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論文

熱年代学的手法に基づく谷川岳地域の熱史・削剥史の推定

南 沙樹*; 末岡 茂; 福田 将眞; 長田 充弘; Kohn, B. P.*; 横山 立憲; 鏡味 沙耶; 梶田 侑弥*; 田上 高広*

フィッション・トラックニュースレター, (35), p.22 - 26, 2022/12

一般的に花崗岩は、地下数kmから数十kmの深部で形成される。したがって、最近形成された若い花崗岩が、現在地表に露出する地域では、極めて急速な隆起・削剥が起きている可能性がある。世界的に見ると、約5Maより若い花崗岩の分布は、変動帯に集中している。変動帯にある日本列島でも、飛騨山脈の黒部川花崗岩や、南部フォッサマグナ地域の丹沢トーナル複合岩体などで、ジルコンU-Pb年代測定(閉鎖温度900$$^{circ}$$C以上)により数Ma以内の若い形成年代が報告されている。本研究の対象地域である谷川岳地域は、東北日本弧南部の背弧側に位置し、その地質は主に、後期白亜紀-古第三紀の花崗岩類と、これらに貫入する鮮新世の谷川岳花崗岩類(赤湯岩体・谷川岩体・巻機岩体)から成る。先行研究では、谷川岳花崗岩類について、形成年代を表すジルコンU-Pb年代(約4.0-3.2Ma)と、約280$$^{circ}$$C付近の冷却年代を表す、ジルコンのフィッション・トラック(ZFT)年代(約3.3-2.9Ma)及び、350-400$$^{circ}$$C付近の黒雲母K-Ar年代(約3.9-3.1Ma)などが報告されている。しかし、約280$$^{circ}$$Cより低温域における熱史は不明である。本研究では、後期白亜紀水上石英閃緑岩と谷川岳花崗岩類について、未測定の地点にU-Pb年代測定を実施し、約200$$^{circ}$$C以下の低温側の熱史・削剥史を推定するためにジルコンとアパタイトの(U-Th)/He年代測定(ZHe年代: 閉鎖温度160-200$$^{circ}$$C、AHe年代: 閉鎖温度55-80$$^{circ}$$C)を実施した。その結果、谷川岳花崗岩類は、ジルコンU-Pb年代測定により、約6.0-3.2Maの間に少なくとも3回の異なる時代の貫入によって形成されたことが明らかとなった。また、最近の山地形成に関連した削剥を最も反映していると期待される、AHe年代の閉鎖温度から地表温度(10$$^{circ}$$C)の平均冷却速度は、山頂稜線の東側に位置する巻機岩体と水上石英閃緑岩で13-36$$^{circ}$$C/Ma、稜線西側の谷川岩体の1地点(AHe年代: 約1.2Ma)で36-60$$^{circ}$$C/Maと推定された。稜線東側では、AHe年代が約3.0-2.0Ma頃に集中しており、この時期の急速な削剥が示唆される。AHe年代から得られた削剥速度について、丹沢山地や東北日本弧と比較すると、谷川岳地域の削剥速度は、島弧-島弧衝突帯の丹沢山地や、歪の集中で知られる奥羽脊梁山地のような地殻変動が活発な地域に匹敵することが示唆された。

論文

高強度薄鋼板の水素脆化メカニズム

北條 智彦*; 柴山 由樹; 味戸 沙耶*; 小山 元道*; 秋山 英二*

まてりあ, 61(7), p.413 - 418, 2022/07

本稿では自動車用高強度鋼板の水素脆化研究の紹介、および著者らの最近の研究成果の紹介を行った。自動車用高強度鋼板は優れた延性やプレス成形性を確保するため、微細組織を鋼中に微細均一に残留$$gamma$$を存在させた複相組織とすることが検討されており、水素脆化挙動に及ぼす微細組織の影響をより複雑化する。また、曲げ加工、深絞り加工、穴広げ加工、せん断加工等のプレス成形様式によって変形様式が大きく異なり、高強度鋼板に付与される塑性ひずみ、残留応力が異なるため、プレス加工も高強度鋼板の水素脆化特性評価を複雑化する因子となっている。自動車用高強度鋼板の水素脆化特性評価、水素脆化挙動の詳細な解析は、微細組織の複相化の効果、応力、塑性ひずみの効果を複合的に考慮する必要があり、これまでの高力ボルトの水素脆化研究から得られた知見をもとに、今後、自動車用高強度鋼板の耐水素脆化特性に関する研究がさらに進むことが期待される。

論文

Two pulse intrusive events of the Pliocene Tanigawa-dake granites revealed from zircon U-Pb dating

南 沙樹*; 長田 充弘; 末岡 茂; 福田 将眞; 梶田 侑弥*; 小北 康弘; 鏡味 沙耶; 横山 立憲; 田上 高広*

Earth, Planets and Space (Internet), 73(1), p.231_1 - 231_7, 2021/12

 被引用回数:1 パーセンタイル:7.74(Geosciences, Multidisciplinary)

We performed zircon U-Pb dating on the Pliocene Tanigawa-dake granites (Makihata and Tanigawa bodies) and the Cretaceous Minakami quartzdiorite, Northeast Japan Arc. Concordia ages were estimated to be 3.95 $$pm$$ 0.11 Ma ($$pm$$ 2 sigma) for the Makihata body, 3.18 $$pm$$ 0.13 Ma and 3.32 $$pm$$ 0.15 Ma for the Tanigawa body, and 109.4 $$pm$$ 2.2 Ma for the Minakami quartzdiorite. The Minakami quartzdiorite is possibly correlated to the bedrock in the Ashio belt because the age of the Minakami quartzdiorite is consistent with the zircon U-Pb ages of the earliest Tadamigawa granites (107-62 Ma) which are distributed to the northeast of the Tanigawa-dake region and belong to the Ashio belt. All the zircon U-Pb ages of the Tanigawa-dake granites are older than the previously reported cooling ages, i.e., K-Ar ages and zircon fission-track ages, being consistent with their difference in closure temperature. On the basis of these results, we concluded that the intrusive ages of the Tanigawa-dake granites are ~4-3 Ma, which are among the youngest exposed plutons on Earth. The U-Pb ages of the Makihata body and the Tanigawa body are different significantly in the 2 sigma error range. Thus, the Tanigawa body intruded later than the Makihata body by ~0.7 Myr.

論文

アパタイトフィッション・トラック熱年代学に基づく北上山地の削剥史の推定

梶田 侑弥*; 末岡 茂; 福田 将眞; 横山 立憲; 鏡味 沙耶; 長田 充弘; 田上 高広*

フィッション・トラックニュースレター, (34), p.14 - 16, 2021/12

東北日本弧前弧域における地質学的時間スケールの詳細な隆起・削剥史の復元のため、北上山地に分布する花崗岩類を対象としたU-Pb年代測定およびアパタイトフィッション・トラック(AFT)熱年代学を適用した。また、東縁に分布する浄土ヶ浜流紋岩について、その熱的影響や活動時期推定のため、U-Pb年代測定を行った。結果として、北上山地に分布する白亜紀花崗岩類2試料について122.7Maと117.3MaのU-Pb年代、および15試料について156.8Maから70.3MaのAFT年代、浄土ヶ浜の流紋岩については44.3MaのU-Pb年代が得られた。先行研究および本研究で得られたAFT年代を総合すると、北上山地の西方に向けて若返る傾向が示唆された。その原因として、火山フロントの移動による浄土ヶ浜の火成活動が考えられるが、本研究で得られたU-Pb年代に比べてAFT年代は有意に古い結果となり、トラックの長さ分布を利用した熱史逆解析の結果も徐冷を示唆していることから、再加熱を積極的に支持する結果は得られなかった。今後は、追加分析によるデータの信頼性の向上や、ESR法などのより閉鎖温度が低い熱年代計などの適用を予定している。

論文

ジルコンU-Pb年代測定による谷川岳地域に露出する中新世$$sim$$鮮新世花崗閃緑岩の貫入年代の推定

南 沙樹*; 長田 充弘; 末岡 茂; 福田 将眞; 梶田 侑弥*; 小北 康弘; 横山 立憲; 鏡味 沙耶; 田上 高広*

フィッション・トラックニュースレター, (34), p.4 - 8, 2021/12

国内において急激な隆起・削剥を経験してきた地域であると期待される、数Maに形成された若い花崗岩類が露出する谷川岳地域において、貫入年代の決定を目的にU-Pb年代測定を実施した。結果として、白亜紀花崗閃緑岩では109Ma、若い花崗岩類と推察された岩体では3.95Maから3.19Ma(3試料)のU-Pb年代が得られた。これらの年代は先行研究で報告されていた、より閉鎖温度の低い手法であるK-Ar法やジルコンのフィッション・トラック年代と整合的な値であり、本研究で得られたU-Pb年代の方が古い値を示す。したがって、得られたU-Pb年代は若い花崗岩の貫入年代に相当すると解釈でき、最低でも二回に及ぶ複数の貫入イベントによって谷川岳地域の若い花崗岩体が形成された可能性を提示した。

論文

張出し成形した焼戻しマルテンサイト鋼板の水素脆化に及ぼす残留応力の影響

西村 隼杜*; 北條 智彦*; 味戸 沙耶*; 柴山 由樹*; 小山 元道*; 齋藤 寛之*; 城 鮎美*; 安田 良*; 菖蒲 敬久; 秋山 英二*

鉄と鋼, 107(9), p.760 - 768, 2021/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

本研究では、球頭パンチを用いて張出し加工を施した引張強さ1000MPa級の一般的な焼戻しマルテンサイト鋼をプレス成形部品のモデルサンプルとして採用し、その水素脆化特性を評価した。残留応力分布は、SPring-8のBL14B1の白色X線を用いたエネルギー分散XRDによって求めた。さらにFEMを用いて張出し加工後の試験片の残留応力、および塑性ひずみ分布を解析した。その結果、水素チャージにより張出し試験片の張出し側のFoot部で、面対称に2つのき裂が発生し、半径方向に伝播すること、XRDとFEMにより得られた残留応力分布によると、円周方向の引張応力はFoot部で最大値を示し、この円周方向の最大引張応力が作用した位置はき裂発生位置とよく一致し、応力がき裂発生の要因となっていることなどが示唆された。

論文

Effects of residual stress on hydrogen embrittlement of a stretch-formed tempered martensitic steel sheet

西村 隼杜*; 北條 智彦*; 味戸 沙耶*; 柴山 由樹*; 小山 元道*; 齋藤 寛之*; 城 鮎美*; 安田 良*; 菖蒲 敬久; 秋山 英二*

ISIJ International, 61(4), p.1170 - 1178, 2021/04

 被引用回数:3 パーセンタイル:24.75(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

The effects of residual stress on the hydrogen embrittlement behavior of a tempered martensitic steel sheet with 1-GPa-class tensile strength stretch-formed by a hemisphere punch simulating press-formed automotive structural parts were investigated. Cracking on the stretch-formed specimen induced by potentiostatic hydrogen charging was initiated in the foot of the impression of the specimen and propagated to the radial direction both toward the hillside and the plain. The mixture of quasi cleavage and intergranular fractures were observed whole through the fracture surface. Residual stress in the stretch-formed specimens was analyzed by using energy-dispersive X-ray diffraction method utilizing the synchrotron X-ray radiation at SPring-8. In addition, stress and plastic strain distributions in the specimen were analyzed by using Finite Element Method (FEM). These analyses depicted that the high tensile stress in the circumferential direction was in the foot of the impression, corresponding to the direction of the crack growth. The FEM analysis revealed that the high triaxial stress was in the foot suggesting accumulation of hydrogen. It was considered that the preferential crack initiation at the foot was promoted by the high residual stress in the circumferential direction and the hydrogen accumulation due to stress-induced diffusion.

口頭

Analysis of current quench of the JT-60U tokamak by using two dimensional MHD equilibrium calculation code (DINA)

河上 翔*; 柴田 欣秀*; 渡邊 清政*; 大野 哲靖*; 梶田 信*; 岡本 征晃*; 諫山 明彦; 杉原 正芳*; 河野 康則; Lukash, V. E.*; et al.

no journal, , 

トカマク型核融合装置においてディスラプションが発生すると第一壁や真空容器に熱的・電磁的な負荷を与えることから、ディスラプションの特性を理解して予測・回避・緩和のためのシナリオを確立することが重要である。今回、ディスラプション発生時のプラズマ電流の減衰過程に関して、JT-60Uの実験結果と2次元軸対称MHD平衡計算コードDINAの計算結果とを比較した。DINAの計算においてパワーバランスから解いた電子温度を用いた場合、プラズマ電流の時間発展は実験に比べて速い減衰となった。また、電子温度を100eV、実効電荷を17で一定値として計算した場合、プラズマ電流とプラズマ断面積の減衰は実験とよい一致を示したが、ディスラプション開始時刻における内部インダクタンスは実験値より低くなり、その時間発展も実験とは異なるものとなった。DINAでは電子温度分布を一定としているが、実際は一定ではない分布を持つことから、内部インダクタンスの差異の原因の1つとして電子温度分布が考えられる。

口頭

アパタイトフィッション・トラック熱年代学に基づく北上山地の削剥史の推定

梶田 侑弥*; 末岡 茂; 福田 将眞; 横山 立憲; 鏡味 沙耶; 長田 充弘; 田上 高広*

no journal, , 

前弧域は海溝の沈み込みの影響を強く反映する地域であるが、本研究では東北日本弧前弧域の北上山地を対象に、熱年代学の手法を用いて地質学的時間スケールの削剥史を推定した。北上山地の白亜紀花崗岩類において、156.8-70.3Maのアパタイトフィッション・トラック(AFT)年代と、117.3Ma及び122.7MaのジルコンU-Pb年代が得られた。既報データを併せた東西方向の傾向は西方若化を示し、浄土ヶ浜の火成活動による熱影響は認められず、広域的な隆起・削剥史を反映していると考えられる。一様な地温勾配を仮定すると、120-90Maは西側で削剥が速く、90Ma以降は東西で一様になったと推定されるが、これは白亜紀の火山岩類の分布から推定される削剥史とも整合的である。

口頭

ジルコンU-Pb年代測定による谷川岳地域に露出する中新世$$sim$$鮮新世花崗閃緑岩の貫入年代の推定

南 沙樹*; 長田 充弘; 末岡 茂; 福田 将眞; 梶田 侑弥*; 小北 康弘; 横山 立憲; 鏡味 沙耶; 田上 高広*

no journal, , 

花崗岩は一般的に地下数kmから数十kmで形成されるため、数Maの若い花崗岩が露出している地域では極めて速い隆起・削剥が起きていると考えられ、それらの分布はプレート収束境界に集中している。日本国内では、北アルプスの飛騨山脈や南部フォッサマグナの丹沢山地などが挙げられる。谷川岳周辺は、黒雲母K-Ar年代などにより谷川岳花崗閃緑岩の形成時期が中新世から鮮新世とされているが、明確な貫入年代は明らかではない。本研究では、若い貫入岩体である谷川岳花崗閃緑岩(東側岩体1地点と西側岩体2地点)と被貫入側の白亜紀みなかみ花崗閃緑岩(1地点)を採取し、レーザーアブレーション試料導入による誘導結合プラズマ質量分析法(LA-ICP-MS)によりジルコンのU-Pb同位体分析を行った。東側岩体では3.95$$pm$$0.14Ma、西側岩体では3.19$$pm$$0.15Ma、3.32$$pm$$0.15Ma、みなかみ花崗閃緑岩は109.3$$pm$$3.2Maの年代値を得た(いずれも誤差は2$$sigma$$)。みなかみ花崗閃緑岩から得た年代は、付近の白亜紀花崗岩のジルコンU-Pb年代が107から93Maであることと矛盾はない。谷川岳花崗閃緑岩から得られた年代はいずれも同一岩体から報告されている黒雲母K-Ar年代やジルコンFT年代よりも古い。この年代差は、閉鎖温度の違いを反映したものであると考えられ、谷川岳花崗閃緑岩の貫入年代は4から3Maと結論される。ただし、西側岩体と東側岩体のU-Pb年代値は2$$sigma$$の誤差範囲で有意差が認められ、東側岩体が約400万年前に貫入し、その後70-100万年後に西側岩体が貫入したと推定される。

口頭

マルチ鉱物年代スタンダードの可能性; 東北日本仁左平層NSTジルコンの予察分析

長田 充弘; 福田 将眞; 末岡 茂; 横山 立憲; 鏡味 沙耶; 仁木 創太*; 岩野 英樹*; 檀原 徹*; 小北 康弘; 梶田 侑弥*; et al.

no journal, , 

本研究は東北日本の仁左平層のNSTと呼ばれる試料のジルコンのU-Pb年代とフィッショントラック(FT)年代を複数の施設で測定し、新たにHf同位体について分析を実施したので、それらの結果について報告する。NSTはジルコンによるU-Pb年代とFT年代や黒雲母K-Ar年代といった閉鎖温度の異なる複数の放射壊変系列の年代がいずれも約22-21Maを示し、標準試料として有効な可能性がある。京都大学より提供されたNSTジルコンからはいずれの施設でも約23-21MaのU-Pb年代を得た。これらの結果は先行研究ともおおむね整合的である。ただし、約30-26Maのジルコンも確認される例や4$$Pi$$面でのFT年代が古くなる傾向については、今後検討を要する。Hf同位体比($$^{176}$$Hf/$$^{177}$$Hf)の加重平均値として0.282895$$pm$$29を得た。また、Lu/Hf比とYb/Hf比は他のジルコンHf同位体比標準試料のそれに比べて高い傾向にある。Hf同位体分析では、LuやYbなどのHfに干渉する同重体を正しく補正する必要があり、こうした特徴を持つNSTは、Hf同位体分析の精確さを評価する上で重要な試料となる可能性もある。

口頭

北上山地における白亜紀以降の隆起・削剥史の熱年代学的検討

梶田 侑弥*; 末岡 茂; 福田 将眞; 横山 立憲; 鏡味 沙耶; 長田 充弘; Kohn, B. P.*; 田上 高広*

no journal, , 

前弧域は海溝の沈み込みの影響を強く反映する地域であるが、本研究では東北日本弧前弧域の北上山地を対象に、熱年代学の手法を用いて地質学的時間スケールの削剥史を推定した。アパタイトフィッション・トラック(AFT)年代は156.8-70.3Maを示し、東に向かって古くなる傾向を示した。一方、アパタイト(U-Th)/He年代は76.3-33.6Maを示したが、もっとも西に地点を除くとほぼ一様な値を示した。北上山地では、約120Ma以降の累積では西側の方が削剥が進んでいるが、約40-30Ma以降はほぼ均一に削剥が進行してきたと考えられる。

口頭

火山弧の隆起形態の推定を目指して; 奥羽脊梁山地北部の花崗岩類におけるアパタイトフィッション・トラック法の適用

福田 将眞; 末岡 茂; 梶田 侑弥*; 鏡味 沙耶; 横山 立憲; 田上 高広*

no journal, , 

弧-海溝系に一般的にみられる火山弧の形成・発達に伴う鉛直方向の変形過程(隆起・削剥史)の推定を目的として、典型的な島弧として知られる東北日本弧に分布する花崗岩類を対象にアパタイトフィッション・トラック(AFT)年代測定を実施した。本研究では、奥羽脊梁山地北部における白亜紀から中新世の花崗岩類の計7試料を対象としており、年代分析の結果、新たに数十Maから数MaのAFT年代を得た。これは奥羽脊梁山地の南部で得られた既往AFT年代の結果と整合的であり、特に若い数MaごろのAFT年代は、6.5Ma頃に始まり第四紀に加速した東西圧縮に伴う隆起・削剥を反映している可能性が示唆された。本講演では、奥羽脊梁山地の南北で実施されたAFT年代の空間分布を比較し、隆起形態の議論を試みる予定である。

口頭

Evaluation of zircon from the Pliocene Utaosa rhyolite Japan as reference material for (U-Th)/He thermochronometry

福田 将眞; Kohn, B.*; 末岡 茂; 鏡味 沙耶; 梶田 侑弥*; 南 沙樹*; 岡本 晃*; 田上 高広*

no journal, , 

ジルコン(U-Th)/He法(以下、ZHe法)において、年代標準試料となるジルコンの確立を目指すため、形成年代が若い(100Ma以下)岩石を対象にZHe年代分析を実施した。100Ma以下の試料では、ZHe年代のばらつきと放射線損傷に相関がほとんど見られないことが経験的に知られている。そこで、鮮新統の歌長流紋岩(TRG-04, TRG-07)及び、他の年代測定法の標準試料であるBuluk TuffやOD-3を対象としてZHe年代分析を行った。本講演では、歌長流紋岩の予察的ZHe年代を報告し、各試料の年代のばらつきや再現性を評価するためZHeデータの比較を行う。

口頭

Thermal/denudation histories in the Tanigawa-dake region based on multi-thermochronometries

南 沙樹*; 末岡 茂; 福田 将眞; 長田 充弘; Kohn, B. P.*; 横山 立憲; 鏡味 沙耶; 梶田 侑弥*; 田上 高広*

no journal, , 

Granites are generally formed at a crustal depth of a few to dozen kilometers. Regions where young granites are exposed could have been extremely rapidly uplifted and denudated. The Tanigawa-dake area is located on the back arc side of Northeast Japan arc and is included in Niigata-Kobe tectonic zone. The lithology of this area is mainly composed of late Cretaceous to Paleogene granites and Pliocene Tanigawa-dake granites (Akayu, Tanigawa and Makihata bodies). We performed (1) zircon U-Pb dating to determine the precise intrusive ages and (2) zircon and apatite (U-Th)/He dating (the closure temperatures are 160-200 and 55-80 deg.C, respectively) to estimate the thermal/denudation histories at the shallower crust. We obtained zircon U-Pb ages of 6.0-3.2 Ma, ZHe ages of 3.1-1.3 Ma, and AHe ages of 3.3-1.2 Ma for the Tanigawa-dake granites, and AHe ages of ca 2.4 Ma for the Minakami quartzdiorite. Considering difference in the zircon U-Pb ages, the three bodies of the Tanigawa-dake granites intruded at different timings, ca 6 Ma, 4 Ma and 3 Ma. The cooling rates between closure temperature of AHe and surface temperature (10 deg.C) range 13-36 deg.C/Myr for the Minakami quartzdiorites and the Makihata body in the eastern side of the main ridge, and 36-60 deg.C/Myr for the Tanigawa body in the western side. All AHe ages in the eastern side range at 3-2 Ma, in spite of the zircon U-Pb ages of ca 109 Ma and 4 Ma, indicating that the area was denudated uniformly at this timing. In addition, denudation rates calculated from AHe ages in the Tanigawa-dake area are comparable to those of the Tanzawa mountain and the Ou Backbone range, and are faster than those of the back-arc side of the Northeastern Japan arc. Thus, the denudation rates in the Tanigawa-dake area are equivalent to the rates of these active crustal movement areas.

口頭

Ir錯体を用いた張出し成形高強度鋼板の水素拡散挙動解析

味戸 沙耶*; 西村 隼杜*; 北條 智彦*; 小山 元道*; 藤田 健一*; 柿沼 洋*; 秋山 英二*; 柴山 由樹

no journal, , 

近年、自動車車体の軽量化による燃費の向上を目的として、自動車用鋼板は高強度化が進められている。しかし、鉄鋼材料は高強度化にともない、水素脆化感受性の増加が問題となる。自動車用鋼板は、プレス成形にともない材料内部には塑性ひずみと残留応力が不均一に導入される。この不均一な塑性ひずみおよび残留応力は、材料中での水素拡散挙動へ影響し、鋼中の水素濃度分布が局在化する可能性がある。したがって、プレス成形鋼板の水素脆化特性を理解するためには、プレス成形で導入される塑性ひずみや残留応力で変化する水素拡散挙動を明らかにする必要がある。我々は、これまで水素と反応すると色が変化するIr錯体を用いた水素可視化法の開発に取り組み、純鉄を透過した水素を可視化することに成功した。本研究では、この水素可視化法を張出し成形鋼板へ適用し、水素拡散挙動の分布解析を試みた。さらに、有限要素法(FEM)を用いて塑性ひずみと残留応力分布を解析し、塑性ひずみと残留応力が水素拡散挙動へ与える影響を調査した。

口頭

奥羽脊梁山地南部における白亜紀花崗岩類のアパタイトフィッション・トラック年代の空間分布; 火山弧のドーム状隆起への知見

福田 将眞; 末岡 茂; 鏡味 沙耶; 梶田 侑弥*; 田上 高広*

no journal, , 

プレート沈み込み帯で活発に起きる、地球表層における地質学的諸現象(例えば、火成活動や地震活動,造山運動)の理解には、歪の蓄積・解放過程の解明に向けた様々な時間スケールにおける隆起・沈降や削剥への定量的なアプローチが不可欠である。本研究では、弧-海溝系に一般的に見られる火山弧に着目し、その形成・発達過程に伴う鉛直方向の変形履歴(隆起・削剥史)の解明を目的としている。本研究では、典型的な地形配列を有する島弧と言われる東北日本弧を対象とし、その中軸部に位置する火山弧である奥羽脊梁山地の山地形成過程について、熱年代法に基づいた推定を試みる。これまで、著者らのアパタイトフィッション・トラック法やアパタイト(U-Th)/He法(以降、AFT法, AHe法)を中心とした低温領域($$<$$300$$^{circ}$$C)の熱年代法の適用により、東北日本弧における島弧構成単元(前弧-火山弧-背弧)ごとの隆起・削剥過程は徐々に明らかになりつつある。本講演では、既にドーム状隆起であると期待されている奥羽脊梁山地南部において、これまで得られている約20点のAHe年代(39.1$$sim$$1.5Ma)および約10点のAFT年代(29.8$$sim$$4.4Ma)の空間分布について、年代値が報告されていない空白域のデータを拡充し、詳細な隆起モデルを描像する目的で、新たにAFT年代データの取得を試みた。結果として、奥羽脊梁山地南部で新たに約10点のAFT年代を取得し、数十$$sim$$数Maの値を得た。この結果は既報AFT年代と整合的であり、数Ma程度の年代は3$$sim$$2Ma以降の東西方向の強圧縮応力に伴う隆起・削剥を反映していると示唆される。

口頭

Thermal/denudation histories of the late Neogene pluton revealed by multi-thermochronometries and Al-in-Hornblende geobarometry in the Tanigawa-dake area, central Japan

南 沙樹*; 末岡 茂; 福田 将眞; 長田 充弘; Kohn, B. P.*; 横山 立憲; 鏡味 沙耶; 河上 哲生*; 東野 文子*; 安邊 啓明; et al.

no journal, , 

Granites are generally formed at a crustal depth of several kilometers or deeper. Especially, granites younger than ca 5 Ma are exposed along the plate convergence boundaries, implying very rapid uplift/exhumation rates in the areas. Japanese islands are one of such areas, e.g., the world's youngest Kurobegawa granite (ca 0.8 Ma) is exposed on the Hida mountains. The Tanigawa-dake area is located in the arc-arc junction, where late Neogene Tanigawa-dake granites (zircon U-Pb ages: ca 4.0-3.2 Ma) are exposed. In this study, we performed zircon U-Pb, zircon (U-Th)/He (ZHe) and apatite (U-Th-Sm)/He (AHe) datings for the Tanigawa-dake granites to constrain thermal/denudation histories from the intrusion to exposure. We obtained 6.0-3.2 Ma of zircon U-Pb ages together with the previous work, 3.3-1.4 Ma of ZHe ages and 2.8-1.0 Ma of AHe ages. Zircon U-Pb ages indicated at least three intrusive events for the Tanigawa-dake granites. The AHe ages reflect uplift/denudation rather than thermal disturbance by the intrusions based on time-temperature paths. The denudation rates calculated from AHe ages are 0.3-1.4 mm/yr, comparable with those in other tectonically active regions in Japan, e.g., Tanzawa mountain and Ou back-bone range. The spatial distribution of the denudation rates suggests the Tanigawa-dake region might be symmetrically denudated centering around the west-side of Mt. Tanigawa-dake main ridge. In the presentation, further discussion will be provided with the results of geobarometry, stress analysis and QTQt thermal inversion modeling.

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