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古橋 一郎*; 川崎 信史; 笠原 直人
日本機械学会論文集,A, 73(730), p.686 - 693, 2007/06
内包流体の温度成層化により円筒容器に生じる熱応力の簡易評価の高精度化を目的に、流体との熱伝達及び熱伝導を考慮した容器の定常温度解析及びその結果を用いたシェル応力解析を行い、以下の結果を得た。ステップ状あるいはランプ状の流体温度に対し、容器の板厚平均温度は温度減衰係数bを用いて高精度に評価できる。容器の熱応力は係数比b/(シェル係数)と無次元成層区間巾Lのみに依存する。この特性を利用して、容器の最大熱応力及びその発生位置を求める線図を作成した。線図を用いることにより、容器の定常熱応力の高精度の簡易評価が可能となった。設計コストの低減と設計合理化に寄与するであろう。
川崎 信史; 細貝 広視*; 古橋 一郎*; 笠原 直人
日本機械学会2006年度年次大会講演論文集, Vol.1, p.959 - 960, 2006/09
熱流動-構造統合解析法と実験計画法を用いて、革新的高速炉の炉心支持構造において、手動トリップ時に発生する熱応力を評価した。その結果、システムパラメータの不確定性により最大発生熱応力は、ノミナル発生熱応力より1518%増加することがわかった。熱過渡曲線に安全係数を加える従来の設計手法では、ノミナル発生熱応力より6368%高い応力を最大熱応力と評価しており、熱流動-構造統合評価を実施することにより、約40%過度に評価されていた最大発生熱応力を適正に評価できる。
古橋 一郎*; 笠原 直人; 柴本 宏
日本機械学会論文集,B, 72(721), p.2083 - 2090, 2006/09
火力,原子力等の高温プラントの構造設計での熱過渡応力評価の充実化に資するため研究を実施し、次の成果を得た。これらの成果は設計基準における熱応力評価線図として使え、実構造の高温構造設計の熱過渡応力評価に役立てられる。オンライン損傷モニタリングとしても活用できる。(1)両面で熱伝達を受ける平板の非定常熱伝導及び熱応力の理論解析を行い、各種線図を作成した。片面熱伝達に対する従来のHeisler線図,Mcneil-Brock線図等と比べ適用範囲が大幅に拡張された。(2)流体温度がステップあるいは線形変化した場合の温度及び熱応力の応答線図を作成した。任意時点の表面温度,板厚平均温度,表面応力,曲げ応力及びピーク応力を線図から求めることができる。(3)流体温度がステップ変化あるいはランプ変化した場合の熱応力最大値及びその時点を求める線図を作成した。ステップ変化がランプ変化に変わることによる熱応力低減率が線図から直接読み取れるようになった。(4)定常温度で規格化した無次元温度及び背面温度固定の定常熱応力で規格化した無次元熱応力を導入した。これにより線図の読み取り精度が向上した。
古橋 一郎*; 笠原 直人; 柴本 宏
JAEA-Research 2006-026, 178 Pages, 2006/03
高速炉機器の構造設計で必要となる熱過渡荷重のスクリーニング評価等に活用すべく、非定常熱過渡応力の評価線図策定に関して研究を行い下記の成果を得た。(1)両面で熱伝達を受ける平板の非定常時の熱伝導及び熱応力の理論解に基づき、評価線図を作成した。片面熱伝達に対する従来の工学線図と比較して適用範囲が大幅に拡張された。(2)流体温度がステップ変化あるいは線形変化した場合の非定常時の温度及び熱応力の線図を作成した。任意時点の表面温度,板厚平均温度,表面応力,曲げ応力及びピーク応力を線図から求めることができる。(3)定常温度で規格化した無次元温度及び背面温度固定の定常熱応力で規格化した無次元熱応力を導入した。これにより線図の読み取り精度が向上した。(4)流体温度がステップ変化あるいはランプ変化した場合の熱応力最大値及び最大応力発生時点を求める線図を作成した。ステップ変化による熱応力最大値は背面温度固定の定常熱応力の2倍を超えないことが示された。熱応力最大値とその時点、また、ランプ変化/ステップ変化の熱応力低減率が線図から直接読み取れるようになった。(5)非定常時の温度及び熱応力の簡便なGreen関数を作成した。熱応力評価において実用上無視し得る短時間の背面温度を除き、温度及び熱応力を最大誤差1.4%の範囲で予測できる簡便なGreen関数が得られた。
笠原 直人; 古橋 一郎*
Proceedings of 2006 ASME Pressure Vessels and Piping Division Conference (PVP 2006)/International Council on Pressure Vessel Technology (ICPVT-11) (CD-ROM), 8 Pages, 2006/00
高温構造物は塑性やクリープなどの非弾性挙動を生じやすいことから、その設計には適切な非弾性挙動の予測が必要である。非弾性挙動は一般に形状の他に材料特性や荷重の大きさにも依存するが、著者らはそれらにあまり依存しない一本の応力再配分軌跡(Stress Redistribution Locus: SRL)が存在することを明らかにした。この性質を利用すると精度の良い非弾性挙動の簡易評価が可能となる。本研究では上記性質を裏付けるため、SRL曲線の決定機構を明らかにする。
柴本 宏; 長島 英明; 井上 和彦; 笠原 直人; 神保 雅一*; 古橋 一郎*
Proceedings of 2005 ASME International Mechanical Engineering Congress and Exposition (CD-ROM), 0 Pages, 2005/08
実用高速炉は、設計合理化に伴い荷重条件が厳しくなっており、合理的な荷重緩和が望まれている。高速炉では熱荷重が支配的荷重であるが、熱荷重の設定法に関しては設定の難しさ等に起因して従来、基準化されてはいなかった。(なお、近年、軽水炉に配管の高サイクル熱疲労に関しては指摘化されている)このため、熱荷重設定法の開発を進め、現在、策定作業が進められている実用高速炉用の高温構造設計基準(FDS)の一環として、"熱荷重設定に関するガイドライン"を策定することとした。本ガイドラインには系統熱過度荷重の設定法及びサーマルストライピング荷重の設定法に関して記載する。系統熱過度荷重に関しては実験計画法を導入した合理的な評価法を提案・ガイドライン化し、荷重設定の合理化が図れるようにした。サーマルストライピング荷重に関しては4ステップから成る評価体系を導入した。提案した周波数応答関数法の活用(第4ステップ)により荷重設定の一層の合理化が図れる。
古橋 一郎*; 柴本 宏; 笠原 直人
JNC TN9400 2004-013, 118 Pages, 2003/11
FBR構造設計における熱過渡応カスクリーニング法の開発を目的に以下の研究を実施した。 ・熱伝達係数一定条件下の線形熱応力問題に適用されてきたGreen関数(以下 G関数と略記)を、熱伝達係数が変化する非線形熱応力問題に適用するための近似非線形評価式を提案した。 ・IHXのスカート構造および管板構造の過渡熱応力詳細解析を実施した。 ・従来の上限線形解析(上限熱伝達係数を使用した線形熱応力解析)を実施し上限G関数を求めた。 ・平均的な熱伝達係数を使用した中間線形解析および下限熱伝達係数を使用した下限線形解析を実施し、中間G関数および下限G関数を求めた。 ・上限G関数を用いて従来手法による簡易評価を行った。 ・上限G関数、中間G関数および下限G関数を用いて提案手法による評価を行った。 これらにより以下のような結果が得られた。 ・スカート構造のように単一流体の熱過渡により熱応力が生じるケースては従来手法による評価が安全側であり有効であることが確認された。ただし過大評価となる場合が多いことが確認された。 ・管板構造のように複雑な構造形状で複数流体の熱過渡により応力が生じるケースでも従来手法は概ね安全側であり有効であることが確認された。 ・ただし複雑な構造形状で複数流体系の場合は、熱伝達係数を大きくすると長時間側の熱応力が小さくなり、従来手法が安全側とならない部位があり得ることが確認された。 ・提案手法は詳細解析をよく近似できることが確認された。 これらの結果を踏まえ、従来手法と提案手法を調和させた「熱過渡応カスクリーニング法」の試案を作成した。
笠原 直人; 安藤 昌教; 陳 富全*; 古橋 一郎*; 高正 英樹*
Proceedings of 2003 ASME Pressure Vessels and Piping Conference, 461, 119 Pages, 2003/00
原子力プラント等の温度の異なる流体の合流部では、流体温度の不規則な変動により接液する構造物に繰り返し熱応力が発生することから、き裂進展の可能性を評価する必要がある。流体温度ゆらぎが熱応力に変換されるまでには、流体内の乱流混合による温度の減衰、及び構造の温度応答遅れと均熱化による応力の減衰生じ,その効果はゆらぎの周波数に依存することが知られている。本研究では,周波数に応じた流体内と構造の減衰効果を考慮することによって、流体温度ゆらぎによる応力拡大係数を合理的に評価する方法を提案した。
笠原 直人; 古橋 一郎*; 陳 富全*; 安藤 昌教; 高正 英樹*
JNC TN9400 2002-047, 107 Pages, 2002/08
原子力プラントの機器、配管において温度が異なる冷却材が合流する領域では、流体混合による不規則な温度ゆらぎが生じるため、接液する構造物では繰り返し熱応力による高サイクル疲労破損に注意する必要がある。著者らはこれまで、疲労損傷係数によるき裂の発生評価への適用可能な、流体温度ゆらぎに対する表面熱応力の周波数応答関数を提案してきた。こうしたアプローチに加え、実機の破損は、き裂の発生、進展、貫通といった過程を経ることから、き裂進展特性に基づく適切な検査と補修、き裂の停留評価等も破損防止の有効な手段となり得る。本研究では、き裂進展特性に着目した熱疲労評価への適用を目的として、流体温度ゆらぎに対する応力拡大係数の周波数応答関数を提案した。応力拡大係数は、温度ゆらぎの周波数が高くなると、き裂の進展と共に現象する傾向を示す。これに対して、低周波でかつき裂面に垂直な方向の熱膨張が拘束される場合は、応力拡大係数がき裂の進展と共に増加することから注意が必要となる。
田中 良彦; 細貝 広視*; 古橋 一郎*; 笠原 直人
JNC TN9400 2001-121, 44 Pages, 2002/02
高速炉機器の流動-構造解析を統合して行うことにより、設計作業を合理化しうるツールとして、熱過渡応力リアルタイムシステムシミュレーシコードPARTS(Program for Arbitrary Real Time Simulation)の開発が進められている。PARTSは多様な設計条件に対する流動解析と構造解析を一括して実しするツールであることから、解析手法は高速であることが必須となる。現状、応力解析の手法としてはGreen関数法が有望と考えられる。Green関数法は、構造物中に発生する過渡熱応力を冷却材のステップ温度変化に対する応答の畳み込み積分という形で算出する手法であり、有限要素法よりも短時間での計算が可能である。これまでGreen関数法は熱伝達率一定で接する1種類の流体に対する応答を記述するために適用されてきた。本報では、熱伝達係数が変化する2種類の流体に適用できるようにGreen関数法を拡張し、円筒(内面:1次冷却材と接触、外面:2次冷却材と接触、熱伝達率:想定事象後の冷却材流量に応じて変化)への適用性を確認した。
古橋 一郎*; 笠原 直人
JNC TN9400 2001-119, 33 Pages, 2002/01
実用化戦略調査研究Phase Iで検討されたアドバンストループ炉のホットレグ配管を対象に、通常の配管解析にしようするビーム要素モデルと、薄肉大口口径特有モードの評価を目的とした三次元シェル要素によるモデルを用いて固有値解析をおこない、以下の結果を得た。1) 1次固有振動については、ビーム解析およびシェル解析とも共通の振動モードが得られた。 1次固有振動モードの摘出にはビーム解析が適用できる。2)せん断変形を無視したビーム解析ではシェル解析と比較して固有振動数が最大14%大きくなった。せん断変形を考慮するとシェル解析に近い結果となった。 水平X方向面内1次振動:ビーム解析B2(せん断無視)=13.47Hz,ビーム解析B2B(せん断考慮)=12.03Hz,ビーム解析S2 (せん断考慮)=11.84Hz、水平Y方向面外1次振動:ビーム解析B2(せん断無視)=13.51Hz,ビーム解析B2B(せん断考慮)=12.06Hz,ビーム解析S2(せん断考慮)=11.82Hz、鉛直Z方向上下1次振動:ビーム解析B2(せん断無視)=46.33Hz,ビーム解析B2B(せん断考慮)=45.33Hz,ビーム解析S2 (せん断考慮)=43.75Hz 3)水平1次振動はYピース部が振り子のように水平に振動し、曲げ剛性が小さいエルボがヒンジのように振舞うモードとなった。外筒の曲げ及びせん断剛性が支配要因であることがわかった。4)鉛直1次振動は内筒と外筒の鉛直部が上下軸方向に引張圧縮ピストン振動し、水平配管が方持ち梁のように上下振動し、エルボがヒンジのように振舞うモードとなった。外筒の軸方向引張剛性が支配要因であることがわかった。5)シェル特有の振動モードは有効質量および刺激係数とも小さいことがわかった。
古橋 一郎*; 笠原 直人
JNC TN9400 2001-089, 24 Pages, 2001/07
実用化戦略調査研究Phase1で検討されたアドバンストループ炉のホットレグ配管を対象に、熱膨張応力を解析評価し、そのメカニズムおよび各種設計パラメータ感度を明らかにした。熱膨張応力のメカニズムは以下の通りである。1)エルボは十分に柔でありヒンジに近い挙動となる。2)IHXの支持高さ位置を最適化することで、鉛直方向強制変位と配管系自身の鉛直方向熱膨張を相殺させることができる。3)水平方向熱膨張を鉛直配管部の曲げ変形で吸収する単純梁構造の挙動に近くなる。熱膨張応力の設計パラメータに対する感度の評価結果は以下の通りである。 (1)エルボ撓性係数(敏感):現状計画の範囲では鈍感である。 (2)Yピース剛性(中位):Yピース部応力には敏感だが他部への影響は小さい。Yピースをごうたいとした設計が成立する。 (3)IHXノズルを剛体とした設計が成立する。(4)鉛直相対変位量(敏感):現状計画のIHX支持位置はほぼ最適であり、10mmは設計成立範囲にある。 (5)エルボ曲げ半径(鈍感):現状計画のショートエルボで設計が成立する。12Cr鋼の採用により、現状計画の配管設計が十分に成立する。得られた感度線図を用いて、これらの設計パラメータを変更した場合の熱膨張応力を簡単に予測できる。本報告で得られたこれらの知見はPhase2詳細設計で有効に活用されよう。
月森 和之; 古橋 一郎*
JNC TN9400 2001-015, 80 Pages, 2000/11
強度上重要な構造物が腐食等により、著しく減肉する場合、減肉の進行とともに構造物が強度変化を含めてどのようにふるまうかを捉えることが重要である。ナトリウム漏えい時の腐食減肉を伴うライナの強度解析においては、すでに時間とともに板厚が減少することを考慮した解析が行われている。ただし、この場合は、板厚が相対的に薄いため、温度解析において滅肉は考慮されていない。しかしながら、板厚の大きい構造あるいは温度境界条件から板厚内での大きな温度勾配が想定される構造については、温度解析においても減肉の進行を考慮する必要がある。そこで今回、温度解析において腐食減肉を模擬する機能を開発した。本書では、方法と定式化、FINASへの組込みと使用方法および検証問題について記す。検証問題としては、外部流体によって腐食が進行する伝熱管について、条件を簡略化して温度解析から応力解析まで行い、解析機能の確認を行うとともに、温度解析における滅肉進行を考慮した場合としない場合の違いを論じた。
月森 和之; 古橋 一郎*
JNC TN9400 2000-049, 93 Pages, 2000/03
ナトリウム冷却ループ型大型炉の設計において、1次系配管に発生する応力の低減が設計成立の重要な鍵のひとつである。本件は、炉容器と中間熱交換器を結ぶ基本的な配管系として面内S字型のレイアウトを対象として、想定される寸法範囲で弾性計算によるパラメータサーベイを行い、配管ルーティングに依存した発生応力の傾向を把握し、最適のルーティング候補を選定することを目的とする。得られた主要な見解は以下のとおりである。(1)概して、ノズルよりもエルボ部の応力が厳しくなる。炉容器出口ノズルと中間熱交換器入口ノズル間レベル差と炉容器出口ノズルと液面までの距離を大きくすると、エルボの応力は減少する傾向にある。(2)超90度エルボを適用することで、エルボに発生する応力を大幅に低減することが期待できる。暫定的に応力制限を課した場合、超90度エルボ配管引回しは、従来の90度エルボ配管引回しに比べて広い寸法パラメータ範囲で成立する。(3)告示501号ベースでエルボの応力評価を行った場合、エルボ端部で応力強さが最大となる場合、シェル要素による計算された応力よりも過大となる傾向にある。この場合、エルボ中央と端部最大応力の平均を最大値とみなすことで、簡便かつ保守的に最大応力強さを評価できる。(4)従来の90度エルボによる配管引回しでエルボ部の応力強さが最小となるケース(炉容器出口ノズルと中間熱交換器入口ノズル間レベル差V=7m、炉容器出口ノズルと液面までの距離V1=5m)に対して、105度エルボを前提として、ノズル間レベル差の最小化および同寸法で発生応力の大幅低減という2つの観点からそれぞれについて、V=5m,V1=4mおよびV=7m,V1=5mという代替引回しを提示した。いずれの場合もノズル部の応力は、90度エルボ配管引回しに比べて減少する。
月森 和之; 加藤 猛彦*; 古橋 一郎*; 岩田 耕司; 赤津 実
JNC TN9400 99-056, 62 Pages, 1999/06
ナトリウムを冷却材とする高速増殖炉では、床ライナはナトリウム漏えい事故時に漏えいナトリウムと床コンクリートとの直接接触を防止する機能を有し、事故の拡大防止の観点から重要な構造である。したがって、ナトリウム漏えい事故時にはその終息に到るまでライナの機能が維持されなければならない。ナトリウム漏えい時のライナの温度は、初期段階で漏えいナトリウムと接する領域を中心に急速に上昇する。一方、腐食によるライナの減肉については溶融塩型腐食を想定した厳しい減肉速度に従うとしても、ライナの温度上昇によりかなり遅れて進行する。このため、ライナに生じるひずみの最大値はこの初期段階に生じることになる。したがって、ひずみの解析評価において、最終的に到達する減肉量を最初から仮定したモデル化を用いるとひずみの最大値を過大に評価することになる。そこで、現象面から実態に合った解析を実現するためにライナの減肉の進行過程をモデル化する方法を検討した。具体的には、擬似的なクリープによる応力緩和と剛性の低減により減肉部分の応力を解放する方法をとった。さらに、この方法をFINASに適用して事例計算を行うことにより、その妥当性を検証した。
古橋 一郎*; 若井 隆純
PNC TN9460 95-003, 156 Pages, 1995/08
FBR構造物における破壊力学的評価の精度向上及び適用性拡大のため,簡易法亀裂解析コードCANISを板厚内の非線形応力分布及び広範な事象を取扱えるように改良した。改良CANISコードにより,非線形ピーク応力が無視できない5ケースの熱過渡事象について,半楕円表面亀裂が存在する場合に対し,直線応力分布,放物線応力分布及び3次式応力分布を仮定した3種類の破壊力学解析を実施した。数値解析結果を分析した結果,非線形ピーク応力を無視し,直線応力分布を仮定した場合は,深さ方向,長さ方向ともパラメータが過小評価され,所定き裂深さにおけるき裂長さや,漏洩確率,漏洩量及び破断確率を過小評価する結果,非保守的な評価となる。
古橋 一郎*; 若井 隆純
PNC TN9410 95-080, 84 Pages, 1995/02
FBR構造物の破壊力学解析手法整備の一環として、破壊力学パラメータ解析コードCANIS-J(2D)の改良を行つた。(1)2時点間の応力範囲を用いた、12時点問の応力拡大係数範囲Kの計算評価機能の追加(2)2時点間の応力範囲、ひずみ範囲および変位範囲uを用いた、2時点間のJ積分およびJhat積分の計算評価機能の追加。(3)J(J)およびJhat(Jhat)計算式の積分各項毎の計算評価機能の追加。(4)以下の3つの計算モードを1ジョプで計算実行する機能の追加。・モード0任意時点のK、J、Jhat計算・モード1任意の2時点間のK、J、Jhat計算・モード2任意の連続2時点間のクリープJ積分(J、Jhat)計算特に今回機能追加されたK、J、Jhat計算機能を確認しその適用例を示すために、ATTF環状き裂付き試験体の熱疲労き裂進展試験の破壊力学解析およびき裂進展シミュレーションを行い、以下の結果を得た。(1)熱弾性および熱弾塑性応力場では、J(J)は経路独立性が成立せず、解析評価が困難であり、適用できない。これはJ積分が、弾性応力場で定装されたことによる。(2)Jhat(Jhat)は熱弾性および熱弾塑性応力場でも経路独立性が成立し、解析評価が可能であり、適用可能性が大きい。これはJhat積分が、より一般的な応力場で定義されたことによる。(3)Jhat、熱弾性K、き裂先端近傍の応力(ひずみ)範囲、き裂断面リガメントの正味(曲げ)応力範囲Sn、これらは共通の2時点問でほぼ最大値をとる。(4)Jhatを用いたき裂進展シミェレーションは試験結果に良く対応している。(5)これらの解析結果から、複雑な熱弾塑性荷重サイクルを受けるき裂付き構造物の破壊力学解析および評価において、Jhat(Jhat)が、き裂先端領域の応力(範囲)、ひずみ(範囲)、リガメントの正味断面応力(範囲)およびき裂進展カなどの力学情報を代表する単一の破壊カ学パラメータとして有力であることが示された。
古橋 一郎*; 笠原 直人
PNC TN9410 94-247, 266 Pages, 1994/08
実用的な「ノズルの簡易熱応力評価法」の開発を目的に、以下を行った。1)シェル理論解析以下の3つの基本温度荷重に対する熱応力のシェル理論解を求めた。・ノズルと容器の平均熱膨張差(要因1)・ノズルの内外面温度差(要因2)・容器の内外面温度差(要因3)2)過渡熱応力への要因13の寄与感度が形状パラメータの関数として明らかにされた。シェル理論解を応用した簡易熱応力評価法の可能性を検討する目的で以下を行った。3)詳細解析5形状ケースのFEM熱伝導解析およびFEM熱応力解析4)簡易解析詳細解析に対応した簡易解析(1次元熱伝導解とシェル理論解の組み合わせ)これらの結果を分析・比較・検討し、以下の知見を得た。5)ノズル構造に生ずる過渡熱応力は、簡易解析により概ね良好にシミュレート可能である。6)本報告の形状条件では、曲げ応力は要因3(容器の内外面温度差)が最大の寄与感度である。7)剪断応力および膜応力は要因1が最大の寄与感度である。ただし応力値は曲げ応力より小さい。8)単調熱過渡条件下での要因1と要因3の効果は、円周方向曲げ応力については同一符号となり重畳するが、それ以外の応力成分については逆符号となり互いに打ち消しあう。9)ノズル側では長手方向曲げ応力が、容器側では円周方向曲げ応力が、最大応力成分となる。10)ノズル構造では形状不連続による応力集中効果と熱ピーク応力は打ち消しあう場合が多い。これらの結果を応用することにより以下の展望が開けた。11)1次元熱伝導解と無次元熱応力係数を組み合わせた「ノズルの簡易熱応力評価法」の策定。12)熱過渡条件、形状パラメータに関する簡易感度解析、および最適設計への応用。13)ノズル構造の過渡熱応力の高速シミュレーションおよび損傷モニタシステムへの応用。本報告により、今後いかなる検討分析が有効であるかが示された。
古橋 一郎*; 若井 隆純*
PNC TN9410 94-201, 301 Pages, 1994/04
FBR構造物の破壊力学的評価のため、簡易法き裂解析コード体系CANISの開発改良を行った。同体系はCANIS-G,K,Iからなる。クリープ疲労き裂進展評価コードCANIS-Gでは以下の改良を行った。1.1 平板および内面き裂付きの円筒に加え、外面き裂付きの円筒も取り扱えるようにした。1.2 円筒の軸曲げモメント荷重も取り扱えるようにした。1.3 熱過渡荷重等の変位制御型荷重を容易に取り扱えるようにした。1.4 これらを容易にするため、正味断面形状関数と応力拡大係数解のライブラリを拡張整備した。1.5 材料データライブラリを拡張整備した。PNCが取得した7鋼種の弾塑性応力ひずみ関係式、クリープひずみ式、クリープ破断式および疲労破損特性をライブラリ化した。1.6 現在から過去に向かって時間積分し、過去のき裂形状を逆算する逆方向解析機能を追加した。また新たに破壊力学パラメータ評価コードCANIS-Kとき裂発生確率評価コードCANIS-Iを開発した。CANIS-Kは以下を行う。2.1 入力されたき裂形状に対して、応力拡大係数K、J積分値、クリープJ積分値等の破壊力学パラメータ計算結果の詳細(過渡事象内の時刻歴、最大値、最小値など)を出力する。2.2 き裂進展速度、開口面積および漏洩量を計算出力する。CANIS-Iは以下を行う。3.1 き裂無し断面の時間依存の疲労損傷値およびクリープ損傷値を計算評価する。3.2 疲労き裂発生に対応した疲労損傷値の統計分布関数およびクリープき裂発生に対応したクリープ損傷値の統計分布関数を参照し、時間依存のき裂発生確率を計算評価する。これらCANIS-G、K、Iでは入力データフォーマットおよび使用サブルーチンの共通化が図られ、将来のコードの改定拡張が容易かつ統一的に行えるようにした。CANISは以下の領域で有力な計算コードであり、その利用が期待される。4.1 き裂付き構造物の余寿命評価。き裂無し構造物のき裂発生時期の予測。4.2 プラントの破壊力学的信頼性評価および最適構造設計。4.3 プラントの最適運転計画および最適補修計画の立案。4.4 各種破壊力学試験の試験条件および試験片形状の最適設計。4.5 各種破損事故のシミュレーション。き裂発生時期あるいは負荷荷重の逆算推定。本報告はCANISコードの数学力学モデル、使用マニュアルおよび解析例を
古橋 一郎*; 笠原 直人
PNC TN9410 93-189, 29 Pages, 1993/09
実用的な熱応力評価法の開発を目的に,材質および板厚の異なる円筒の接続部について,シェル理論解析および検討を行い,以下の知見を得た。・主要な熱応力要因である次の温度荷重に対してシェル理論解を得た。・要因1円筒1と円筒2に平均熱膨張差1TM1-2TM2が生じた場合 ・要因2円筒1に内外面温度差TB1が生じた場合 ・要因3円筒2に内外面温度差TB2が生じた場合 2・円筒1および円筒2の板厚平均温度と内外面温度差がそぞれ任意に与えられた場合の熱応力はこれらの解を重ね合わせればよい。3・垂直応力係数は弾性係数比g=E2/E1と板厚比k=t2/t1のみの関数であり半径に依存しない。剪断応力係数はさらに(t/r)0、5に比例する。4・接続部近傍の応力分布を無限円筒の熱応力(軸および周方向の曲げ応力-0.714ETB)と不連続熱応力の和と表した場合,不連続熱応力に対する温度曲げひずみ1TB1と2 TB2の寄与感度比は-1対gk2である。従ってgk21の構造での1側の応力評価では自身のTB1だけでなく,接続相手側のTB2に一層留意せねばならない。5・g=1,k1の一般的な板厚不連続構造では,1側(薄肉側)の応力が2側より大きくなり,設計評価では薄肉側のみ応力評価を行えば良い。6・ノズル構造など他の直列不連続構造でも本報告と同様に「応力係数による熱応力評価式」が記述可能であることを示した。