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清水 厚志; 古澤 孝之; 本間 史隆; 猪井 宏幸; 梅田 政幸; 近藤 雅明; 磯崎 実; 藤本 望; 伊与久 達夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 51(11-12), p.1444 - 1451, 2014/11
被引用回数:1 パーセンタイル:8.88(Nuclear Science & Technology)HTTRでは、運転・保守経験において得られた情報を共有しそこから得られた知見や教訓を高温ガス炉の設計、建設、運転管理に反映させることで安全性や信頼性の向上に役立てることを目的として、運転・保守経験情報のデータベースシステムを構築している。本データベースには、これまで1997年から2012年の期間において1000件以上の不具合事象データが登録されている。本報では、データベースの登録情報に基づき、これまでのHTTRの不具合事象の発生状況について述べるとともに、次期高温ガス炉の設計、建設、運転管理への適用が期待できる重要な知見として、(1)ヘリウム圧縮機の性能低下、(2)反応度制御設備における後備停止系不具合、(3)非常用ガスタービン発電機の経験、(4)東日本大震災の経験、以上4件の経験を抽出し、改善策を提言する。
篠原 正憲; 柳 俊樹; 栃尾 大輔; 島崎 洋祐; 野尻 直喜; 大和田 博之; 佐藤 直; 佐川 浩; 梅田 政幸
JAEA-Technology 2011-029, 39 Pages, 2011/12
原子力機構では、高温ガス炉技術の高度化の一環として、高温ガス炉固有の安全性を実証するために、高温工学試験研究炉(HTTR)を用いた安全性実証試験を計画・実施している。炉心冷却喪失コールド試験は、試験手順やプラント挙動を確認する目的で安全性実証試験前に実施した。試験は、核熱を伴わない状態で段階的に実施し、1次加圧水冷却器用ヘリウム循環機の入熱のみにより、原子炉圧力容器温度を120C程度に保持し、炉容器冷却設備の1系統又は2系統を停止させる試験(Phase1)、1次加圧水冷却器用ヘリウム循環機3台を停止させて炉容器冷却設備の1系統を停止させる試験(Phase2)を実施した。本試験により試験手順の確認を行うとともに、解析に必要なデータを得ることができ、2次元水平断面モデルによる温度解析は、実測値をほぼ再現することができた。
富本 浩; 濱本 真平; 栃尾 大輔; 植田 祥平; 梅田 政幸; 西原 哲夫
JAEA-Technology 2009-026, 37 Pages, 2009/08
高温工学試験研究炉(HTTR)は、1998年7月に初装荷燃料を装荷し、同年11月に臨界に達した。その後、出力上昇試験や安全性確証試験等の運転が実施され、高温ガス炉技術の基盤となる運転データの蓄積を行っている。その一つとしてHTTRの性能向上に向けて次期、中期計画で炉内温度測定の実施を考えている。本報告は、燃料限界照射試験時の燃料温度を想定して適用可能な測定法の検討を実施した。
富本 浩; 加藤 康; 大和田 博之; 佐藤 直; 島崎 洋祐; 小澤 太教; 篠原 正憲; 濱本 真平; 栃尾 大輔; 野尻 直喜; et al.
JAEA-Technology 2009-025, 29 Pages, 2009/06
高温工学試験研究炉(HTTR)は、1989年に初装荷燃料を装荷し、初臨界を達成してから、10年が過ぎ、現在も初装荷燃料にて運転を継続中である。燃料体組立は12種類の濃縮度がある燃料棒4770本を黒鉛ブロックに装荷する。第2次燃料体組立では150体の燃料体を組立てた。燃料棒は設計上、燃料棒の濃縮度誤装荷防止について考慮されているが、さらに確実な取扱いができるように作業上の誤装荷対策をあらかじめ検討した。燃料棒の受入れを2008年6月から開始し、原子炉建家内で組立作業を行い、新燃料貯蔵ラックへの貯蔵を行った。組立,貯蔵作業は、3回の期間に分けて実施し、各々の期間ごとに使用前検査を受検し、2008年9月にすべての作業を完了した。その後、同年11月に使用前検査合格証を受けた。本報告は第2次燃料体の組立,貯蔵作業における燃料取扱いについてまとめたものである。
富本 浩; 梅田 政幸; 西原 哲夫; 伊与久 達夫
UTNL-R-0471, p.11_1 - 11_9, 2009/03
高温工学試験研究炉(HTTR)は、1998年に初装荷燃料を装荷し、初臨界を達成してから、10年が過ぎ、現在も初装荷燃料にて運転を継続中である。HTTRの炉心は、U濃縮度が異なる12種類の燃料体を半径方向及び軸方向に分布させて構成している。組立てる燃料棒の総本数が4770本と数が多いため、燃料棒の取り違い等の誤装荷防止について設計上、考慮されているが、さらに確実な取扱いができるようにあらかじめ作業上の誤装荷対策を検討した。作業は、2008年6月から燃料棒を原子炉建家内に受入れ、組立を開始し、新燃料貯蔵ラックに貯蔵した後、使用前検査を受検し9月に作業を完了した。その後11月に使用前検査合格証を受けた。本報告は第2次燃料体の組立,貯蔵作業における燃料取扱いについてまとめたものである。
植田 祥平; 飛田 勉*; 沢 和弘; 富本 浩; 小澤 太教; 猪井 宏幸; 梅田 政幸
JAEA-Research 2008-096, 34 Pages, 2009/01
高温ガス炉運転中における燃料体の温度測定を目的として温度モニターの開発を行っている。温度モニターは、融点の異なる合金製ワイヤーを石英管に封入したもので、22種類の温度モニターにより温度6001400Cを測定範囲としている。温度モニターの照射特性を調べるため、JMTRでキャプセル照射を実施し、照射後試験としてX線ラジオグラフ,EMPA観察を行った。照射後試験の結果、開発した温度モニターは、照射温度が1100C以下なら90日程度、50日以下であれば照射温度13001350Cまでは使用可能と推定された。
植田 祥平; 梅田 政幸; 沢 和弘; 相沢 静男; 清水 道雄; 石垣 嘉信; 小幡 宏幸*
Journal of Nuclear Science and Technology, 44(8), p.1081 - 1088, 2007/08
被引用回数:4 パーセンタイル:31.41(Nuclear Science & Technology)HTTR燃料及び炉心の照射特性データ取得を目的として、将来のHTTR初装荷燃料の照射後試験を材料試験炉(JMTR)ホットラボにおいて計画している。本報告はHTTR燃料の照射後試験の予備試験結果について述べたものである。本予備試験においては、寸法測定,重量測定,燃料破損率測定,燃焼度測定,X線ラジオグラフ,SEM及びEPMA観察を実施した。最終的に、HTTR初装荷燃料は照射条件下において高い品質を示すことを確認した。
中川 繁昭; 梅田 政幸; Beddingfield, D. H.*; Menlove, H. O.*; 山下 清信
JAEA-Technology 2007-003, 24 Pages, 2007/02
HTTRの保障措置手法において、使用済燃料ブロックの員数勘定を実施するために非立会型の使用済燃料フローモニターを適用した。使用済燃料フローモニターは、「接近困難な」場所にある使用済燃料ブロックの移動を非立会で検認できるようにし、査察業務量を減らせるようにした。設計・製作を工夫し、燃料ブロックの移動経路に沿った狭い空間にうまく組み込んだ。使用済燃料フローモニターは、2組の検出器管,GRANDと呼ばれる電子機器及びコンピュータから構成する。1組の検出器管は2つの電離箱と1つHe-3中性子計数管を収納している。また、2組の検出器管からの信号変化の時間遅れが大きくなるように、検出器管の先端に形状に工夫を加えたタングステン製のコリメータを設置した。IAEAの受入検査を実施し、使用済燃料フローモニターが使用済燃料ブロックを検知するために十分な機能を有していること、信号変化の時間遅れが使用済燃料ブロックの移動方向を決定するために十分であることを示した。使用済燃料フローモニターについては、HTTRの使用済燃料ブロックの員数勘定を実施するために有効であることが確認され、IAEAの保障措置機器として承認された。
野尻 直喜; 栃尾 大輔; 濱本 真平; 梅田 政幸; 藤本 望; 伊与久 達夫; 武田 哲明
JAEA-Data/Code 2006-022, 61 Pages, 2006/10
「HTTR運転データベース」は将来高温ガス炉の実用化開発や高温工学試験研究炉(HTTR)の運転管理に資することを目的にHTTRの運転データを蓄積・整理したデータベースである。対象データは基本的にHTTRの運転より得られた過剰反応度,炉心又はプラント内の各部温度,冷却材中不純物濃度等の測定値を整理・評価したデータである。データベースは重要度の高い運転データを長期的及び系統的に管理する目的で、将来高温ガス炉の実用化開発やHTTRの運転管理に関する目的別のデータベースから成る構造とした。本報ではHTTR運転データベースの全体概要及び作成方針について報告する。また、本データベースのうちHTTR共通データベース,HTTR核特性データベース及びヘリウム純度管理データベースの一部を例として示す。
植田 祥平; 泉谷 徹; 梅田 政幸; 石垣 嘉信; 大橋 準平*; 伊与久 達夫
JAEA-Data/Code 2006-009, 129 Pages, 2006/03
HTTR取替用第2次燃料は、2002年10月より製造を開始し2005年3月に燃料棒までの製造が無事に終了した。これら燃料核,被覆燃料粒子及び燃料コンパクトの製造工程において、得られた製品と製造仕様を比較するための検査を実施した。その結果、取替用第2次燃料の品質は、初装荷燃料と同様に高品質であることを確認した。本報告書は取替用第2次燃料のうち、被覆燃料粒子及び燃料コンパクトに関する製造データをとりまとめたものであり、今後に実施されるHTTRの運転及び試験時の核特性,核分裂生成物放出挙動等の基礎データになるとともに将来に実施する燃料の照射後試験の基礎となる。
植田 祥平; 高田 英治*; 角田 淳弥; 清水 厚志; 足利谷 好信; 梅田 政幸; 沢 和弘
JAERI-Tech 2004-047, 87 Pages, 2004/06
高温工学試験研究炉(High Temperature Engineering Test Reactor: HTTR)では、1次冷却材として遮へい能力のある水ではなくヘリウムガスを用いているため、遮へい設計においては中性子のストーリーミングに特に留意する必要がある。特に、原子炉圧力容器上部には、31本のスタンドパイプが1次上部遮へい体を貫通しており、原子炉上方向への中性子ストリーミングに留意する必要がある。本報はHTTRの出力上昇試験のうち、遮へい性能検査における測定点選定の考え方,測定方法及び30MW定格出力までの出力上昇試験における測定結果についてまとめた。試験の結果、通常人の立ち入る区画の線量当量率は、中性子線が検出限界以下、線がバックグラウンド相当であり、運転管理上問題がないことを確認した。また、スタンドパイプ室の中性子線量当量率は、定格運転時で約120Sv/hであり、設計値(約330mSv/h)及び予測値(約10mSv/h)を十分下回り、遮へい設計の保守性を確認した。一方、スタンドパイプ室の線量当量率変化は、予測通り原子炉出力に対して非線形的に上昇することを確認した。
高田 英治*; 藤本 望; 野尻 直喜; 梅田 政幸; 石仙 繁; 足利谷 好信
JAERI-Data/Code 2002-009, 83 Pages, 2002/05
HTTRの燃料体からの線を測定する出力分布測定を行う時点で、燃料交換機,制御棒交換機,スタンドパイプ室周辺,メンテナンスピット周辺での線量当量率の測定を行った。出力分布測定作業は、炉心で照射された燃料体を取り扱う初めての機会であるので、機器の遮へい性能の確認,想定外のストリーミングパスの有無の確認を目的とした測定及び作業中の放射線モニタリングを行った。その結果、線量当量率は予測値以下であり、機器の遮へい上問題は見つからなかった。また、作業環境の測定によるデータを取得することができ、将来の作業環境予測のためのデータを取得することができた。
藤本 望; 野尻 直喜; 高田 英治*; 山下 清信; 菊地 孝行; 中川 繁昭; 小嶋 崇夫; 梅田 政幸; 星野 修; 金田 誠*; et al.
JAERI-Tech 2001-002, 64 Pages, 2001/02
HTTRの炉心内の情報を得ることを目的として、炉心から燃料体を取り出し再装荷する過程での燃料体からの線の測定を行った。測定は、燃料体が通過する床上ドアバルブに設置したGM管及びCZT半導体検出器と、スタンドパイプ室に設置したエリアモニタで行い、炉内のウラン濃縮度配分の対称性を考慮して4カラムの燃料体計20体について行った。測定の結果GM管及びCZT検出器による測定では、各カラムでの軸方向の相対分布は解析とほぼ一致したが、炉心上部では解析値が高く、炉心下部では低くなった。エリアモニタによる測定でも軸方向の分布を測定することができた。さらにカラム間の比較も行った。今後は測定結果について詳細な解析・評価を行い、炉内出力密度分布等の評価精度の向上に役立てる予定である。
山下 清信; 藤本 望; 竹内 光男; 藤崎 伸吾; 中野 正明*; 梅田 政幸; 竹田 武司; 茂木 春義; 田中 利幸
日本原子力学会誌, 42(1), p.30 - 42, 2000/01
被引用回数:3 パーセンタイル:26.42(Nuclear Science & Technology)高温工学試験研究炉(HTTR)の燃料は、炉心外周部から装荷し、1999年11月10日に19カラムの環状の炉心状態で初臨界に達した。HTTRの臨界試験項目は、おもに、使用前検査及び高温ガス炉技術の基盤の確立のための試験から構成した。前者の試験では、過剰反応度が制限値以下であることを確認した。後者の試験では、将来型炉として提案されている環状炉心の試験データを取得した。また、制御棒挿入時間が約10秒と長くとも原子炉停止余裕の測定に、逆動特性及び遅れ積分計数法を適用できることを確認した。そのほか、炉心性能を把握するため、制御棒反応度価値曲線、軸方向中性子束分布等を測定した。臨界試験で計画したすべての試験は、成功裏に行われ1999年1月21日に完了した。これらの試験結果から、HTTRは出力上昇試験段階に移行できる状態にあることを確認した。
柳澤 和章; 曽山 和彦; 市川 博喜; 根本 工; 星野 修; 宇野 久男; 梅田 政幸; 鈴木 敏夫; 金澤 浩之; 木村 康彦; et al.
JAERI-M 91-114, 67 Pages, 1991/08
研究炉では、濃縮度低減のため、従来使用して来たアルミナイド板状燃料からシリサイド板状燃料に材質が変更されつつある。NSRRでは安全性の観点から、このシリサイド燃料に係るパルス照射実験を計画したが、実験開始に先立って、幾つかの克服すべき技術的課題に直面した。(1)シリサイドは金属燃料板であるため、照射実験を行っても、十分に安全が担保できる照射カプセルを設計・製作する必要性、(2)熱伝導性の良いアルミ被覆板に熱電対を抵抗溶接する技術の確立、(3)照射後試験については、NSRRでは実施経験がなく、あらたに幾つかの機器の準備、発熱量較正訓練、計量管理等を行うことの必要性、これらの技術的課題を、約4年の歳月をかけて解決したので、その成果を報告する。
稲辺 輝雄; 石島 清見; 丹沢 貞光; 島崎 潤也; 中村 武彦; 藤城 俊夫; 大友 正一; 鈴川 芳弘; 小林 晋昇; 谷内 茂康; et al.
JAERI-M 88-113, 55 Pages, 1988/06
NSRRにおいては、反応度事故時の燃料挙動解明を目的とした炉内実験のために、これまで1kW以下の低出力状態から急嵯なパルス状出力を発生する運転(単一パルス運転)を行ってきた。今後はさらに、実験条件の範囲を拡張するために、10MWまでの高出力の発生と急峻なパルス状出力の発生の組合わせを行う運転(合成パルス運転)及び10MWまでの範囲の過渡出力の発生を行う運転(台形パルス運転)を、改良型パルス運転として実施する。これを実現するためには、NSRRの計測制御系統施設の改造が必要であり、このため、改良型パルス運転における原子炉の安全性を配慮した計測制御系統施設の基本設計を図った。本報告書は、安全設計に当っての基本的な考え方、改良型パルス運転の方法、計測制御系統施設の各構成設備の設計方針及び基本設計の内容、改良型パルス運転に係る主要な動特性等について述べるものである。
川崎 幸三; 梅田 政幸
no journal, ,
「異常記録管理表」は、おもにトラブルや警報発生時に記載されるが、気付き事項や改善提案も記載するように指導しており、どんな小さなことも見逃さないという職員の原子力安全意識を向上させることにも大きく寄与している。
濱本 真平; 小山 直; 江森 恒一; 梅田 政幸; 坂場 成昭
no journal, ,
高温ガス炉の2次ヘリウムは、将来、水素製造装置等の熱利用系に使用されることが期待されている。日本初の高温ガス炉HTTRの2次ヘリウム系は、将来の核熱利用を踏まえ、高温ガス炉の2次冷却材にヘリウムガスを採用したシステムである。本報では、HTTRの2次ヘリウム系の不純物挙動を評価した結果を示す。
植田 祥平; 相原 純; 猪井 宏幸; 梅田 政幸; 沢 和弘
no journal, ,
高温工学試験研究炉(HTTR)による高温連続運転を完遂し、燃料から1次冷却材中へ放出される核分裂生成物(FP)の放射能濃度を、定期的な1次冷却材サンプリングによる核種分析測定等により取得した。測定データをもとに燃料挙動を評価した結果、Krの放出率は約10で推移し、設計許容値より約4桁低く、燃料は極めて優れたFP閉込め性能を示した。その最大の要因は、商用規模での製造時の被覆条件の最適化や燃料コンパクト成型時における損傷防止技術の開発によって、貫通破損率で許容値より約3桁低い実績(約210)を実現したことによる。また、FP放出機構をモデル化したKrの放出率の評価値と今回の実験値はほぼ一致し、燃料温度が低温から高温となる原子炉出力の上昇に伴い、燃料からのFPガスの放出機構は反跳から温度拡散に変わること、高温連続運転においても測定されるFPは汚染ウランからの放出が支配的であることを明らかにした。