Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
白石 健介*
Japanese Journal of Applied Physics, 35(6B), p.L766 - L769, 1996/06
被引用回数:2 パーセンタイル:14.99(Physics, Applied)照射効果を積極的に利用する研究として、Y系酸化物超伝導体に電子線を照射して臨界電流密度の向上を目指したものである。多結晶のY酸化物に電子線照射することにより生じた照射欠陥が粒界に集まり、微小磁場の条件下では磁束のピン止めに寄与することを実験的に示したものである。
白石 健介*
Advances in Superconductivity V, p.501 - 504, 1993/00
結晶したBiPbSrCaCuOペレットから切り出した試料に、Coからの線または3MeVの電子線を2MRあるいは1.810mまで照射し、1.0Tまでの磁場中で20Kから100Kまでの範囲で温度の関数として、直流四端子法により臨界電流密度を測定した。ガンマ線を2MRまで照射すると、65K以下の温度で臨界温度は低下し、照射の効果は低温ほど著しい。ガンマ線の照射を続けると臨界電流密度は低下し、照射効果が認められる最高の温度も高温側に移動する。これに対して、6.010mまで電子線を照射すると、外部磁場の有無にかかわらず、約50K以下の温度で臨界電流密度は上昇する。照射量が1.810mになると、0.32Tで測定した臨界電流密度は約50K以下の温度では、照射前の値より小さくなる。なお、磁場なしおよび0.04Tで測定した臨界電流密度は、1.810mの電子線照射後も照射前の値に比べて高い状態を保っている。
白石 健介; 坂本 宏*; 弥野 光一*; 乙黒 靖男*
Japanese Journal of Applied Physics, 31(12A), p.L1675 - L1678, 1992/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Applied)焼結したBiPbSrCaCuOから切り出した試料に、3MeVの電子線を8.910m・Sの線量率で、1.810mまで室温で照射し、直流の四端子法で、0.64Tまでの磁場中の臨界電流密度を温度の関数として測定した。磁場なしで測定した臨界電流密度は、45K以下の温度で電子線照射によって上昇する。この照射の効果は測定温度が低いほど著しい。また、磁場中で測定した臨界電流密度も、6.010mまでの電子線照射によって約50K以下の温度で上昇する。この電子線照射の効果は測定温度が低いほど、また0.16Tまでの磁場中では磁場が弱いほど著しい。電子線照射が1.810mになると0.16Tで測定した臨界電流密度は約50K以下の温度では照射前の値より小さくなる。このような電子線照射による臨界電流密度の変化は、結晶粒内の照射欠陥のほか、結晶粒界に生じたアモルファス層が磁束線のピン止め点として作用することによる。
白石 健介*; 坂本 宏*; 弥野 光一*; 乙黒 靖男*
Japanese Journal of Applied Physics, 31(8A), p.L1037 - L1040, 1992/08
被引用回数:5 パーセンタイル:32.79(Physics, Applied)結晶したBiPbSrCaCuOに、2.4810m・sの線束密度で、3MeVの電子線を2.010mまで室温で照射し、直流四端子法によって臨界電流密度を温度の関数として測定した。外部磁場をかけないと、1.010mまで照射すると、65K以下の臨界電流密度が上昇する。この電子線照射の効果は測定温度が低いほど顕著である。この照射試料に0.04Tの外部磁場をかけて臨界電流密度を測定すると、25K以下の温度で僅かに臨界電流密度は上昇するが、0.8Tあるいはそれ以上の磁場中での臨界電流密度は、照射前の値に比べて小さくなる。電子線の照射量が2.010mになると外部磁場の有無にかかわらず、比較的低温度で測定した臨界電流密度は低下する。これらの電子線照射効果は、照射欠陥による磁束線のピン止め点の導入と結晶粒界などの界面にアモルファス層が生成、成長する過程が競合して起こることによるものであると考えられる。
白石 健介; 坂本 宏*; 弥野 光一*; 乙黒 靖男*
Japanese Journal of Applied Physics, 31(3A), p.L227 - L230, 1992/03
被引用回数:3 パーセンタイル:22.49(Physics, Applied)焼結したBiPbSrCaCuOペレットから切り出した試験片に、Coからの線を2.0MR・hの線量率で、順次24MRまで室温で照射し、直接通電法によって臨界電流密度を温度の関数として測定した。外部から磁場をかけないで測定した臨界電流密度は、2MRのガンマ線を照射すると、65K以下の温度で、照射前の値に比べて低下する。このガンマ線照射による臨界電流密度の低下は、測定温度が低いほど著しい。これに対して、1.0Tまでの磁場中で測定した臨界電流密度は、2MRのガンマ線によって、上昇する。ガンマ線の照射を続けると、外部磁場の有無にかかわらず、臨界電流密度は次第に低下し、24MRの照射後は外部磁場をかけない状態では、77K以下の温度で照射効果が認められる。これらのガンマ線照射効果は、結晶子の界面に、超電導ではない、アモルファス層が生成・成長することによるものであると考えられる。
白石 健介; 坂本 宏*; 弥野 光一*; 乙黒 靖男*
Japanese Journal of Applied Physics, 31(1A-B), p.L17 - L20, 1992/01
被引用回数:3 パーセンタイル:22.49(Physics, Applied)焼結したBiPbSrCaCuOペレットの臨界電流密度を直接通電法によって、90Kから20Kの範囲の温度の関数として、1.0Tまでの磁場中で測定した。零磁場では、77Kで1.9MA・mであった臨界電流密度は、温度の降下に対してほぼ直接的に増加し、50Kで9.4MA・mになる。さらに温度を下げると臨界電流密度の上昇の割合はやや低下するが、20Kでは11.8M・mになる。温度を20Kに保って、1.0Tの磁場中で測定した後、この温度で磁場をかけないで測定すると臨界電流密度は8.6MA・mに低下する。零磁場で温度を上げていくと、低温で1.0Tの磁場をかけた効果は徐々に回復し、70Kでほぼ元の値になる。なお、70K以上の温度で磁場をかけて臨界電流密度を測定しても、それは零磁場で測定する臨界電流密度に影響を及ぼさない。
實川 資朗; 片野 吉男; 白石 健介*; F.A.Garner*
Effects of Radiation on Materials, p.1034 - 1050, 1992/00
超高圧電子顕微鏡でニッケル試料の組織変化に観察し、同時に照射を行った。試料に力を加えると照射で生じた転位ループの積層欠陥が解消反応した。従来、転位ループが大きい程、解消反応が生じやすいとされていたが、今回の結果は解消反応が生じやすい大きさには上限もあることを示した。これは、転位ループのセグメント間に働く反発力が解消反応を助長しているためと推測した。また、転位ループの成長速度と大きさの関係から、転位ループのバイアスファクターが転位ループの大きさに対して正の依存性を持つことを見出した。これは、従来の理論モデルに合っていない。この理由も、転位セグメント間の反発力の効果によると推定した。
白石 健介*
応用物理, 61(7), p.722 - 725, 1992/00
電子線あるいはガンマ線照射による、電気抵抗率および臨界電流密度の変化に関する実験結果を基に、YBaCuOおよび(Bi,Pb)SrCaCuOの放射線照射効果について考察した。酸化物高温超電導材料の粒子線照射による、超電導転移温度および臨界電流密度の変化は、格子原子のはじき出しによるものとして理解できる。なお、非常にエネルギーの高いイオン照射では、熱スパイクによって生じる円柱状の非超電導相が、これらの超電導特性の変化に寄与する。ガンマ線の照射や荷電粒子と格子原子との電子的な相互作用によって、結晶粒界などの界面に生成するアモルファス層は、電気抵抗法で測定する臨界電流密度を低下させる。さらに、YBaCuOに比べて、(BiPb)SrCaCuOの方が、放射線照射に対する感受性が高いのは、アモルファス層が生成、成長し易いことによると考えられる。
白石 健介; 弥野 光一*; 乙黒 靖男*
Japanese Journal of Applied Physics, 30(7B), p.L1260 - L1263, 1991/07
被引用回数:16 パーセンタイル:65.22(Physics, Applied)焼結したBiPbSrCaCuOペレットにCoからの線を1.5MR/hの線量率で約50MRまで照射し、電気抵抗率の温度変化を測定した。照射前に103.4Kであった臨界温度は20.25MRまで照射すると104.1Kまで上昇し、その後照射を続けると2.010K/MRの割合で低下する。これに対して、300Kの電気抵抗率は約2MRから20MRまでの照射領域では0.1・m/MRの割合で増加し、約20MRから37MRの範囲では殆んど変化しない。臨界温度の低下が認められる高照射領域では電気抵抗率は減少する。これらのことは、線照射によって格子原子の再配列が起こること、これによって臨界温度の低い(2212)相が電気抵抗率の大きい(2223)相に変換すること、照射によって界面にアモルファス膜が生じる一方で、界面の微細クラックが消滅すると考えることによって統一的に説明することができる。
白石 健介; 伊藤 洋; 加藤 隆彦*
Japanese Journal of Applied Physics, 30(5B), p.L894 - L897, 1991/05
被引用回数:7 パーセンタイル:42.64(Physics, Applied)焼結したBiPbSrCaCuOを1MeVの電子線を室温で810mまで照射し、照射による電気抵抗-温度曲線の変化を調べた。線束密度を1.110m・sにして電子線を110mまで照射すると、電流密度を125kA・mにして測定した超電導転移温度は照射前の90.7-92.5Kから96.3Kまで上昇し、電気抵抗率は僅かに減少する。その後照射を続けると、電気抵抗率は照射量に対してほぼ直線的に増加する。また、超電導転移温度は徐々に低下する。照射前の88kA・mの電流密度で測定した転移温度が104.0Kであった試料は5.510m・sの線束密度で810mまで電子線を照射すると、転移温度は照射量増加とともにほぼ単調に低下する。これらのことは、Bi系の焼結ペレットでは、110m程度まで線束密度を小さくした電子線の照射を行うと、結晶粒界の弱結合をも含めた微細な偏析物が溶解することによって、臨界電流密度が上昇することを示している。
永井 智*; 藤村 紀文*; 伊藤 太一郎*; 白石 健介
Japanese Journal of Applied Physics, 30(5A), p.L826 - L829, 1991/05
被引用回数:5 パーセンタイル:34.17(Physics, Applied)単結晶のMgO基板上に鉛を添加しないBi-Sr-Ca-Cu-Oのアモルファス薄膜をスパタ蒸着し、865C2時間の熱処理によって形成される高T相の体積分率をX線回折によって調べた。基板を加熱しないで蒸着したアモルファス膜をそのまま、熱処理すると、高T相は87%に達するが、熱処理中に薄膜は基板から剥離する。基板の温度を300Cにして蒸着した薄膜は熱処理中に剥離しないが、その熱処理によって得られる高T相の体積分率は43%に低下する。基板を300Cに加熱して蒸着したアモルファス膜に200keVのNeイオンを室温で110cm照射した後、結晶化の熱処理を行うと高T相の体積分率は69%まで向上する。基板の温度を300Cにして蒸着したアモルファス膜を800Cで1時間熱処理し、低T相を形成させた後、865Cで2時間の熱処理を行うと高T相はX線回折によって検出できなかった。
白石 健介; 数又 幸生; 加藤 隆彦*
Japanese Journal of Applied Physics, 30(4A), p.L578 - L581, 1991/04
被引用回数:6 パーセンタイル:38.66(Physics, Applied)焼結したBiPbSrCaCuOペレットを室温で1MeVの電子線を1.1~27.510cmsの線束密度で1.010cmまで照射し、5、20、50Kの磁化率を5Tまでの磁場中で測定した。測定温度が5K及び20Kでは電子線照射によって臨界電流密度が向上するが、50Kでは逆に電子線照射によって臨界電流密度は低下する。測定温度が5Kのときの電子線照射による臨界電流密度の上昇率は17~20%であり、これは電子線の照射速度が低いほど大きい。また、この改善効果は磁場を大きくしても殆ど低下しない。測定温度が50Kのときの電子線照射による臨界電流密度の低下率は電子線の照射速度が大きいほど大きく、磁場を大きくすると急激に減少する。これらの電子線照射による臨界電流密度の変化は、電子線照射によって小さな欠陥集合体ができるとともに照射前に存在していた微細な偏折物や析出相が壊されることによると考えられる。
白石 健介; 伊藤 洋; 青木 康
Japanese Journal of Applied Physics, 30(1A), p.L25 - L27, 1991/01
被引用回数:2 パーセンタイル:17.39(Physics, Applied)焼結した単相のBaYCuOペレットに室温で200keVの窒素イオンを0.3~6.010m・sの線束密度で210m程度で順次照射し、電気抵抗の温度変化を四端子法で測定した。電流密度を25kA・mより大きくして測定した超電導転移温度は上昇する。このようにして測定した転移温度の上昇が最も大きくなる照射量は、線束密度に関係なく、110m程度である。すなわち、100kA・mの電流密度で測定した転移温度は、照射前の86.5~87.1Kから、1.310m・sの線束密度で8.410mまで照射すると90.9Kまで上昇する。この照射量は200keVの窒素イオン照射によるBaYCuOの臨界電流密度改善に最適な照射量に対応しているが、この照射によって生成する欠陥は310dpaであり、試料中に入射イオンが留まらないような高エネルギーのイオン照射による臨界電流密度向上に最適な照射量より2~3桁小さい。
白石 健介; 伊藤 洋
Advances in Superconductivity III, p.79 - 82, 1991/00
超電導体BaYCuOの電子エネルギー損失スペクトルを透過電子顕微鏡内での電子線照射による結晶組織の変化と対応させて調べた。入射電子線のエネルギーを200keVにすると、スペクトルの測定中に欠陥集合体が生じ、測定を繰り返すと酸素濃度及び試料の厚さが減少する。しかし、酸素のK吸収端周辺の微細構造は充分観察できる。すなわち、輝度を大きくして数回スペクトルの測定を行なった後でも、536eVの吸収端の低エネルギー側にある528eVのピークは明らかに認められる。さらにBaの786及び801eVのピーク及びCuの935eV付近のピークは電子線照射によってそれほど影響を受けない。入射エネルギーを200keVにすると、100keVのものに比べて質の良いスペクトルが容易に得られるので、BaYCuOの酸素のK-吸収端周辺の微細構造の結晶方位依存性の研究に利用できることが期待される。
白石 健介; 伊藤 洋
High Temperature Superconductors, p.325 - 332, 1991/00
焼結した単相のBaYCuOペレットから切り出した試料をアルゴンイオンを照射し薄膜化した後、加速電圧200kVの電子顕微鏡を用いた電子線照射中に生じる組織の変化を連続的に直接観察した。イオンミーリングしたBaYCuO結晶では、間隔が1.17nmである(001)面の格子像に平行して、20~100nmの長さで、2~10nmの厚さの双晶薄片が観察される。また、この双晶薄片の周辺には、約10nmの大きさの欠陥集合体が優先的に生成している。通常の電子顕微鏡で組織を観察中に、欠陥集合体は徐々に大きくなり、双晶薄片は次第に消失する。これらの電子顕微鏡組織の変化は、BaYCuOペレットを電子線照射すると、電気抵抗が増加し、高電流密度で測定した超電導転移温度が上昇することとよく対応している。
白石 健介; 深井 勝麿; 八木 栄一*
Journal of Nuclear Materials, 179-181, p.550 - 553, 1991/00
被引用回数:6 パーセンタイル:58.68(Materials Science, Multidisciplinary)溶体化処理した316ステンレス鋼に室温で、高エネルギーのアルゴンまたは窒素イオンを110m程度まで照射し、照射損傷組織のイオン入射方向の変化を光学顕微鏡及び電子顕微鏡を用いて観察し、計算による、照射損傷の深さ分布と比較した。窒素イオンの照射では、57.4から86.2MeVのエネルギー範囲で測定した平均飛程は22.3~40.0mであり、拡張E-DEP-1コードを用いた計算結果とよい一致を示す。これに対して、40.5~51.1MeVのエネルギー範囲のアルゴンの平均飛程の測定値は、計算値の4.7~5.6mに比べて20%程度大きい。電子顕微鏡で観察した照射欠陥のイオンの入射方向における分布幅は、窒素イオン及びアルゴンイオン照射の双方とも、計算値とかなりよい一致を示す。アルゴンイオンを照射後、1023Kで1時間熱処理した試料には、タングルした転位線アルゴン気泡のほかMC型の炭化物が観察される。
白石 健介; 伊藤 洋; 加藤 隆彦*
Japanese Journal of Applied Physics, 29(3), p.L441 - L444, 1990/03
被引用回数:10 パーセンタイル:51.67(Physics, Applied)焼結したBiPbSrCaCuOペレットに室温で、1または3MeVの電子線を810mまで連続的に照射し、温度の関数として電気抵抗を測定した。3MeVの電子線を照射した試料では、照射前に105.8Kであった臨界温度は電子線の照射量に比例して8K/10mの割合で低下する。これに対して超電導転移温度附近の115Kで測定した電気抵抗率は14.7・mから1.5m/10mの変化率で上昇する。これらの(臨界温度及び電気抵抗率)の変化率は、格子のはじき出し量を単位にとると、それぞれ16K/10dpa及び3・m/10dpaで電子線のエネルギーに依存しない。さらに、電流密度を大きくして測定した超電導転移温度は、1MeV及び3MeVの電子線とも110m程度照射するとかなり上昇する。このことはMeV電子線を110dpaの程度照射することによってBiPbSrCaCuOの臨界電流密度が向上することを示している。
白石 健介; 伊藤 洋
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.169, p.835 - 838, 1990/00
酸化物高温超電導体BaYCuOの臨界電流密度向上に及ぼす放射線照射効果の機構を調べるために、加速電圧200kVの透過電子顕微鏡で観察中の試料に輝度を強くして電子線を照射し、微細組織の変化を連続的に輝察した。試料の{110}面にほぼ垂直な方向から電子線を入射すると、薄層、薄片及び幅の広い双晶組織のほかに転位ループなどの欠陥が観察される。とくに、{110}面の反射が電子顕微鏡組織に寄与する領域では欠陥の数密度が大きい。線束が110e/cm・s程度の電子線を110~210e/cmの範囲で照射すると、{110}面上に5nm程度の直径をもった転位ループが生成するほか、薄片状の双晶が長く伸びるほか幅も広がる現象が観察された。これらのことは、電子線照射によるBaYCuO超電導体の臨界電流密度の向上は、磁束のピンニングセンターとして作用する転位ループ及び双晶の密度の増加によることを示している。
白石 健介; 加藤 隆彦*; 国谷 治郎*
Japanese Journal of Applied Physics, 28(5), p.L807 - L809, 1989/05
被引用回数:25 パーセンタイル:75.84(Physics, Applied)焼結した単相のBaYCuOペレットを約370kで照射量が2.2510mになるまで、順次3MeVの電子線を照射し、77kで磁束密度を1.0Tまで変化させて磁化の測定をおこなった。磁化曲線から求めた臨界電流密度は、照射量が~1.510mになるまでは電子線照射量とともに上昇するが、これ以上に照射量が大きくなると照射量とともに臨界電流密度は減少する。この電子線照射による臨界電流密度の改善効果は、磁束密度が大きいほど、顕著である。
白石 健介; 伊藤 洋; 依田 修
Japanese Journal of Applied Physics, 28(3), p.L409 - L411, 1989/03
被引用回数:11 パーセンタイル:54.47(Physics, Applied)単相のBaYCuOのペレットを200keVの酸素イオンまたは窒素イオンで1.510mまで室温照射し、電気抵抗を温度の関数として測定した。電流密度を30kA・mより大きくして測定した電気抵抗値から求めた超電導-常電導転移温度は約310mのイオン照射によって上昇する。電流密度を121kA・mにして測定した転移温度は1.610mの酸素イオン照射によって、88.1~89.1kから90.4kまで上昇するが、更に照射を続けると転移温度は低下し、約110mの照射で、照射前の値に戻る。これらのことは、BaYCuOペレットに室温で10dpa程度に相当する照射欠陥を導入することによって臨界電流密度が上昇することを示している。さらに、比較的低エネルギーの重イオン照射によって表面の極く浅い領域のみに導入した照射欠陥の影響を試料全体の電気抵抗を測定することによって検出できることが実証できた。