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星屋 泰二; 西村 昭彦; 西川 雅弘*
Literacy Information and Computer Education Journal (Internet), 3(2), p.694 - 706, 2012/06
日本原子力研究開発機構関西光科学研究所に附置された科学館きっづ光科学館ふぉとんでは、光科学をテーマとした国内外でも唯一の体験型科学館として、展示,映像や実験を用いて、光の不思議を体感し、科学する心を育むことを狙いとしている。この科学館では、実験・工作教室,派遣講座,サイエンス・フェスティバル及び教員研修等、さまざまな種類の活動が、地域の行政・教育機関や学校と連携して実施され、その活動については、関西光科学研究所が支援している。この研究では、最近の派遣講座,実験屋台村,サイエンス・ウォーカー等、関西光科学研究所やきっづ光科学館ふぉとんで各々役割分担しつつ、広範囲に実施された、エネルギー・環境教育に関する科学コミュニケーション活動の概要について理解度や探索心及びそれらの及ぼす効果の観点から議論されている。
星屋 泰二; 西村 昭彦; 佐々木 和也*; 西川 雅弘*
エネルギー環境教育研究, 4(2), p.49 - 56, 2010/07
きっづ光科学館ふぉとんは、日本原子力研究開発機構関西光科学研究所に附置され、展示,映像及び実験・工作の三つの方法から光の不思議に迫り、科学する心を育む国内外で唯一の光科学をテーマとする体験学習型科学館として運営されている。とりわけ、地域の行政,教育機関及び学校と連携して行う連携講座,サイエンス・フェスティバル,教員研修等で実施する実験・工作教室等、多種多様な活動を展開している。理解度や探究心,効果の視点から、最近実施した連携講座,実験屋台村,サイエンスウォーカーなどエネルギー環境教育活動の概要について概説する。
星屋 泰二; 佐々木 和也*; 西川 雅弘
レーザー研究, 36(4), p.221 - 225, 2008/04
日本原子力研究開発機構関西光科学研究所では、きっづ光科学館ふぉとんを利用した、実験教室やイベントなどさまざまな科学技術理解増進活動を展開している。ここでは、地域における科学技術理解増進のためのプログラムを含め、科学館について科学技術を理解するための一つの実験装置と捉えて、科学館の可能性を拡げる試みを展開している。本報告では、小学校上級生を対象とした、種々のエネルギー変換をテーマとする実験教室「ふぉとん虹色エネルギー実験教室」を開催した結果、142名の参加者を得た。理科実験を楽しむことに関しては、参加者の9割弱が達成され、動機づけの視点については、いずれの回においても9割前後の参加者が効果があったとしており、今後の学習意欲に繋がるものとして多いに期待できることがわかる。
上田 良夫*; 福本 正勝*; 西川 雅弘*; 田辺 哲朗*; 宮 直之; 新井 貴; 正木 圭; 石本 祐樹*; 都筑 和泰*; 朝倉 伸幸
Journal of Nuclear Materials, 363-365, p.66 - 71, 2007/06
被引用回数:10 パーセンタイル:58.16(Materials Science, Multidisciplinary)JT-60Uの外側ダイバータ部分に、タングステンをコーティングしたCFCグラファイトタイルを13枚設置し、タングステンタイルの健全性や損耗されたタングステンの輸送・再堆積特性を調べた。タングステンの再堆積分布については、EDXやXPSを用いて測定を行った。タングステンタイルには最大6MW/mの熱負荷が加わったが、特に目立った損傷は観測されなかった。Wタイルに隣接したCFCグラファイトタイル上には、タングステンが損耗・電離後、磁力線に沿って移動して堆積した厚い堆積層が局所的に存在した。また、タングステンタイルと同じセクションにおけるタングステンのポロイダル方向の再堆積分布を調べたところ、内側ダイバータストライク点近傍と外側ウイング下部に多くの堆積が見られた。これらの分布を、Cの再堆積分布と比較したところ、内側ダイバータではほぼ同様の分布を観測したが、ドームの内側ウイングと外側ウイングでは、異なった堆積傾向が見られた。
山田 弘一*; 河村 弘; 土谷 邦彦; Kalinin, G.*; 長尾 美春; 高田 文樹; 西川 雅弘*
Journal of Nuclear Materials, 340(1), p.57 - 63, 2005/04
被引用回数:5 パーセンタイル:35.8(Materials Science, Multidisciplinary)ITERでのステンレス鋼候補材SUS316LN-IGを用いて、中性子照射された材料(照射材)と未照射の材料(未照射材)に加えて照射材同士,未照射材同士をYAGレーザー溶接法により接合した材料に対して中性子照射を行い、それぞれの機械的特性の評価を行った。その結果、照射材を用いた溶接材も、未照射材のみによる溶接材も、中性子照射後にはともに照射材相当の機械的特性であることを明らかにした。これは、溶融金属部を含む未照射材部分に中性子照射により照射損傷が再度発生するためと考えられる。一方、SUS316LN-IG材において、照射材が中性子照射され照射損傷量が0.3dpaが0.6dpaとなっても、引張強度は大きく変化せず、硬さ特性では、照射損傷量が0.3dpaの部位も照射損傷量が0.6dpaの部位も同等の特性であることから、照射損傷量が0.3dpaから0.6dpaの間では、照射損傷量が変わっても、SUS316LN-IG材の機械的特性に対する中性子照射効果は変化しないことを明らかにした。
徐 陽; 田川 明広; 上田 雅司; 山下 卓哉; Otsuka, Yusuke*; Osafune, Kazunori*; 西川 雅弘*
3rd International Conference on Non-destructive Te, 0 Pages, 2003/11
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福本 雅弘; 西川 義朗*; 加川 昭夫
JNC TN8410 2002-009, 191 Pages, 2002/11
有機系TRU廃棄体(マトリックスが有機物であるもの及び廃棄物中に有機物を含むもの)は地下深部へ処分した際、長期の処分期間において水との反応及び放射線並びに微生物により分解することが予想される。処分場に浸入する地下水は、廃棄体からの劣化生成物である可溶性有機成分を溶解し、廃棄体中の超ウラン元素と安定な錯体を形成することによって、超ウラン元素の溶解度が高くなったり粘土鉱物や岩石の核種吸着能が劣化する恐れがあり、TRU廃棄物処分の性能評価に影響を及ぼすことが考えられる。このため、今回、有機系TRU廃棄物の内、アスファルト固化体を評価対象物に選定し、還元性雰囲気で水との接触による化学的劣化試験を実施したので、アスファルトから浸出する可溶性有機成分に関する評価試験の第6報として報告する。還元性雰囲気で水との接触による化学的劣化試験は、1.アスファルト+水+鉄粉(以下AHと記す)、2.アスファルト+水酸化カルシウム+硝酸ナトリウム+水+鉄粉(以下ACNHと記す)、3.アスファルト+水酸化ナトリウム+水+鉄粉(以下AOHと記す)とした。試験で得られた浸出液のTOCの結果、AH、ACNHでは経時による増加傾向は見られなかった。しかし、AOHでは経時による増加傾向が見られた。既報(1)(12)の大気雰囲気試験でも高アルカリ(10M-NaOH)の系は他の系に比べ高いTOCを示した。アスファルトの化学的劣化は酸化的分解反応が支配的であると考えられるが、還元性雰囲気下において、アルカリ加水分解反応による可溶性有機物の生成の可能性が推定される。
大塚 裕介*; 西川 雅弘*
JNC TY4400 2002-002, 59 Pages, 2002/03
本研究の目的は、ドライな環境で使用することができる電磁超音波素子によって流体速度や温度を計測することである。そのために、超音波送信器・受信器の開発を行った。また、電磁場解析によって受信器の定常磁場分布や渦電流分布についても調べた。その結果、外部励磁型受信器に比べて自己励磁型受信器は、測定分解能は高いが、リフトオフによって受信強度が大きく減少することがわかった。製作した送信器と受信器の特性は、鍛造鋼に送信器と受信器を向かい合わせになるように配置し、音速や受信強度から調べた。送信器に圧電素子を使用した場合は、製作した全ての受信器で超音波を受信することができた。しかし、受信器が小型になるほど受信強度が減少したため、電磁超音波送信器で超音波を発生させたときは、外部励磁型と自己励磁型受信器では超音波を受信することができず、磁歪型とキューブ型受信器で超音波を受信した。電磁超音波送信器・受信器を使い、水温を1070まで変化させ、温度と音速の関係を求めたところ文献値と良く一致し、温度測定を行うことができた。しかし、流速測定では十分は受信強度が得られず測定できなかった。
福本 雅弘; 西川 義朗*
JNC TN8400 2001-017, 355 Pages, 2001/03
TRU廃棄物処分研究における廃棄体中に含有される有機物の処分場の性能への影響評価の一環として、以下の7有機物について有機物の変質機構の中で重要と考えられるアルカリ加水分解の試験を行った。90C、91dまでのアルカリ加水分解試験の結果、各有機物が低分子量化し、有機物由来の分解物や変成物と推定される成分を溶液中に検出することができた。処分という長期間を考えた場合、各有機物は、今回確認したような分解生成物になると考えられる。確認した分解生成物を以下の各有機物の後に付記した。そのため、これら分解生成物についての放射性核種移行に与える影響評価が今後重要となる。(1)ナフタレンスルホン酸とリグニンスホン酸の混合系セメント用減水剤(ナフタレンジスルホン酸など)、(2)ポリカルボン酸系セメント用減水剤(末端メトキシポリエチレングリコールのオリゴマー)、(3)エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水塩(EDTA)(EDTAから酢酸が脱離・環化した変成物)、(4)りん酸トリブチル(TBP)(DBP、n-ブタノール)、(5)ポリ酢酸ビニル(酢酸)、(6)ナイロン66(アジピン酸、ヘキサメチレンジアミン)、(7)硬化したエポキシ樹脂(グリセロールポリグリシジルエーテル、カルボン酸)
福本 雅弘; 西川 義朗*; 加川 昭夫; 河村 和廣
JNC TN8400 2001-002, 23 Pages, 2000/12
TRU廃棄物処分研究におけるアスファルト固化体の影響評価の一環として、放射線(線)によるアスファルトの劣化により生成する可溶性有機物の種類と濃度について確認した。また、硝酸塩の影響についても合わせて確認した。その結果、放射線(アスファルトが処分環境で100万年の期間に受ける線の吸収線量に相当する10MGy)によるアスファルトの劣化により生成される可溶性有機物のギ酸、酢酸及びシュウ酸濃度はそれぞれ、約50mg/dm3、約30mg/dm3及び約2mg/dm3とValckeらがEurobitum(ブローンアスファルト、MexphaltR85/40)の放射線分解の劣化生成物の影響をPuとAmを用いた試験により実施し、Boom Clay間隙水中のPuとAm溶解度は増加しなかったと示した時のギ酸、酢酸、シュウ酸の濃度より低濃度の溶出であった。また、硝酸イオンが多量に存在しても、TOC、ギ酸、酢酸、シュウ酸濃度の変化は微量であった。すなわち、放射線により硝酸イオンが亜硝酸イオンとなる過程でアスファルトの酸化的分解を促進することにより、錯体の有機配位子となりうるギ酸、酢酸を溶出させることは少ないといえる。このことから、アスファルト固化体の放射線(線)による劣化により溶出してくる可溶性有機物とTRU核種との錯体形成によるTRU核種の溶解度上昇、TRU核種の分配係数低下は限定的である。
福本 雅弘; 西川 義朗*; 加川 昭夫; not registered
JNC TN8400 2000-017, 30 Pages, 2000/03
TRU廃棄物処分研究における有機物の影響評価の一環として、有機物であるセメント用減水剤(以下減水剤と記す)を用いアメリシウム-241(以下241Amと記す)のCa型化ベントナイトに対する吸着試験をバッチ法により行い、分配係数に与える減水剤の影響(減水剤の有無、減水剤濃度の違い、減水剤の種類(2種)の違い)について確認した。その結果、減水剤が共存しない条件での241AmのCa型化ベントナイトに対する分配係数(以下分配係数と略す)は1.2103m3/kgより以上であったのに対し、減水剤の種類としてナフタレンスルホン酸系を用いた場合では、減水剤濃度の低い条件(0.3g/kg)では5.2102m3/kg、減水剤濃度の高い条件(30g/kg)では2.010-1m3/kgの分配係数が得られた。減水剤の種類としてポリカルボン酸系を用いた場合では、減水剤濃度の低い条件(0.5g/kg)では1.3103m3/kgより以上、減水剤濃度の高い条件(50g/kg)では1.810-1m3/kgの分配係数が得られた。尚、減水剤濃度は、一般的に水セメント比が1程度の場合、標準的な混練水中の使用濃度は10g/kg程度であることを参考に定めた。これらより、減水剤が共存することにより、241AmのCa型化ベントナイトに対する分配係数は低下すること、2種の減水剤間の分配係数の差はないことを確認した。また、減水剤濃度は分配係数に影響を与え、減水剤濃度の高い方が分配係数が小さい傾向がみられた。すなわち、減水剤は、高濃度であれば241AmのCa型化ベントナイトに対する分配係数に影響を及ぼすが低濃度であれば241AmのCa型化ベントナイトに対する分配係数にさほど影響を及ぼさないと考えられる。
星屋 泰二; 近江 正男; 松井 義典; 西川 雅弘*
Journal of Nuclear Materials, 258-263(PT.B), p.2036 - 2040, 1998/00
被引用回数:13 パーセンタイル:70.95(Materials Science, Multidisciplinary)遠隔操作及び補修技術の観点から要素迅速交換技術として形状記憶合金を利用した応用技術が着目されている。しかしながら、同合金の照射挙動に関するデータは少なく、同合金を利用した継手の締結機能に及ぼす中性子照射効果には不明な点が多い。高速中性子照射量1.410mまで照射したTi-Ni系形状記憶合金及び合金継手試料の照射後引張、衝撃試験、継手内径測定試験を実施した。323Kで照射した継手試料の加熱冷却時に生じる温度履歴は503Kで照射した同試料の履歴の1.5倍であり、これは照射による変態温度低下及び変態温度区間の拡大に起因する。二方向継手試料では、内径の可逆変化量は照射により減少したものの、未照射試料の変化量の7割を保持した。二方向付けのために同合金継手に導入された応力場は、照射により生ずる残留歪と密接に関連し、照射効果が低減したと予想される。
関 昌弘; 岸本 浩; 松田 慎三郎; 西川 雅弘*; 礒辺 倫郎*; 斉藤 正樹*; 西 正孝; 吉田 善章*; 徳田 伸二; 吉川 潔*; et al.
電気学会技術報告, 0(613), 102 Pages, 1996/00
核融合炉を発電システムとして捉える立場から、(1)既存の装置、計画中の装置、そして構想段階の将来の可能性を調査し、特に電気技術の面から核融合炉が備えるべき特性を探り、(2)今後50年以上を要する超長期的かつ巨額の予算を必要とする核融合炉の研究開発に各界の支持を維持し、若い有能な研究者の育成を継続することを目指し、研究開発の途中段階での「魅力」を再発見、再認識すること、の2点を目的とした電気学会核融合発電システム調査専門委員会(1993年6月-1996年5月)の技術報告書である。本技術報告書は、委員会での調査活動の結果得られた様々な技術情報をオムニバス形式でまとめる構成をとり、それぞれの技術分野の専門家が最新の情報に基づき論説している。
星屋 泰二; 後藤 一郎; 近江 正男; 安藤 弘栄; 江南 和幸*; 西川 雅弘*
Journal of Nuclear Materials, 212-215, p.818 - 822, 1994/00
被引用回数:3 パーセンタイル:35.79(Materials Science, Multidisciplinary)原子力関連機器設計において、構成材料の弾性力を利用した構成要素の拘束・支持機構の設計が数多くなされてきた。最近、こうした構造材料の弾性力が、照射中に急激に低減・消滅する照射誘起応力緩和現象の存在が深刻な課題となっている。母相の弾性力を形状回復力として利用する形状記憶合金においても、同現象は不可避の問題である。本報告では、JMTRにおいてTiNi及びTiPd系形状記憶合金の中性子照射実験を実施し、照射誘起応力緩和機構を解明するとともに、TiPd系合金の中性子照射挙動について明らかにすることを目的とした。照射後の応力緩和実験結果から、照射下における形状記憶合金の応力緩和機構は、格子間原子以外の空孔の挙動に大きく左右され、空孔依存型の現象であること、さらに、環境温度を制御することによって、この応力緩和が抑制できることを見出した。
星屋 泰二; 島川 聡司; 市橋 芳徳; 西川 雅弘*
Journal of Nuclear Materials, 191-194, p.1070 - 1074, 1992/00
被引用回数:10 パーセンタイル:67.8(Materials Science, Multidisciplinary)TiNi形状記憶合金の形状記憶特性を利用した原子力関連機器分野への応用開発が進められているが、形状記憶合金に及ぼす中性子照射の影響については明らかではない。照射環境下におけるTiNi形状記憶合金の使用条件を見出すため、3種類のTiNi形状記憶合金を様々な中性子フルエンス条件下で照射し、照射後等温・等時焼鈍後の電気抵抗測定を実施して、変態特性を調べた。さらに照射後の変形挙動を明らかにするために低温引張試験を行った。照射温度が520Kの場合、損傷量にかかわらずM温度の変化は小さく、未照射材のM温度に殆ど一致した。また323Kで照射すると、M温度は急激に低下したが照射後に523Kで焼鈍すると、照射前の変態温度に回復した。この回復温度は極めて低いHomologous温度(T/Tm;Tm融点)0.33に相当する。これら形状記憶合金特有の照射効果は照射下の規則-不規則変態に関する検討結果によって説明出来る。
星屋 泰二; 島川 聡司; 市橋 芳徳; 西川 雅弘*; 渡辺 健二*
Journal of Nuclear Materials, 179-181, p.1119 - 1122, 1991/00
被引用回数:17 パーセンタイル:84.12(Materials Science, Multidisciplinary)形状記憶合金は遠隔操作を用いた要素迅速交換技術に極めて有用であるが、実用上最も問題となる高速中性子照射挙動については明らかではない。高速中性子炉JMTR及び14MeV中性子源オクタビアンにおいてTiNi形状記憶合金の照射実験を実施した結果、中性子照射による特異な照射挙動、(1)電気抵抗の負の温度依存性(2)5%までの回復弾性歪(3)高破断応力及び(4)損傷回復挙動の存在が明らかになった。この損傷回復はT/T=0.33(T:融点、T=523k)という極めて低い温度で生ずる。この現象を利用すれば、照射環境温度を制御することにより照射損傷の影響を最小限に抑制することが可能となる。規則構造を有するTiNi形状記憶合金は変位損傷、変位損傷率や照射温度など中性子照射環境因子に対して、速応答性であると同時に高感受性でもあるため、耐照射型機能材料となり得る可能性を有している。
星屋 泰二; 高田 文樹; 西川 雅弘*; 渡辺 健二*; 市橋 芳徳
Proc. Int. Workshop on Intelligent Materials, p.283 - 288, 1989/03
Ti-Ni形状記憶合金は形状記憶効果や擬弾性と呼ばれる特異な効果を有するため、実用的な見地からも注目されている。これらの特性を利用すれば、中性子照射環境において、中性子壁負荷の大きな材料の交換・補修という原子力工学分野に不可欠な要素迅速交換技術へも適用可能であるため、炉設計や遠隔補修の立場からも本材料実用化の意義は極めて大きい。しかしながら、実用化のための基礎データとなるTi-Ni形状記憶合金の照射挙動については殆ど明らかにされていない。本報告では、中性子照射Ti-Ni形状記憶合金の(1)電気抵抗の負の温度依存性、(2)異常な弾性挙動、(3)高歪形態の母相、(4)損傷回復効果の原因について調べた。
西川 雅弘*; 戸田 三朗*; 橘 英三郎*; 星屋 泰二; 川合 正道*; 後藤 誠一*; 渡辺 健二*
Fusion Engineering and Design, 10, p.509 - 514, 1989/00
被引用回数:12 パーセンタイル:77.45(Nuclear Science & Technology)他のエネルギーシステムと比較して競合可能となる核融合炉を目指した、小型かつ経済的な高出力密度核融合炉設計が検討されている。小型・高出力密度化を指向すると第1壁に対する壁負荷は厳しくなり、材料改善による長寿命化という材料学的に未解決な問題を生ずる。こうした背景のなかでは、炉設計の段階から、照射場内の炉心周辺部分の交換・補修を前提とした基礎設計が必要とされる。本報告ではCCTRの概念設計で用いた形状記憶合金(SMA)による迅速・簡便な交換技術を真空ゲートバルブへ適用し、従来問題とされていた交換補修時のベーキング時間を大幅に短縮する「真空その場交換技術」(vacuum-vacuum replacement)の概念について提案する。この技術は一般のトカマク炉における要素交換にも適用出来る。またSMSゲートバルブの構造解析結果及び構成材であるSMAの照射挙動についても述べる。
西川 雅弘*; 河合 正道*; 橘 英三郎*; 後藤 誠一*; 戸田 三郎*; 岡本 真実*; 飯田 浩正; 星屋 泰二; 近藤 光昇*; 沢田 吉夫*; et al.
Fusion Technology 1988, p.1806 - 1810, 1989/00
形状記憶合金(SMA)継手を利用した要素迅速交換技術が、高出力密度小型核融合炉の概念設計において検討されている。SMA継手は継手温度を変えるだけで継手の装着・脱着をおこなうことが出来る。SMA駆動素子を用いたコンパクト大型ゲートバルブがあらたに考案された。この大型ゲートバルブを用いることにより、真空条件を破ることの無い、その場迅速交換、すなわち、初期のベーキングを除けば、各要素交換時の真空境界内ベーキングを不要とするvacuum-vacuum replacementが可能となる。本発表では、SMA駆動素子を利用したコンパクト大型ゲートバルブの設計詳細ならびに、設計と密接に関連するSMA駆動素子の基本挙動について報告する。
西川 雅弘*; 後藤 誠一*; 三宅 正宣*; 岡本 芳三*; 星屋 泰二; 高橋 亮人*; 戸田 三郎*; 橘 英三郎*; 田戸 茂*; 岡本 真実*; et al.
高出力密度核融合炉における要素交換技術の基礎設計, 147 Pages, 1988/03
核融合炉概念設計において、小型、高出力密度化を指向すればするほど中性子壁負荷の問題が大きくなり、新たな材料改質技術が必要とされる。このような既存材料の改善・長寿命化技術あるいは新材料開発技術が進展したとしても、各部の要素交換・補修・修理を前提としない設計では、信頼性の確保が困難となる。本研究では、要素交換を前提として、交換ならびに補修、修理に対し、機械構造的機構に設計・工夫した技術を積極的に評価し、取り組むことにより、炉全体の機能向上を目指している。具体的には、形状記憶合金を足掛かりとして、広くトカマク炉などにおける要素交換の着脱部分に適用出来る「要素迅速交換技術」の評価、検討を行い、形状記憶合金駆動素子を応用した大口径コンパクトゲートバルブの有用性について提案する。
星屋 泰二; 西村 昭彦; 西川 雅弘*
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日本原子力研究開発機構関西光科学研究所に附置されたきっづ光科学館ふぉとんは、光科学をテーマとして、さまざまな展示物,映像及び実験教室を通して、光の不思議を体感でき、科学する心を養うことのできる唯一の科学館である。実験・工作教室などの多種多様な活動は、地域の行政,教育機関や学校と連携しつつ行われている。この報告では、理解度,探究心及びそれらの及ぼす効果の観点から、エネルギー環境教育に関する活動の全貌について述べる。