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森山 潤一郎*; 高桑 脩*; 山口 正剛; 小川 祐平*; 津崎 兼彰*
Computational Materials Science, 232, p.112650_1 - 112650_11, 2024/01
本研究ではいくつかの実用Fe-Cr-Ni基オーステナイト合金において、強度-延性バランスを改善する水素の影響に着目している。面心立方構造を持つFe-Cr-Niモデル合金の水素吸収エネルギーを第一原理計算で調べ、合金中の水素溶解度に対するFeからのCrおよびNi置換の寄与を検証した。Cr置換はNi置換に比べて水素吸収エネルギーを大幅に減少させ、Cr/Ni比の増加により高い水素溶解性を発揮することがわかった。計算で得られた傾向は、様々なCr/Ni比を持つ実用合金で以前に得られた実験結果と一致した。
山口 正剛; 海老原 健一; 都留 智仁; 板倉 充洋
Materials Transactions, 64(11), p.2553 - 2559, 2023/11
アルミニウム合金中のMgZn析出物とMgSi晶出物の非整合界面における水素トラップエネルギーを第一原理計算から計算することを試みた。非整合界面を含む単位胞は周期境界条件を満たさず、結晶ブロックが不連続になるため、不連続領域(真空領域)から離れた領域で水素トラップエネルギーを計算した。その結果、この原子論的配置を仮定した非整合界面では、水素原子のトラップエネルギーがかなり大きいことがわかった。また、アルミニウム母相中のMgSiの非整合界面における水素トラップによる凝集エネルギーの減少についても予備的計算を行った。
山口 正剛
まてりあ, 62(10), p.646 - 651, 2023/10
液体金属に触れている固体金属が脆性破壊を起こしやすいことを液体金属脆化と言う。液体-固体金属の組み合わせによって脆化の程度が異なり、それは液体金属脆化の元素選択性(特異性)と呼ばれている。第一原理計算によるエネルギー論的考察から、脆化を起こしやすい組み合わせのエネルギー論的特徴とそこから考えられる脆化メカニズムについて考察した出版済み論文について、さらなる解説を加えた。
清水 一行*; 戸田 裕之*; 藤原 比呂*; 山口 正剛; 上椙 真之*; 竹内 晃久*; 西嶋 雅彦*; 鎌田 康寛*
Corrosion, 79(8), p.818 - 830, 2023/08
7xxxアルミニウム合金は代表的な高強度アルミニウム合金であるが、水素による機械的特性劣化がさらなる高強度化の妨げとなっている。我々は、7xxxアルミニウム合金の水素脆化を防止するための新しい技術として、Mn系第2相粒子の分散を提案する。本研究では、Mnを0.0%および0.6%含有する高水素7xxx合金の変形および破壊挙動を放射光X線トモグラフィーを用いてその場で観察した。得られた巨視的な水素脆化は、合金中の水素分配に基づき定量的に解析された。0.6%Mnを添加することにより、高い水素トラップ能力を持つ第二相粒子を生成し、水素による擬劈開破壊を有意に抑制することができた。
伊東 祐斗*; 江草 大佑*; 山口 正剛; 阿部 英司*
Materials Transactions, 64(8), p.2022 - 2025, 2023/08
走査型透過電子顕微鏡によるその場観察で、MgZnGd (at.%)合金を623Kで加熱すると、面心立方()系のGdナノ粒子がダイナミックに析出することを発見した。5.32という観察された格子定数は、密度汎関数理論(DFT)計算による純粋な-Gdの5.06よりも大きいため、酸素原子が四面体の格子間サイトに部分的に挿入されているためである可能性が高いことがわかった。体系的なDFT計算により、四面体あるいは八面体の格子間サイトを占有することで、広い不定比性範囲を持つ-Gd系酸化物相が出現する可能性があり、GdOとして表現できることが分かった。
都留 智仁; 西村 克彦*; 松田 健二*; 布村 紀男*; 並木 孝洋*; Lee, S.*; 髭本 亘; 松崎 禎市郎*; 山口 正剛; 海老原 健一; et al.
Metallurgical and Materials Transactions A, 54(6), p.2374 - 2383, 2023/06
高強度Al合金の水素脆化感受性は、Al合金の実用化において重要な課題として認識されているが、水素のトラップまたは分布の特定は困難であった。本研究では、実験とシミュレーションに基づいた効果的なアプローチにより、Al合金中の潜在的なトラップサイトを探索することを提案する。Al-0.5%Mg, Al-0.2%Cu, Al-0.15%Ti, Al-0.011%Ti, Al-0.28%V, Al-0.015%V (at.%)に対して、5から300Kの温度範囲でゼロフィールドミュオンスピン緩和実験が行われた。双極子場の幅の温度変化から、Al-0.5%Mgに3つのピーク、Al-0.2%Cuに4つのピーク、Al-0.011%TiとAl-0.015%Vに3つのピークがあることが明らかにされた。観測されたピークに対応するミュオントラップサイトの原子配置は、溶質及び溶質-空孔ペア周りの水素のトラップエネルギーに対する第一原理計算を用いてよく同定された。ミュオンピーク温度とトラップエネルギーの間に線形関係が抽出されたことにより、Al合金において水素と強い結合エネルギーを持つ合金元素とその複合体の可能性を探ることができる。
板倉 充洋; 山口 正剛; 江草 大佑*; 阿部 英司*
Materials Transactions, 64(4), p.813 - 816, 2023/04
Kink boundaries formed in Mg-based long period stacking order (LPSO) alloys play a key role in strengthening of these materials. As the kink structure grows, many high-angle kink boundaries are eventually formed which has inclination angle close to 34 degrees. We show that this peculiar structure is a result of irreversible structural transformation and is energetically stable. We also calculate segregation energies of alloying elements Y and Zn to this boundary. Finally, the critical resolved shear stress for the migration of kink boundary is estimated for a pure-Mg kink and that with saturated with segregation. We show that segregated kink boundary requires very high shear stress about 700 MPa for migration.
山口 正剛; 都留 智仁; 板倉 充洋; 阿部 英司*
Scientific Reports (Internet), 12(1), p.10886_1 - 10886_7, 2022/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Multidisciplinary Sciences)液体金属脆化は特定の固体金属-液体金属のペアにおいて顕著に発生することが知られているが、そのメカニズムは理解されていない。ここで我々は、第一原理計算とサーベイランス試験との比較から、粒界吸着エネルギーや格子溶解エネルギーがゼロ付近になるペアにおいて脆化が発生するという相関関係を発見した。一方で、亀裂先端における原子間結合切断に寄与する表面吸着エネルギーはすべてのペアにおいて大きいが、元素選択性とは相関しないことが分かった。これらの結果から、亀裂先端において結合切断に先立って原子の侵入が生じることが、液体金属脆化の元素選択性を決定している要因であることが示唆される。
平山 真太郎*; 佐藤 紘一*; 加藤 太治*; 岩切 宏友*; 山口 正剛; 渡辺 淑之*; 野澤 貴史*
Nuclear Materials and Energy (Internet), 31, p.101179_1 - 101179_9, 2022/06
被引用回数:1 パーセンタイル:71.05(Nuclear Science & Technology)一軸引張歪下での鉄の空孔あるいは空孔-炭素複合体への水素結合エネルギーを密度汎関数法を用いて計算した。歪による結合エネルギー変化と水素原子トラップ数の変化について考察した。
都留 智仁; 板倉 充洋; 山口 正剛; 渡邊 千尋*; 三浦 博己*
Computational Materials Science, 203, p.111081_1 - 111081_9, 2022/02
被引用回数:7 パーセンタイル:66.28(Materials Science, Multidisciplinary)六方晶構造を有する材料は、結晶構造の異方性によって塑性変形の異方性が存在し、合金化によってその特性が大きく変化をすることが知られている。純チタンでは一般に柱面転位を主すべり系として塑性変形するが、広く用いられるAlやVを添加したTi64合金の疲労破壊は相の底面で生じる。純Tiと異なり底面すべりが生じていることが実験観察によって確認されているが、その要因は知られていない。近年、第一原理計算に基づく原子モデルを用いた転位の解析が行われるようになり、詳細なメカニズムの解明が進んでいる。本研究では、HCP構造を持つチタンを対象に、合金元素の転位運動への影響を詳細に検討した。その結果、転位のすべりのPeierlsポテンシャルは柱面と底面で大きな違いがないが、AlやVの添加によって転位芯構造の安定性が変化し、すべり変形のモードが変化することを明らかにした。
山口 正剛; 板倉 充洋; 都留 智仁; 海老原 健一
Materials Transactions, 62(5), p.582 - 589, 2021/05
被引用回数:7 パーセンタイル:74.45(Materials Science, Multidisciplinary)アルミニウム結晶中のらせん転位および刃状転位の水素トラップエネルギーを第一原理から計算した。詳細な計算条件を記述した。トラップ可能なあらゆるサイトを調べ尽くすことは計算時間の制約上困難であるが、計算した範囲内においてはらせん転位は最大で0.11eV/atom、刃状転位では最大で0.18eV/atomというトラップエネルギーが得られた。実験値との際について議論した。
板倉 充洋; 山口 正剛; 江草 大佑*; 阿部 英司*
Acta Materialia, 203, p.116491_1 - 116491_9, 2021/01
被引用回数:20 パーセンタイル:89.66(Materials Science, Multidisciplinary)シンクロ型長周期積層(LPSO)合金において溶質原子クラスタはキンク変形やキンク強化といった特異な塑性に中心的役割を果たす。強化機構を解明にはその原子構造を決定することが必須であるが、クラスタに含まれる格子間原子に関して不明な点が残っていた。本研究では第一原理計算によりクラスタが形成される過程を詳細に調べ、その成長過程で中心付近にある原子が自発的に格子間原子となり、同時に空孔が形成されることを示した。これにより実験で不明であった格子間原子の種類と割合が決定された。更に自発的な空孔形成はこれまで金属材料では知られていない現象であり、これによってLPSO構造の形成が加速されていることを初めて示した。
戸田 裕之*; 都留 智仁; 山口 正剛; 松田 健二*; 清水 一行*; 平山 恭介*
化学, 75(10), p.48 - 53, 2020/10
アルミニウム合金の水素脆化に関して、原子分解能をもつ電子顕微鏡観察による原子配列の情報を得ることで、材料中の原子レベルの欠陥と水素の相互作用を解析できる精密な原子モデルを構築した。これを用い、電子状態計算に基づくシミュレーションによって欠陥構造における水素の振る舞いや、水素がもたらす破壊プロセスを明らかにすることを目指した。一方、大型シンクロトロン放射光施設を用いたアルミニウムの破壊挙動の3D連続観察、およびその画像解析技術を駆使し、水素によって誘発される破壊挙動の特徴を捉えるとともに、水素脆化制御に至る学術アプローチを構築する試みも併せて行った。
山口 正剛; 都留 智仁; 海老原 健一; 板倉 充洋; 松田 健二*; 清水 一行*; 戸田 裕之*
Materials Transactions, 61(10), p.1907 - 1911, 2020/10
被引用回数:7 パーセンタイル:56.69(Materials Science, Multidisciplinary)アルミニウム合金中の金属間化合物MgSi及びAlFeCuの水素トラップエネルギーを第一原理から計算した。MgSiは水素をトラップしないが、AlFeCuはその結晶内部に水素原子を0.56eV/atomという強いトラップエネルギーでトラップすることが分かった。このことは、合金の製造過程でAlFeCu化合物の生成を適切に制御できれば、水素脆化の防止に役立つことを意味している。
Bendo, A.*; 松田 健二*; 西村 克彦*; 布村 紀男*; 土屋 大樹*; Lee, S.*; Marioara, C. D.*; 都留 智仁; 山口 正剛; 清水 一行*; et al.
Materials Science and Technology, 36(15), p.1621 - 1627, 2020/09
被引用回数:5 パーセンタイル:47.92(Materials Science, Multidisciplinary)アルミニウム合金の準安定相は機械的性質に最も寄与する一次のナノサイズの析出物である。7xxx系アルミニウム合金における硬度の連続的上昇はクラスターやGPゾーンから準安定の相への相変態に関係する。構造的および組成的変態は最も低い活性化エネルギーの経路に従って生じる。本研究は、構造的相変態がどのようにして生じるかを拡散の最短経路に基づいて評価するものであり、高分解能透過型電子顕微鏡を用いて、相変態の動的挙動を捉えることに成功した。
染川 英俊*; Basha, D. A.*; Singh, A.*; 都留 智仁; 山口 正剛
Materials Transactions, 61(6), p.1172 - 1175, 2020/06
被引用回数:13 パーセンタイル:66.5(Materials Science, Multidisciplinary)本論文では、固溶型MgY二元系合金を用いて粒界偏析の塑性変形への影響を評価した。変形後の微細組織観察から、底面転位とともに柱面の転位が観察され、これらはイットリウム元素が偏析した粒界から生成されることがわかった。第一原理計算を用いた二元系合金の材料特性を比較することによって、非底面すべりに対して低い臨界分解せん断応力と粒界偏析エネルギーが大きい合金元素が、粒界近傍の非底面転位を活性化することが明らかになった。
都留 智仁; 清水 一行*; 山口 正剛; 板倉 充洋; 海老原 健一; Bendo, A.*; 松田 健二*; 戸田 裕之*
Scientific Reports (Internet), 10, p.1998_1 - 1998_8, 2020/04
被引用回数:21 パーセンタイル:83.04(Multidisciplinary Sciences)鉄やチタンと異なりアルミニウムは熱処理で他の相が生成することがないため、高強度アルミニウム合金の生成には析出物による時効強化が唯一の方法として用いられてきた。そのため、高濃度に分布した析出物は機械特性や水素脆化に重要な役割を果たす。これまで、7000番のアルミニウム合金における析出物とマトリクス界面は整合であるため、水素によるデコヒージョンの要因になると考えられていなかった。本研究では、実験と理論、および第一原理計算を連携することで、欠陥にトラップされる水素分配を理論的に予測することに成功した。さらに、アルミニウム合金で観察される擬へき開破壊のメカニズムについて、析出物界面にトラップされた水素は占有率が上昇しても安定にトラップし続け、自発的に破壊することがその要因であることを明らかにした。
大澤 一人*; 外山 健*; 波多野 雄治*; 山口 正剛; 渡辺 英雄*
Journal of Nuclear Materials, 527, p.151825_1 - 151825_7, 2019/12
被引用回数:7 パーセンタイル:67.25(Materials Science, Multidisciplinary)タングステン中の複空孔にトラップされた水素原子の安定構造とその結合エネルギーを第一原理計算に基づいて示した。水素原子は複空孔の隣の八面体格子間サイト(O部位)近傍に位置するのが好ましい。さらに水素原子は複空孔の中心に位置するOサイトを優先的に占有する。水素原子が増加すると、複空孔の周辺に位置するOサイトも水素原子によって占有される。タングステン中の複空孔はエネルギー的に不安定である。しかし水素原子捕獲によって非常に安定化する。複空孔の結合エネルギーは水素同位体の種類に依存する。
Bendo, A.*; 松田 健二*; Lervik, A.*; 都留 智仁; 西村 克彦*; 布村 紀男*; Holmestad, R.*; Marioara, C. D.*; 清水 一行*; 戸田 裕之*; et al.
Materials Characterization, 158, p.109958_1 - 109958_7, 2019/12
被引用回数:15 パーセンタイル:78.81(Materials Science, Multidisciplinary)アルミニウム(Al)合金中のMgZn析出物の観察を、電子線回折, 明視野透過型電子顕微鏡、及び、原子スケール走査透過型電子顕微鏡イメージングの組合せを用いて行った。その結果、-MgZn析出物相とAl格子との間に、未だ報告されていない方位関係の存在を明らかにした。その界面の原子モデルを作成し第一原理計算による構造緩和計算を行ったところ、最も不整合な方位において観察されるステップ状の構造をよく説明できる計算結果が得られた。
松田 健二*; 安元 透*; Bendo, A.*; 土屋 大樹*; Lee, S.*; 西村 克彦*; 布村 紀男*; Marioara, C. D.*; Lervik, A.*; Holmestad, R.*; et al.
Materials Transactions, 60(8), p.1688 - 1696, 2019/08
被引用回数:13 パーセンタイル:63.77(Materials Science, Multidisciplinary)アルミニウム合金の時効硬化と析出に及ぼすCu添加の効果を、硬度測定,引張試験,高分解能透過型電子顕微鏡(HRTEM)および高角度環状暗視野走査透過型電子顕微鏡(HAADF-STEM)によって調べた。高硬度,高強度,低伸びは析出物の数密度の増加によるZn+Mg量の増加に起因することが分かった。