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青島 未来*; 谷 幸則*; 藤田 理那*; 田中 万也; 宮田 直幸*; 梅澤 和寛*
Minerals (Internet), 12(3), p.358_1 - 358_16, 2022/03
被引用回数:4 パーセンタイル:79.94(Geochemistry & Geophysics)本研究では、マンガン酸化菌 KR21-2株を用いた水溶液からのCo除去実験を行った。その結果、Coのみを含む水溶液よりもMnとCoの両方が含まれる水溶液を用いた際に、Coの除去効率が高くなることが分かった。これは、MnとCoの共存下においてアスボライト(Coを少量含むMn水酸化物)が形成されるためであると考えられる。
植田 祥平; 角田 淳弥; 柴田 大受; 相原 純; 藤田 一郎*; 大橋 純*; 永石 賢英*; 武藤 剛範*; 沢 和弘; 坂場 成昭
Nuclear Engineering and Design, 271, p.309 - 313, 2014/05
被引用回数:9 パーセンタイル:57.39(Nuclear Science & Technology)空気/水蒸気侵入事故のように設計を超える条件においても、固有の安全性によって環境中への核分裂生成物の放出を抑制できる本質安全高温ガス炉が新たに提案されている。本質安全高温ガス炉においては、空気/水蒸気侵入事故においても黒鉛スリーブと燃料コンパクトと炭化ケイ素(SiC)被覆燃料粒子で構成する燃料棒の形状を維持し再臨界を防止することが重要であり、耐酸化特性を付与した黒鉛材料を適用できればこれが可能となる。本論では、照射試験並びに炉外試験を通じてのSiC傾斜層を有する耐酸化黒鉛の開発と共に、SiCの酸化によって形成され耐酸化性を有する二酸化ケイ素(SiO)皮膜の形成条件について立案した研究計画について述べる。
角田 淳弥; 柴田 大受; 藤田 一郎*; 國本 英治*; 山地 雅俊*; 衛藤 基邦*; 小西 隆志*; 沢 和弘
Nuclear Engineering and Design, 271, p.314 - 317, 2014/05
被引用回数:11 パーセンタイル:64.74(Nuclear Science & Technology)本研究では、材料特性評価手法の開発及び重照射下でのIG-430の照射による特性変化を評価することを目的として、IG-430の弾性係数に及ぼす酸化及び緻密化の効果を調べた。また、X線CT画像に基づくIG-430の微細構造と材料特性の関係を調べた。その結果、緻密化した黒鉛の弾性係数は開気孔のみに依存すること及びX線CTを用いた材料特性評価が可能であることが分かった。しかし、高酸化度及び照射した材料を均質化法で評価する場合には、結晶粒中の閉気孔の数や形状を考慮する必要がある。
山田 輝明*; 松島 友貴*; 黒田 雅利*; 角田 淳弥; 柴田 大受; 藤田 一郎*; 沢 和弘
Nuclear Engineering and Design, 271, p.323 - 326, 2014/05
被引用回数:10 パーセンタイル:64.74(Nuclear Science & Technology)微粒等方性黒鉛IG-110とIG-430の破壊靱性の実験評価手法及びノッチ角度の依存性効果を調べるため、高温ガス炉用黒鉛の破壊靱性評価手法として近年提案されている三点曲げ試験を、ノッチ角度の異なる試験片を用いて行い、以下のことが分かった。(1)IG-110とIG-430の破壊靱性値はそれぞれ、0.890MPa・m、1.031MPa・mmであった。IG-110の破壊靱性値は、他の手法により得られた値と同じかやや低かった。(2)微粒黒鉛の破壊靱性値は、ノッチ角度に依存しない。(3)実験データを用いて、Griffith TheoryによるIG-110とIG-430の引張強度の比を見積もったところ、製造メーカから提供された引張強度比とよく一致した。
角田 淳弥; 柴田 大受; 藤田 一郎*; 國本 英治*; 山地 雅俊*; 衛藤 基邦*; 小西 隆志*; 沢 和弘
Proceedings of 6th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2012) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2012/10
本研究では、材料特性評価手法の開発及び重照射下でのIG-430の照射による特性変化を評価することを目的として、IG-430の弾性係数に及ぼす酸化及び緻密化の効果を調べた。また、X線CT画像に基づくIG-430の微細構造と材料特性の関係を調べた。その結果、緻密化した黒鉛の弾性係数は開気孔のみに依存すること及びX線CTを用いた材料特性評価が可能であることがわかった。しかし、高酸化度及び照射した材料を均質化法で評価する場合には、結晶粒中の閉気孔の数や形状を考慮する必要がある。
山田 輝明*; 松島 友貴*; 黒田 雅利*; 角田 淳弥; 柴田 大受; 藤田 一郎*; 沢 和弘
Proceedings of 6th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2012) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2012/10
微粒等方性黒鉛IG-110とIG-430の破壊靱性の実験評価手法及びノッチ角度の依存性効果を調べるため、高温ガス炉用黒鉛の破壊靱性評価手法として近年提案されている三点曲げ試験を、ノッチ角度の異なる試験片を用いて行い、以下のことがわかった。(1)IG-110とIG-430の破壊靱性値はそれぞれ、0.890(MPam), 1.031(MPam)であった。IG-110の破壊靱性値は、他の手法により得られた値と同じかやや低かった。(2)微粒黒鉛の破壊靱性値は、ノッチ角度に依存しない。(3)実験データを用いて、Griffith TheoryによるIG-110とIG-430の引張強度の比を見積もったところ、製造メーカから提供された引張強度比とよく一致した。
植田 祥平; 角田 淳弥; 柴田 大受; 相原 純; 藤田 一郎*; 大橋 純*; 永石 賢英*; 武藤 剛範*; 沢 和弘; 坂場 成昭
Proceedings of 6th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2012) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2012/10
空気/水蒸気侵入事故のように設計を超える条件においても、固有の安全性によって環境中への核分裂生成物の放出を抑制できる本質安全高温ガス炉が新たに提案されている。本質安全高温ガス炉においては、空気/水蒸気侵入事故においても黒鉛スリーブと燃料コンパクトと炭化ケイ素(SiC)被覆燃料粒子で構成する燃料棒の形状を維持し再臨界を防止することが重要であり、耐酸化特性を付与した黒鉛材料を適用できればこれが可能となる。本論では、照射試験並びに炉外試験を通じてのSiC傾斜層を有する耐酸化黒鉛の開発とともに、SiCの酸化によって形成され耐酸化性を有する二酸化ケイ素(SiO)皮膜の形成条件について立案した研究計画について述べる。
角田 淳弥; 柴田 大受; 沢 和弘; 藤田 一郎; 大橋 純*; 瀧澤 健太郎*; Kim, W.*; Park, J.*
Ceramic Materials for Energy Applications; Ceramic Engineering and Science Proceedings, Vol.32, No.9, p.1 - 12, 2011/11
第4世代原子炉システムの1つであるVHTRの温度条件は厳しいため、炭素繊維強化炭素複合材料の制御棒要素への適用がVHTRの開発において主な課題の一つである。原子力機構では2次元C/Cコンポジットに着目し研究開発を進めている。2次元C/Cコンポジットは、照射前後で繊維方向と積層方向に異方性を有するため、制御棒の設計ではそれらを考慮することが重要である。特性への照射効果を調べるため、原子力機構ではC/Cコンポジットの照射試験を実施し、両方向の照射特性の評価を行った。また、C/Cコンポジットは繊維とマトリックスから構成されるため、亀裂の進展を評価する必要がある。亀裂の進展評価により破壊特性を評価するため、制御棒の亀裂を模擬した曲げ試験を実施し、試験片中の亀裂を観察した。ここでは、2次元C/Cコンポジットの照射効果について、異方性を考慮した照射後試験の結果をもとに評価した結果を示す。また、等価破壊靱性値の評価結果及び破壊のメカニズムの検討結果についても併せて示す。
角田 淳弥; 藤田 一郎; 柴田 大受; 牧田 太陽*; 高木 俊*; 國本 英治*; 沢 和弘; Kim, W. J.*; Park, J. Y.*
IOP Conference Series; Materials Science and Engineering, 18(16), p.162010_1 - 162010_4, 2011/09
被引用回数:1 パーセンタイル:52.96炭素繊維強化炭素複合材料(C/Cコンポジット)は、その強度及び耐熱性が優れていることからVHTR制御棒要素の候補材の一つである。C/Cコンポジットの亀裂進展は複雑なので、その破壊挙動はC/Cコンポジット製制御棒の設計において最も重要な課題の一つである。本研究では、炭素繊維とマトリックスの層構造である2次元C/Cコンポジットについて、モードII破壊特性を評価するため、酸化させた端面切欠き試験片を用いて曲げ試験を実施した。その結果、層間破壊靱性値は酸化率が大きくなるにつれて減少した。これは、破壊靱性がマトリックスの酸化によって減少したことによるもので、その減少率はマトリックスのタイプに依存することがわかった。また、亀裂は繊維束間で発生し、繊維を断裂させることなく繊維束間に沿って成長することがわかった。繊維とマトリックス間で発生した亀裂は、繊維束間の層間ボイドに集まり、その後マトリックスを通って成長すると考えられる。
松本 一浩; 藤田 朝雄
JAEA-Research 2011-014, 26 Pages, 2011/06
高レベル放射性廃棄物の地層処分における人工バリア埋設後においては、緩衝材の物理的安定性に影響を及ぼす事象の一つとして、緩衝材の流出/侵入現象が考えられている。本報では、既往の研究において経験則に基づく侵入速さの指標として取扱ってきた則の時間依存性について、長期間の侵入試験を行いその挙動を確認した。また、処分場の閉鎖性能の評価にあげられている課題を考慮し、埋め戻し材料仕様の侵入現象データについても一部取得した。
松本 一浩; 藤田 朝雄
JAEA-Research 2010-058, 56 Pages, 2011/03
高レベル放射性廃棄物の地層処分において、緩衝材の物理的安定性に影響を及ぼす事象として、岩盤亀裂内への緩衝材の流出/侵入現象が考えられている。本報告では、既往の固相拡散理論に基づく侵入現象モデルの適用性を評価するために、飽和条件の自由膨潤挙動(一次元拡散挙動)の実験を行い、実験と侵入現象モデルの前提となる固相拡散理論との整合性について検証を行った。また、それらの結果に基づいて模擬亀裂内の侵入挙動についても評価を行った。さらに、本検討結果に関して専門家のレビューを踏まえ、今後の課題を明確にした。
Mounce, A. M.*; Oh, S.*; Mukhopadhyay, S.*; Halperin, W. P.*; Reyes, A. P.*; Kuhns, P. L.*; 藤田 和博*; 石角 元志; 内田 慎一*
Nature Physics, 7(2), p.125 - 128, 2011/02
被引用回数:7 パーセンタイル:47.39(Physics, Multidisciplinary)超伝導磁束が電気的に帯電され特に高温超伝導体で増大されることが予言されている。ホール効果と核磁気共鳴(NMR)の実験は渦核での電荷の蓄積の存在を示唆するがその効果は小さくて解釈は論争の的となっている。ここでわれわれは、もしボルテックスコアに電荷が補足されるならアブリコソフ磁束格子(超伝導体の混合状態の特徴である)は十分に高い磁場で不安定になることを示す。Bi2212単結晶のボルテックスによって生成された磁場のNMR測定はそれぞれ210程度のパンケーキ磁束を伴う、静電的に駆動された磁束格子の再構成の証拠を提供する。また、それはドーピングにより理論的な見積もりと一致する。
Mounce, A. M.*; Oh, S.*; Mukhopadhyay, S.*; Halperin, W. P.*; Reyes, A. P.*; Kuhns, P. L.*; 藤田 和博*; 石角 元志; 内田 慎一*
Physical Review Letters, 106(5), p.057003_1 - 057003_4, 2011/02
被引用回数:8 パーセンタイル:50.85(Physics, Multidisciplinary)磁性と超伝導の競合は高温超伝導メカニズムの核心であり、それは磁束コア付近で最も顕著に見られる。渦の磁性を調べるためにわれわれはNMR(核磁気共鳴)スピン格子緩和分光法に基づいた空間分解プローブを開発した。この装置を用いたアプローチによってわれわれはBiSrCaCuOの磁束コアに伴うスピン密度波を発見した。それは走査型トンネル顕微鏡実験で報告された局所状態密度におけるチェッカーボードパターンと類似している。われわれはスピン変調振幅と磁束コアからの減衰長を=30Tまで決定した。
佐藤 一彦*; 藤田 日出海*; 片山 和弘*; 谷口 弘三*; 伊藤 孝; 大石 一城*; 髭本 亘
Physica B; Condensed Matter, 404(5-7), p.597 - 599, 2009/04
被引用回数:4 パーセンタイル:21.37(Physics, Condensed Matter)有機超伝導体-(BEDT-TTF)HgBr零磁場及び高磁場中のミュオンスピン回転緩和測定を行った。零磁場中の緩和スペクトルには超伝導転移点の4.2Kにおいて異常は見られなかった。6Tの磁場中で決めたミュオンナイトシフトは2Kまでキュリーワイス的な振る舞いを示す一方、帯磁率は30K付近でピークを示した。ミュオンナイトシフトは低温では帯磁率に比例していないことになる。
保房 宏昭*; 石田 茂之*; 藤田 和博*; 石角 元志; 小嶋 健児*; 永崎 洋*; 内田 慎一*
Physical Review B, 79(6), p.064507_1 - 064507_6, 2009/02
被引用回数:35 パーセンタイル:78.81(Materials Science, Multidisciplinary)銅酸化物超伝導体BiSrCaCuO (Bi2212)の超伝導臨界温度について、CuO面外のさまざまな格子サイトでの乱れの効果を調べた。最も顕著な乱れは、頂点酸素原子を含む近くのブロック層内のSrサイトであることがわかった。
藤田 玲子*; 中村 等*; 水口 浩司*; 宇都宮 一博*; 天本 一平
Proceedings of 2008 Joint Symposium on Molten Salts (USB Flash Drive), p.886 - 891, 2008/10
溶融塩を用いた高温化学処理法は、二次廃棄物の発生量が少ない放射性廃棄物除染技術として期待されている。本論文では、マグノックス製品,ウラン系金属廃棄物,使用済み化学トラップ充填材,BWRからの使用済みジルカロイチャネルボックスを試験片として複雑形状廃棄物にかかる基礎試験を行い、除染効果があった旨の報告を行っている。
篠原 孝司; 櫻井 真治; 石川 正男; 都筑 和泰*; 鈴木 優; 正木 圭; 内藤 磨; 栗原 研一; 鈴木 隆博; 小出 芳彦; et al.
Nuclear Fusion, 47(8), p.997 - 1004, 2007/08
被引用回数:40 パーセンタイル:78.5(Physics, Fluids & Plasmas)トロイダル磁場リップルの低減のために、JT-60ではフェライト鋼を導入した。導入にあたり、完全3次元磁場粒子追跡モンテカルロコード(F3D OFMC)を利用し、運転領域を広く確保しつつ、高速イオンの閉じ込めの改善が十分に得られる、経済的な導入案を引き出すことができた。フェライト鋼はトロイダル磁場だけでなく、プラズマの平衡にかかわるポロイダル磁場も生成する。フェライト鋼とプラズマの距離は数cm程度離れているため、フェライト鋼がプラズマ自身に与える影響は小さいが、磁気センサの幾つかはフェライト鋼と1cm程度の距離しかなく、精度よくプラズマを制御したり、平衡の再構築をしたりするためには、フェライト鋼の磁気センサへの影響を考慮する必要がある。JT-60では実時間制御と平衡解析のコードにフェライト鋼の磁気センサとプラズマへの影響を考慮した拡張を行い、制御と再構築に初めて成功した。また、フェライト鋼の導入により期待された高速イオンの閉じ込めの改善をF3D OFMCを用いた数値計算との比較により明らかにした。本論文において、以上の詳細を記述する。
篠原 孝司; 櫻井 真治; 石川 正男; 都筑 和泰*; 鈴木 優; 正木 圭; 内藤 磨; 栗原 研一; 鈴木 隆博; 小出 芳彦; et al.
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03
JT-60Uでは、実効的な加熱パワーの増加,壁安定化の利用,RFアンテナとプラズマの結合の改善等に有効と考えられるトロイダル磁場リップルの低減を目指して、フェライト鋼を導入した。導入にあたっては、完全3次元磁場粒子追跡モンテカルロコード(F3D OFMC)を利用し、運転領域を広く確保しつつ、高速イオンの閉じ込めの改善が十分に得られる、経済的な導入案を引き出すことができた。フェライト鋼はトロイダル磁場だけでなく、プラズマの平衡にかかわるポロイダル磁場も生成する。フェライト鋼とプラズマの距離は数cm程度離れているため、フェライト鋼がプラズマ自身に与える影響は小さいが、磁気センサの幾つかはフェライト鋼と1cm程度の距離しかなく、精度よくプラズマを制御したり、平衡の再構築をしたりするためには、フェライト鋼の磁気センサへの影響を考慮する必要がある。JT-60Uでは実時間制御と平衡解析のコードにフェライト鋼の磁気センサとプラズマへの影響を考慮した補正を導入し、制御と再構築に初めて成功した。また、フェライト鋼の導入により期待された高速イオンの閉じ込めの改善をF3D OFMCを用いた数値計算との比較により明らかにした。
青柳 茂男; 油井 三和; 棚井 憲治; 川上 進; 藤田 朝雄; 谷口 直樹; 柴田 雅博; 小西 一寛; 西村 繭果; 菊池 広人*; et al.
JAEA-Review 2006-014, 61 Pages, 2006/03
日本原子力研究開発機構(以下、「原子力機構」という)では、北海道の天塩郡幌延町にて、堆積岩を対象とした幌延深地層研究計画を進めている。幌延深地層研究計画は、平成17年度より、地下研究施設の建設に伴い、地上からの調査段階(第1段階)から坑道掘削時の調査研究段階(第2段階)へと移行していく。一方、原子力機構では、これまで工学技術の基盤技術開発として、「わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性; 地層処分研究開発第2次取りまとめ」で示した一連の工学技術をベースとしつつ、幌延地区の地上からの調査段階で得られた地質環境条件を対象として工学技術の具体的な地質環境への適用性検討を行ってきた。今後は、工学技術の基盤技術開発として、幌延深地層研究計画の進捗に併せて、第2段階を通じた工学技術の具体的な地質環境への適用性検討を進め、それらの成果を体系的に整理し提示していく必要があると考える。よって、本報告書では、現時点の幌延の地下施設の建設工程及び「幌延深地層研究計画; 地下施設を利用した第2,第3段階における調査試験計画案」に基づき、幌延深地層研究計画の第2段階のうち、平成17年度から平成21年度までの5年間に焦点をあてた工学技術の適用性検討に関する研究計画を、個別研究課題ごとに整理し立案した。なお、本計画は、今後、幌延の地下施設の施工状況や最新の動向を踏まえ随時変更する可能性があるとともに、今後より詳細化していく必要がある。
竹永 秀信; 仲野 友英; 朝倉 伸幸; 久保 博孝; 木島 滋; 清水 勝宏; 都筑 和泰; 正木 圭; 田辺 哲朗*; 井手 俊介; et al.
Nuclear Fusion, 46(3), p.S39 - S48, 2006/03
被引用回数:18 パーセンタイル:52.52(Physics, Fluids & Plasmas)長時間放電におけるグローバルな壁飽和機構を解明するために、第一壁での局所的な壁飽和時間を評価した。局所的な壁飽和時間は、第一壁への粒子束とそこでの吸収率及び最大粒子吸収量により評価可能である。第一壁への粒子束は、中性粒子輸送解析コードDEGAS2を用いて評価した。その際、プラズマパラメータは2次元流体ダイバータコードUEDGEで評価した。D発光強度分布が実験と合うようにDEGAS2で評価した壁へのイオン束と中性粒子束を用いて、壁での吸収率を10%、壁での最大粒子吸収量を110m(実験室データをもとに評価)とし、局所的な壁飽和時間を評価した。その結果、ダイバータ領域では1秒以内に壁飽和に達していることが明らかになった。また、バッフル板は10秒程度、主プラズマまわりの壁は100秒程度で壁飽和に達すると評価された。バッフル板での粒子吸収は、10秒程度の時間スケールでグローバルな壁飽和が観測された実験結果と関連していると考えられる。一方、主プラズマまわりの壁での粒子吸収は、放電を繰り返すことによりグローバルな壁飽和状態に近づいていくことと関連していると考えられる。これらの結果をもとに、動的な粒子吸収特性を示す領域と静的な特性を示す領域によりグローバルな壁飽和が起こるというモデルを提唱した。