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論文

In silico method to predict functional similarity between two RecA orthologs

Sghaier, H.*; 佐藤 勝也; 鳴海 一成

Journal of Biomolecular Screening, 16(4), p.457 - 459, 2011/04

 被引用回数:1 パーセンタイル:5.89(Biochemical Research Methods)

RecA is a highly conserved bacterial protein that plays crucial roles in many cellular processes, and hence is a potential target in the chemotherapy of bacterial infections. An understanding of the functional similarity between RecA proteins from different bacterial species should yield further insights into the biochemistry of RecA protein, along with the potential for new approaches to facilitate the improvement of RecA-targeted drugs. In this technical note, we present an in silico method based on tri-oligonucleotide usage correlations (TOUC) to predict the functional similarity between two RecA orthologs. The TOUC values analyzed in this study are in good agreement with the available experimental results. Our method should prove useful in guiding future experimental efforts aimed at furthering our understanding of the biochemistry of RecA proteins and subsequent development of new drugs that modulate RecA biological activities in bacteria.

論文

Assessing the role of RecA protein in the radioresistant bacterium ${it Deinococcus geothermalis}$

Sghaier, H.*; 佐藤 勝也; 大庭 寛史*; 鳴海 一成

African Journal of Biochemistry Research, 4(4), p.111 - 118, 2010/04

The moderately thermophilic bacterium ${it Deinococcus geothermalis}$ exhibits extraordinary resistance to ionizing radiation. RecA protein is considered to be one of the most important participants in radioresistance. To assess the role of the RecA protein in ${it D. geothermalis}$, the ${it recA}$ gene was isolated from ${it D. geothermalis}$ and overexpressed in Escherichia coli. After the ${it D. geothermalis}$ RecA protein (GeoRecA) was purified, the recombination activity was investigated ${it in vitro}$. GeoRecA most efficiently promoted the strand exchange reaction between homologous linear double-stranded DNA and circular single-stranded DNA substrates at 50$$^{circ}$$C. Like ${it D. radiodurans}$ RecA protein (DraRecA), GeoRecA could promote DNA strand exchange reaction ${it via}$ normal and inverse pathways. Furthermore, GeoRecA complemented the RecA deficiency of ${it D. radiodurans}$. These results indicate that GeoRecA is a functional homologue of DraRecA and plays an important role in radioresistance. However, unlike DraRecA, GeoRecA could not complement the RecA deficiency of ${it E. coli}$, suggesting that GeoRecA require more strict intracellular conditions than DraRecA does to fulfill its function.

論文

Identification of PprM; A Modulator of the PprI-dependent DNA damage response in ${it Deinococcus radiodurans}$

大庭 寛史; 佐藤 勝也; Sghaier, H.; 柳沢 忠*; 鳴海 一成

Extremophiles, 13(3), p.471 - 479, 2009/05

 被引用回数:20 パーセンタイル:40.36(Biochemistry & Molecular Biology)

デイノコッカス・ラジオデュランスは、PprIが中心的な役割を果たすDNA損傷応答機構を持っており、RecAやPprAの発現を誘導している。このDNA損傷応答機構の特質をさらに明らかにするために、PprI依存性情報伝達経路の新たな因子の同定を試みた結果、コールドショックタンパク質(Csp)と相同性を持つ新たな制御タンパク質を発見し、このタンパク質をPprMと命名した。${it pprM}$遺伝子破壊株は、$$gamma$$線に著しく感受性を示した。PprMタンパク質は、デイノコッカス・ジオサーマリスやサーマス・サーモフィルスのCSPとともに亜群を形成する独特な分岐群に属していた。また、PprMタンパク質の働きによって、PprAの発現は誘導されるが、RecAの発現は誘導されなかった。PprMタンパク質は、大腸菌のCspDの場合と同様に、生理的条件下で2量体を形成していた。${it pprA}$ ${it pprM}$二重遺伝子破壊株は、どちらか一方の遺伝子が欠損した菌株よりも高い放射線感受性を示したことから、PprMタンパク質はPprAタンパク質以外の放射線耐性に重要な未知タンパク質を制御していると考えられた。

論文

Discovery of a novel key protein in the radiation response mechanism of ${it Deinococcus radiodurans}$

大庭 寛史; 佐藤 勝也; 菊地 正博; Sghaier, H.; 柳沢 忠*; 鳴海 一成

JAEA-Review 2008-055, JAEA Takasaki Annual Report 2007, P. 57, 2008/11

放射線抵抗性細菌の放射線応答にかかわる新規調節因子として、PprIタンパク質が同定されている。PprIタンパク質はDNA修復促進タンパク質PprAの発現誘導にかかわっているが、PprIタンパク質が膜タンパク質であることから、PprAタンパク質の発現誘導を直接制御している訳ではないことが示唆された。そこで本研究では、PprIタンパク質による直接的制御を受けて、PprAタンパク質の発現を誘導する新規タンパク質を同定することとした。野生株と${it pprI}$遺伝子破壊株のタンパク質プロファイル解析によって、${it dr0907}$遺伝子が同定された。${it dr0907}$遺伝子破壊株は$$gamma$$線感受性であり、PprAタンパク質の発現誘導の制御が脱抑制されていた。われわれは、PprAタンパク質のモジュレーターの意から、この遺伝子産物をPprMタンパク質と命名した。本研究は、PprMタンパク質がPprAタンパク質の発現誘導制御機構に重要な役割を果たしており、放射線抵抗性細菌のPprIタンパク質に依存した独特な放射線応答機構に関与していることを強く示唆している。

論文

Role of LexA2 in radiation response mechanism of ${it Deinococcus radiodurans}$

佐藤 勝也; 大庭 寛史; Sghaier, H.; 鳴海 一成

JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 92, 2008/03

放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスのLexA2タンパク質の放射線応答機構における役割を明らかにするために、ラジオデュランスの${it lexA1}$, ${it lexA2}$及び${it recA}$遺伝子破壊株を作製し、これらの$$gamma$$線に対する感受性を調べるとともに、照射前後での放射線誘導性DNA修復遺伝子の発現誘導とタンパク質の細胞内量変動を解析した。その結果、${it lexA2}$遺伝子破壊株及び${it lexA1 lexA2}$遺伝子二重破壊株は、野生株や${it lexA1}$遺伝子破壊株よりも$$gamma$$線に対して耐性を示した。${it lexA2}$遺伝子破壊株ではLexA1タンパク質の自己分解が放射線照射後の短時間で停止したことから、DNA損傷で活性化されたRecAタンパク質が速やかに不活性型に変換していると考えられた。また、${it lexA2}$遺伝子破壊株では放射線照射後にDNA修復促進タンパク質であるPprAの機能が野生株以上に高まり、このことが$$gamma$$線耐性の増強の一因であると考えられた。

論文

Problems with the current deinococcal hypothesis; An Alternative theory

Sghaier, H.; 鳴海 一成; 佐藤 勝也; 大庭 寛史; 三友 宏志*

Theory in Biosciences, 126(1), p.43 - 45, 2007/03

 被引用回数:15 パーセンタイル:85.71(Biology)

放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスの進化に関する学説には、放射線耐性と乾燥耐性の相関という共通の特徴がある。現在広まっている仮説は、ラジオデュランスの放射線耐性がこの菌の乾燥適応の結果生じたという乾燥適応仮説である。しかし、最近の計算生物学,実験的研究,地質調査の知見から、乾燥適応仮説の矛盾点が浮かび上がっている。この論文では、ラジオデュランスの乾燥耐性がこの菌の放射線耐性の結果生じたという新仮説(放射線適応仮説)が、乾燥適応仮説と対等に議論されるべきであることを主張する。

論文

${it Deinococcus radiodurans}$ DNA repair-promoting protein; Applications to biotech industry

鳴海 一成; 大庭 寛史; Sghaier, H.; 佐藤 勝也

JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 69, 2007/02

放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスから分離した放射線高感受性変異株の放射線感受性の原因が、放射線誘導性の機能未知遺伝子に起こった点突然変異であることを明らかにした。この遺伝子から作られるPprA蛋白質は、DNA鎖切断部位に結合し、エキソヌクレアーゼから切断末端を保護すると同時に、DNAリガーゼによるDNA再結合修復反応を促進する作用があることを明らかにした。PprA蛋白質によるDNA修復促進作用についての技術移転を行い、高効率DNA修復試薬TA-Blunt Ligation Kitの製品化に成功した。この製品は、従来品に比べて約10倍のDNA再結合効率を持ち、DNA加工技術やDNA診断技術の高度化に有用である。

論文

Down-regulation of radioresistance by LexA2 in ${it Deinococcus radiodurans}$

佐藤 勝也; 大庭 寛史; Sghaier, H.; 鳴海 一成

Microbiology, 152(11), p.3217 - 3226, 2006/11

デイノコッカス・ラジオデュランスは、DNA損傷応答にかかわる蛋白質の発現を制御する因子としてLexA2蛋白質を持っているが、その機能は未解明であった。そこで、DNA損傷応答機構におけるLexA2蛋白質の役割を明らかにするため、${it lexA2}$遺伝子破壊株を作製し、$$gamma$$線に対する感受性及びDNA修復促進蛋白質PprAの発現制御機構への関与について解析を行った。$$gamma$$線に対して、${it lexA2}$遺伝子破壊株は野生株よりも高い抵抗性を示したことから、LexA2蛋白質によってDNA修復蛋白質の発現が抑制されていると考えられた。さらに、${it pprA}$遺伝子の発現に必要であるプロモーターの活性化変動を解析した。その結果、${it lexA2}$遺伝子破壊株では野生株よりも高いプロモーター活性を示したことから、${it lexA2}$遺伝子破壊株が持つ高い$$gamma$$線抵抗性の一端は、${it pprA}$遺伝子プロモーター活性化の増強によることを明らかにした。

論文

Characterization of a monofunctional catalase KatA from radioresistant bacterium ${it Deinococcus radiodurans}$

小林 一聖*; 田村 隆*; Sghaier, H.; 鳴海 一成; 山口 庄太郎*; 梅田 幸一*; 稲垣 賢二*

Journal of Bioscience and Bioengineering, 101(4), p.315 - 321, 2006/04

 被引用回数:36 パーセンタイル:65.35(Biotechnology & Applied Microbiology)

カタラーゼは、活性酸素種から細胞を防御するのに重要な役割を果たしている。この論文では、放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスのカタラーゼKatAの遺伝子クローニング,タンパク質の精製及び機能解析について報告する。KatAタンパク質単量体の分子量は65kDaであり、ゲルろ過でのサイズは240kDaであることから、KatAは溶液中でホモ4量体として存在することが示唆された。精製したKatAタンパク質の活性は、1mg当たり68,800ユニットであった。KatAの活性は、アジ化ナトリウム,シアン化ナトリウム,3-amino-1, 2, 4-triazoleによって阻害された。また、吸収スペクトルは、408nmにソレー帯を示したが、このスペクトルピークは、亜ジチオン酸塩によるKatAの還元反応によって影響を受けなかった。さらに、ペルオキシダーゼ活性は認められなかった。これらの結果は、デイノコッカス・ラジオデュランスのKatAタンパク質が典型的な単機能性のヘム含有カタラーゼであることを示している。過酸化水素ストレスに対するKatAタンパク質の安定性は、市販されているコウジカビとウシ肝臓由来カタラーゼよりも優れていた。細胞中のカタラーゼ含量が比較的豊富なことと、カタラーゼが過酸化水素に耐性を持つという性質が、ラジオデュランスの酸化損傷に対する生存戦略に役割を果たしていると考えられた。

論文

Genomic confession of ${it Deinococcus radiodurans}$; It started out as a radiation resistant organism

Sghaier, H.; 三友 宏志*; 鳴海 一成

Viva Origino, 33(4), p.243 - 257, 2005/12

放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスのDNA修復能欠損株の解析及び野生株の遺伝子発現プロファイルの解析から、放射線耐性と乾燥耐性という形質の相関性が明らかにされている。また、電離放射線耐性獲得の地球環境要因が不明のため、放射線抵抗性細菌の放射線耐性は、乾燥耐性を獲得した際の副次的な効果であると示唆されている。われわれは、デイノコッカス・ラジオデュランスのゲノム情報配列解析結果を階層化し、上記の仮説の妥当性を評価した。解析結果をもとに、放射線耐性の乾燥耐性起源説とは別に、われわれは、放射線耐性は初期地球環境の回復力を生体分子が反映したものであり、一方、乾燥耐性は始世代に陸地で生物細胞が繁殖した証であるという調和モデルを提唱する。

口頭

放射線抵抗性細菌由来DNA修復促進タンパク質の機能欠損変異体の解析

鳴海 一成; 大庭 寛史*; Sghaier, H.*; Van Long, N.*; 佐藤 勝也*

no journal, , 

放射線抵抗性細菌由来のタンパク質PprAは、${it in vitro}$で、DNA切断末端に結合し、エキソヌクレアーゼからDNA末端を保護すると同時に、ATP依存性並びにNAD依存性DNAリガーゼによるDNA末端結合反応を促進する活性を有しており、DNA修復促進タンパク質として、放射線抵抗性細菌に独特なDNA末端結合修復機構において重要な役割を担っていると考えられている。今回、PprAタンパク質のDNA結合活性に必要な領域を明らかにする目的で、変異型${it pprA}$遺伝子を発現している大腸菌BL21(DE3)株のコロニーの生育が、野生型${it pprA}$遺伝子を発現している形質転換体よりも早いことを利用して、ランダム変異導入によるPprAタンパク質の機能欠損変異体の選抜を試みた。現在までに、Error-prone PCR法で9種類、ヒドロキシルアミン処理で2種類のアミノ酸置換変異体を選抜した。選抜した変異体のアミノ酸置換のほとんどは、133番目から210番目までのアミノ酸配列中に存在しており、この領域がPprAタンパク質のDNA結合能に重要な役割を果たしていると考えられた。

口頭

なぜデイノコッカス属細菌は小型プラスミドを持っているのか?; DNA塩基配列比較による遺伝子機能類推解析

Sghaier, H.*; 大庭 寛史*; 佐藤 勝也*; 鳴海 一成

no journal, , 

放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスの染色体と巨大プラスミドが、放射線などによって生じるDNA損傷に対する耐性を付与していることが示されている。しかしながら、微生物の環境耐性形質は、小型のプラスミドによっても規定される場合が多く、デイノコッカス属細菌が、染色体と巨大プラスミド以外に小型のプラスミドを細胞内に保有している理由に興味が持たれる。今回、デイノコッカス属細菌の小型プラスミド、デイノコッカス・グランディス由来pGRA1,デイノコッカス・ラジオプクナンス由来pUE30,デイノコッカス・ジオサーマリス由来pGEC1のDNA塩基配列を決定し、また、既にDNA塩基配列が決定されているデイノコッカス・ラジオデュランスBAA-816株由来のpCP1及びデイノコッカス・ラジオデュランスSark株由来のpUE10の塩基配列をも加えて、これらのプラスミドに存在する遺伝子群の機能を類推した。さらに、上記の解析をもとに、放射線抵抗性細菌の遺伝子操作を容易にするため、ベクター化に最適なプラスミドを提案する。

口頭

DNA damage in radiation-resistant prokaryotes from evolutionary perspectives

Sghaier, H.; 大庭 寛史; 佐藤 勝也; 三友 宏志*; 鳴海 一成

no journal, , 

地球進化の間に、放射線照射,高温,乾燥、あるいは活性酸素種から、放射線抵抗性原核生物のDNAが常に受けてきた損傷の順番は、環境とゲノムの進化的関係をよりよく理解するために重要な研究対象である。この研究では、${it Deinococcus radiodurans}$${it Pyrococcus furiosus}$のゲノムを放射線抵抗性原核生物のモデルとして、DNAが受けた進化的受難の道程を評価した。われわれの解析によって、(1) オープン・リーディング・フレームの統計学的類似性解析から、放射線耐性は初期地球環境の復元力を分子的に反映したものであり、一方、乾燥耐性は始生代に生育した細胞の特徴であること,(2)オリゴヌクレオチド頻度解析などの新しい方法を用いた解析から、${it Deinococcus radiodurans}$${it Pyrococcus furiosus}$の共通祖先型細菌は、少なくとも一度、同じあるいは同類の古生物から遺伝子を獲得することで、電離放射線による環境圧力に適応したことが示唆された。以上のことから、進化的視点から見て、放射線抵抗性原核生物のDNA損傷をうまく説明するモデルを提唱する。

口頭

Radiation response mechanism of the radioresistant bacterium ${it Deinococcus radiodurans}$; A Novel key protein "PprM"

大庭 寛史; Sghaier, H.; 佐藤 勝也; 柳沢 忠*; 鳴海 一成

no journal, , 

デイノコッカス・ラジオデュランスの放射線応答メカニズムの解明が重要であるにもかかわらず、放射線応答メカニズムの上位制御因子であるPprIタンパク質の詳細な機能についてはほとんどわかっていない。そこで、prIタンパク質の機能解析を試みた。ウエスタンブロットとゲルシフトアッセイによりPprIは直接的に${it pprA}$${it recA}$の発現を制御していないことが示唆された。そして、2D-PAGEによりPprMタンパク質を新たに見つけた。${it pprM}$遺伝子破壊株は$$gamma$$線に対して高感受性であることがわかった。また、ウエスタンブロットによってPprMはRecAとPprAの発現を制御していることが明らかになり、さらに、${it pprA}$の発現をプロモーターレベルで制御していることを明らかにした。これらの結果はPprMはデイノコッカス・ラジオデュランスのPprIによって制御されている放射線応答メカニズムに関与しているといえる。

口頭

${it Deinococcus radiodurans}$ DNA repair-promoting protein; Applications to biotech industry

鳴海 一成; 大庭 寛史; Sghaier, H.; 佐藤 勝也

no journal, , 

放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスの著しく高いDNA修復能力の原因となっている遺伝子を同定し、遺伝子から作られるタンパク質PprAの生化学的性質を調べた。その結果、PprAタンパク質は、DNA鎖切断を認識して結合することで、放射線照射などで生じたDNA損傷の修復を高効率で促進することがわかった。DNAクローニング技術に頻繁に使用されているDNAリガーゼとPprAタンパク質とを組合せることで、新しいバイオ研究試薬の技術移転に成功し、ニッポンジーンから高効率のDNA修復試薬"TA-Blunt Ligation Kit"が発売された。この試薬は、今後、遺伝子診断や新薬開発など生命科学分野における幅広い使用が見込まれる。

口頭

A Novel key protein "PprM" in the radiation response mechanism of ${it Deinococcus radiodurans}$

大庭 寛史; Sghaier, H.; 佐藤 勝也; 鳴海 一成

no journal, , 

放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスのDNA修復促進タンパク質PprAの放射線照射後における遺伝子発現誘導にかかわる因子としてPprIタンパク質を同定した。しかしながら、PprIタンパク質は${it pprA}$遺伝子プロモーターには直接結合しないことから、PprI以外に放射線誘導性のDNA修復遺伝子の発現調節にかかわる因子があると考えられた。そこで、野生株と${it pprI}$遺伝子破壊株のタンパク質のプロファイルを2次元電気泳動解析により比較したところ、${it pprI}$遺伝子破壊株のみで発現するタンパク質を見いだした。PprMと命名したこのタンパク質の性質を調べた結果、pprMタンパク質が${it pprA}$遺伝子の発現を転写レベルで制御していることがわかった。これらの結果から、PprMタンパク質は、PprIタンパク質に調節されるデイノコッカス・ラジオデュランスの放射線応答機構に関与していることが明らかになった。

口頭

RecA of ${it Deinococcus geothermalis}$ provides insights into ancestral recombinational DNA repair

Sghaier, H.; 大庭 寛史; 佐藤 勝也; 三友 宏志*; 鳴海 一成

no journal, , 

DNA組換え修復機構は、3.8億年前に既に微生物が獲得していた機構である。また、放射線抵抗性好熱菌は原始的細胞体であり、放射線抵抗性は主要な遺伝子プールから特定の細胞体が獲得した形質であると考えられる。したがって、放射線抵抗性で中等度好熱性であるデイノコッカス・ジオサーマリスのDNA修復に関係する組換えタンパク質RecAを解析することによって、生物のDNA修復の起源とその進化についての研究を行うことができる。そこで、デイノコッカス・ジオサーマリスからクローニングした${it recA}$遺伝子を大腸菌で発現させ、その性質を遺伝学的,生化学的及び生物情報学的解析方法で調べた。その結果、RecAタンパク質とDNAの結合は、DNA配列には依存せずDNA構造に強く依存すること及び実験条件でその結合性が著しく変化することがわかった。また、真正細菌におけるRecAタンパク質の構造と機能の進化について考察した。

口頭

放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスの放射線応答機構に関与する新規制御タンパク質"PprM"

大庭 寛史; 佐藤 勝也; Sghaier, H.; 鳴海 一成

no journal, , 

放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスのDNA修復促進タンパク質PprAの放射線照射後における遺伝子発現誘導にかかわる因子としてPprIタンパク質を同定したが、PprIタンパク質は${it pprA}$遺伝子プロモーターに直接的に結合しないことから、PprIタンパク質と${it pprA}$遺伝子プロモーターとの間には未知のタンパク質が介在している可能性が示唆された。そこで、${it pprI}$遺伝子を破壊し、野生株とのタンパク質のプロファイルを比較したところ、${it pprI}$遺伝子破壊株に特異的に高発現するタンパク質を同定し、PprMと名付けた。そこで、${it pprM}$遺伝子を破壊したところ(XCSP1株)、XCSP1株は$$gamma$$線に対して高感受性であることを明らかにした。また、XCSP1株ではPprAタンパク質の誘導が正常に起きず、PprMタンパク質は${it pprA}$遺伝子の発現をプロモーターレベルで制御していることを明らかにした。

口頭

新規DNA修復促進タンパク質のバイオ産業への応用

鳴海 一成; 大庭 寛史; 佐藤 勝也; Sghaier, H.

no journal, , 

デイノコッカス・ラジオデュランスは、地球環境のいたるところに生息する非病原性の真正細菌であり、放射線に対して著しく高い耐性を持つことが特徴である。この細菌は放射線で起こるDNA損傷を修復する能力に優れていることがわかっていたが、その機構については明らかにされていなかった。われわれは、ラジオデュランスの放射線耐性に重要な遺伝子を同定し、${it pprA}$遺伝子と命名した。この遺伝子が作るPprAタンパク質の性質を生化学的に調べた結果、このタンパク質は放射線照射で生じるDNAの鎖切断に結合することで、高効率にDNA修復を促進することが明らかになった。2005年11月に、このタンパク質の機能を利用した新しいバイオ試薬"TA-Blunt Ligation Kit"が発売された。このキットは、結合反応が難しいとされる平滑末端を持つDNA断片及びPCR産物の結合に特化した製品であり、結合効率が従来品の約10倍である。このキットは、遺伝子診断や新薬開発などを含む遺伝子工学分野での幅広い利用が今後期待されている。

口頭

放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスにおける放射線応答タンパク質LexA2の役割

佐藤 勝也; 大庭 寛史; Sghaier, H.; 鳴海 一成

no journal, , 

放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスのLexA2タンパク質の放射線応答機構における役割を明らかにするために、ラジオデュランスの${it lexA1}$, ${it lexA2}$及び${it recA}$遺伝子破壊株を作製し、これらの$$gamma$$線に対する感受性を調べるとともに、照射前後での放射線誘導性DNA修復遺伝子の発現誘導とタンパク質の細胞内量変動を解析した。その結果、${it lexA2}$遺伝子破壊株及び${it lexA1 lexA2}$遺伝子二重破壊株は、野生株や${it lexA1}$遺伝子破壊株よりも$$gamma$$線に対して耐性を示した。${it lexA2}$遺伝子破壊株ではLexA1タンパク質の自己分解が放射線照射後の短時間で停止したことから、DNA損傷で活性化されたRecAタンパク質が速やかに不活性型に変換していると考えられた。また、${it lexA2}$遺伝子破壊株では放射線照射後にDNA修復促進タンパク質であるPprAの機能が野生株以上に高まり、このことが$$gamma$$線耐性の増強の一因であると考えられた。

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