時の衛星軌道上の陽子フラックスを組合せ、そのときの地上中性子モニタの計数率を計算した。その結果、計算値と実測値はよく一致することがわかり、本研究による空気シャワーシミュレーションの妥当性が証明された。発表では、この精度検証結果について紹介するとともに、SEP被ばくが航空機乗務員に与える影響について考察する。
佐藤 達彦; 保田 浩志*; 片岡 龍峰*; 八代 誠司*; 桑原 孝夫*; 塩田 大幸*; 久保 勇樹*
no journal, ,
巨大な太陽フレアが発生した場合、太陽から放出される高エネルギー太陽放射線(SEP)の影響により航空機高度の被ばく線量は短時間で劇的に上昇する。その被ばく線量増加を的確に予測するため、われわれの研究チームでは、高々度SEP被ばく警報システムWASAVIESの開発に取り組んでいる。WASAVIESでは、まず、宇宙天気に関する最新の情報に基づいて大気に入射するSEPスペクトルをフレア発生から6時間以内に予測する。その後、原子力機構が中心となって開発している粒子輸送計算コードPHITSを用いて作成した大気圏内宇宙線スペクトルデータベースを用いて、入射SEPフラックスを各高度における被ばく線量に変換する。発表では、現状のシステムで、過去における太陽フレア時の中性子モニタ計数率変化をどの程度予測できるか検証した結果について報告する。
佐藤 達彦; 片岡 龍峰*; 永松 愛子*
no journal, ,
巨大な太陽フレアが発生した場合、大量の太陽高エネルギー粒子(SEP)が放出され、国際宇宙ステーションに滞在する宇宙飛行士は重大な被ばく影響を受ける可能性がある。報告者は、これまで、太陽フレア時の航空機乗務員に対する被ばく線量評価を目的として、大気圏内におけるSEPフラックス予測モデルWASAVIESの開発に取り組んできた。また、粒子・重イオン輸送計算コードPHITSを用いて、国際宇宙ステーション「きぼう」モジュール内における銀河宇宙線環境計算モデルを宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で構築した。本研究では、これら2つのモデルを組み合わせることにより、太陽フレア時に「きぼう」モジュール内に滞在する宇宙飛行士が受ける被ばく線量を評価する手法を新たに開発した。発表では、WASAVIESやPHITSの概要について紹介するとともに、過去に発生した巨大フレア時の宇宙飛行士被ばく線量計算結果について報告する。