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論文

Cross-shell excitations from the $$fp$$ shell; Lifetime measurements in $$^{61}$$Zn

Queiser, M.*; Vogt, A.*; Seidlitz, M.*; Reiter, P.*; 富樫 智章*; 清水 則孝*; 宇都野 穣; 大塚 孝治*; 本間 道雄*; Petkov, P.*; et al.

Physical Review C, 96(4), p.044313_1 - 044313_13, 2017/10

 被引用回数:5 パーセンタイル:41.77(Physics, Nuclear)

ケルン大学のタンデム加速器にて$$^{61}$$Znの励起状態を核融合反応および核子移行反応によって生成し、そのいくつかの脱励起$$gamma$$線を放出する寿命を測定した。そこから電磁遷移強度を得た。$$fp$$殻内の配位が主である負パリティ状態間の遷移に加え、$$fp$$殻から$$sdg$$殻へ中性子が励起した配位をもつ正パリティ間の$$E2$$遷移強度を得ることにも成功した。これらの正パリティ状態は、以前はオブレート変形しているとも考えられていたが、実験で得られた$$E2$$遷移強度を大規模殻模型計算の結果と比較することによって、プロレート変形を持つことが明らかとなった。

論文

Monte Carlo shell model studies with massively parallel supercomputers

清水 則孝*; 阿部 喬*; 本間 道雄*; 大塚 孝治*; 富樫 智章*; 角田 佑介*; 宇都野 穣; 吉田 亨*

Physica Scripta, 92(6), p.063001_1 - 063001_19, 2017/06

 被引用回数:24 パーセンタイル:81.66(Physics, Multidisciplinary)

モンテカルロ殻模型の手法およびその応用について概説する。モンテカルロ殻模型は、効率的に多体基底を生成することによって、従来の直接対角化では計算不可能だった物理系に対する殻模型計算を目指した手法である。このレビュー論文では、モンテカルロ殻模型のここ10年以内の発展をまとめた。手法面では、エネルギー分散を用いた外挿による厳密解の推定法や共役勾配法の導入による効率的な基底生成など、数値計算面では、より効率的な並列化や計算機の実効性能を高める数値計算アルゴリズムなどについて概説する。最近の応用としては、非常に大きな模型空間が必要な第一原理計算および中性子過剰なニッケル領域とジルコニウム領域の計算結果を紹介する。後者の中性子過剰核領域では、変形共存に興味が集まっているが、モンテカルロ殻模型では、変形の分布を解析するT-plotと呼ぶ新しい手法を開発することによって、これらの原子核の変形を直感的に理解することが可能となった。この手法は、軽い原子核のクラスター状態を調べるのにも有用である。

論文

Large-scale shell-model analysis of the neutrinoless $$betabeta$$ decay of $$^{48}$$Ca

岩田 順敬*; 清水 則孝*; 大塚 孝治*; 宇都野 穣; Men$'e$ndez, J.*; 本間 道雄*; 阿部 喬*

Physical Review Letters, 116(11), p.112502_1 - 112502_6, 2016/03

AA2015-0865.pdf:0.45MB

 被引用回数:74 パーセンタイル:94.56(Physics, Multidisciplinary)

ニュートリノレス二重ベータ崩壊は、ニュートリノがマヨラナ粒子であることを示す決定的な証拠となるが、未だその観測に成功していない。その核行列要素を理論的に正確に与えられれば、実験に大きな制約を与えることになるが、核構造模型による不定性が大きいというのが現状である。この研究では、最も正確な核行列要素を与えると期待される大規模殻模型計算によって、$$^{48}$$Caのニュートリノレス二重ベータ崩壊の核行列要素を調べた。$$sd$$殻から$$pf$$殻へ励起する配位を取り入れた大規模計算によって、従来の$$pf$$殻計算に比べ、約30$$%$$の核行列要素の増大を得た。核構造の観点からは、この増大は、対相関と核行列要素が密接に関係していることによってもたらされたものである。

論文

Large-scale shell-model studies for exotic nuclei; Probing shell evolution

宇都野 穣; 大塚 孝治*; 清水 則孝*; 角田 佑介*; 本間 道雄*; 阿部 喬*; 水崎 高浩*; 富樫 智章*; Brown, B. A.*

Proceedings of International Conference on Nuclear Theory in the Supercomputing Era 2014 (NTSE 2014), p.29 - 34, 2016/00

スーパーコンピュータを用いた大規模数値計算による原子核理論研究の進展を議論する本国際会議において、大規模殻模型計算の発展に関する招待講演を行う。現在、非常に軽い核では生の核力に基づく第一原理計算が行われているが、質量数20程度以上の核に対して第一原理計算を行うのは当面の間困難である。そこで、質量数100程度までの中重核構造は、殻模型が有力な手法である。殻模型計算を行うには、有効相互作用が必要となるが、未だにそれを正確に得ることは難しく、特に殻構造に関わる部分に大きな不定性が残されている。本講演では、発表者らによって提唱された統一的に殻構造を記述する有効相互作用によって、様々な領域の不安定核構造が非常によく理解されるようになったことを示す。その例として、軽い核から中重核までの魔法数領域、カルシウム、ニッケル、スズ同位体を採り上げ、中心力とテンソル力による殻構造変化およびそれに伴う変形共存現象などについてのいくつかの話題を紹介する。

論文

Photonuclear reactions of calcium isotopes calculated with the nuclear shell model

宇都野 穣; 清水 則孝*; 大塚 孝治*; 江幡 修一郎*; 本間 道雄*

Progress in Nuclear Energy, 82, p.102 - 106, 2015/07

 被引用回数:4 パーセンタイル:40.2(Nuclear Science & Technology)

$$gamma$$線は核反応に伴って発生するため、$$gamma$$線の反応断面積は原子力科学における基礎的なデータである。この研究では、カルシウム同位体を取り上げ、現時点で最も高度な原子核理論計算が光核反応断面積をどれくらい記述できるかを調べた。光核反応の主な励起成分はE1励起であるため、偶偶核では$$1^-$$状態を非常に多数求める必要がある。これら負パリティ状態の記述のために基底状態からの$$1hbaromega$$励起を完全に取り入れた大きな模型空間を採用した大規模殻模型計算をBX900などのスーパーコンピュータを用いて行った。計算の結果、実験値のある$$^{42,44,48}$$Caに対しては、巨大双極共鳴のピークをよく再現した。また、中性子過剰核では中性子分離エネルギー近傍にピグミー共鳴と呼ばれる小さなピークが存在することを予言した。

論文

Recent advances in shell evolution with shell-model calculations

宇都野 穣; 大塚 孝治*; 角田 佑介*; 清水 則孝*; 本間 道雄*; 富樫 智章*; 水崎 高浩*

JPS Conference Proceedings (Internet), 6, p.010007_1 - 010007_8, 2015/06

不安定核物理のフラッグシップ国際会議ARIS2014にて、不安定核における殻構造変化に関する最近の知見についての招待講演を行う。特に、有効相互作用による殻構造変化が最近の実験および理論研究によってどう明らかになったかについて議論する。まず、最近測定された、カリウム51の基底状態スピンから、従来あまり重要視されてこなかった中心力の重要性を強調する。その結果、中心力とテンソル力が協調的に働く軌道に関しては特に大きな殻構造変化が生じることを示し、2013年発見されたカルシウム54における新魔法数34の出現はそこから理解されることを説明する。さらに、カルシウムよりも陽子数が減っても魔法数34は保たれるという予言を示す。中性子数28魔法数の消滅もやはり中心力が重要であり、その結果、硫黄44にて球形起源および変形起源の軌道が近くに現れ、Kアイソマーに類する現象が起こることを示す。

論文

Identification of deformed intruder states in semi-magic $$^{70}$$Ni

Chiara, C. J.*; Weisshaar, D.*; Janssens, R. V. F.*; 角田 佑介*; 大塚 孝治*; Harker, J. L.*; Walters, W. B.*; Recchia, F.*; Albers, M.*; Alcorta, M.*; et al.

Physical Review C, 91(4), p.044309_1 - 044309_10, 2015/04

 被引用回数:36 パーセンタイル:91.68(Physics, Nuclear)

アルゴンヌ国立研究所にて中性子過剰核$$^{70}$$Niを$$^{70}$$Znの多核子移行反応によって生成し、$$gamma$$線検出器GRETINAを用いて$$gamma$$線分光を行った。その結果、$$2^+_2$$, $$4^+_2$$準位を初めて観測した。これらの準位は小さな模型空間を採用した殻模型計算では再現されないため、陽子の$$f_{7/2}$$軌道からの励起を伴った大きな変形状態であると考えられる。本論文の理論グループが2014年に発表した大規模殻模型計算によって$$^{70}$$Niの励起状態を解析した結果、これらの状態は大きなプロレート変形を持つ状態とよく対応することがわかった。この結果は、中性子過剰ニッケル同位体における変形共存が$$^{68}$$Ni以外にも存在することを実証するとともに、中性子過剰核における大規模殻模型計算の予言能力を確かめるものである。

論文

Large-scale shell-model calculations for unnatural-parity high-spin states in neutron-rich Cr and Fe isotopes

富樫 智章*; 清水 則孝*; 宇都野 穣; 大塚 孝治*; 本間 道雄*

Physical Review C, 91(2), p.024320_1 - 024320_12, 2015/02

AA2014-0602.pdf:2.08MB

 被引用回数:23 パーセンタイル:81.91(Physics, Nuclear)

中性子数が31から35までの中性子過剰なクロムおよび鉄同位体における非自然パリティ高スピン状態に対する大規模殻模型計算を行った。これらのうち、中性子数が奇数の同位体では、$$9/2^+_1$$状態の励起エネルギーが中性子数に対して急激に下がってくるという興味深い現象が知られており、そのメカニズムに興味が持たれている。本研究では既存の有効相互作用の組み合わせに最小限の修正を施したものを用いて、非自然パリティ高スピン状態を系統的に計算した。その結果、$$33/2^+$$までの高スピン状態の励起エネルギーを非常によく再現することに成功した。この計算で得られた波動関数を解析し、変形を調べたところ、従来指摘されていたようなオブレート変形は見られず、基本的にはプロレート変形が支配していることがわかった。また、$$9/2^+_1$$状態が急激に下がるのは、これまで考えられていたような中性子の$$g_{9/2}$$軌道の変化によるものではなく、中性子数が増大することによってフェルミ面が上昇するためであることがわかった。

論文

Recent shell-model results for exotic nuclei

宇都野 穣; 大塚 孝治*; 清水 則孝*; 本間 道雄*; 水崎 高浩*; 角田 佑介*; 阿部 喬*

EPJ Web of Conferences, 66, p.02106_1 - 02106_8, 2014/03

 被引用回数:14 パーセンタイル:96.87

原子核構造を研究するための有力な手法の一つである殻模型における最近の発展と、それを用いた中性子過剰核などのエキゾチック核構造の理解の進展についてレビューする。殻模型における二つの重要な要素である有効相互作用と大規模核構造計算手法に関する発表者らの研究成果をまとめる。有効相互作用については、殻構造変化を引き起こすモノポール相互作用の統一的理解が喫緊の課題であるが、発表者らは数年前にテンソル力を取り入れた普遍的モノポール相互作用を提唱した。それを中性子数28領域のエキゾチック核及びアンチモン同位体の殻模型計算に取り入れ、核構造計算を行った結果、幅広い質量領域で有用であることが示された。大規模量子多体計算については、直接対角化法の限界を超えうる手法である、モンテカルロ殻模型計算を採り上げる。その進展により中重核の核構造を正確に計算できるようになったことを示し、その例として、中性子過剰ニッケル同位体における変形共存の結果を紹介する。

論文

Novel shape evolution in exotic Ni isotopes and configuration-dependent shell structure

角田 佑介*; 大塚 孝治*; 清水 則孝*; 本間 道雄*; 宇都野 穣

Physical Review C, 89(3), p.031301_1 - 031301_5, 2014/03

AA2013-0908.pdf:2.19MB

 被引用回数:148 パーセンタイル:99.37(Physics, Nuclear)

中性子過剰ニッケル同位体は、第一励起状態のエネルギーが中性子数40(ニッケル68)で高くなるという特徴的な性質が知られており、近年、世界各地の不安定核施設でその性質が精力的に調べられている。従来、中性子過剰ニッケル同位体の構造を精度よく計算するのは困難であり、ニッケル68でどのような核構造となっているのか明らかではなかった。この研究では、モンテカルロ殻模型を用いた大規模核構造計算によって、ニッケル同位体の核構造を系統的に記述することに成功した。さらに、モンテカルロ殻模型で得られた固有状態の変形を解析する新しい方法を導入し、それによってニッケル68の低励起状態の形状を調べた結果、基底状態は球形、0$$^+_2$$状態はオブレート変形、0$$^+_3$$状態はプロレート変形となる三重変形共存が起きていることがわかった。プロレート変形が低く出現するメカニズムとして、テンソル力がもたらす殻構造が配位に強く依存するという新しい見方を提示し、II型の殻進化と名付けた。

論文

Shape coexistence in $$^{68}$$Ni

Suchyta, S.*; Liddick, S. N.*; 角田 佑介*; 大塚 孝治*; Bennett, M. B.*; Chemey, A.*; 本間 道雄*; Larson, N.*; Prokop, C. J.*; Quinn, S. J.*; et al.

Physical Review C, 89(2), p.021301_1 - 021301_5, 2014/02

 被引用回数:76 パーセンタイル:97.51(Physics, Nuclear)

中性子過剰核$$^{68}$$Niは、陽子数28の魔法数と中性子数40の小さな殻ギャップを有する二重閉殻核の一つであり、その基底状態は球形であるとされている。その第一励起状態は通常の偶偶核で見られるような$$2^+$$ではなく、二重閉殻核の特質といえる$$0^+$$であるとされているが、その励起エネルギーの値には大きな不定性があった。この研究では、ミシガン州立大の超伝導サイクロトロンを用い、$$^{68}$$Coからの$$beta$$崩壊とそれに伴う電子対エネルギーの測定から、$$^{68}$$Niの第一励起$$0^+$$状態の励起エネルギーを精度よく測定することに成功した。従来の励起エネルギー1770(30)keVは正確ではなく、1605(3)keVであることがわかった。モンテカルロ殻模型計算による大規模核構造計算をもとに、この$$0^+$$状態はオブレート変形しているという新しい描像を提示した。

論文

Evidence for a new nuclear "magic number" from the level structure of $$^{54}$$Ca

Steppenbeck, D.*; 武内 聡*; 青井 考*; Doornenbal, P.*; 松下 昌史*; Wang, H.*; 馬場 秀忠*; 福田 直樹*; 郷 慎太郎*; 本間 道雄*; et al.

Nature, 502(7470), p.207 - 210, 2013/10

 被引用回数:275 パーセンタイル:99.78(Multidisciplinary Sciences)

中性子数34の新しい魔法数が中性子過剰核で存在することが10年ほど前に東京大学と発表代表者らのグループによって指摘されて以来、世界各地の不安定核研究施設にてその実験的検証の試みがなされてきた。しかし、中性子数34の魔法数はカルシウムのみに見られる極めて局所的なものであり、カルシウム54を十分に生成するのが困難なことから、これまで実験的な証拠が得られてこなかった。この研究では、理化学研究所のRIBFにてカルシウム54の励起状態を$$gamma$$線分光によって初めて観測し、第一励起状態が約2MeVにあることを見つけた。この励起エネルギーは、カルシウム42,44,46,50などの非中性子魔法数のものに比べかなり高いものであり、中性子数34の魔法数の存在が確立された。発表代表者らによる理論解析の結果、中性子数34の殻ギャップは、既に魔法数として知られている中性子数32のものと同程度の大きさであることがわかった。

論文

Dipole strength distributions in $$^{56}$$Fe

静間 俊行; 早川 岳人; 大垣 英明; 豊川 弘之*; 小松原 哲郎*; 菊澤 信宏; 稲倉 恒法*; 本間 道雄*; 中田 仁*

Physical Review C, 87(2), p.024301_1 - 024301_7, 2013/02

 被引用回数:15 パーセンタイル:68.41(Physics, Nuclear)

光核共鳴散乱実験において、$$^{56}$$Feの電気,磁気的な双極子遷移を偏極$$gamma$$線を用いて測定した。入射光子ビームの偏光面に対する散乱$$gamma$$線強度の非対称性の測定から、双極子準位のパリティを決定した。その結果、7$$sim$$10MeV領域の全磁気双極子(M1)遷移強度として$$Sigma B(M1)!uparrow=3.52(17)$$ $$mu_N^2$$、10MeV以下の全電気双極子(E1)遷移強度として$$Sigma B(E1)!uparrow=78.0(15)times10^{-3},e^2{rm fm}^2$$が得られた。観測されたM1遷移強度をGXPF1JとKB3G相互作用を用いた殻模型計算と比較を行った。また、E1遷移強度に対しては、Skyrme相互作用を用いた乱雑位相近似模型を用いた計算と比較を行った。

論文

Shape transitions in exotic Si and S isotopes and tensor-force-driven Jahn-Teller effect

宇都野 穣; 大塚 孝治*; Brown, B. A.*; 本間 道雄*; 水崎 高浩*; 清水 則孝*

Physical Review C, 86(5), p.051301_1 - 051301_6, 2012/11

AA2012-0664.pdf:0.63MB

 被引用回数:132 パーセンタイル:98.55(Physics, Nuclear)

近年、われわれはテンソル力が原子核の殻構造の変化を与えることを明らかにしてきた。本論文では、テンソル力による殻構造変化が一粒子準位を変化させるだけではなく、中性子過剰核の形をも変化させうることを殻模型計算によって明らかにし、そのメカニズムをヤーンテラー効果と関係づけて議論した。まず、中性子数が20から28へ増やすと、テンソル力によって陽子のスピン軌道分離エネルギーが減少することを、カルシウム48からの一陽子分離反応によって得られる分光学的因子の分布から明確にした。さらに、中性子数28のシリコン42でも同様にスピン軌道分離エネルギーが減少することで、魔法数28を有するにもかかわらず大きく変形することが導かれ、実験の低い励起準位が再現された。シリコンでは変形がテンソル力に強く依存する一方、硫黄では形状がテンソル力に敏感でないことも示した。また、シリコン42の変形メカニズムを簡単な四重極・四重極相互作用によって説明した。

論文

Shell evolution around and beyond $$N$$=28 studied with large-scale shell-model calculations

宇都野 穣; 大塚 孝治*; Brown, B. A.*; 本間 道雄*; 水崎 高浩*; 清水 則孝*

Progress of Theoretical Physics Supplement, (196), p.304 - 309, 2012/10

中性子数28近傍で見られる原子核の殻構造の変化及びその核構造への影響について、大規模殻模型計算による理論研究の成果を報告する。最近、われわれは中性子過剰核における殻構造の変化を統一的に記述できる有効相互作用として、ガウス型中心力とテンソル力からなる簡単な相互作用を提唱した。それは、スズ同位体など、これまで知られている一粒子スペクトルの変化をうまく再現することが知られているが、変形など多体相関を含む状態をも統一的に記述できるかどうかは確かではなかった。本研究では、中性子数28領域の殻模型相互作用としてこの新しい有効相互作用を採り、殻模型計算を行ったところ、シリコン42核の変形,カルシウム48核の分光学的因子の分布など殻構造を反映する物理量をよく再現することができ、有効相互作用の有用性が確かめられた。また、中性子数28領域における、g軌道の位置を殻模型計算と知られている実験データに基づいて決定した。

論文

Spectroscopic study of $$^{63}$$Ni via cold neutron capture reaction, 1; Nuclear structure of $$^{63}$$Ni

大島 真澄; 金 政浩*; 中村 詔司; 本間 道雄*; 湊 太志; 早川 岳人; 原 かおる; 木村 敦; 小泉 光生; 原田 秀郎; et al.

Journal of the Physical Society of Japan, 81(8), p.084201_1 - 084201_15, 2012/08

 被引用回数:2 パーセンタイル:19.32(Physics, Multidisciplinary)

濃縮$$^{62}$$Ni試料の冷中性子捕獲により生成された$$gamma$$線を核分光法で調べた。272本の新しい$$gamma$$線を含む315本の$$gamma$$線が$$^{63}$$Niの準位構造に組み込まれた。30本の新準位を含む62本の準位に対して、0.2-0.8keVの精度の励起エネルギーと$$gamma$$線分岐比を決定した。$$^{62}$$Ni (n,$$gamma$$) $$^{63}$$Ni反応のQ値は6837.75(18)keVであった。大規模殻模型計算を行った結果、$$^{63}$$Niの低励起状態のエネルギーがよく再現できた。Hartree-Fock + BCS法と統計計算の間の自己無撞着相互作用を用いた平均場統計模型計算も行い、$$^{63}$$Niの準位密度の実験値と矛盾しないことを示した。

論文

Variational procedure for nuclear shell-model calculations and energy-variance extrapolation

清水 則孝*; 宇都野 穣; 水崎 高浩*; 本間 道雄*; 角田 佑介*; 大塚 孝治*

Physical Review C, 85(5), p.054301_1 - 054301_6, 2012/05

AA2012-0118.pdf:1.01MB

 被引用回数:21 パーセンタイル:74.08(Physics, Nuclear)

従来の直接対角化法では計算不可能な大規模殻模型を遂行するため、著者らが発展させているモンテカルロ殻模型計算法に関して、従来の手法よりもより効率的かつ正確な計算を可能にする手法を発展させた。従来は多体波動関数の基底の候補を確率論的に生成し、そこから良いものを選択していたが、この論文では共役勾配法を導入することでより効率的に基底を生成することが可能となった。さらに、モンテカルロ殻模型計算結果からエネルギー固有値の厳密解を得るために近年エネルギー分散による外挿法を導入したが、この論文では、基底の順序変更という新しい方法を取り入れ、より信頼性の高いエネルギー固有値の推定値を得ることができた。これらの新手法は、特に変形共存などの計算がより難しい系においてより効力を発揮することがわかった。

論文

New-generation of Monte Carlo shell model for the K computer era

清水 則孝*; 阿部 喬*; 角田 佑介*; 宇都野 穣; 吉田 亨*; 水崎 高浩*; 本間 道雄*; 大塚 孝治*

Progress of Theoretical and Experimental Physics (Internet), 2012(1), p.01A205_1 - 01A205_27, 2012/00

AA2012-0119.pdf:1.74MB

 被引用回数:116 パーセンタイル:96.25(Physics, Multidisciplinary)

モンテカルロ殻模型は、1990年代後半に提案され数多くの成果を挙げてきたが、近年、新しい方法論及び計算手法を導入し、「京」のようなスーパーコンピュータに適した手法となるとともに、従来のモンテカルロ殻模型では到達できなかった、より計算が困難な物理系へも適用可能となった。方法論に関しては、エネルギー分散を利用した外挿法を導入することによって、エネルギー固有値を非常に精度よく計算することが可能となった。また、数値計算アルゴリズムをより効率的なものに置き換え、並列計算手法を改良したことによって、高い計算効率を得られるようになった。その結果、第一原理的殻模型計算や中性子過剰ニッケル領域など、従来の手法では困難だった計算も可能となり、それらの計算結果の例も示した。

論文

Structure of unstable nuclei around N=28 described by a shell model with the monopole-based universal interaction

宇都野 穣; 大塚 孝治*; Brown, B. A.*; 本間 道雄*; 水崎 高浩*

AIP Conference Proceedings 1355, p.161 - 166, 2011/00

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.05

中性子過剰核では、殻構造が変化することが近年明らかになりつつあるが、その変化を統一的に理解するために著者らは最近「モノポールに基礎をおいた普遍的相互作用(VMU)」を提唱した。テンソル力がスピンに依存する殻構造の変化を表し、現象論的ガウス型中心力が束縛エネルギーの全体的変化を担っているという模型である。これは、球形核まわりの一粒子状態をよく説明しているように見えるが、微視的核構造計算の有効相互作用として有用であるかどうかは不明である。この講演では、VMUを有効相互作用として採用した殻模型計算によって、中性子数28近辺の中性子過剰核の構造を研究した成果を報告する。一粒子的エネルギー準位のみならず、シリコン42核における中性子数28魔法数消滅を伴った大きな変形など、殻構造変化と密接にかかわるさまざまな現象を非常によく再現することに成功した。

論文

Novel extrapolation method in the Monte Carlo shell model

清水 則孝*; 宇都野 穣; 水崎 高浩*; 大塚 孝治*; 阿部 喬*; 本間 道雄*

Physical Review C, 82(6), p.061305_1 - 061305_4, 2010/12

AA2010-0824.pdf:0.34MB

 被引用回数:44 パーセンタイル:90.34(Physics, Nuclear)

殻模型は核構造を正確に記述することのできる優れた模型であるが、重い核では対角化すべき行列が大きすぎて計算できないという実用上の限界があった。モンテカルロ殻模型法は、こうした困難な問題に対しても良い近似を与える方法であるが、変分原理に基づいているため、エネルギー固有値は厳密解よりも高くなるとともに、厳密解からどれくらい離れているかわからないという問題点があった。本論文では、ハミルトニアンの期待値とその分散に非常に強い相関があることに基づき、モンテカルロ殻模型の結果から厳密解を外挿法によって求める新しい方法を導入した。また、外挿に必要なハミルトニアンの2乗の行列要素を効率的に計算する新しい公式を導いた。原子力機構及び東京大学の大型計算機を用い、厳密解がわかっている系に新しい外挿法を適用してその有用性を確かめ、さらにハミルトニアン行列が大きすぎてこれまで厳密解が計算できなかった系に対しても精度の良いエネルギーを与えることに成功した。

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