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Wach, R. A.; 杉本 雅樹; 吉川 正人
JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 144, 2007/02
耐蝕性,耐熱性に優れたSiCセラミック薄膜を、ポリカルボシラン(PCS)にポリビニルシラン(PVS)を20mass%混合した混合高分子材料を出発物質とし、多孔質アルミナ基板上に作製した。その結果、PVSの混合により塑性が増大して成膜性が向上すること、また電子線照射により薄膜中の酸素濃度が増大することがわかった。この混合高分子材料から合成されたSiC薄膜の室温での水素透過率は10 mol/(sec
m
Pa)台、分離比は10以上を示し、原子ネットワークが形成するナノホールによる分子ふるいで水素が分離されていることが確認できた。
Wach, R. A.; 杉本 雅樹; 吉川 正人
Journal of the American Ceramic Society, 90(1), p.275 - 278, 2007/01
被引用回数:35 パーセンタイル:82.04(Materials Science, Ceramics)2種類のケイ素高分子材料の混合材料から合成されたSiCセラミック薄膜を積層して水素分離膜を形成し、その表面や断面の形態、並びにガス分離能を調べた。その結果、混合高分子材料を用いるとSiCセラミック薄膜の表面平坦性が向上した。また薄膜の積層により形成された界面は多数回の焼成で消失することがわかった。一方、ガス分離能については、SiCセラミック薄膜を2回積層した場合には、ピンホールを有するSiCセラミック薄膜が示す理論的な水素/窒素の分離比3.73と同等の値を示したが、4回積層した場合には温度上昇に伴って水素/窒素の分離比が増大する分子ふるい効果が現れ、その値が250Cにおいて約100を示した。これにより、ケイ素高分子材料から合成されるSiCセラミック薄膜の積層技術が、高温で使用可能な水素分離膜を作製する技術として有効であることが確かめられた。
Wach, R.; 杉本 雅樹; 吉川 正人
Key Engineering Materials, 317-318, p.573 - 576, 2006/08
ケイ素高分子から合成されるSiCセラミックスは、アモルファス構造を有することから水素等のガス選択透過性が予想される。また、SiCは耐熱・耐蝕性に優れていることから、高温水素分離フィルター等への応用が期待できる。本講演ではSiCセラミックスの前駆体であるケイ素系高分子を溶媒に溶かして、アルミナセラミック基板上に成膜し、電子線により酸化架橋した後、不活性ガス中で1000Cまで焼成してセラミックに転換することにより、SiCコーティングの合成を試みた。ケイ素系高分子は焼成に伴い収縮するが、膜厚を500
m以下に制御することで、クラックの生成を抑制することが可能であること,コーティング膜に生成するピンホールはアルミナ基板の平滑性に依存していることを明らかにした。
Wach, R.; 杉本 雅樹; Lam, N. D.; 吉川 正人
Proceedings of 8th SPSJ International Polymer Conference (IPC 2005) (CD-ROM), 60 Pages, 2005/07
ケイ素高分子から合成されるSiCセラミックスは、耐熱・耐蝕性に優れた材料である。本研究では、SiCセラミックスの出発物質であるケイ素系高分子として、ポリカルボシラン(PCS)及び、PCSとポリビニルシラン(PVS)のポリマーブレンドをアルミナ基板上に塗布してから、電子線により酸化架橋した後、不活性ガス中で焼成してセラミックに転換することでSiCコーティングの合成に成功した。また、PVSを10wt%ブレンドしたポリマーブレンドが高いセラミック化収率を示し、セラミック転換時の収縮による欠陥生成を抑制することに効果的であることを見いだした。得られたSiCコーティングについて高温で水素を透過することができれば、高温水素分離フィルターとしての応用が期待できる。
Wach, R. A.*; 三友 宏志*; 吉井 文男; 久米 民和
Macromolecular Materials and Engineering, 287(4), p.285 - 295, 2002/04
被引用回数:58 パーセンタイル:85.14(Materials Science, Multidisciplinary)ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)が20%以上のペースト状態の照射により橋かけ反応を起こした。橋かけHPCは吸水しハイドロゲルとなった。得られたハイドロゲルは温度応答性を示し、35~40Cで著しい体積収縮が起き、温度降下により元の体積に戻る可逆的変化を示した。ゲル強度は線量とともに増大した。このハイドロゲルは、50kGy照射により10kGy照射の3倍大きい強度が得られた。乾燥後のゲルについても照射により著しく強度が増加した。これらの結果から、ペースト状橋かけが機械的強度の向上に有効であることがわかった。また、HPCは酵素分解の結果から、橋かけ後も生分解性を有していた。
Wach, R. A.*; 三友 宏志*; 吉井 文男; 久米 民和
Journal of Applied Polymer Science, 81(12), p.3030 - 3037, 2001/09
被引用回数:119 パーセンタイル:95.36(Polymer Science)カルボキシメチルセルロース(CMC)が水とのペースト状照射で橋かけすることを見いだした。本稿では種々の条件下で照射した場合の橋かけ挙動について述べる。(1)置換度が高いほど橋かけしやすい。(2)ペースト状照射では、50~60%の高濃度ほど橋かけしやすく95%のゲル分率が得られる。(3)含水量は最高で1グラムの乾燥ゲルが800gの水を吸収する。(4)塩濃度が増すと吸収率は低下し、1グラムのドライゲルが約100gの水を吸収する。これは市販のアクリル酸ソーダの吸水性の値よりも大きい。(5)置換度が高いほど橋かけしやすいことから、橋かけ点にカルボキシメチル基が寄与していると推定できる。
Fei, B.*; Wach, R. A.*; 三友 宏志*; 吉井 文男; 久米 民和
Journal of Applied Polymer Science, 78(2), p.278 - 283, 2000/10
被引用回数:192 パーセンタイル:98.21(Polymer Science)生分解性ポリマーの放射線改質の一環として、セルロース誘導体のカルボキシメチルセルロース(CMC)の放射線橋かけについて研究した結果、以下の事実が明らかとなった。(1)固体状及び5%以下の水溶液では分解が起こる。(2)10%以上のペースト状の高濃度になると橋かけが明瞭に観察される。(3)橋かけには置換度に大きく依存し、置換度が高いほど橋かけしやすい。(4)置換度が2.2であると、60%濃度のペーストをつくることができ、最も橋かけしやすい。(5)橋かけCMCは吸水し、ハイドロゲルとなる。強固な形状を保持したままの吸水量は乾燥ゲル1gに対し、水300gである。
Wach, R. A.*; 三友 宏志*; 吉井 文男; 久米 民和
IAEA-SM-365, p.174 - 175, 2000/00
放射線分解型のセルロースに橋かけ構造を導入するため、その誘導体のカルボキシメチルセルロース(CMC)を水とよく練りペースト(グリース)状で照射し、橋かけが起こることを見いだした。照射は希薄水溶液、固体及び高濃度のペースト状で行った。固体及び5%以下の水溶液では、分解が優先した。10%以上のペースト状で照射すると水に不溶のゲルが観察され、橋かけが起きた。橋かけはカルボキシメチルグループの置換度(DS)とペーストの濃度に依存した。DSが2.2のCMCは、60%の高濃度でペーストをつくり、5kGyで80%のゲルが生成した。コンボスト化試験による橋かけCMCの生分解性は、未照射CMCよりも分解しやすかった。このほかにヒドロキシエチルセルロースとヒドロキシプロピルセルロースも同じ手法により橋かけが起こることを見いだしたので述べる。
杉本 雅樹; Wach, R. A.; 吉川 正人
no journal, ,
ケイ素高分子を繊維化し、融点以上に加熱しても繊維形状が保たれるよう処理(不融化)した後、不活性ガス中1000C以上で熱処理してセラミックスに転換(焼成)すると、高強度で高耐熱性の炭化ケイ素(SiC)繊維を製造することができる。日本原子力研究開発機構では、この不融化処理に電子線による橋架け処理を用いることにより、耐熱性を1700
Cまで高めることに成功した。こうして実用化された超耐熱SiC繊維はセラミック複合材の強化繊維に応用され、高温ガスタービンなどの開発が進められつつある。これまでの研究から、ケイ素高分子から合成されるSiCセラミックスの非晶質領域には、水素ガスを選択的に透過させる性質のあることがわかっている。したがって、浄水器で用いられているような中空糸をSiC繊維で実現できれば、大きな表面積を活かした高効率水素分離フィルターの実現が期待できる。本報告では、電子線の照射効果を用いて繊維化したケイ素高分子を中空化する技術を紹介するとともに、得られたSiCマイクロチューブ壁厚の制御方法について解説し、水素分離フィルターに用いるSiCマイクロチューブの開発状況について解説する。
杉本 雅樹; Piroonpan, T.; Wach, R. A.; 吉川 正人
no journal, ,
耐熱・耐蝕性に優れた炭化ケイ素(SiC)マイクロチューブは、前駆体高分子材料を繊維化し、電子線照射で表面のみ酸化して架橋させ、未架橋の繊維内部を溶媒で抽出後に焼成してセラミックスに転換する手法で合成できる。この溶媒抽出の際に、前駆体高分子材料であるポリカルボシランが膨潤して中空形状が変形し強度低下の原因となっている。そこで、電子線酸化時の線量率,温度,酸素分圧と、照射後の熱処理温度によりチューブの厚さと架橋度を制御し、最適な合成条件を探索した。その結果、壁厚と繊維直径の比が、0.32以上では穴が小さすぎて抽出不能であり、0.18以下では強度不足となりチューブ形状の保持が困難であることから、0.180.32がチューブの合成に適していることが明らかになった。
Wach, R. A.; 杉本 雅樹; 高野 勝昌; 山本 春也; 吉川 正人
no journal, ,
耐蝕性,耐熱性に優れたSiCセラミック薄膜を、ポリカルボシラン(PCS)にポリビニルシラン(PVS)を20mass%混合した混合高分子材料を出発物質として、多孔質アルミナ基板上に作製した後、そのガス透過性を調べた。その結果PVSの混合により塑性が増大し成膜性が向上すること、また電子線により酸化されやすくなるため薄膜中の酸素濃度が増大することが明らかになった。この混合高分子材料から合成されたSiC薄膜の室温での水素透過率は10mol/(sec
m
Pa)台、分離比は10以上を示しており、原子ネットワークが形成するナノホールによる分子ふるいで水素が分離されていることが確認できた。
杉本 雅樹; 高野 勝昌; Wach, R. A.; 吉川 正人
no journal, ,
耐久性,耐熱性の高いSiC薄膜は、金属,ガラス,セラミックの表面保護被覆膜としてだけでなく、水素製造過程におけるガス分離に利用可能である。そこで本研究では、セラミック前駆体であるケイ素系高分子を薄膜化し、電子線で架橋後に焼成してセラミック化することでSiC薄膜を合成し、その評価を行った。ガス透過性測定において、水素/窒素分離比は10以上を示しており、分子ふるい機構によるガス選択分離性を有することが確認できた。またラザフォード後方散乱、及び走査電子顕微鏡により組成,膜厚及び表面構造を調べた結果、SiC層と基材はよく密着しており、その組成はケイ素高分子繊維を電子線で酸化した場合に比べ、20%以上酸素を多く含むことが明らかになった。
出崎 亮; Wach, R. A.; 杉本 雅樹; 吉川 正人
no journal, ,
われわれはこれまでにポリカルボシラン(PCS)にポリビニルシラン(PVS)をブレンドしたPCS-PVSポリマーブレンドを出発物質として炭化ケイ素(SiC)成型体である平均繊維径5mのSiC繊維やガス分離膜用SiCコーティング等を開発してきた。ケイ素系ポリマーからSiC成型体を合成するプロセスの1つとして、ポリマーの成型
放射線酸化不融化
焼成があるが、われわれはこれまでにPCS-PVSポリマーブレンドを出発物質として用いると、PCSのみの場合と比較して約50%の線量で酸化不融化できることを新たに見いだしている。そこで今回は、この放射線酸化不融化機構の解明を目的とし、放射線照射によるPCS-PVSポリマーブレンドのラジカル挙動について調べた。その結果、PVSのブレンドは照射によるラジカル生成挙動には影響を及ぼさないこと,室温空気中での照射においては、PVSのブレンドがラジカルの消滅を促進することがわかった。
出崎 亮; Wach, R. A.; 杉本 雅樹; 吉川 正人
no journal, ,
われわれはこれまでに、ポリカルボシラン(PCS)とポリビニルシラン(PVS)からなるケイ素系ポリマーブレンドから放射線酸化不融化を利用して壁厚が5ミクロンのSiCマイクロチューブや、水素/窒素の分離比が12/1のSiC水素分離膜を開発してきた。これまでの研究から、PCS-PVSポリマーブレンドの放射線酸化不融化は、PCSのみの場合と比較して、低線量で達成できることが実験的にわかっている。本研究では、PCS-PVSポリマーブレンドの放射線酸化メカニズムをガス分析,赤外分光分析等により調べ、PVSのブレンド効果について検討した。その結果、PCS-PVSポリマーブレンドは放射線酸化によりSi-O-Si及びSi-O-Cの架橋構造を形成し、また、PVSをブレンドすることによって架橋効率が高くなり、PCSのみの場合と比較して、ゲル化に必要な線量を1/10以下にまで低減できることを明らかにした。
杉本 雅樹; Wach, R. A.; 吉川 正人
no journal, ,
耐熱・耐蝕性に優れた炭化ケイ素(SiC)のマイクロチューブをケイ素高分子から合成する新技術について講演する。具体的には、ケイ素高分子を繊維化し電子線照射で表面のみ酸化して架橋させ、未架橋の繊維内部を溶媒で抽出することで中空構造を形成し、その後不活性ガス中で熱処理してセラミックに転換する手法について発表し、詳細な議論を行う。得られたSiCマイクロチューブは、約20cm程度の長さで、電子線照射条件によりその壁厚を220
mの範囲で制御している。1000
Cを超える耐熱性と耐蝕性を有し、アモルファス構造を利用したガス選択分離性の付与が可能であることから、比表面積の大きな高効率フィルターや吸着材等への応用が期待できる。
Wach, R. A.; 杉本 雅樹; 吉川 正人
no journal, ,
ケイ素高分子から合成されるSiC薄膜は、高温で使用可能な水素分離フィルター等への応用が期待されている。ケイ素高分子を多孔質アルミナ基板上に塗膜し、電子線で不融化後に不活性ガス中で焼成してセラミックに転換するSiC薄膜製造法の開発を進めている。本講演では、ポリカルボシラン(PCS)及びポリビニルシラン(PVS)の2種類のケイ素高分子材料及びそれらの混合高分子材料の焼成転換後のセラミック収率や表面形態への影響等の結果を述べるとともに、水素及び窒素の透過性を調べ、そのガス分離能について報告する。