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鷹尾 康一朗*; 川田 善尚*; 野上 雅伸*; 原田 雅幸*; 森田 泰治; 西村 建二*; 池田 泰久*
Journal of Nuclear Science and Technology, 52(2), p.294 - 298, 2015/02
被引用回数:2 パーセンタイル:17.42(Nuclear Science & Technology)UO(NO
)
(NRP)
(NRP=
-アルキル-2-ピロリドン)の沈殿率について、沈殿生成前後の硝酸濃度変化から見積もられる溶液の体積変化を考慮して正確に評価した。検討したピロリドン誘導体は、
-ブチルピロリドンと
-プロピルピロリドンである。どちらの場合でも、正確に評価された沈殿率は、単純に沈殿生成前後のウラン濃度の比から求められる値よりも常に大きくなったが、その差は0.6%-2.6%であった。この差が実質的に無視できるものなら、沈殿生成に伴う体積変化は、分析操作の単純化のため、考慮する必要がない。
Kim, S.-Y.; 鷹尾 康一朗*; 芳賀 芳範; 山本 悦嗣; 川田 善尚; 森田 泰治; 西村 建二*; 池田 泰久*
Crystal Growth & Design, 10(5), p.2033 - 2036, 2010/04
被引用回数:15 パーセンタイル:77.48(Chemistry, Multidisciplinary)N-シクロヘキシル-2-ピロリドン(NCP)及びN-ネオペンチル-2-ピロリドン(NNpP)の硝酸プルトニル錯体を調製し、単結晶X線回折によりそれらの分子及び結晶構造を決定した。得られた化合物はいずれもPuO(NO
)
(NRP)
(NRP=NCP, NNpP)という同様の組成を有しており、これは先に報告したU(VI)錯体とも共通する。各々のPuO
(NO
)
(NRP)
錯体は、エカトリアル面上トランス位に配置された2つのNRP及び2つの硝酸イオンから成る六方両錐型構造といった硝酸アクチニル(VI)錯体に特徴的な構造的性質を示した。PuO
(NO
)
(NCP)
とUO
(NO
)
(NCP)
の格子定数と分子構造は、UがPuに置換されているだけにもかかわらず、完全に異なる。一方、PuO
(NO
)
(NNpP)
とUO
(NO
)
(NNpP)
との比較では構造的性質は完全に一致する。以上の知見は、結晶工学の観点からわれわれの提案する使用済核燃料の高選択・制御性沈殿剤による高度化沈殿法再処理システムにおける沈殿剤として適するNRPの選択基準の一つとなり得る。
森田 泰治; 鷹尾 康一朗*; Kim, S.-Y.; 川田 善尚; 原田 雅幸*; 野上 雅伸*; 西村 建二*; 池田 泰久*
Journal of Nuclear Science and Technology, 46(12), p.1129 - 1136, 2009/12
被引用回数:18 パーセンタイル:74.48(Nuclear Science & Technology)ピロリドン誘導体を用いた沈殿法による高速炉燃料の高度化再処理システムを開発している。このシステムでは、第1沈殿工程において低疎水性・低配位性のピロリドン誘導体を用いてU(VI)を沈殿させ、次に第2沈殿工程において高い沈殿生成能力を示すピロリドン誘導体を用いて残りのU(VI)とPu(IV, VI)を同時に沈殿させる。本研究では、第1沈殿工程に最適の沈殿剤を選択することを目的に、-プロピルピロリドン(NProP),
-ブチルピロリドン(NBP),
-ブチルピロリドン(NiBP)及びシクロヘキシルピロリドン(NCP)を用いて、U(VI), Pu(IV)及びPu(VI)の沈殿挙動を調べた。その結果、NBPが第1沈殿工程用の沈殿剤として最も有望であることがわかった。
鷹尾 康一朗*; 野田 恭子*; 野上 雅伸*; 杉山 雄一*; 原田 雅幸*; 森田 泰治; 西村 建二*; 池田 泰久*
Journal of Nuclear Science and Technology, 46(10), p.995 - 999, 2009/10
被引用回数:14 パーセンタイル:66.74(Nuclear Science & Technology)ピロリドン誘導体を用いた沈殿法による高速炉燃料の高度化再処理システムを開発している。本研究では、硝酸濃度05.0Mの溶液におけるUO
(NO
)
(NRP)
(NRP=
-アルキル-2-ピロリドン,アルキル基=
-プロピル,
-ブチル,
-ブチル,シクロヘキシル)の溶解度を測定した。その結果、UO
(NO
)
(NRP)
の溶解度は、上澄み液における硝酸及びNRPの濃度が上昇するほど減少することがわかった。溶解度は、NRPの種類にも依存し、基本的にNRPが高疎水性であるほど溶解度は減少した。また、溶解度の評価に溶解度積の導入が有効であることがわかった。
鷹尾 康一朗*; 野田 恭子*; 森田 泰治; 西村 建二*; 池田 泰久*
Crystal Growth & Design, 8(7), p.2364 - 2376, 2008/07
被引用回数:35 パーセンタイル:89.80(Chemistry, Multidisciplinary)アルキル-2-ピロリドン誘導体の硝酸ウラニル錯体の分子構造と結晶構造を単結晶X線回折,赤外及びラマン吸収スペクトル分析により探求した。錯体の分子構造解析ではいずれのピロリドン誘導体においても、ウラニルイオンのエカトリアル面にピロリドン2分子と硝酸イオン2個がそれぞれトランス位に配位していることが判明した。n-プロピルピロリドン及びイソプロピルピロリドンのウラニル錯体の結晶構造解析から、これらの化合物の結晶格子にはボイドが存在することが示唆された。結晶の効率的パッキングについて検討を行い、イソブチルピロリドンは、そのアルキル基によってボイドを埋め、効率的結晶パッキングの要求を満足させることがわかった。
池田 泰久*; 鷹尾 康一朗*; 原田 雅幸*; 森田 泰治; 野上 雅伸*; 西村 建二*
Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycles and Systems (Global 2007) (CD-ROM), p.1503 - 1507, 2007/09
ピロリドン誘導体を用いた沈殿法による高速炉燃料の高度化再処理システムを開発している。これまでの試験で、U(VI)を硝酸溶液から沈殿させるN-シクロヘキシルピロリドン(NCP)を用い、選択的U沈殿工程及びU-Pu共沈工程の2工程からなるプロセスを開発した。さらに、現在はプロセスをより選択的に、より経済的にするため、他のピロリドン誘導体によるU及びPuの沈殿挙動について研究している。本研究では、NCPより疎水性が低い沈殿剤の選択的U沈殿工程への適用性を検討するため、N-ブチルピロリドン(NBP)及びN-プロピルピロリドン(NProP)によるU(VI)の沈殿試験を行い、核分裂生成物に対する除染係数を測定した。その結果、U(VI)の沈殿挙動には大きな差はなく、核分裂生成物に対する除染係数はNCPより大きな値が得られることがわかった。
森田 泰治; Kim, S.-Y.; 池田 泰久*; 野上 雅伸*; 西村 建二*
Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycles and Systems (Global 2007) (CD-ROM), p.1508 - 1512, 2007/09
ピロリドン誘導体を用いた沈殿法による高速炉燃料の高度化再処理システムを開発している。これまでの試験で、U(VI)を硝酸溶液から沈殿させるN-シクロヘキシルピロリドン(NCP)を用い、選択的U沈殿工程及びU-Pu共沈工程の2工程からなるプロセスを開発した。さらに、現在はプロセスをより選択的に、より経済的にするため、他のピロリドン誘導体によるU及びPuの沈殿挙動について研究している。本研究では、NCPより低疎水性で選択的U沈殿工程の適用が期待されるN-ブチルピロリドン(NBP)及びN-プロピルピロリドン(NProP)を用いてPuの沈殿挙動を調べた。Pu(IV)あるいはPu(VI)の単独溶液及びU(VI)-Pu(IV)混合溶液による試験の結果、NBP及びNProPは、NCPと比べて、Puを沈殿させにくく、U(VI)をより選択的に沈殿させることがわかった。この結果より、NBPあるいはNProPの利用は、選択的U沈殿工程をより選択的に、より効率的にすることが期待できる。
半沢 正利*; 森岡 信男*; 川崎 敬幸*; 麓 弘道*; 西村 建二*; 近沢 孝弘*
JNC TJ9400 2001-005, 128 Pages, 2001/03
本研究は、革新的技術アイデアにより経済性の高い高速炉燃料(MOX燃料)再処理プロセスを構築することを目標に、配管施工に係わるコストを大幅に削減できるパイプレスプラントの概念を導入し、且つ溶媒抽出法以外の湿式分離法も考慮した新しいプロセスの可能性を探ることを目的としている。本年度は、昨年度の研究成果を基に、バッチ処理に適した晶析法+過酸化水素沈殿法を用いたパイプレスプラントに対し、工学的な観点からの詳細検討により、定量的、且つ、具体的なプラント概念及び建設費の推定等を行い、その適用の可能性を評価するため、以下の検討を実施した。(1)晶析法+過酸化水素沈殿法のプロセスフローの最適化(2)物質収支評価及び主要機器検討(3)晶析法+過酸化水素沈殿法を用いたパイプレスプラントの概念検討(4)晶析法+過酸化水素沈殿法を用いたパイプレスプラントの建設費の推定(5)開発課題の摘出及びその解決方策
矢野 肇*; 西村 建二*; 近沢 孝弘*; 寺前 直樹*
JNC TJ8400 2001-024, 71 Pages, 2001/03
晶析法は不純物を含む大量のU溶液から、Uのみを部分的に回収するのに適しておりPUREX法を基盤とする新しい再処理施設の要素技術として適合すると思われる。晶析法適用プロセスの実用化検討に必要なデータのうち、Puの析出に関するデータが不足していたため、昨年度から原子価ごとのPu析出データの採取を開始している。昨年度は、Pu(IV)の挙動を把握する試験を実施し、現在想定している晶析試験条件下ではPuの原子価を4価に調整すればPu結晶は析出しないことを確認した。そこで本年度は、晶析法適用プロセスにおける想定晶析条件下でのPu(IV)の挙動把握を目的とし、Pu原子価を6価に調整して、Pu結晶析出温度データを取得した。また、U-Pu混合系で、UとPuの共析出が生じるか否かの確認を目的としたビーカ規模の晶析試験を実施した。試験は昨年度と同様に、英国AEA Technology Harwell研究所にて実施し、結果の評価を三菱マテリアルが実施した。本年度の試験結果は以下の通りである。(1)Pu(VI)晶析試験 Pu(VI)溶液について、硝酸濃度6M、Pu濃度を50, 100, 200gPu/lでの晶析試験を行い、-60まで冷却した結果、H
Oの結晶及びHNO
・3H
Oの結晶混合物は生成したが、硝酸プルトニウムの結晶は生成しなかった。(2)U-Pu混合系での晶析試験 U-Pu(VI)混合溶液について、10
及び0
までの冷却試験を行った。この結果、当初想定していないU-Pu(VI)の共晶析が観察された。生成した結晶は鮮やかなオレンジ色であり、Pu(VI)の結晶の同伴が明白である。共晶析した原因は、両者の化学形が非常に近く、結晶系も同じであり、格子定数も非常に近いことによりUNH結晶にPu(VI)結晶が誤って取り込まれるためであると考えられる。U-Pu(VI)の共晶析データは、Uの代わりにPuが析出するものとして、UNH単身での晶析データはほぼ近いことが確認された。
矢野 肇*; 半沢 正利*; 近沢 孝弘*; 西村 建二*
JNC TJ8400 2000-061, 92 Pages, 2000/03
晶析法は不純物を含む大量のU溶液から、Uのみを部分的に回収するのに適しておりPUREX法を基盤とする新しい再処理施設の要素技術として適合すると思われる。昨年度までに、溶解液へ晶析法を適用した再処理プロセスは十分なメリットを有することが確認されている。しかし晶析法適用プロセスの検討に必要なデータのうちPuの析出に関するデータは乏しい。そこで本年度は、晶析法適用プロセスにおける想定晶析条件下でのPu(IV)の挙動を把握するためのビーカ試験を英国AEA Technology Harwell研究所にて実施し、結果の評価を三菱マテリアルが実施した。試験内容は、想定する晶析供給液濃度付近でのPu(IV)単身でのPu結晶又は凝固温度の測定であり、以下の6パラメータについての試験を実施した。試験結果は以下の通りである。・硝酸プルトニウムの結晶が生成する可能性が高いと想定された200gPu/l,6M HNO3及び200gPu/l,4M HNO3で硝酸プルトニウムの結晶は生成せず、H2Oの固体及びHNO3・3H2Oの結晶混合物が生成している。・残りのPu濃度が低い溶液についても同様である。・従って、Puの原子価が4価の場合には、晶析法適用プロセスにおける想定晶析条件下で硝酸プルトニウムの結晶の生成の可能性はないと言える。・試験結果から、Pu(NO3)4-HNO3-H2O系の溶解度データを作成した。
半沢 正利*; 森岡 信男*; 麓 弘道*; 西村 建二*; 近沢 孝弘*
JNC TJ9400 2000-001, 112 Pages, 2000/02
本研究は、革新的技術アイデアにより経済性の高い高速炉燃料(MOX燃料)再処理プロセスを構築することを目標に、配管施工に係わるコストを大幅に削減できるパイプレスプラントの概念を導入し、且つ溶媒抽出法以外の湿式分離法も考慮した新しいプロセスの可能性を探ることを目的としている。そのため、まず、沈殿法、晶析法、イオン交換法及びパイプレスプラントについて文献調査を行い、これを基に、以下の湿式分離法を採用したプロセス要件に適合するプロセスフロー案の検討を実施した。(1)晶析+過酸化水素沈殿法プロセス(2)シュウ酸沈殿法プロセス(3)マイルドな条件の再処理法プロセス(晶析+沈殿法)(4)晶析+イオン交換法プロセス(5)晶析+溶媒抽出法プロセス上記検討プロセス及び従来プロセスについて、パイプレスプラントへの適合性、安全性、経済性、資源の有効利用性、核不拡散性及び運転・保守・補修性の観点から得失評価を行い、最も合理的なプロセスとして(1)晶析+過酸化水素沈殿法プロセスを選定した。選定プロセスについて、臨界安全評価を行うとともに物質収支図、プロセスフローダイアグラム、主要機器リスト及び移動槽・ステーションの配置概念図を作成することにより、主要物質の物流/物量、主要機器の概念/大きさ及び数量等を明らかにした。
峯尾 英章; 松村 達郎; 西沢 市王; 三井 武志; 植木 浩行; 和田 淳*; 坂井 一太*; 西村 建二*; 竹下 功
JAERI-Tech 96-050, 29 Pages, 1996/11
本報は、アルファ廃液処理設備の基本設計について、プロセス設計を中心に述べたものである。NUCEFではTRUを用いた実験が行われ、TRU廃棄物が発生する。NUCEFの液体廃棄物は3種類に分類され、最も放射能濃度の低い回収水等の発生量が大きいことから、減容処理する設備の必要性を示した。アルファ廃液処理設備は、これを放出できる非常に低いレベルの放射能濃度にまで除染する目的で整備するものである。前提条件となる対象廃液の性状と発生量、建屋スペース及び許認可上の制約等を整理し、必要とされる高い除染係数を考慮して、蒸発法を基礎にこれを補完するプロセスを検討した。その結果、蒸発缶を中心として、限外ろ過、吸着カラム及び逆浸透工程を備えた構成とし、廃液の性状によって、吸着剤と蒸発缶の運転方法を変えて対応することとした。
野田 恭子*; 鷹尾 康一朗*; 杉山 雄一*; 原田 雅幸*; 野上 雅伸*; 丸山 幸一*; 高橋 宏明*; Kim, S.-Y.; 佐藤 真人; 峯尾 英章; et al.
no journal, ,
ピロリドン誘導体を用いた沈殿法による高速炉燃料の高度化再処理システムを開発している。これまでの試験で、U(VI)を硝酸溶液から沈殿させるN-シクロヘキシルピロリドン(NCP)を用い、選択的U沈殿工程及びU-Pu共沈工程の2工程からなるプロセスを開発した。さらに、現在はプロセスをより選択的に、より経済的にするため、他のピロリドン誘導体によるU及びPuの沈殿挙動について研究している。本報告では、本研究開発の概要とこれまでの主要な成果を紹介する。本研究開発では、新規沈殿剤を用いることによるシステムの分離性・安全性・経済性向上を目指しており、これまでに低配位性・低疎水性新規沈殿剤であるN-ブチルピロリドン(NBP)あるいはN-プロピルピロリドン(NProP)を用いることで選択的U沈殿工程の効率化が可能であることを明らかにした。
森田 泰治; Kim, S.-Y.; 池田 泰久*; 野上 雅伸*; 西村 建二*
no journal, ,
FBR燃料再処理を目的として、ピロリドン誘導体による沈殿法を基本とした、U選択的沈殿工程及びU-Pu共沈工程の2つの沈殿主工程から構成される簡易再処理システムの開発を行っている。これまでに、N-シクロヘキシル-2-ピロリドン(NCP)を沈殿剤としたプロセスの成立性を示し、さらにプロセスの効率化を目指して、他のピロリドン誘導体の適用を検討している。いずれにおいても有機物である沈殿剤の耐放射線性,沈殿物の安定性の評価は重要な課題である。本試験では、Pu共存化で、UあるいはU-Puの沈殿を作り、これを長期に渡って観測することで線照射の影響を調べた。
線照射の吸収線量を溶液全体の平均値(吸収線量率0.125kGy/h)として単位吸収線量あたりのU溶出量(U溶出速度)を算出した結果、Uのみ約70%沈殿した系で0.87mmol/MGy、U, Puともに98%が沈殿した系で0.22mmol/MGyであった。
線照射の場合のU溶出速度は、線量率4.0kGy/hで3.91mmol/MGy、1.9kGy/hで1.7mmol/MGyとすでに求められており、
線照射と
線照射とでその影響が根本的に異なることはないことがわかった。
柴原 孝宏*; 近沢 孝弘*; 菊池 俊明*; 西村 建二*; 森田 泰治; 池田 泰久*
no journal, ,
選択的沈殿能を持つピロリドン化合物を用いた簡易再処理システム開発の一環として、ピロリドン化合物とウラニルイオンの反応によって生成した沈殿の熱分解挙動を、熱天秤及びガスクロマトグラフ型質量分析装置によって調査した。また、その結果に基づき、ウラン-ピロリドン化合物沈殿の燃料化手法について検討を行った。ピロリドン化合物としては、N-シクロヘキシル-2-ピロリドン(NCP),N-n-ブチル-2-ピロリドン(NBP)及びN-n-プロピル-2-ピロリドン(NProP)を試験したが、いずれのU-ピロリドン化合物沈殿においても、まず200C付近でウラン化合物とピロリドン化合物に熱分解した後、さらに高温で酸化・分解・気化することが示唆された。また、ピロリドン化合物の酸化・分解・気化反応が起こる450
C以上に加熱することが、熱処理後に得られるウラン酸化物の不純物濃度低減に有効である一方で、沈殿を200
C付近に保持すれば、ピロリドン化合物の捕集・再利用が可能であることが示唆された。
Kim, S.-Y.; 川田 善尚; 森田 泰治; 池田 泰久*; 西村 建二*
no journal, ,
ピロリドン誘導体を用いた沈殿法による高速炉燃料の高度化再処理システムを開発している。これまでの試験でU(VI)を硝酸溶液から沈殿させるN-シクロヘキシルピロリドン(NCP)を用い、選択的U沈殿工程及びU-Pu共沈工程の2工程からなるプロセスを開発した。さらに、現在はプロセスをより選択的に、より経済的にするため、他のピロリドン誘導体によるU及びPuの沈殿挙動について研究している。本研究では、NCPより低疎水性で選択的U沈殿工程の適用が期待されるN-n-ブチルピロリドン(NBP),N-プロピルピロリドン(NProP)及びN-iso-ブチルピロリドン(NiBP)を用いてPuの沈殿挙動を調べた。Pu(IV)あるいはPu(VI)の単独溶液及びU(VI)-Pu(IV)共存溶液による試験の結果、これらの沈殿剤は、NCPと比べて、Puを沈殿させにくく、U(VI)をより選択的に沈殿させることがわかった。この結果より、これらの沈殿剤の利用は、選択的U沈殿工程の効率化に有効なことがわかった。
鷹尾 康一朗*; 野田 恭子*; 野上 雅伸*; 杉山 雄一*; 原田 雅幸*; 池田 泰久*; 森田 泰治; 西村 建二*
no journal, ,
ピロリドン誘導体を用いた沈殿法による高速炉燃料の高度化再処理システムを開発している。最適沈殿剤の選択に資することを目的として、11種のピロリドン誘導体が配位した硝酸ウラニル錯体の単結晶X線構造解析を行い、これらの硝酸ウラニル錯体の分子及び結晶構造を明らかにした。それらの比較により、一連のピロリドン誘導体のUOに対する沈殿剤としての性能評価について、結晶学的観点から考察を行った。その結果、N-iso-butyl-2-pyrrolidoneを有する錯体が、結晶中で最も効率的なパッキングを形成することを明らかにした。
鷹尾 康一朗*; 野田 恭子*; 野上 雅伸*; 杉山 雄一*; 原田 雅幸*; 池田 泰久*; 森田 泰治; 西村 建二*
no journal, ,
ピロリドン誘導体を用いた沈殿法による高速炉燃料の高度化再処理システムを開発している。以前の研究でN-シクロ-2-ヘキシルピロリドン(NCP)を用い、選択的U沈殿工程及びU-Pu共沈工程の2工程からなるプロセスを開発した。本研究では、U及びPuを共沈させる第2沈殿工程の効率化を目指して検討している新規高疎水性沈殿剤の候補として選定されたN-ネオペンチル-2-ピロリドン(NNpP), N-(1,2-ジメチル)プロピル-2-ピロリドン(NDMProP)について、詳細なU(VI)沈殿試験及び模擬FP元素を用いた除染試験を行った。試験の結果、これら沈殿剤のU(VI)に対する沈殿能の序列はNCPNNpP
NDMProPであった。また、NCP, NNpP, NDMProPによるU(VI)沈殿における模擬FP元素の除染係数(DF)を測定した結果、いずれの沈殿剤を用いた場合でもZr(IV), Mo(VI)を除いてDF
100が達成されており、NNpP, NDMProPを用いることでNCPと同等もしくはそれ以上の除染性を実現可能であることを確認した。
野上 雅伸*; 野田 恭子*; 鷹尾 康一朗*; 杉山 雄一*; 原田 雅幸*; 池田 泰久*; 川田 善尚; 森田 泰治; 西村 建二*
no journal, ,
ピロリドン誘導体を用いた沈殿法による高速炉燃料の高度化再処理システムを開発している。本研究では、Uを選択的に沈殿させる第1沈殿工程用沈殿剤候補の低疎水性沈殿剤であるN-n-プロピル-2-ピロリドン(NProP),N-n-ブチル-2-ピロリドン(NBP)及びN-イソブチル-2-ピロリドン(NiBP),U及びPuを共沈させる第2沈殿工程用沈殿剤候補の高疎水性沈殿剤N-ネオペンチル-2-ピロリドン(NNpP)及びN-(1,2-ジメチル)プロピル-2-ピロリドン(NDMProP)について、線照射試験及び加熱試験を行い、その耐久性を検討した。試験の結果、3種の低疎水性沈殿剤が何れも同等かつ十分な耐
線性を有することがわかった。高疎水性沈殿剤も十分な耐
線性を有したが、低疎水性沈殿剤よりは高線量において沈殿率の低下が大きかった。高疎水性沈殿剤の耐
線性はNDMProP
NNpP
NCPの順に高いと評価した。耐熱性試験では、50
C,3日間の加熱では沈殿率に顕著な低下は見られなかった。
野上 雅伸*; 鷹尾 康一朗*; 杉山 雄一*; 野田 恭子*; 原田 雅幸*; 池田 泰久*; 森田 泰治; 西村 建二*
no journal, ,
FBR燃料再処理を目的として、ピロリドン誘導体(NRP)によるU(VI)の沈殿を基本とした二つの沈殿主工程から成る簡易再処理システムの開発を行っている。第1沈殿工程はU(VI)のみを沈殿させる工程であるが、沈殿条件によってはPu(IV)が共沈するとの知見が得られている。このPu(IV)共沈を抑制する手法の一つとして、マスキング剤添加法を検討した。Pu(IV)の模擬としてU(IV)を用い、マスキング剤存在下におけるU(IV)の沈殿生成挙動について検討したところ、アセトヒドロキサム酸がU(IV)沈殿生成の抑制に効果的であることが明らかとなった。