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斎藤 祐児; 藤原 秀紀*; 保井 晃*; 門野 利治*; 菅原 仁*; 菊地 大輔*; 佐藤 英行*; 菅 滋正*; 山崎 篤志*; 関山 明*; et al.
Physical Review B, 102(16), p.165152_1 - 165152_8, 2020/10
被引用回数:1 パーセンタイル:6.04(Materials Science, Multidisciplinary)Through a high-precision soft X-ray magnetic circular dichroism (XMCD) study of the intermediate-valence compound SmOsSb, we show our successful approach of revealing unprecedented details of Kondo screening below a characteristic temperature of 20 K in the paramagnetic phase. The multiplet XMCD structure at the Sm edge sensitive to the 4 configuration enabled us to observe a clear difference between the temperature evolution above and below with one- and two-component behavior, respectively. Our findings are in strong contrast to the conventional Kondo crossover that coincides with the valence transition, but are qualitatively accounted for by theoretical XMCD predictions combined with the two-fluid phenomenology recently proposed. This work contributes to the large context of Kondo physics that is closely related to quantum criticality in heavy fermion systems.
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Aramaki, Y.*; et al.
Physical Review C, 83(4), p.044912_1 - 044912_16, 2011/04
被引用回数:8 パーセンタイル:49.7(Physics, Nuclear)重いフレーバーのメソンの崩壊からの電子の測定は、このメソンの収量が金金衝突では陽子陽子に比べて抑制されていることを示している。われわれはこの研究をさらに進めて二つの粒子の相関、つまり重いフレーバーメソンの崩壊からの電子と、もう一つの重いフレーバーメソンあるいはジェットの破片からの荷電ハドロン、の相関を調べた。この測定は重いクォークとクォークグルオン物質の相互作用についてのより詳しい情報を与えるものである。われわれは特に金金衝突では陽子陽子に比べて反対側のジェットの形と収量が変化していることを見いだした。
Shu, L.*; 髭本 亘; 青木 勇二*; Hillier, A. D.*; 大石 一城*; 石田 憲二*; 門野 良典*; 幸田 章宏*; Bernal, O. O.*; MacLaughlin, D. E.*; et al.
Physical Review B, 83(10), p.100504_1 - 100504_4, 2011/03
被引用回数:34 パーセンタイル:77.76(Materials Science, Multidisciplinary)時間反転対称性(TRS)の破れた超伝導状態について調べるため、Pr(OsRu)SbとPrLaOsSb合金において零磁場ミュオンスピン緩和測定を行った。TRSは自発的な局所磁場の発生で知ることができる。両合金において磁場は最初は減少したが、Ru置換系ではLa置換系に比べて50%速い現象がみられた。この結果から、TRSはで抑制されるが、La置換系ではすべての濃度において残ることが明らかになった。この結果は結晶場励起子によるクーパー対形成によるTRSの破れた超伝導機構を支持するものである。
伊藤 孝; 髭本 亘; 大石 一城*; 佐藤 一彦*; 青木 勇二*; 戸田 静香*; 菊地 大輔*; 佐藤 英行*; Baines, C.*
Physical Review B, 82(1), p.014420_1 - 014420_8, 2010/07
被引用回数:9 パーセンタイル:40.66(Materials Science, Multidisciplinary)充填スクッテルダイト化合物CeOsSbにおける反強磁性基底状態と1T以上の高磁場中に存在が示唆されている秩序相に対し、ミュオンスピン回転・緩和の測定を行った結果を報告する。零磁場下の測定により、1.6K以下において弱い反強磁性秩序に起因する自発局所磁場を検出した。局所磁場の大きさより磁気モーメントの大きさの見積りを行ったところ、0.1Kにおいて0.110.17/Ceという値が得られた。反強磁性秩序を示す部分の体積分率は降温とともに増加していくことから、この相が試料の質に対し敏感であることが示唆される。一方、[001]方向に2Tの磁場を印加した条件下では、1.5K付近にミュオンナイトシフトと線幅の異常が観測された。これは高磁場に新規秩序相が存在するとするシナリオに対しコンシステントな結果である。
長壁 豊隆; 桑原 慶太郎*; 川名 大地*; 岩佐 和晃*; 菊地 大輔*; 青木 勇二*; 神木 正史*; 佐藤 英行*
Journal of the Physical Society of Japan, 79(3), p.034711_1 - 034711_7, 2010/03
被引用回数:18 パーセンタイル:68.73(Physics, Multidisciplinary)The order parameter in the pressure-induced insulating phase of filled skutterudite compound PrFeP has been investigated using high-pressure single-crystal neutron diffraction technique. Clear evidence of the antiferromagnetic order with the propagation vector = (1, 0, 0) was observed in the insulating phase above 2.7 GPa. The = (1, 0, 0) structure is identical with that in the non-magnetic ordered phase below 2.5 GPa and with the nesting property of the Fermi surface. The observed magnetic moment of Pr ion is 2B and almost pressure independent at least up to 4.2 GPa. The 2B magnetic moment is originated from the dipole in the low-lying quasi-quartet crystal field sate. The pressure-induced antiferromagnetic structure under 3.2 GPa is suppressed by applying magnetic field of about 1.5 T, which is interpreted as flop of magnetic moments into alignment of ferromagnetic state. This brings about the steep decrease of the resistivity due to the disappearance of the antiferromagnetic superstructure.
伊藤 孝; 髭本 亘; 大石 一城*; Heffner, R. H.; 西田 信彦*; 佐藤 一彦*; 菅原 仁*; 青木 勇二*; 菊地 大輔*; 佐藤 英行*
Physica B; Condensed Matter, 404(5-7), p.761 - 764, 2009/04
被引用回数:1 パーセンタイル:6.09(Physics, Condensed Matter)SmRuPの磁気多極子秩序相(K)における磁気揺らぎの性質を調べるために詳細な縦磁場SR測定を行った。縦緩和率の縦磁場依存性より、揺動磁場の大きさ及び揺らぎの頻度が温度の関数として得られた。揺動磁場が磁気多極子の低エネルギー励起に起因する可能性について述べる。
青木 勇二*; 髭本 亘; 綱島 慶乃*; 米澤 祐樹*; 佐藤 宏樹*; 幸田 章宏*; 伊藤 孝; 大石 一城; Heffner, R. H.; 菊地 大輔*; et al.
Physica B; Condensed Matter, 404(5-7), p.757 - 760, 2009/04
被引用回数:4 パーセンタイル:21.33(Physics, Condensed Matter)充填スクッテルダイト構造を持つSmOsSbにおける磁場への応答の小さな重い電子状態と弱強磁性の研究のため零磁場及び横磁場中のミュオンスピン回転緩和測定(SR)を行った。零磁場中のSRでは大きな振幅の回転信号が低温で観測され、弱強磁性が系全体に見られることを確認した。解析から、弱強磁性モーメントは遍歴する重い準粒子により生じることが示唆される。
佐藤 英行*; 青木 勇二*; 菊地 大輔*; 菅原 仁*; 髭本 亘; 大石 一城; 伊藤 孝; Heffner, R. H.; Saha, S. R.*; 幸田 章宏*; et al.
Physica B; Condensed Matter, 404(5-7), p.749 - 753, 2009/04
被引用回数:5 パーセンタイル:25.59(Physics, Condensed Matter)充填スクッテルダイト構造を持つ物質における強い電子相関に基づく現象は多岐に渡る。特に、複数の4f電子が含まれる場合は軌道の自由度が新たな非磁性又は弱磁性を伴う現象に大きな役割を果たす。Pr系及びSm系充填スクッテルダイト構造物質においてさまざまな例が見いだされており、これらとミュオンスピン緩和実験の関連を紹介する。
伊藤 孝; 髭本 亘; 大石 一城; Heffner, R. H.; 西田 信彦*; 佐藤 一彦*; 菅原 仁*; 青木 勇二*; 菊地 大輔*; 佐藤 英行*
Journal of Physics and Chemistry of Solids, 68(11), p.2072 - 2075, 2007/11
被引用回数:1 パーセンタイル:7.46(Chemistry, Multidisciplinary)充填スクッテルダイト化合物SmRuPは=16.5Kにおいて磁気的な異常を伴った金属-絶縁体転移(MI転移)を示す。この物質の結晶場基底準位は四重項であると考えられており、これが多極子の自由度を有することから軌道秩序がMI転移の起源である可能性がある。われわれはMI転移に付随する磁気的な異常と基底状態を調べるために零磁場中においてミュオンスピン緩和法による測定を行った。温度の低下に伴い、零磁場におけるミュオンスピン緩和率がから単調増加して行く様子が観測された。この結果は、MI転移が磁気的な自由度にかかわる現象であることを端的にあらわしている。緩和率はさらに増加し続け、3Kからミュオンスピンの回転が観測されるようになる。ミュオンによって観測された内部磁場は遅い揺らぎを伴っており、この揺らぎは0.02Kにおいてほぼ凍結されて磁気的な基底状態に至る。内部磁場の分布から、磁気基底状態における秩序構造は非整合な反強磁性であると考えられる。
Shu, L.*; MacLaughlin, D. E.*; 青木 勇二*; 綱島 慶乃*; 米澤 祐樹*; 真田 祥太郎*; 菊地 大輔*; 佐藤 英行*; Heffner, R. H.; 髭本 亘; et al.
Physical Review B, 76(1), p.014527_1 - 014527_8, 2007/07
被引用回数:21 パーセンタイル:64.75(Materials Science, Multidisciplinary)Zero- and longitudinal-field muon spin relaxation experiments have been carried out in the alloy series Pr(OsRu)Sb and PrLaOsSb to elucidate the anomalous dynamic muon spin relaxation observed in these materials. The damping rate associated with this relaxation varies with temperature, applied magnetic field, and dopant concentrations and in a manner consistent with the "hyperfine enhancement" of Pr nuclear spins. This mechanism arises from Van Vleck-like admixture of magnetic Pr crystalline-electric-field-split excited states into the nonmagnetic singlet ground state by the nuclear hyperfine coupling, thereby increasing the strengths of spin-spin interactions between Pr and muon spins and within the Pr spin system. We find qualitative agreement with this scenario and conclude that electronic spin fluctuations are not directly involved in the dynamic muon spin relaxation.
伊藤 孝; 髭本 亘; 大石 一城; 藤本 達也*; Heffner, R. H.; 西田 信彦*; 佐藤 一彦*; 菅原 仁*; 青木 勇二*; 菊地 大輔*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 76(5), p.053707_1 - 053707_4, 2007/05
被引用回数:27 パーセンタイル:74.93(Physics, Multidisciplinary)充填スクッテルダイト化合物SmRuPは=16.5Kにおいて磁気的な異常を伴い金属絶縁体転移を起こす。結晶場基底状態の多極子の自由度から、この相転移が磁気八極子秩序である可能性が議論されている。われわれはミュオンスピン緩和法を用い、秩序相における局所的な磁性を調べた。零磁場において直下からミュオンスピン緩和率の増大が確認され、秩序相が自発的に時間反転対称性が破れた状態にあることを確認した。この結果は秩序変数が磁気八極子もしくは磁気双極子を含むことを示している。ミュオンが感じる静的な内部磁場の大きさは降温とともに単調増加を示し、=3K付近から急激に増大する。縦緩和率を調べると付近に極大を持つことから、以下において磁気揺らぎが抑制されていることがわかった。これらの実験事実を多極子の自由度に基づき議論した。
髭本 亘; 青木 勇二*; 大石 一城; 伊藤 孝; Heffner, R. H.; Saha, S. R.*; 幸田 章宏*; 佐藤 英行*; 門野 良典*; 菊地 大輔*; et al.
Journal of Magnetism and Magnetic Materials, 310(2, Part1), p.620 - 622, 2007/03
SR法を用いて調べた重い電子系超伝導体(PrLa)OsSbのナイトシフトについて報告する。PrOsSbは非通常型の超伝導状態にあると考えられているが、その超伝導対称性等はこれまでのところ明確になっていない。特に、LaOsSbでは通常型の超伝導が報告されており、その中間の(PrLa)OsSbの超伝導状態は非常に興味深い問題である。ミュオンを用いて調べた(PrLa)OsSb(x=0.4)のナイトシフト測定では、超伝導状態においても減少がみられないことから非通常型、特にスピン三重項の超伝導状態にある可能性があり、講演では詳細を報告する。
Shu, L.*; 髭本 亘; 青木 勇二*; Frederick, N. A.*; Yuhasz, W. M.*; Heffner, R. H.; 大石 一城; 石田 憲二*; 門野 良典*; 幸田 章宏*; et al.
Journal of Magnetism and Magnetic Materials, 310(2, Part1), p.551 - 553, 2006/11
Zero-field muon spin relaxation (SR) experiments have been carried out in the Pr(OsRu)Sb and PrLaOsSb alloy systems to investigate the time-reversal symmetry (TRS) breaking found in an earlier ZF-SR study of the end compound PrOsSb. Our results suggest that Ru doping is considerably more efficient than La doping in suppressing TRS-breaking superconducting pairing in PrOsSb.
進藤 大輔*; 平賀 賢二*; 中島 理*; 菊地 昌枝*; 庄野 安彦*; 北條 喜一; 曽我 猛; 古野 茂実; 大津 仁
Physica C, 165, p.321 - 324, 1990/00
被引用回数:8 パーセンタイル:50.8(Physics, Applied)高温超電導体TlBaCaO(n=1~3)において、Cu-O層の増加に伴うホール濃度の変化を電子エネルギー分光法で調べた。Cu-O層の数nを増加させるに従って、ホール濃度が下がることが明らかになり、これはCu-O結合上のホール濃度が減少してゆくものと結論した。TlBaCuO(n=1の場合)において、2価のBaを3価のIaで置換してホール濃度を下げると、臨界温度Tcが55Kまで上昇することが判った。このことから、TlBaCuOにおいては、ホールが過剰にドープされているものと結論した。
新藤 大輔*; 平賀 賢二*; 平林 真*; 菊地 昌枝*; 圧野 安彦*; 古野 茂実; 北條 喜一; 曽我 猛; 大津 仁
Journal of Electron Microscopy, 38(2), p.155 - 157, 1989/00
高温超電導体における超電導の担体は酸素のホールであると考えられている。これを確かめるために、YBaCuOを電顕内でP-EELSを用いて、酸素のK-吸収端近傍のスペクトルを調べた。室温では、ホールに対応するピークが観察されたが、温度を500Cに上げて、酸素の欠損に伴うスペクトルの変化を観察した結果、ホールに対応するピークが消えることが判った。このことは超電導は主に酸素のホールによって起こることがP-EELSによって追試できた。
進藤 大輔*; 平賀 賢二*; 中島 理*; 菊地 昌枝*; 庄野 安彦*; 小林 典男*; 北條 喜一; 曽我 猛; 古野 茂実; 大津 仁
Physica C, 159, p.794 - 796, 1989/00
被引用回数:20 パーセンタイル:72.74(Physics, Applied)高温超電導体TlBaCaCuOにおいて、二価のCaを三価のYに置換することによるホールの濃度の変化を電子エネルギー損失分光法で調べた。Yの添加量を増加させるに従って、ホールの濃度が減少することを明らかにした。ホール濃度の減少はTlBaCaCuOにおける超電導体相から半導体相への相転移に従って生ずるものと結論した。
川名 大地*; 長壁 豊隆; 桑原 慶太郎*; 菊地 大輔*; 青木 勇二*; 神木 正史*; 佐藤 英行*
no journal, ,
PrFePは常圧、約6K以下でQ=(1,0,0)の反強四重極秩序を示す。これに静水圧力を加えていくと、約2.4GPaで格子定数の顕著な変化を伴って金属-絶縁体転移を示す。それと同時に四重極秩序も消滅する。今回、この圧力誘起絶縁相での秩序パラメーターを見いだすべく、高圧力下中性子回折実験を行った。実験ではJRR-3Mに設置されたTAS-1分光器を使用し、また、従来の対向サファイアアンビルセルを改良したハイブリッドアンビルセルを使用して3.2GPaまで圧力をかけた。実験の結果、約8K以下で、格子定数の異常とともに、金属相での禁制反射の位置であるQ=(1,0,0)に磁気反射のピークを観測した。解析の結果、この圧力誘起絶縁相が、体心格子の体心と頂点とで磁気モーメントが互いに反平行で、大きさがPrあたり1.8であるような反強磁性構造を持つ磁気秩序相であることがわかった。
長壁 豊隆; 川名 大地*; 桑原 慶太郎*; 岩佐 和晃*; 菊地 大輔*; 青木 勇二*; 神木 正史*; 佐藤 英行*
no journal, ,
これまでのわれわれの研究によって、スクッテルダイト化合物PrFePが、3.2GPaの圧力下で、9K以下でq=(1,0,0)の反強磁性秩序を示すことが明らかになった。今回は、この物質の臨界圧力2.4GPaに近い2.7GPaにおいて圧力下中性子回折実験を行った。その結果、2.7GPaでの磁気モーメント値は、3.2GPaでの約2に比べて10%ほど小さく、1.8となっていることが新たに明らかになった。また、試料における圧力不均一性は3.2GPaの場合に比べて小さいはずであるが、2.7GPaでは転移が明瞭でないことも明らかになった。これらの結果は、臨界圧力に近いために2.7GPaでは磁気秩序相と四極子秩序相の2相共存状態になっていると解釈される。さらに、統計精度はあまり高くはないが、磁気転移温度以下で格子定数の異方的な変化を観測した。この結果は、基底状態の波動関数の対称性と何らかの関係があると考えられる。
伊藤 孝; 髭本 亘; 大石 一城; 藤本 達也; Heffner, R. H.; 西田 信彦*; 佐藤 一彦*; 菅原 仁*; 青木 勇二*; 菊地 大輔*; et al.
no journal, ,
SmRuPは=16.5Kにおいて金属絶縁体転移を示し、さらに高磁場下では14K付近にも異常を示す。これを八極子及び双極子秩序の逐次相転移として説明するモデルが提唱されている。興味深いことに、の異常は磁場を下げるにしたがって徐々に不明瞭になっていく。低磁場における多極子の振る舞いについては、いまだ明確な描像が得られていない。われわれは低磁場下においてSmRuPのSR測定を極低温まで行った。零磁場下において、ミュオンスピン緩和率は直下から増加し始める。SRスペクトルは降温に伴い連続的な変化を示し、やがてミュオンスピンの回転信号が検出されるようになる。これは静的な内部磁場がから発達していることを示唆している。14Kには異常は認められない。さらに温度を下げていくと、3Kからミュオンスピン回転信号が明瞭になっていく様子を見ることができる。静的な内部磁場の大きさは3K以下で二次相転移的な温度変化を示す。3Kにおける異常は、縦磁場下において動的な緩和機構によるミュオンスピン緩和率の変化として明確に検出される。講演ではこれらの実験事実に基づき、低温・低磁場における多極子の振る舞いについて議論した。
伊藤 孝; 髭本 亘; 大石 一城; 藤本 達也; Heffner, R. H.; 西田 信彦*; 佐藤 一彦*; 菅原 仁*; 青木 勇二*; 菊地 大輔*; et al.
no journal, ,
SmRuPは=16.5Kにおいて金属絶縁体転移を示し、さらに高磁場下では14K付近にも異常を示す。これを八極子及び双極子秩序の逐次相転移として説明するモデルが提唱されている。興味深いことに、の異常は磁場を下げるにしたがって徐々に不明瞭になっていく。低磁場における多極子の振る舞いについては、いまだ明確な描像が得られていない。われわれは低磁場下においてSmRuPのSR測定を極低温まで行った。零磁場下において、ミュオンスピン緩和率は直下から増加し始める。SRスペクトルは降温に伴い連続的な変化を示し、やがてミュオンスピンの回転信号が検出されるようになる。これは静的な内部磁場がから発達していることを示唆している。14Kには異常は認められない。さらに温度を下げていくと、3Kからミュオンスピン回転信号が明瞭になっていく様子を見ることができる。静的な内部磁場の大きさは3K以下で二次相転移的な温度変化を示す。3Kにおける異常は、縦磁場下において動的な緩和機構によるミュオンスピン緩和率の変化として明確に検出される。講演ではこれらの実験事実に基づき、低温・低磁場における多極子の振る舞いについて議論した。