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市川 康明*; 木本 和志*; 松井 裕哉
JAEA-Research 2019-005, 32 Pages, 2019/10
高レベル放射性廃棄物の地層処分において、処分坑道周辺岩盤の力学的安定性は、建設・操業時はもとより、埋め戻し部分の状態変化を可能な限り小さくするため閉鎖後にわたって維持されることが重要である。一方、坑道周辺の岩盤は、長期的にはクリープや応力緩和などの力学的な時間依存性挙動を示すことが知られており、その挙動を把握・評価できる技術の構築が地層処分の技術的信頼性向上のための課題の一つとなっている。このため、微視的亀裂の進展に着目した室内実験および化学反応も考慮できるような数値解析による研究を通じ、一般性の高い岩盤の長期挙動メカニズムに関する知見を得ることを目的とした研究を、岡山大学との共同研究として2016年度より開始した。2017年度および2018年度の研究では、2016年度までの研究成果を踏まえ、2次元的に多点での表面波計測が可能な自動計測システムを構築するとともに、微視的構造特性の評価の観点から弾性波に関する幾つかのパラメータを算出した上で、それらの有用性について予察的な検討を実施した。
木本 和志*; 市川 康明*; 松井 裕哉
JAEA-Research 2017-009, 18 Pages, 2017/11
原子力機構は、微視的亀裂の進展に着目した室内実験および化学反応も考慮できるような数値解析による研究を通じ、一般性の高い岩盤の長期挙動メカニズムに関する知見を得ることを目的とした研究を、岡山大学との共同研究として2016年度より開始した。2016年度は、既往の研究成果を踏まえ、円柱状の花崗岩コアサンプルを用い、速度異方性の有無を調べるための超音波計測を行った。超音波計測は、円筒の直径方向を透過する縦波、横波および表面波について行った。その結果、縦波に関しては、著しい速度異方性が認められること、横波および表面波には、方向による群速度の有意な変化は認められるものの、異方性のタイプが特定できるほどの明確な傾向は認められなかった。また、表面波計測の結果を、透過波と反射波成分に分離して検討を行った結果、結晶粒に起因した散乱は至る所で発生しているが、特に強い散乱波が局所的かつ限られた場所で発生することが分かった。
市川 康明*; 木本 和志*; 松井 裕哉; 桑原 和道; 尾崎 裕介
JAEA-Research 2016-018, 23 Pages, 2016/12
高レベル放射性廃棄物の地層処分坑道の力学的安定性は、建設・操業時から坑道埋戻し後の数千年数万年という長期にわたって要求される。時間依存的挙動を示す岩石や岩盤の長期的な挙動を把握することは重要な課題である。一方で、岩石中の地下水の化学的な反応も長期挙動に影響を及ぼすことが明らかになった。この力学と化学の連成現象にも影響を及ぼすマイクロクラックの評価については、かねてからの課題でもある。2015年度は、周波数帯域を20MHzまで拡張したレーザドップラ振動計を用い、花崗岩供試体を透過する表面波の計測と群速度の推定を行った。その結果、群速度は100kHz500kHzまで、振動しながら減少する傾向にあることを明らかにした。群遅延からの群速度推定は、空間的に平均化した波形を用いることで信頼性、推定可能周波数帯域が向上し、波数-周波数スペクトルによる推定よりも容易であることも示された。ここで得られた結果は、将来的に花崗岩の粘弾性理論によるモデル化や、マイクロクラック非破壊評価のための評価値を与える際に有用な情報であると考えられる。本研究の知見を利用するためには、今後、群速度の変動と亀裂や結晶粒といった媒体の微視的な性状との対応を明らかにする必要がある。
市川 康明*; 木本 和志*; 佐藤 稔紀; 桑原 和道; 高山 裕介
JAEA-Research 2015-025, 31 Pages, 2016/03
高レベル放射性廃棄物の地層処分坑道の力学的安定性は、建設・操業時から坑道埋戻し後の数千年数万年という長期にわたって要求される。時間依存的挙動を示す岩石や岩盤の長期的な挙動を把握することは重要な課題である。一方で、岩石中の地下水の化学的な反応も長期挙動に影響を及ぼすことが明らかになった。この力学と化学の連成現象にも影響を及ぼすマイクロクラックの評価については、研究坑道を利用した調査研究段階(第3段階)においては、重点的に取組むべき課題でもある。平成27年度は、昨年度に引き続き、結晶質岩のマイクロクラックによる、超音波の散乱減衰挙動を調べるための数値解析および計測技術の開発を行った。実験は万成花崗岩を用い、水中でヘッドウェーブを、空気中でレーザー振動計を用いて表面波の計測を行った。一方、数値シミュレーションでは、FDTD法(時間領域差分法)による弾性波の伝播散乱解析を実施した。シミュレーションの予想と実験結果に有意な差があり、この原因として、マイクロクラックおよび造岩鉱物の結晶異方性の影響が考えられる。そのため、これらの2点の影響について更に検討を行う必要があることが明らかとなった。
市川 康明*; 木本 和志*; 佐藤 稔紀; 真田 祐幸; 桑原 和道
JAEA-Research 2014-027, 25 Pages, 2015/02
岩石や岩盤は、クリープや応力緩和などの時間依存的挙動を示すことが知られており、その性質を把握することは長期の力学的安定性を評価するための重要な課題となる。これまでの研究より、長期挙動に影響をおよぼす力学と化学の連成現象をモデル化・解析する手法を開発することが課題として抽出された。この連成現象にも影響をおよぼすマイクロクラックの評価については、長期岩盤挙動研究において重点的に取組むべき課題でもある。本研究は、結晶質岩のマイクロクラックによる、超音波の散乱減衰挙動を調べるための数値解析および計測技術の開発を行ったものである。数値解析には、FDTD法(時間領域差分法)を用い、二重節点(split node)により、亀裂をモデル化した。開発したシミュレーション手法によって弾性波モデリングの上で有用な知見が得られることが分かった。一方、計測技術の開発である超音波計測では、接触型超音波探触子により入射波を岩石試料中に送信し、受信はニードルハイドロフォンの位置を精密に制御しながら水中で計測を行う水浸法によって行った。その結果、岩石試料中の弾性波の散乱減衰を評価するために有用な情報を取得できることが分かった。
高山 裕介*; 生田 勇輝*; 飯塚 敦*; 河井 克之*; 瀧 富弘; 坂尾 亮太; 市川 康明*
Unsaturated Soils; Research & Applications, p.659 - 665, 2014/06
礫層,砂層とベントナイト混合土層からなる不飽和の多重覆土層では、ベントナイト混合土層の非常に低い透水性だけでなく、異なる保水能力を有する砂層-礫層間のキャピラリーバリアにより水の浸入を防止することが期待される。数値シミュレーションでは、植生層(まさ土), 上部フィルタ層(砂), 排水層(礫), 下部フィルタ層(まさ土), ベントナイト混合層(ベントナイト及びまさ土)からなる幅10m, 厚さ1.5mの不飽和の多重覆土層を考えており、これらの覆土層は5%の勾配で設置しているものとして飽和/不飽和、水/土連成の有限要素法を用いて多重覆土層による降雨浸透抑制の評価を行った。その結果、バリアシステムの長期性能を評価するうえでキャピラリーバリアが重要であり、また、本論文で検討した遮水機能は過去の最大降雨強度に対しても機能することを確認することができた。
市川 康明*; 木本 和志*; 佐藤 稔紀; 丹野 剛男; 引間 亮一; 真田 祐幸
JAEA-Research 2013-045, 69 Pages, 2014/03
岩盤は断層や節理などのさまざまなスケールの不連続面群と鉱物を非均質に内包した複合材料であり、結晶質岩についてミクロな視点で岩石を見ると、個々の結晶粒子と粒界及び粒子内における微視亀裂の集合体である。岩盤の長期挙動の研究では、応力と化学反応が連成した現象を理解することが重要である。そこで本研究では、(1)石英の溶解に関する理論的並びに実験的研究、(2)結晶質岩の弾性波速度伝播に関する実験的研究を実施した。石英の溶解に関する理論的並びに実験的研究では、石英供試体の溶解速度を実験的に得るとともに石英に対する溶解速度式を提案した。結晶質岩の弾性波速度伝播に関する実験的研究では、花崗岩のコアサンプルを用いて超音波伝播速度を計測し、数百kHz数MHz帯の弾性波の位相や周波数等をはじめとする伝播特性を調べた。
浅井 雅人; 塚田 和明; 阪間 稔*; 羽場 宏光*; 市川 隆敏*; 石井 康雄; 豊嶋 厚史; 石井 哲朗; 西中 一朗; 永目 諭一郎; et al.
Physical Review C, 87(1), p.014332_1 - 014332_6, 2013/01
被引用回数:6 パーセンタイル:42.56(Physics, Nuclear)Noの基底状態のスピン・パリティ,中性子軌道配位を崩壊核分光により初めて実験的に同定した。Noは、これまでにスピン・パリティや一粒子軌道配位が同定された原子核の中で最も中性子数の多い原子核である。本研究によりNoの基底状態と娘核Fmの231.4keV励起準位の中性子軌道配位が9/2[615]と同定され、この領域の原子核における中性子一粒子軌道のエネルギー間隔と順序が明らかになった。中性子数=157における9/2[615]基底状態の出現は、=152と=162に存在する変形殻ギャップ間の中性子軌道のエネルギー順序が中性子数が増えるにつれて大きく変化していることを示唆している。
市川 康明*; 丹野 剛男; 引間 亮一; 真田 祐幸; 松井 裕哉; 佐藤 稔紀
JAEA-Research 2012-003, 34 Pages, 2012/04
岩盤は断層や節理などのさまざまなスケールの不連続面群と鉱物を非均質に内包した複合材料であり、結晶質岩についてミクロな視点で岩石を見ると、個々の結晶粒子と粒界及び粒子内における微視亀裂の集合体である。結晶質岩の変形・破壊にかかわる時間依存性挙動を含む力学的な挙動は、個々の結晶の形状・物性に基づく変形挙動と粒界及び鉱物粒子内の微視亀裂の進展による変形挙動に起因している。石英や長石等のケイ酸塩鉱物を主成分とする岩石の破壊と、それに伴う亀裂の進展の機構については、1970年代から力学的要因のみならず化学的要因と結び付けて研究がされている。このように岩盤の長期挙動の研究では、応力と化学反応が連成した現象を理解することが重要である。そこで本研究では、以下の研究を行った。(1)非線形破壊力学の解説、(2)石英の圧力溶解現象に関する室内実験、(3)石英の溶解速度式の導出に関する理論的研究、(4)亀裂性岩盤を対象とした均質化理論の構築
市川 康明*; Choi, J. H.*; 丹野 剛男; 平野 享*; 松井 裕哉
JAEA-Research 2011-007, 91 Pages, 2011/06
結晶質岩の長期挙動を解明するために、古典破壊力学理論を総括し、破壊靱性値以下の荷重状態においても亀裂が進展して破壊に至る亜臨界亀裂進展を取り上げて、力学・化学連成現象の観点からその原因を考察し、花崗岩の長期挙動における亜臨界亀裂進展現象について考察を加えた。また、亜臨界亀裂進展現象の主たる要因である圧縮応力下におけるケイ酸塩鉱物の化学的な溶解現象について、実験室でその現象を再現し、現象の理解を試みた。さらに、これまでの研究内容を総括するとともに、実験結果をもとに、温度溶液(pH)・固体圧力と溶液の間隙水圧を変数とした石英に対する溶解速度式を提案した。
浅井 雅人; 塚田 和明; 羽場 宏光*; 石井 康雄; 市川 隆敏*; 豊嶋 厚史; 石井 哲朗; 永目 諭一郎; 西中 一朗; 小島 康明*; et al.
Physical Review C, 83(1), p.014315_1 - 014315_12, 2011/01
被引用回数:28 パーセンタイル:80.26(Physics, Nuclear)Noの崩壊によって励起されるFmの励起準位を、-同時計数測定並びに線微細構造測定により詳細に調べた。測定で得られた遷移の内部転換係数や寿命,一準粒子軌道状態の回転バンドのエネルギー,遷移の抑止係数をもとに、Fmの励起準位とNoの基底状態のスピン・パリティ並びに中性子軌道配位を実験的に決定した。中性子数151の原子核における1/2[620]準位の励起エネルギーは、陽子数の増加に伴って特に陽子数100以上の原子核において顕著に増加するが、1/2[631]準位のエネルギーは陽子数100において減少することが明らかとなった。これらの一準粒子軌道状態のエネルギーの系統性から、陽子数の増加に伴って原子核の変形がどのように変化しているのかを、16重極変形や64重極変形といった高次の変形まで含めて議論した。
市川 康明*; Choi, J. H.*; 平野 享; 松井 裕哉
JAEA-Research 2009-027, 48 Pages, 2009/10
高レベル放射性廃棄物の地層処分では長期に渡る坑道の安定性評価が必要となる。そこで岩盤の長期挙動を予測評価する手法の研究を行ってきた。本報告書は、平成20年度の研究成果をとりまとめたものである。第1章では研究内容と背景を概括した。第2章では、結晶質岩石の微視レベルの破壊機構に深くかかわる各鉱物の圧縮応力下の化学反応による溶解現象を確認するため、石英単結晶供試体を用いた圧縮試験を試み、溶解及び再沈殿した石英表面の形状を共焦点レーザー走査型顕微鏡で観察し、各種条件下での溶解速度を算定した。なお、本試験はpH調整済の閉鎖溶液中と、pH調整済の溶液が流下する開放溶液中での2種類を実施した。次に、花崗岩の長期挙動として認められるクリープ現象や応力緩和現象の原因が微視的な亀裂伝播であることは明らかであるが、微視的な亀裂の伝播の基本メカニズムは不明である。そこで第3章では、第2章で扱った現象と同様の力学・化学連成現象が、ケイ酸塩鉱物中に存在する微視的な亀裂の先端の応力集中により起こるものと考え、これを踏まえて巨視的現象のメカニズムを解析するための理論を展開した。
市川 康明*; 瀬野 康弘*; 平野 享; 中間 茂雄; 松井 裕哉
JAEA-Research 2008-090, 52 Pages, 2008/11
本報告書は、2007年度に実施した研究をまとめたものである。第1章では、研究内容とその背景を概括した。続いて、第2章では、長期挙動予測評価手法の開発において解明が必要と考えられる石英の圧力溶解反応現象について、現象の理論的取り扱いと均質化法をベースにした数値解析手法を考案し、その適用例としてベントナイトに含まれる石英粒子の溶解を解析している。次の、第3章と第4章は、第3段階の研究で評価手法の検証が行えるよう、主要な研究対象とする土岐花崗岩をモデルとする基礎的な検討を行ったものである。このうち、第3章では、応力緩和状態下の土岐花崗岩に認められる微視的変形状況を約1か月まで顕微鏡で観察し、鉱物表面の変形から内部のひずみを計算している。また、第4章では、微視・巨視問題を同時に扱うことのできる均質化解析を用いて土岐花崗岩の巨視的な力学的挙動を再現するとともに、微視問題には強不連続解析を導入して土岐花崗岩内のマイクロクラック進展を再現している。
市川 康明*; 瀬野 康弘; 中間 茂雄; 佐藤 稔紀
JAEA-Research 2008-005, 60 Pages, 2008/03
本報告書は、平成18年度に実施した成果をまとめたものであり、長期挙動予測評価手法の開発として行った「石英の溶解に関する試験的研究」及び「石英の溶解拡散に関する均質化解析」と、第3段階の調査研究計画の基礎情報としての「土岐花崗岩の一軸圧縮試験と応力緩和試験」の3点について報告するものである。本報告書の構成は、以下の通りである。第2章では、土岐花崗岩の微視的変形状況を一軸圧縮試験及び応力緩和試験条件下でレーザー共焦点顕微鏡によって観察している。すなわち、時間依存の巨視的な変形・応力挙動を測ると同時に、顕微鏡画像で結晶及びその境界面の特徴的なポイントを探して四角形メッシュを組み、そのメッシュ群の時間的なひずみ変化を算定した。第3章では、多結晶質岩石の微視レベルの破壊機構に深くかかわっている各鉱物の圧縮応力下の化学反応による溶解現象を確認するために、石英単結晶供試体及びガラスビーズを用いた圧縮試験を試み、溶解及び再沈殿した石英表面の形状をレーザー共焦点顕微鏡で観察している。第4章では、石英の圧力溶解反応現象についての理論的な取り扱い法、並びに均質化法をベースにした数値解析法を開発している。
林 裕晃*; 秋田 幸範*; 末松 倫*; 柴田 理尋*; 浅井 雅人; 佐藤 哲也; 市川 進一; 西中 一朗; 永目 諭一郎; 長 明彦; et al.
European Physical Journal A, 34(4), p.363 - 370, 2007/12
被引用回数:17 パーセンタイル:72.12(Physics, Nuclear)全吸収BGO検出器を用いてEuとGdのを初めて測定し、また過去に測定したPm, Sm, Tbのデータを再解析した。これらの核種は、原子力機構東海タンデム加速器施設においてUの陽子誘起核分裂で合成し、オンライン同位体分離装置を用いて核反応生成物の中から分離した。得られた質量偏差と2中性子分離エネルギーの値を、原子質量評価値や理論計算の値と比較した。
藤井 直樹; 市川 康明*
応用力学論文集, 9, p.323 - 332, 2006/08
ベントナイト中の拡散による物質移行において、均質化法を適用しスメクタイトのミクロレベルの構造と化学特性からマクロの拡散挙動を評価する研究が実施されている。しかしながら陽イオンを対象とした場合、計算した拡散係数が実験から得られた実効拡散係数より小さくこの差が表面拡散の影響であると考えられている。そこで、陽イオンの粘土表面への濃集による表面拡散現象を均質化法によって定式化し数値解析を実施した。この結果から、分配比の増加に伴って全体の拡散が大きくなることが示され、局所的な濃度勾配の増加によるフラックスの増加が表面拡散の大きな要因となることが確かめられた。
浅井 雅人; 塚田 和明; 市川 進一; 阪間 稔*; 羽場 宏光*; 西中 一朗; 永目 諭一郎; 後藤 真一*; 小島 康明*; 大浦 泰嗣*; et al.
Physical Review C, 73(6), p.067301_1 - 067301_4, 2006/06
被引用回数:21 パーセンタイル:75.54(Physics, Nuclear)ガスジェット結合型オンライン同位体分離器を用いてCm及びCmの崩壊を研究した。新核種Cmを初めて同定し、その崩壊の遷移エネルギーが6656keVであることを明らかにした。Cmの線エネルギーを精度よく再決定し、娘核Puの第1励起準位へ遷移する線の観測にも成功した。Puの第1励起準位のエネルギーは、他のPu同位体のそれに比べてかなり高いことが明らかになった。
市川 進一; 浅井 雅人; 塚田 和明; 羽場 宏光*; 永目 諭一郎; 柴田 理尋*; 阪間 稔*; 小島 康明*
Physical Review C, 71(6), p.067302_1 - 067302_4, 2005/06
被引用回数:19 パーセンタイル:74.70(Physics, Nuclear)ガスジェット搬送装置と結合したオンライン同位体分離器を用い、ウランの陽子誘起核分裂で生成する中性子過剰未知希土類核、Pm, Sm, Gdを発見し、それぞれの半減期を1.50.2s, 2.40.5s, 4.81.0sと決定した。また、Gdについては部分崩壊図式を構築した。さらに、以前に見いだしたTbの半減期を精度よく再測定し25.62.2sと決定した。本研究で見いだした新核種の半減期は、大局的理論で予測された半減期と良い一致を見た。
市川 康明*
JNC TJ7400 2005-003, 60 Pages, 2005/02
岩盤は様々な階層の不連続面群と非均質鉱物を内包した複合材料である。岩石レベルでみると、結晶質岩は個々の結晶と粒界および微視亀裂の集合体である。結晶質岩の変形・破壊に関わる力学挙動は、個々の結晶と粒界の微視的挙動を理解すればよい。ただし、岩石を構成する鉱物の結晶、特に、花崗岩の石英と黒雲母中には多くの微視亀裂が存在し、これが起点となって粒界を超え、長石中に破壊亀裂が進展することが多いので、理論的取り扱いは簡単でない。一方、堆積岩でも砂岩は石英や長石質の結晶の粒間を続成作用によって膠着物質が埋めており、その微視的な力学挙動は、火成岩系の結晶質岩に似ていると言える。本研究では、結晶質岩の長期挙動を解明するために、(1)レーザー共焦点顕微鏡(CLSM) 観察下における花崗岩供試体の応力緩和実験、(2)ケイ酸塩鉱物の溶解反応と岩石の時間依存変形破壊挙動に関する理論研究、を実施した。第2章では、岩石試料の微視亀裂の進展状況を応力緩和試験条件下で観察している。すなわち、応力緩和試験装置をレーザー共焦点顕微鏡のステージ上に設置し、試料端に一定の変位を与えて岩石亀裂の変化を観察・測定した。岩石中には多くのケイ酸塩鉱物が含まれている。ケイ酸塩鉱物は強アルカリの条件下でなければ、一般に、水に難溶である。しかしながら、一定以上の応力が作用すると、石英や長石等は加水分解されて水に溶け出す。この負荷応力による化学反応によって岩石の時間依存変形・破壊挙動が生ずるのは、a)微視亀裂先端部における応力集中に起因する場合、b)石英粒子等が接触した粒子間において圧力溶解反応を起こす場合、があると考えられる。これらはいずれも機械的作用と化学反応場および水の流れが複合した連成現象である。第3章では、上記の亀裂先端部反応と粒子間圧力溶解反応の両現象について、時間依存変形・破壊挙動の理論的取り扱い法を示している。
浅井 雅人; 阪間 稔*; 塚田 和明; 市川 進一; 羽場 宏光*; 西中 一朗; 永目 諭一郎; 後藤 真一*; 小島 康明*; 大浦 泰嗣*; et al.
European Physical Journal A, 23(3), p.395 - 400, 2005/02
被引用回数:16 パーセンタイル:70.86(Physics, Nuclear)線核分光の手法によりAmのEC崩壊を研究した。Amには半減期3.6分と2.9分の2つの核異性体があることがわかった。娘核Puの励起準位を構築し、の8重極振動バンドと2準粒子状態を同定した。2準粒子状態のうちの1つは半減期1.2秒のKアイソマーであった。AmからPuの2準粒子状態へのEC遷移は=4.8-5.3という小さい値を示し、この事実からAmと2準粒子状態の陽子-中性子配位を決定した。