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論文

半減期が長い放射性核種のICP-MSによる定量

浅井 志保*; 堀田 拓摩

分析化学, 73(10-11), p.569 - 578, 2024/10

放射性廃棄物の処分における長期的な安全性を評価するためには、半減期の長い放射性核種(長寿命核種)の存在量を把握する必要がある。特に高レベル放射性廃棄物(HLW)処分の安全性評価には、これまで、燃焼計算コードによって算出された長寿命核種生成量の推定値が用いられてきた。しかし、長寿命核種の多くは分析実績が少ないことから、推定値の信頼性が十分に検証されていない。本研究では、放射性廃棄物における長期的な処分安全性評価の信頼性向上への貢献を目指して、実際に商用原子炉で使用された核燃料ペレット中に存在する長寿命核種の存在量を定量し、燃焼計算コードの出力値である"ウラン単位質量あたりの生成量"を算出することで推定値を検証した。さらに、測定が難しいとされる長寿命核種の現実的な分析法を提案することも目的とした。本稿では、長寿命核種のうち誘導結合プラズマ質量分析計(ICP-MS)で測定される$$^{93}$$Zr、$$^{107}$$Pd、および$$^{135}$$Csを対象とし、それらの測定前処理技術を含めた定量法の開発実証例を示す。

報告書

溢水した高性能容器内炭酸塩スラリーの組成を模擬した炭酸塩スラリーの作製と特性評価

堀田 拓摩; 山岸 功; 永石 隆二; 柏谷 龍之介*

JAEA-Technology 2021-012, 34 Pages, 2021/07

JAEA-Technology-2021-012.pdf:2.1MB
JAEA-Technology-2021-012(errata).pdf:0.18MB

東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所における多核種除去設備(Advanced Liquid Processing System; 以下「ALPS」という。)および増設多核種除去設備(Improved ALPS)の前処理設備から発生する炭酸塩沈殿物を主とする廃棄物(以下「炭酸塩スラリー」という。)は高性能容器(High Integrity Container; 以下「HIC」という。)に格納されている。このHIC内において、水の放射線分解により発生した水素ガスの炭酸塩スラリー内での保持および、それに伴う容積増加が原因と推定される上澄み水のHIC外部への漏えい事象(溢水)が発生した。この溢水の発生が確認された当時に保管されていた大部分のHICにおいて、外部への溢水は観察されていない。このことはHIC内炭酸塩スラリー自体の性状や気泡の保持特性の理解が溢水発生条件を明らかにする上で重要であることを示唆している。そこで本研究では、溢水したHIC内炭酸塩スラリーの組成を模擬した炭酸塩スラリーを作製し、その炭酸塩スラリーの非放射性条件下での性状および気泡の保持特性を明らかにすることを目的とした。まず、溢水が発生した炭酸塩スラリーの組成を模擬するために、溢水した炭酸塩スラリーが調製された当時のALPS運転条件を調査し、炭酸塩スラリーの主要元素であるマグネシウムとカルシウムの比率を変えた5つの原水を調製した。これら原水から炭酸塩等を沈殿させ、実機ALPSと同じクロスフローフィルタ方式を用いて模擬炭酸塩スラリーを作製した。次に、作製した炭酸塩スラリーの化学分析を実施した。また、沈降試験を実施して沈降層の密度(以下「沈降密度」という。)、降伏応力を測定した。最後に、沈降層への気泡注入試験を実施し、炭酸塩スラリー内部での気泡保持/放出特性について検討した。模擬炭酸塩スラリーは原水組成のカルシウム含有率が高いほど沈降密度が高くなることが分かった。そして、沈降密度が高い模擬炭酸塩スラリーでは沈降層の降伏応力が高く、注入した気泡を保持しやすい傾向が観察された。これらのことから、溢水したHIC内炭酸塩スラリーを模擬するためには原水組成に関する情報が重要であり、また、スラリー内での気泡の保持状況には炭酸塩スラリーの密度が影響を及ぼすことを明らかにした。

論文

Sr吸着繊維の吸着性能の改善と簡易的な$$^{90}$$Sr分析の実現に向けた検討

堀田 拓摩; 浅井 志保*; 今田 未来; 松枝 誠; 半澤 有希子; 北辻 章浩

分析化学, 69(10-11), p.619 - 626, 2020/10

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Analytical)

$$^{90}$$Sr分析の迅速な前処理分離を可能とするため、基材表層部へ吸着層を形成可能な放射線乳化グラフト重合法により、Sr吸着性を示す18-クラウン-6エーテル誘導体を担持したSr分離用吸着繊維を開発した。常温で液体のSr吸着分子を繊維表面に担持させることにより、前報で作製したSr分離材料と比較してSr吸着容量が大幅に向上した。このSr吸着繊維の平衡吸着容量は、同一のSr吸着分子を含浸する市販の粒子状のSr分離材料(Sr Resin)と比較しても遜色なかった。また、Sr吸着分子の本来の金属イオン選択性は維持されていた。この吸着繊維を用いた簡易的な$$^{90}$$Sr分析法を考案し、$$^{90}$$Srの吸着性能を評価したところ、Srの吸着操作から測定までを約1時間で完了することが可能であった。

論文

Direct quantitation of $$^{135}$$Cs in spent Cs adsorbent used for the decontamination of radiocesium-containing water by laser ablation inductively coupled plasma mass spectrometry

浅井 志保*; 大畑 昌輝*; 半澤 有希子; 堀田 拓摩; 蓬田 匠; 北辻 章浩

Analytical Chemistry, 92(4), p.3276 - 3284, 2020/02

 被引用回数:7 パーセンタイル:24.89(Chemistry, Analytical)

福島第一原子力発電所の汚染水処理に使用されたCs吸着材を安全に処分するために、長寿命核種である$$^{135}$$Csの放射能を把握する必要がある。$$^{135}$$Csは、誘導結合プラズマ質量分析計(ICP-MS)で測定するが、通常、液体試料のみに対応しているため、廃Cs吸着材の場合、Csの溶離操作が不可欠となる。しかし、$$^{137}$$Csから放出される強い放射線が取り扱いを困難にする。そこで本研究では、固体試料の直接測定が可能なレーザーアブレーションICP-MSを用いて$$^{135}$$Cs/$$^{137}$$Csを測定し、$$^{137}$$Csの$$gamma$$線測定結果と合わせて、Cs吸着材中の$$^{135}$$Csを簡便かつ精確に定量する方法を開発した。方法の妥当性を確認するため、放射性セシウムを含む汚染水に市販のCs吸着材を浸漬させて模擬試料を調製し測定したところ、水試料の分析値と一致した。

論文

Determination of $$^{107}$$Pd in Pd purified by selective precipitation from spent nuclear fuel by laser ablation ICP-MS

浅井 志保; 大畑 昌輝*; 蓬田 匠; 佐伯 盛久*; 大場 弘則*; 半澤 有希子; 堀田 拓摩; 北辻 章浩

Analytical and Bioanalytical Chemistry, 411(5), p.973 - 983, 2019/02

 被引用回数:15 パーセンタイル:58.88(Biochemical Research Methods)

使用済燃料中には複数のPd同位体が存在している。そのうち$$^{107}$$Pdは放射性であるため、使用済燃料中のPdを廃棄物処分もしくは資源として利用する場合、$$^{107}$$Pdの定量分析が不可欠となる。本研究では、$$^{107}$$Pdの分析を迅速化することを目的として、レーザーアブレーションICP-MS(LA-ICP-MS)による定量を試みた。LA-ICP-MSでは、沈殿分離したPdを固体のまま直接測定でき、従来の溶液測定において不可欠であった溶液化処理や希釈操作が不要となる。ここでは、使用済燃料中には存在せず天然にのみ存在する$$^{102}$$Pdを内標準として、$$^{102}$$Pdの添加量と$$^{107}$$Pd/$$^{102}$$Pd実測値から$$^{107}$$Pdを定量した。Pd沈殿は、遠心分離によってろ紙上に回収することで、均質で平滑なPd薄層を形成するため、アブレーションに適した形状となる。このため安定した$$^{107}$$Pd/$$^{102}$$Pdが得られ、従来の溶液測定における$$^{107}$$Pd定量結果と一致した。

論文

$$^{107}$$PdのICP-MS測定のためのレーザー誘起光還元法による非接触・選択的パラジウム分離; 分離条件とPd回収率の関係

蓬田 匠; 浅井 志保; 佐伯 盛久*; 半澤 有希子; 堀田 拓摩; 江坂 文孝; 大場 弘則*; 北辻 章浩

分析化学, 66(9), p.647 - 652, 2017/09

 被引用回数:3 パーセンタイル:8.70(Chemistry, Analytical)

ウランの核分裂生成物の一つである$$^{107}$$Pdは、半減期が約650万年と長く、長期間に渡り放射線を放出して人体に影響を及ぼす可能性があることから、高レベル放射性廃液(HLLW)中の存在量を正確に把握する必要がある。しかし、これまでその存在量の実測報告例はない。本研究では、遠隔・非接触分離が可能なレーザー誘起光還元法のHLLWへの適用を念頭に、HLW模擬液を用いて種々の分離条件がPd回収率に与える影響を検討した。Pdの回収率は、還元剤として作用するエタノール濃度、レーザー光の照射時間とパルスエネルギーに依存し、それぞれ40%、20分、100mJとした場合に60%となった。また、Pd濃度0.24$$mu$$g mL$$^{-1}$$から24$$mu$$g mL$$^{-1}$$の広い濃度範囲において、主要な放射能源やスペクトル干渉源となる元素を99.5%以上の割合で除去し、Pdを高純度に分離できることを明らかにした。本条件によれば、レーザー誘起光還元法はHLLWなど実際の放射性廃棄物に含まれる$$^{107}$$PdのICP-MS測定前処理法として、十分に適用可能である。

報告書

プルトニウム研究1棟廃止措置準備作業

瀬川 優佳里; 堀田 拓摩; 北辻 章浩; 熊谷 友多; 青柳 登; 中田 正美; 音部 治幹; 田村 行人*; 岡本 久人; 大友 隆; et al.

JAEA-Technology 2016-039, 64 Pages, 2017/03

JAEA-Technology-2016-039.pdf:5.24MB

本報告書は、プルトニウム研究1棟の廃止措置に関して施設利用者である研究グループが主体的に取り組んだ準備作業についてまとめたものである。プルトニウム研究1棟は、平成25年度から推進された原子力機構改革において、廃止措置対象施設の一つに選定された。廃止措置の決定により、それまで施設を利用してきた研究グループは、実験器具及び測定機器を撤去し、核燃料物質の一部及び放射性同位元素を他施設へ運搬する必要が生じた。放射化学研究グループでは、廃止措置準備を円滑に実施するため平成27年4月に「プルトニウム研究1棟使用機器撤去作業チーム」を立ち上げ、使用機器の撤去、薬品の処分、放射能汚染した可能性がある水銀の安定化処理、核燃料物質の安定化処理、核燃料物質・放射性同位元素の他施設への運搬グローブボックス汚染状況の調査について計画を立案し実施した。核燃料物質の使用の許可に関わる作業を除き、作業は平成27年12月に完了した。本報告書では、今後の老朽化施設廃止の際に役立てられるように、これらの作業について細目立てし、詳細に報告する。

論文

クラウンエーテル誘導体を担持した$$^{90}$$Sr分析用吸着繊維の作製

堀田 拓摩; 浅井 志保; 今田 未来; 半澤 有希子; 斎藤 恭一*; 藤原 邦夫*; 須郷 高信*; 北辻 章浩

分析化学, 66(3), p.189 - 193, 2017/03

 被引用回数:2 パーセンタイル:2.86(Chemistry, Analytical)

放射性ストロンチウム($$^{90}$$Sr)分析の迅速化のため、放射線エマルショングラフト重合法により$$^{90}$$Sr分析用分離材料を作製した。最初に、直径13$$mu$$mのポリエチレン繊維を基材として、エポキシ基を有したビニルモノマーであるメタクリル酸グリシジル(GMA)を繊維表層部にエマルジョングラフト重合した。次に、得られた繊維の表層部に疎水場を構築するため、オクタデシルアミンをエポキシ開環反応により導入した。最後に、疎水性相互作用によりSr$$^{2+}$$の抽出剤である18-クラウン-6-エーテル誘導体を得られた高分子鎖上に担持した。作製したSr分離材料は、市販のSr分離材料(Sr Resin)よりも100倍ほど速い吸着速度を有しており、$$^{90}$$Sr分析の迅速化に適用可能であることを示した。

論文

Determination of $$^{107}$$Pd in Pd recovered by laser-induced photoreduction with inductively coupled plasma mass spectrometry

浅井 志保; 蓬田 匠; 佐伯 盛久*; 大場 弘則*; 半澤 有希子; 堀田 拓摩; 北辻 章浩

Analytical Chemistry, 88(24), p.12227 - 12233, 2016/12

 被引用回数:21 パーセンタイル:57.10(Chemistry, Analytical)

放射性廃棄物中の放射能インベントリを合理的に積算するためには、実廃棄物の分析値によって裏付けられた信頼性の高い放射能評価値が不可欠である。$$^{107}$$Pdは、高レベル放射性廃棄物(HLW)の主要な発生源である使用済燃料中に存在し、HLWの放射能評価対象核種の1つとされている。しかしながら、測定が困難であるため実測値の報告例がなくHLW中存在量は未評価である。本研究では、ICP-MSによる使用済燃料中$$^{107}$$Pdの定量を目的とし、パルスレーザー照射によって誘起されるPdの光還元反応を利用した迅速簡便な分離法を開発した。方法の妥当性検証のため使用済燃料試料に適用したところ、20分のレーザー照射によって使用済燃料試料中に存在する約90%のPdが回収され、かつ不純物がほとんど存在しない純粋なPd沈殿が得られた。したがって、不純物による測定干渉がない正確な$$^{107}$$Pd定量値が得られ、初めての実測例となった。

口頭

Direct measurement of $$^{107}$$Pd in Pd metal recovered from spent nuclear fuel with laser ablation ICP-MS

浅井 志保; 大畑 昌輝*; 蓬田 匠; 佐伯 盛久*; 大場 弘則*; 半澤 有希子; 堀田 拓摩; 北辻 章浩

no journal, , 

Contents of $$^{107}$$Pd in a spent nuclear fuel sample was determined with laser ablation inductively coupled plasma mass spectrometry (LA-ICP-MS). With its long half-life of 6.5$$times$$10$$^{6}$$ years, the accurate determination of the amount of $$^{107}$$Pd in spent nuclear fuel is essential for evaluating long-term radiation effects to the environment after the disposal. Pd in spent nuclear fuel solution was separated by precipitation triggered by photoreduction of Pd(II) with pulsed laser irradiation. The laser operation conditions of LA were optimized using a non-radioactive Pd precipitate prepared following the same procedure with a simulated spent nuclear fuel solution including a $$^{105}$$Pd -enriched stable isotope standard. The results obtained through direct measurement with LA-ICP-MS agreed well with those obtained in conventional solution nebulization mode which requires dissolution of the precipitate.

口頭

光還元・沈殿生成反応によるパラジウム分離法の開発; エタノール添加によるPdの溶存状態変化と回収率の関係

蓬田 匠; 浅井 志保; 佐伯 盛久*; 半澤 有希子; 堀田 拓摩; 江坂 文孝; 大場 弘則*; 北辻 章浩

no journal, , 

分析化学研究グループでは、高レベル放射性廃棄物(HLW)中に存在する長寿命核種である$$^{107}$$Pdを分析するため、単純な分離操作でPd沈殿を生成できる、レーザー誘起光還元法を用いた分析手法開発を行っている。しかし、レーザー誘起光還元法では大強度のパルスレーザー光の照射が必要であり、レーザー光源の導入と取扱いが難しい。そこで、取扱いの容易なキセノンランプを用いた紫外-可視光照射でPdの沈殿分離を行う方法について検討した。HLW模擬試料に還元剤として添加するエタノール濃度を変化させて、キセノンランプによる30分の紫外-可視光照射を行い、Pd沈殿を回収した。その結果、エタノール含有率50%でPd回収率は極大となり、50%のPdを回収できた。また、Pd沈殿中の共存元素の除去率は99%以上と高く、紫外-可視光の照射でもHLW模擬試料からPdを選択的に回収できることを明らかにした。

口頭

Preparation of Sr adsorption fiber for beta-ray measurement

堀田 拓摩; 浅井 志保; 半澤 有希子; 斎藤 恭一*; 須郷 高信*; 藤原 邦夫*; 北辻 章浩

no journal, , 

福島第一原子力発電所では、汚染水中に含まれる$$^{90}$$Srの迅速分析技術の開発が喫緊の問題である。現状の$$^{90}$$Sr分析法では、$$beta$$線測定を行うための前処理であるSr分離操作と$$^{90}$$Sr-$$^{90}$$Yの放射平衡待ちに時間がかかり、分析値を出すまでに一ヶ月間も必要となる。そこで本研究ではSrを選択的に吸着し、吸着したまま$$beta$$線測定を可能にするSr分離材を用いた$$^{90}$$Srの迅速分析法の開発を目指した。まず、基材表面に高密度のSr吸着相を有するSr吸着繊維を作製した。市販の$$^{90}$$Sr分析用吸着樹脂は、ビーズ状多孔性樹脂の細孔内部に$$^{90}$$Srを吸着する。一方で、Sr吸着繊維は繊維表面に$$^{90}$$Srを吸着できる。そのため、基材による自己減衰効果を最小限に抑えられ高効率な$$beta$$線計数を可能とする。次に、作製したSr吸着繊維のSr吸着能およびSr選択性を評価した。吸着能は市販のSr吸着樹脂と同等の性能を有した。選択性についても、市販のSr吸着樹脂の選択性とほぼ同じ傾向を示した。これらの結果から、Sr吸着繊維は$$^{90}$$Srの高効率な$$beta$$線計数を可能とすることを確認した。

口頭

Development of an analytical method for nickel isotopes using an automated sample preparation system and ICP-QQQ-MS

Do, V.-K.; 北村 清司; 堀田 拓摩; 古瀬 貴広

no journal, , 

ニッケルの多段階化学分離のための自動化装置の適用とICP-QQQ-MSを用いたNi-59の定量化について報告する。ニッケルは従来の分離方法によって、自動化装置で分離した。Ni標準担体について得られた化学回収率は89.8% (RSD=2.9%、n=3)であり、これは手動で得られた回収率87.0% (RSD=2.2%、n=3)と一致した。ICP-QQQ-MSによるNi-59の定量化について調査した。その結果、Ni-59の測定強度は、ニッケルの天然同位体についての強度補正曲線から推定することができた。提案する分析方法は、より迅速で手間がかからず、作業者への放射線被ばくを減らすことが期待できる。

口頭

平成30年度大熊分析・研究センター成果報告

古瀬 貴広; Do, V.-K.; 圷 英之; 堀田 拓摩

no journal, , 

平成30年度の大熊分析・研究センターの成果報告として、施設整備及び分析技術開発の状況を報告する。分析技術開発については、自動化システム及びICP-MSを用いた迅速かつ効率的な放射性核種分析方法について報告する。

口頭

Cs吸着材に捕捉された長寿命核種$$^{135}$$CsのレーザーアブレーションICP-MSによる定量

浅井 志保*; 大畑 昌輝*; 半澤 有希子; 蓬田 匠; 堀田 拓摩; 北辻 章浩

no journal, , 

東京電力福島第一原子力発電所では、汚染水処理で使用された廃Cs吸着材が多量に発生している。この廃Cs吸着材中には、$$^{137}$$Csだけでなく$$^{135}$$Csも存在している。$$^{135}$$Csの半減期は230万年であり、長期間放射線を放出し続けるため、処分の際には$$^{137}$$Csと同様に存在量を評価する必要がある。$$^{135}$$Csは、非破壊測定できないことから、従来法ではCsを溶離させた後に測定する必要があるが、線量が高く取扱いが困難である。そこで本研究では、固体試料の直接測定が可能なLA-ICP-MSを用い、Csの溶離操作無しで$$^{135}$$Csを簡便に定量する方法を提案する。FP由来のCsを含む溶液試料に市販のCs吸着材を浸漬し、$$^{135}$$Cs/$$^{137}$$Csを測定した。安定したシグナルが得られる測定条件下で、$$^{135}$$Cs/$$^{137}$$Cs比として(5.4$$pm$$0.6)$$times$$10$$^{-6}$$を得た。この値は、同じ試料を化学分離して得た溶液試料の測定結果とよく一致した。また、$$^{137}$$Csの$$gamma$$線測定結果(3.0$$pm$$0.2MBq/g-Cs Resin)に乗ずることで、$$^{135}$$Cs存在量を16$$pm$$2Bq/g-Cs Resinと算出した。

口頭

Sr-90分析の迅速化を目的とした放射線エマルジョングラフト重合によるクラウンエーテル誘導体担持Sr吸着繊維作製の検討

堀田 拓摩; 浅井 志保; 半澤 有希子; 斎藤 恭一*; 藤原 邦夫*; 須郷 高信*; 北辻 章浩

no journal, , 

福島第一原子力発電所事故により発生した汚染水中の$$^{90}$$Srの迅速分析が求められている。これまで、放射性Csについては迅速回収のための吸着繊維が、放射線グラフト重合技術に基づき作製され実用化されている。本研究では、Cs吸着繊維と同様に、繊維表面に付与した高分子鎖にSr吸着物質を高密度に担持する技術を適用して$$^{90}$$Sr分析の迅速化が可能か検討した。更に、長い高分子鎖が得られる放射線エマルジョングラフト重合法(グラフト重合)、並びに自由な成形性をもつ繊維構造に着目し、Sr吸着容量を向上させ、Sr分離操作の簡略化とSr溶出操作の省略を可能とし、放射線測定に最適なSr吸着繊維の作製を検討した。ポリエチレン繊維を基材として、グラフト重合によりメタクリル酸グリシジルを重合した。さらに、オクタデシルアミンを結合し繊維表面の疎水性を高め、疎水性相互作用によりジシクロヘキサノ-18-クラウン-6-エーテルを担持したSr吸着繊維を作製した。Sr吸着実験の結果から、Sr吸着繊維は既存のSr吸着材料と遜色ない吸着容量を示したことから、Sr吸着繊維は$$^{90}$$Srの迅速分析への適用性が高いと結論した。

口頭

福島第一原子力発電所廃棄物の特性に応じた統計的な分析計画法の検討; 原子炉建屋内瓦礫を対象とした分析計画の検討

秋元 茉耶; 堀田 拓摩; 永井 杏奈; 大木 恵一; Pyke, C.*; Hiller, P.*; 駒 義和

no journal, , 

福島第一原子力発電所事故廃棄物(1F廃棄物)の特性に応じて統計的に分析を計画する方法(分析計画法)を検討し、環境復旧などにおいて広く取り入れられている手法であるData Quality Objectives (DQO)プロセスとベイズ推定法を組み合わせた手法が有効的であることが示唆された。1F廃棄物に適用し得る分析計画法であることを評価するため、個体差が大きく性状が多様である瓦礫を複数の母集団に分類することを目的に設定して分析計画法の適用を試行した。本研究では、原子炉建屋内で採取された瓦礫を対象として、$$alpha$$核種による汚染の差に着目した分類の判断に必要となる分析点数を算出することができた。本発表では、DQOプロセス及びベイズ推定法を用いた原子炉建屋内瓦礫における分析計画の検討内容について報告する。

口頭

福島第一原子力発電所廃棄物の特性に応じた統計的な分析計画法の検討; 除染装置スラッジを対象とした分析計画の検討

永井 杏奈; 堀田 拓摩; 秋元 茉耶; 大木 恵一; Hiller, P.*; Pyke, C.*; 駒 義和

no journal, , 

福島第一原子力発電所(1F)廃棄物の特性に応じて統計的に分析を計画する方法(分析計画法)を検討し、環境復旧などにおいて広く取り入れられている手法であるData Quality Objectives (DQO)プロセスとベイズ推定法を組み合わせた手法が有効的であることが示唆された。その有用性を調べるため、実際の1F廃棄物を対象として分析計画の検討に当該法を適用した。本研究では除染装置スラッジを処分する場合を想定し、処分方法の策定に必要な性状を把握することを分析の目的として、分析計画を検討した。除染装置スラッジは、脱水処理後一時保管され、処分のための廃棄体化が行われることを前提とし、脱水処理に伴う母集団の変化を考慮して必要な分析点数を設定することができた。本発表では、DQOプロセス及びベイズ推定法を用いた除染装置スラッジにおける分析計画の検討内容について報告する。

口頭

福島第一原子力発電所廃棄物の特性に応じた統計的な分析計画法の検討,2; ベイズ推定法による最適な分析点数の算出

堀田 拓摩; 秋元 茉耶; 永井 杏奈; 大木 恵一; Pyke, C.*; Hiller, P.*; 駒 義和

no journal, , 

福島第一原子力発電所(1F)の廃止措置により発生する放射性廃棄物の処理処分に向けた性状把握を効率よく実施するため、環境に関する分析データを収集する際の品質管理方法を定めたData Quality Objectives Process(DQOプロセス)及び統計手法であるベイズ推定法を組み合わせ、効率的な分析計画法の確立を検討した。ベイズ推定法を用いた計算により、目的とする結果を得るために必要な分析点数を確率的に評価することができる。すなわち、従来の頻度論的統計で行われる検定とは異なり、確率とともに分析点数が得られるため、その確率に基づいて柔軟に分析点数を計画できる。本発表では、(1)処分の基準値との比較、(2)廃棄物性状に応じた母集団分類の2種類の目的に応じた分析点数算出方法について報告する。

口頭

HIC模擬炭酸塩スラリーの照射実験,5; スラリーの化学組成が性状に及ぼす影響

山岸 功; 加藤 友彰; 堀田 拓摩

no journal, , 

福島第一原子力発電所事故の汚染水処理で発生する炭酸塩スラリーはHIC容器に保管されているが、容器外へのたまり水が確認された。これまでのシリーズ発表では、その要因として放射線分解水素による模擬スラリーの膨張などを報告した。本発表では、処理時の水質や運転条件をもとに、主成分であるカルシウムとマグネシウムの割合や沈殿反応時間が異なる模擬スラリーを作製し、沈降密度,粒子形状などの性状を比較検討した。カルシウム含有率が高いスラリーの沈降密度が高い傾向を示し、代表的組成のスラリーCについて沈殿反応時間を変えても沈降挙動に及ぼす影響は小さいことがわかった。エタノール脱水したスラリーCのSEM分析により、0.4ミクロン以下の微細な沈殿が数ミクロン以上の不定形な粒子に凝集している様子が観察された。

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