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高見澤 悠; 西山 裕孝; 平野 隆*
Proceedings of ASME 2020 Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2020) (Internet), 7 Pages, 2020/08
原子炉圧力容器(RPV)は中性子照射前後のシャルピー衝撃試験で得られる延性脆性遷移温度(DBTT)に基づき中性子照射による材料劣化を予測した上で構造健全性評価が行われている。シャルピー衝撃試験で得られるDBTTには試験に依存した様々な不確かさが含まれる。本研究では、原子力機構がこれまでに取得したRPV鋼の未照射材・中性子照射材データを用いて、ベイズ統計に基づく解析モデルを構築し、試験片の採取位置のばらつき、試験片の数、試験温度を考慮した上でDBTTの不確かさを評価可能な手法を整備した。上記の手法を用いて国内RPV鋼に対する評価を行い、試験数や試験温度がDBTTの不確かさに及ぼす影響を定量的に明らかにした。
近藤 恭弘; 平野 耕一郎; 伊藤 崇; 菊澤 信宏; 北村 遼; 森下 卓俊; 小栗 英知; 大越 清紀; 篠崎 信一; 神藤 勝啓; et al.
Journal of Physics; Conference Series, 1350, p.012077_1 - 012077_7, 2019/12
被引用回数:2 パーセンタイル:68.44(Physics, Particles & Fields)J-PARC加速器の要素技術試験に必要な3MeV Hリニアックを高度化した。イオン源にはJ-PARCリニアックと同じものを用い、RFQは、J-PARCリニアックで2014年まで使用した30mA RFQに代わり新たに製作した50mA RFQを設置した。したがって、このシステムはエネルギー3MeV、ビーム電流50mAとなる。このリニアックの本来の目的は、このRFQの試験であるが、J-PARC加速器の運転維持に必要な様々な機器の試験を行うことができる。加速器は既に試運転が終了しており、測定プログラムが開始されつつある。この論文では、この3MeV加速器の現状について報告する。
平野 耕一郎; 杉村 高志*; 栗原 俊一*
Proceedings of 15th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.324 - 328, 2018/08
2017年10月からのビーム利用運転において、3MeVビームスクレーパは1MWビーム利用運転のスクレーパ平均ビーム電流と同等または1.3倍の照射を行い、5ケ月間問題なく使用することができた。このときのスクレーパ表面温度は1800Cであった。粒子数3E22個の3MeVビームによる照射損傷は、深さ700
mであった。今後、加速器のビーム調整においてほとんど全てのビームがスクレーパに照射される可能性があるため、スクレーパに使われる炭素複合材より高い電流密度に耐えられるスクレーパ材料について検討しており、今回、熱伝導率の高いスクレーパ材料としてグラフェンとタングステンのビーム照射試験を行った。本稿では、3MeVビームスクレーパとスクレーパ材料のビーム照射試験について述べる。
平野 耕一郎; 石山 達也; 栗原 俊一*; 杉村 高志*; 丸田 朋史*
Proceedings of 14th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.847 - 852, 2017/12
J-PARCリニアックのRFQとDTLの間のMEBT1において、炭素複合材で作られたビームスクレーパが使用されている。今回、3MeVリニアックを用いてスクレーパ照射試験を実施した。本照射試験では、スクレーパの試験片にHビームを1.2E20の粒子数まで照射し、高速放射温度計を用いて3000
C以上の表面温度を測定して、レーザー顕微鏡によるスクレーパの照射損傷を観察した。その結果、表面温度が2900
Cを超えると、炭素のイオン電流や試験片表面の照射損傷が急激に増加することが分かった。本稿では、スクレーパのビーム照射試験結果について述べる。
近藤 恭弘; 浅野 博之*; 千代 悦司; 平野 耕一郎; 石山 達也; 伊藤 崇; 川根 祐輔; 菊澤 信宏; 明午 伸一郎; 三浦 昭彦; et al.
Proceedings of 28th International Linear Accelerator Conference (LINAC 2016) (Internet), p.298 - 300, 2017/05
J-PARC加速器の要素技術開発に必要な3MeV Hリニアックを構築した。イオン源にはJ-PARCリニアックと同じものを用い、RFQは、J-PARCリニアックで2014年まで使用したものを再利用している。設置作業の後、2016年6月からRFQのコンディショニングを開始した。このRFQは様々な問題を克服し、なんとか安定運転に達していたが、2年間運転できなかったので再度コンディショニングが必要であった。現状定格のデューティーファクタでは運転できてはいないが、短パルスならばビーム運転可能となっている。この論文では、この3MeV加速器のコミッショニングと最初の応用例であるレーザー荷電変換試験の現状について述べる。
平野 耕一郎; 浅野 博之; 石山 達也; 伊藤 崇; 大越 清紀; 小栗 英知; 近藤 恭弘; 川根 祐輔; 菊澤 信宏; 佐藤 福克; et al.
Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.310 - 313, 2016/11
単位面積当たりの熱負荷を減らすため、67のビーム入射角を有するビームスクレーパをJ-PARCリニアックのRFQとDTLの間のMEBTで使用している。67
ビームスクレーパは粒子数1.47E22個のH
ビームによって照射された。レーザ顕微鏡を用いてスクレーパのビーム照射による損傷部を観察すると、高さ数百
mの突起物が無数にあった。ビームスクレーパの耐電力を調べるため、3MeVリニアックを新たに構築した。2016年末にスクレーパ照射試験を実施する予定である。今回は、J-PARCリニアックのビームスクレーパの現状、及び、ビームスクレーパの照射試験に用いる3MeVリニアックについて報告する。
杉村 高志*; 丸田 朋史*; 平野 耕一郎
Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.307 - 309, 2016/11
J-PARCリニアックでは、ビーム強度の増強が計画されており、現在運転しているパラメーター40mA, 25Hz, 500sを50mA, 50Hz, 500
sに変更することを目指している。加速器で大強度ビームを得るためには、ビームロスを出来得る限り軽減しておくことが必須である。J-PARCリニアックでは、イオン源、RFQ(高周波四重極型リニアック)で加速されたビームをMEBT1(Medium Energy Beam Transport 1)でマッチング及びパルス成形を行いDTL(ドリフトチューブ型リニアック)に入射している。現在の運転において、DTLにおける局所的放射化が観測されたため、増強においては更なる対策が必須である。ビームシミュレーションの結果から、DTLにおけるビームロスは、MEBT1に新たに垂直方向のコリメーターを設置することで、軽減できることが分かった。本発表では、上記目的のため、MEBT1に設置する垂直方向コリメーターの製作設計の状況について報告する。
栗原 俊一*; 小林 仁*; 杉村 高志*; 平野 耕一郎
Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.814 - 816, 2016/11
照射損傷は加速器の構成要素の各部分に観察される問題である。加速管,スクレーパー,モニター、そして標的と特に陽子加速器,イオン加速器では憂慮される問題である。われわれは、実際の加速器でのその場観察を究極の目標として、加速器で使用される様々な物質の照射損傷、特にブリスタリングの観察を続け、光源としてレーザーを用い、その反射光からの情報により遠方で加速器の動作中のその場観察を行える方法を検討した。観察により得たブリスタリングの生成過程とともに、この観察方法の原理、ならびに適用限界を報告する。
杉村 高志*; 平野 耕一郎
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.954 - 957, 2015/09
J-PARCでは、目標性能の一つである1MWのビームパワーを達成するべく準備を進めてきた。J-PARC加速器リニアックの運転には、ビーム電流50mAへのアップグレードは不可欠であり、2014年夏にイオン源, RFQリニアック及びチョッパーシステムの変更を行った。ビーム成形を行うため、不要なビームを負荷させるスクレーパをRFQ下流に設置している。スクレーパは、冷却水路を有する銅ブロックと炭素複合材の板で構成される。温度波形の継続的な測定から、スクレーパへのビーム照射による炭素複合材の熱伝導率の悪化が観測された。この対策として、スクレーパへの熱負荷を軽減させるため、ビームの入射角が67のスクレーパを設計した。本件では、新しいスクレーパのシミュレーション結果と今後の計画について報告する。
平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 川根 祐輔; 篠崎 信一; 三浦 昭彦; 森下 卓俊; 澤邊 祐希; 杉村 高志*; 内藤 富士雄*; Fang, Z.*; et al.
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.944 - 947, 2015/09
J-PARC加速器リニアックの運転には、ビーム電流を50mAに増強する必要があるため、2014年にJ-PARCリニアックのイオン源、RFQ、及び、MEBT1の改造を行った。RFチョパ空洞とビームスクレーパがRFQとDTLの間にあるMEBT1の領域に設置されている。50mAビーム運転においてビームロスが増加するため、電極の間隔やビームパイプの内径を拡げた新RFチョッパ空洞を製作して、置き換えを行った。また、RFチョッパによって蹴られた高負荷ビームを受けるため、2台の新しいスクレーパを設置した。本件では、RFチョッパシステムとスクレーパのビーム照射試験結果について報告する。
根本 康雄; 田村 潤; 伊藤 崇; 森下 卓俊; 平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 小栗 英知; 杉村 高志*; 南茂 今朝雄*; 青 寛幸*
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1101 - 1104, 2015/09
J-PARCリニアックでは、環結合型空洞を用いたビーム運転を開始して約1.5年が経過した。長期運転によるコンディショニング効果によって、空洞内の真空圧力はビーム運転で要求されるより十分低い110
Pa程度まで下がり、RFトリップ回数についても順調に減少している。現在この環結合型空洞は、J-PARC加速器の稼働率に大きな影響を与えることなく安定に運転している。運転を開始してからこれまでの間に、このビームラインで使用しているアルミ製チェーンクランプの破損によって、突発的な真空リークが5回発生した。そこで同様のトラブルを未然に防ぐため、全てのアルミ製クランプをステンレス製のものに交換した。また、この環結合型空洞部では空洞間に設置しているビームモニタのボア径が周辺のビームダクトと比べて小さいため、この場所の残留放射線量が非常に高く問題となっている。今後のリニアックビーム電流増強に備え、ビーム調整に使用していないモニタについてはチタン製のダクトと交換し、特に高線量部についてはこのチタン製ダクトのボア径を拡大する等の検討を行っている。
近藤 恭弘; 森下 卓俊; 山崎 宰春; 堀 利彦; 澤邊 祐希; 千代 悦司; 福田 真平; 長谷川 和男; 平野 耕一郎; 菊澤 信宏; et al.
Physical Review Special Topics; Accelerators and Beams, 17(12), p.120101_1 - 120101_8, 2014/12
被引用回数:6 パーセンタイル:41.51(Physics, Nuclear)J-PARCのビーム電流増強用の新しいRFQ(RFQ III)のビーム試験を行った。まず、RFQ IIIのコンディショニングが行われ、20時間のコンディショニング後に、400kW、デューティーファクター1.5%の非常に安定なRF入力を達成した。次に、加速器トンネルに設置する前にオフラインのビームテストを行った。50mA負水素ビームの透過率、エミッタンス、エネルギー分散を測定し、シミュレーションと比較した。実験結果とシミュレーションは良い一致を示し、RFQ IIIが設計通りの性能を発揮していることが示された。
川根 祐輔*; 三浦 昭彦; 宮尾 智章*; 平野 耕一郎; 杉村 高志*; 加藤 裕子; 澤邊 祐希; 福田 真平; 大内 伸夫
Proceedings of 11th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1288 - 1291, 2014/10
J-PARCリニアックでは、ピークビーム電流を50mAへ増強するため、RF駆動イオン源及び50mA用RFQ(RFQIII)の開発を進めており、2014年度夏に換装する予定である。J-PARCリニアック棟に設置したテストスタンドにおいて当該イオン源及びRFQの性能確認試験を実施した。一方、RFQとDTL間のビーム輸送系に関しては、50mA用チョッパ空洞及びスクレーパの開発を進めている。スクレーパ保護のため、スクレーパの温度の上限の監視、照射するビームの粒子数の総量に対するインターロックが必要となる。また、チョッパ空洞の動作監視のため、チョッパ空洞前後のビーム透過率を計測するモニタ及びインターロックを導入する予定である。テストスタンドにおいてスクレーパのビーム照射試験を実施するにあたり、これらのモニタ、インターロックシステムを構築し、動作確認を行った。本発表では、ビーム電流増強用の新しいビームライン用に構築したインターロックシステムについて紹介し、テストスタンドにて使用した結果について報告する。
小栗 英知; 長谷川 和男; 伊藤 崇; 千代 悦司; 平野 耕一郎; 森下 卓俊; 篠崎 信一; 青 寛幸; 大越 清紀; 近藤 恭弘; et al.
Proceedings of 11th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.389 - 393, 2014/10
J-PARCリニアックでは現在、ビームユーザに対する利用運転を行うとともに、リニアック後段の3GeVシンクロトロンにて1MWビームを加速するためのビーム増強計画を進めている。リニアックのビーム増強計画では、加速エネルギー及びビーム電流をそれぞれ増強する。エネルギーについては、181MeVから400MeVに増強するためにACS空洞及びこれを駆動する972MHzクライストロンの開発を行ってきた。これら400MeV機器は平成24年までに量産を終了し、平成25年夏に設置工事を行った。平成26年1月に400MeV加速に成功し、現在、ビーム利用運転に供している。ビーム電流増強では、初段加速部(イオン源及びRFQ)を更新する。イオン源はセシウム添加高周波放電型、RFQは真空特性に優れる真空ロー付け接合タイプ空洞をそれぞれ採用し、平成25年春に製作が完了した。完成後は専用のテストスタンドにて性能確認試験を行っており、平成26年2月にRFQにて目標の50mAビーム加速に成功した。新初段加速部は、平成26年夏にビームラインに設置する予定である。
伊藤 崇; 平野 耕一郎; 杉村 高志*; 南茂 今朝雄*
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.977 - 981, 2014/06
J-PARCリニアック部の加速空洞であるSDTLは、東日本大震災後の復旧作業の後、2011年12月からビーム加速を再開した。復旧後の運転において、SDTL05B空洞はおよそ300kW400kWの領域で空洞内に電力が投入できず反射のみが増加するという症状を呈した。これまでに行った原因調査及びシミュレーション結果から、この症状の原因は空洞内で発生しているマルチパクタである可能性が高いことが判明した。空洞内表面は震災後に高湿度の大気に長時間晒されたことからマルチパクタの症状が顕著に表れた可能性があり、この症状を改善させるため、2012年の夏季メンテナンス期間にSDTL05B空洞内表面の不純物の成分分析を行うとともに、温水ベーキング,真空ポンプの増強とオイルフリー化などの対策、及び運転前の空洞コンディショニングを慎重に行った。この結果、マルチパクタの症状が改善し空洞に電力が入らない不具合領域が縮小した。本学会では、SDTL05B空洞の調査結果、及び不具合対策の結果について報告する。
杉村 高志*; 平野 耕一郎; 南茂 今朝雄*; 栗原 俊一*
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.862 - 866, 2014/06
J-PARCでは利用運転のビーム強度の増強に取り組んでおり、LINACでは400MeV, 50mAへのビーム増強の実施を計画している。なかでも、電流の増強については、イオン源, RFQの換装の準備を進めており、まさにビームの最初の部分から増強することになる。本報告のビームスクレーパーはRFQの下流に設置するもので、そこよりさらに下流にあるDTL以降の加速器において加速すべきではないビームをストップさせるのに十分な性能を持たなくてはならない。現状では炭素複合材を用いたスクレーパーが設置されており、ビーム利用運転のために稼働中であるが、現在の20mA程度のビーム電流ですら、既に表面の損耗が観察されており、50mAのビーム電流での運転時に耐えられるスクレーパーの開発が必要である。このため、スクレーパー材料に関し、材料の検討を行うと共に、シミュレーションコードANSYSを用いた伝熱シミュレーションを実施している。今回は、ビームスクレーパーの熱伝導解析について報告する。
平野 耕一郎; 伊藤 崇; 近藤 恭弘; 篠崎 信一; 千代 悦司; 三浦 昭彦; 森下 卓俊; 池上 雅紀*; 久保田 親*; 杉村 高志*; et al.
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.858 - 861, 2014/06
J-PARCリニアックの運転パラメータは、ピーク電流17mA、マクロパルス幅500s、繰り返し25Hz、ビームエネルギー181MeVである。マクロパルスビームは、RFQ下流のMEBT領域にあるRFチョッパ空洞の電界によって、その一部が蹴りだされ、櫛形構造を持つビームに整形される。この整形されたビームは、パルス幅600nsの中間パルスが1066nsの間隔で並んだ構造である。一方、蹴りだされたビームは、RFチョッパ空洞から約70cm離れた場所にあるスクレーパに負荷される。今後、イオン源、及び、RFQの改造、並びに、加速管の増設を行い、ビーム電流を50mA、ビームエネルギーを400MeVに増強する計画である。ビーム電流を50mAに増加すると、ビームがチョッパ空洞の電極やビームパイプにあたるシミュレーション結果が得られている。また、スクレーパの損傷が懸念される。そこで、ビーム電流50mAに対応したMEBTビームラインに改造する計画である。今回は、チョッパ空洞やスクレーパ等に関するチョッパシステムの改造について報告する。
伊藤 崇; 平野 耕一郎; 南茂 今朝雄*
Proceedings of 9th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1152 - 1156, 2013/08
J-PARCリニアック部の加速空洞であるDTL及びSDTLは、2011年3月の東日本大震災により大きな被害を受けた。復旧作業は4月から10月まで行われ、11月からのハイパワーコンディショニングの後12月からビーム加速を再開している。復旧後のDTL及びSDTL空洞は、SDTL05B空洞を除き震災前と同等、安定な運転を維持している。SDTL05B空洞は、およそ300kWから400kWの領域で空洞内にパワーが入らず反射のみが増加する、という症状を呈している。このため震災前の運転パワー(370kW)で運転することができないため、約1.4倍のパワー(510kW)を投入して運転している状況である。現在この症状の原因究明を進めており、空洞内で発生しているマルチパクタの影響を疑っている。本稿では、空洞内マルチパクタに関するシミュレーション結果、これまでに行った各種測定及び対策、並びにそれらに関する考察を報告する。
三浦 昭彦; 宮尾 智章*; 伊藤 崇; 平野 耕一郎; 南茂 今朝雄*; 丸田 朋史; 田村 潤; 池上 雅紀*; 内藤 富士雄*
Proceedings of 9th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.653 - 655, 2013/08
2011年3月の東北地方太平洋沖地震により、J-PARCでは大きな被害が発生した。震災前の運転に比べ、アライメントが異なることなどから、ビームロスの発生状況の変化が見られると同時に、部分的に非常に大きなビームロスが発生し、運転後のサーベイにおいて、ドリフトチューブリニアック(DTL)空洞の表面に、残留放射線が認められる箇所が見つかった。このため、シンチレーションビームロスモニタを追加し、DTL部でのビームロス挙動の観測を開始した。ビーム軌道をパラメータとした測定の結果、ビームロスイベントが軌道に伴って変化する様子が観測された。
廣田 貴俊*; 平野 隆*; 鬼沢 邦雄
Proceedings of 2013 ASME Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2013) (DVD-ROM), 7 Pages, 2013/07
破壊靭性マスターカーブ法は、原子炉圧力容器に使用される鋼材の破壊靭性を精度よく統計的に評価するために有効な方法である。国内では、JEAC4216-2011としてマスターカーブ法に対する参照温度(To)評価の規格が制定されている。この規格は、米国ASTM E1921をもとに、国産圧力容器鋼材への適用性の検討結果等をもとに策定された。本研究では、国産鋼材の破壊靭性データベースを用いて、このJEAC4216により求めたToをもとに、平面ひずみ破壊靭性K曲線及び参照破壊靭性K
曲線を推定する代替参照温度RT
を検討した。この際、従来の関連温度RT
に基づく破壊靭性曲線と等価な安全裕度を有するように統計処理を行った。結果として、RT
として、Toに係数C
及びマージンを加える式を開発した。本式は、原子炉圧力容器の健全性評価を規定するJEAC4206の改定に向けて提案される予定である。