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論文

Application of virtual tour for online training safeguards exercises

関根 恵; 助川 秀敏; 石黒 裕大; 大山 光樹; 林 和彦; 井上 尚子

Proceedings of INMM & ESARDA Joint Annual Meeting (Internet), 10 Pages, 2021/08

日本原子力研究開発機構(JAEA)核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(ISCN)は、仮想原子力施設のバーチャルツアーを開発した。そのバーチャルツアーを、2020年11月に開催された国内計量管理制度に係る国際オンライントレーニング(Online RTC-SSAC)の設計情報質問書(DIQ)演習に適用した。また2021年2月に開催されたアジア原子力協力フォーラム(FNCA)の核セキュリティ・保障措置プロジェクトのオンラインワークショップにおいて、補完的アクセス(CA)演習にも適用した。これまで、ワークショップ演習は対面形式にて実施してきたが、COVID-19パンデミックの影響を受け今回バーチャルツアーを開発した。バーチャルツアーは、施設見学の代替としてオンライントレーニングに有効なツールであるだけでなく、対面式のトレーニングを行う場合においても強みがあると考える。今回の開発に活用した原子力施設は廃止措置の予定であるが、このバーチャルツアーは、様々な応用が可能である。本論文では、学習目的が異なるDIQ演習とCA演習に用いた、研究炉施設のバーチャルツアーを作成する方法を説明する。施設の特徴をどのように生かしたか、また、実際の施設訪問ができない場合においても、必要な設計情報を提供することの重要性を参加者に伝えること等課題も示す。さらに、同じバーチャルツアーを用いて、CAにおける保障措置関連の検認活動を説明するエクササイズにも活用できた。このように、バーチャルツアーは様々なトレーニングに適用できる可能性がある。

論文

Investigation of Cu diffusivity in Fe by a combination of atom probe experiments and kinetic Monte Carlo simulation

Zhao, C.*; 鈴土 知明; 外山 健*; 西谷 滋人*; 井上 耕治*; 永井 康介*

Materials Transactions, 62(7), p.929 - 934, 2021/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Materials Science, Multidisciplinary)

Fe中のCuの拡散係数をこれまで測定されていなかった低い温度領域で測定することに成功した。拡散係数を測定する一般的な方法である拡散カップルは高温でしか適用できないため、本研究ではアトムプローブとCu析出の反応速度論を用いた。推定された拡散係数は、以前の研究で得られたものよりも信頼性が高いことが分かった。よって、アトムプローブによる推定がより高い精度をもたらしたと考えられる。さらに、この方法によって推定された拡散係数は、温度の低下に伴い多少オーバーエスティメイトされる傾向があることが、キネティックモンテカルロシミュレーションで明らかになった。

報告書

JMTR・UCL系統冷却塔の健全性調査

大戸 勤; 浅野 典一; 川俣 貴則; 箭内 智博; 西村 嵐; 荒木 大輔; 大塚 薫; 高部 湧吾; 大塚 紀彰; 小嶋 慶大; et al.

JAEA-Review 2020-018, 66 Pages, 2020/11

JAEA-Review-2020-018.pdf:8.87MB

令和元年9月9日の台風15号の強風により、JMTR(材料試験炉)にある二次冷却系統冷却塔の倒壊事象が発生した。その倒壊に至った原因調査及び原因分析を行い、4つの原因が重なって起こったことが特定された。これを受け、JMTR内にある二次冷却系統冷却塔と同時期に設置された木造の冷却塔であるUCL(Utility Cooling Loop)系統冷却塔の健全性調査を行った。健全性調査項目は、UCL系統冷却塔の運転状態の把握、UCL冷却系統の構造材料の劣化状態、点検項目及び点検状況、過去の気象データの確認である。この調査結果から、当該設備を安全に維持・管理するため、点検項目の改善、UCL系統冷却塔の構造材料である木材の交換・補修計画及び今後のUCL系統冷却塔の使用計画を策定するとともに、既存UCL系統冷却塔に代わる新規冷却塔の更新計画を策定した。本報告書はこれらの健全性調査の結果をまとめたものである。

論文

Synchronized gravitational slope deformation and active faulting; A Case study on and around the Neodani fault, central Japan

小村 慶太朗*; 金田 平太郎*; 田中 知季*; 小嶋 智*; 井上 勉*; 西尾 智博

Geomorphology, 365, p.107214_1 - 107214_22, 2020/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Geography, Physical)

本研究では、岐阜・福井県境の重力変形地形と、近接する根尾谷断層上で掘削調査を実施した。その結果、重力変形地形では少なくとも4回の成長イベントが検出され、それぞれの年代が240cal BP以降、1710-340cal BP、4730-3970cal BP、5570-5340cal BPに絞り込まれた。一方、根尾谷断層本体でも少なくとも計4回の古地震イベントが明らかとなり、それぞれの年代が新しいものから1891年濃尾地震、2010-1220cal BP、7180-2110cal BP、9540cal BPと推定され、本研究では重力変形地形のイベントが毎回根尾谷断層の活動に誘発されているものと結論付けた。また、クーロン応力変化のモデリングによると、本研究地域は根尾谷断層の活動により正断層運動が著しく促進されることが明らかとなった。従来、地震に伴う大規模地滑りや重力変形は地震動のみで論じられることが多かったが、本研究地域のように活断層のごく近傍では、地震動だけでなく、断層運動による地殻の静的歪みが重力変形の発生・成長に大きな影響を与えている可能性がある。

論文

${it In situ}$ WB-STEM observation of dislocation loop behavior in reactor pressure vessel steel during post-irradiation annealing

Du, Y.*; 吉田 健太*; 嶋田 雄介*; 外山 健*; 井上 耕治*; 荒河 一渡*; 鈴土 知明; Milan, K. J.*; Gerard, R.*; 大貫 惣明*; et al.

Materialia, 12, p.100778_1 - 100778_10, 2020/08

長期に原子炉圧力容器の健全性を確保するためには、照射が材料に及ぼす影響を理解する必要がある。本研究では我々が新規開発したWB-STEMを用いて、中性子照射された原子炉圧力容器試験片を焼鈍中、照射誘起転位ループの観察を行った。焼鈍温度を上げると$$<100>$$ループの割合が増加していることが確認された。また、2つの$$frac{1}{2}$$$$<111>$$ループが衝突して$$<100>$$ループになる現象の観察に初めて成功した。転位に転位ループがデコレートする現象も観察され、分子動力学シミュレーションによってそのメカニズムが説明することができた。

論文

Thermal behavior, structure, dynamic properties of aqueous glycine solutions confined in mesoporous silica MCM-41 investigated by X-ray diffraction and quasi-elastic neutron scattering

吉田 亨次*; 井上 拓也*; 鳥越 基克*; 山田 武*; 柴田 薫; 山口 敏男*

Journal of Chemical Physics, 149(12), p.124502_1 - 124502_10, 2018/09

 被引用回数:2 パーセンタイル:14.07(Chemistry, Physical)

異なる幾つかの、グリシン濃度, pH、および充填率(=グリシン溶液の質量/MCM-41の乾燥質量))をパラメーターとして、メソポーラスシリカ(MCM-41)に閉じ込められたグリシン水溶液の示差走査熱量測定、X線回折および準弾性中性子散乱(QENS)を305-180Kの温度範囲で実施して、グリシン水溶液の熱的挙動, 構造、および動的特性に対する閉じ込め効果を検討した。

論文

Experimental investigation of the glass transition of polystyrene thin films in a broad frequency range

井上 倫太郎*; 金谷 利治*; 山田 武*; 柴田 薫; 深尾 浩次*

Physical Review E, 97(1), p.012501_1 - 012501_6, 2018/01

 被引用回数:8 パーセンタイル:72.05(Physics, Fluids & Plasmas)

本研究では、非弾性中性子散乱(INS),誘電緩和分光法(DRS),熱膨張分光法(TES)を用いたポリスチレン薄膜の$$alpha$$過程を調べた。DRSおよびTES測定は、フィルムの厚さとともにガラス転移温度($$T_{rm g}$$)の低下を示した。一方、INS測定ではTgの上昇が認められた。この矛盾を解明するために、我々は、DRSとTESによって測定された$$alpha$$過程のピーク周波数($$f_{rm m}$$)の温度依存性を調べた。実験では、測定周波数領域で膜厚が減少するにつれてピーク周波数($$f_{rm m}$$)が増加することが明らかになった。この測定結果は、膜厚に伴う観察されたTgの減少と一致する。INSとDRSまたTESとの間の$$alpha$$過程の説明の相違は、不透明な壁効果のために、膜厚および移動度の低下による見掛けの活性化エネルギーの低下に起因すると考えられる。

論文

Radiolysis of mixed solutions of Cl$$^{-}$$ and Br$$^{-}$$ and its effect on corrosion of a low-alloy steel

端 邦樹; 井上 博之*; 小嶋 崇夫*; 笠原 茂樹; 塙 悟史; 上野 文義; 塚田 隆; 岩瀬 彰宏*

Proceedings of Symposium on Water Chemistry and Corrosion in Nuclear Power Plants in Asia 2017 (AWC 2017) (USB Flash Drive), p.304 - 314, 2017/09

NaClとNaBrの混合水溶液についてラジオリシス計算を実施し、過酸化水素生成量についてこれまでの$$gamma$$線照射実験結果との比較を行った。計算結果は実験結果をほぼ再現したが、高純度NaCl水溶液に対しては酸性条件で過小評価される傾向にあった。各化学反応に対する感度解析を実施したところ、塩化物イオン(Cl$$^{-}$$)とOHラジカル($$^{.}$$OH)との反応の初期の3反応(Cl$$^{-}$$ + $$^{.}$$OH $$rightarrow$$ ClOH$$^{.-}$$、ClOH$$^{.-}$$ $$rightarrow$$ Cl$$^{-}$$ + $$^{.}$$OH、ClOH$$^{.-}$$ + H$$^{+}$$ $$rightarrow$$ Cl$$^{.}$$ + H$$_{2}$$O)の速度定数の変化によって過酸化水素量は大きく変化した。本結果はこれらの化学反応の速度定数の正確な評価が海水のようなNaClを含む水溶液のラジオリシス計算の信頼性向上に重要であることを示している。さらに低合金鋼SQV2Aを用いた$$gamma$$線照射下浸漬試験も実施し、NaClやNaBrが鋼材の照射下腐食に与える影響について調べた。基本的には腐食速度の変化は過酸化水素発生量の変化に追随したが、アルカリ性条件ではpH11付近で腐食速度が極大値をとり、12以上では高い過酸化水素濃度であるのに腐食がほとんど進行しなくなった。これは不働態皮膜が形成しているためであると考えられた。

論文

Predoping effects of boron and phosphorous on arsenic diffusion along grain boundaries in polycrystalline silicon investigated by atom probe tomography

高見澤 悠; 清水 康雄*; 井上 耕治*; 野沢 康子*; 外山 健*; 矢野 史子*; 井上 真雄*; 西田 彰男*; 永井 康介*

Applied Physics Express, 9(10), p.106601_1 - 106601_4, 2016/10

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Physics, Applied)

The effect of phosphorus (P) and boron (B) doping on arsenic (As) diffusion in polycrystalline silicon (poly-Si) was investigated using laser-assisted atom probe tomography. In all samples, a high concentration of As was found at the grain boundaries, indicating that such boundaries represent the main diffusion path. However, As grain-boundary diffusion was suppressed in the B-doped sample, and enhanced in the P-doped sample. In a sample co-doped with both P and B, As diffusion was somewhat enhanced, indicating competition between the effects of the two dopants. This can be explained by the pairing of P and B atoms. The results suggest that grain-boundary diffusion of As can be controlled by varying the local concentration of P and B dopants.

論文

$$gamma$$線照射下における高pH溶液中での純チタンの腐食挙動

湯川 卓司*; 井上 博之*; 小嶋 崇夫*; 岩瀬 彰宏*; 谷口 直樹; 立川 博一*

材料と環境2016講演集(CD-ROM), p.359 - 362, 2016/05

$$gamma$$線照射下における模擬地下水溶液中でのチタンの全面腐食速度への溶液pHの影響を検討することを目的として、pHの異なる微量(50mM)の塩化物イオンを含む炭酸水素塩/炭酸塩水溶液中で、$$gamma$$線照射下で純チタン試料の浸漬試験を行い、試験後の溶液中のTiの分析結果から純チタンの腐食速度を測定した。その結果、溶液のpHの増加とともに照射後の溶液中の過酸化水素濃度が増加した。また、過酸化水素濃度の増加に応じて純チタンの腐食速度は増加した。pH12ならびに13の溶液中での照射下での腐食速度は非照射下と比較し5から10倍程度大きかった。

論文

Hydrogen peroxide production by $$gamma$$ radiolysis of sodium chloride solutions containing a small amount of bromide ion

端 邦樹; 井上 博之*; 小嶋 崇夫*; 岩瀬 彰宏*; 笠原 茂樹; 塙 悟史; 上野 文義; 塚田 隆

Nuclear Technology, 193(3), p.434 - 443, 2016/03

 被引用回数:8 パーセンタイル:72.4(Nuclear Science & Technology)

$$gamma$$ radiolysis experiments of solutions, which consisted of a mixture of NaCl and NaBr, were conducted to confirm the validity of radiolysis calculations of seawater simulated solutions and to determine the importance of Br$$^{-}$$ in the production of H$$_{2}$$O$$_{2}$$ via water radiolysis. The steady-state concentration of H$$_{2}$$O$$_{2}$$ in each solution was measured after irradiation and compared to that obtained by radiolysis calculations. It was found that the calculated and experimental results were in good agreement. The concentration of H$$_{2}$$O$$_{2}$$ in the 0.6 M NaCl solution increased approximately three times by the addition of 1 mM NaBr. The result showed that Br$$^{-}$$ plays an important role in the production of H$$_{2}$$O$$_{2}$$ by water radiolysis, presumably due to the reactions of Br$$^{-}$$ with hydroxyl radical. The H$$_{2}$$O$$_{2}$$ production of 1 mM NaCl solutions increased when the pH was either higher or lower than 8. It was considered that hydrated electron also plays an important role in H$$_{2}$$O$$_{2}$$ production in these acidic and alkaline conditions.

論文

Development of laser beam injection system for the Edge Thomson Scattering (ETS) in ITER

谷塚 英一; 波多江 仰紀; 水藤 哲*; 小原 美由紀*; 萩田 浩二*; 井上 和典*; Bassan, M.*; Walsh, M.*; 伊丹 潔

Journal of Instrumentation (Internet), 11(1), p.C01006_1 - C01006_12, 2016/01

 被引用回数:6 パーセンタイル:40.2(Instruments & Instrumentation)

In the ITER Edge Thomson Scattering, the penetration in the port plug allows the laser beams to be injected into the plasma. The penetration has to be as small as possible to reduce neutron streaming from the plasma-side. In ITER, multiple laser systems are needed for high availability of Thomson scattering diagnostics. A new type of beam combiner was developed to obtain collinear, i.e. smallest footprint because of the common path, and fixed polarization from multiple laser beams using a rotating half-wave-plate. The rotating half-wave-plate method does not induce misalignment even if the rotating mechanism defects. The combined beam is injected into plasma and is absorbed at the beam dump. The beam alignment system was designed to hit the laser beam onto the center of the beam dump. The beam position at the beam dump head is monitored by multiple alignment laser beams which are collinear with the diagnostic YAG laser beam and an imaging system installed outside the diagnostic port.

論文

Seawater immersion tests of irradiated Zircaloy-2 cladding tube

関尾 佳弘; 山県 一郎; 山下 真一郎; 井上 賢紀; 前田 宏治

Proceedings of 2014 Nuclear Plant Chemistry Conference (NPC 2014) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2014/10

福島第一原子力発電所では、東日本大震災による電源喪失に伴い、使用済燃料プール内の燃料を冷却するために海水が注入された。これらの燃料集合体の健全性評価に資するため、燃料集合体部材であるジルカロイ-2被覆管の腐食挙動や強度特性に及ぼす塩化物イオン等の影響を評価する目的で、ジルカロイ-2燃料被覆管の照射材及び非照射材に対して海水(人工海水及び天然海水)を用いた約1,000時間までの浸漬試験及び浸漬後の引張試験を実施した。これらの結果、照射の有無や海水の違いによらず、材料表面の腐食やジルカロイ-2被覆管の強度特性の劣化が生じなかったことから、腐食挙動や強度特性に及ぼす塩化物イオン等(実海水特有成分)の影響は小さいと考えられる。

論文

Long-pulse beam acceleration of MeV-class H$$^{-}$$ ion beams for ITER NB accelerator

梅田 尚孝; 柏木 美恵子; 谷口 正樹; 戸張 博之; 渡邊 和弘; 大楽 正幸; 山中 晴彦; 井上 多加志; 小島 有志; 花田 磨砂也

Review of Scientific Instruments, 85(2), p.02B304_1 - 02B304_3, 2014/02

 被引用回数:10 パーセンタイル:49.61(Instruments & Instrumentation)

原子力機構では、ITER中性粒子入射装置用加速器を実現するため、静電5段加速の負イオン加速器の開発を行なっている。これまで目標値のビームエネルギー1MeV、電流密度200A/m$$^{2}$$の負イオンビーム加速に対して、850keV, 185A/m$$^{2}$$の加速に成功しているが、高い電極熱負荷によりビームパルス幅は0.4秒に制限されていた。今回、フィルター磁場によるビーム偏向を補正するため、0.5mmの孔軸変位を採用した新たな引出部を開発した。これにより、フィルター磁場によるビーム偏向を6mradから1mradに低減し、負イオンの衝突による電極熱負荷を23%から15%に低減した。この結果、高パワーでの長時間加速が可能となり、ビームエネルギー881keV, 電流密度130A/m$$^{2}$$の負イオンビームを8.7秒間加速することができ、100MW/m$$^{2}$$を越えるパワー密度でパルス幅を1桁上げることに成功した。

論文

Development of negative ion extractor in the high-power and long-pulse negative ion source for fusion application

柏木 美恵子; 梅田 尚孝; 戸張 博之; 小島 有志; 吉田 雅史; 谷口 正樹; 大楽 正幸; 前島 哲也; 山中 晴彦; 渡邊 和弘; et al.

Review of Scientific Instruments, 85(2), p.02B320_1 - 02B320_3, 2014/02

 被引用回数:24 パーセンタイル:76.58(Instruments & Instrumentation)

ITER, JT-60SA及びDEMO用の核融合炉の加熱・電流駆動に必要なNBIに向けて、高パワー・長パルス用負イオン引出し部の電極を今回新たに開発した。まず、長パルスの間、十分除熱できる電極を熱解析で設計した。次に、負イオン加速試験で、新しい電極の負イオン生成と電子抑制能力について実験的に検証した。その結果、負イオン電流は1.3倍増加し、懸念していた電子電流の増加は抑えることができ、さらにビーム発散角も4mradまで十分低減できることを明らかにした。

論文

大型負イオン源における大面積多孔多段電極の真空耐電圧

小島 有志; 花田 磨砂也; 井上 多加志; NB加熱開発グループ; 山納 康*; 小林 信一*

Journal of the Vacuum Society of Japan, 56(12), p.502 - 506, 2013/12

JT-60NNBIの負イオン源は加速ギャップを調整することにより加速器の低耐電圧を克服し、500keVビームを3Aまで生成することに成功した。しかし、JT-60SAに利用する次期負イオン源では、ビーム光学と耐電圧の両方に最適な加速ギャップ調設計するため、ギャップ長と耐電圧の関係を決定する隠れた物理パラメーターを理解する必要がある。その一つとして、実機負イオン源の大面積多孔電極及び小型電極を用いて、平坦部の3倍近い局所高電界が生成している加速電極孔の数の-0.15乗に従って耐電圧性能が変化することを明らかにした。さらに、電極孔周りのエッジを平滑化することにより、局所高電界分布を緩和し、耐電圧性能が改善できることを明らかにした。これらの結果、真空長ギャップ放電に支配されている真空耐電圧に対する電界分布の影響という新たな知見を得て、JT-60SA用負イオン源加速電極の設計データを取得することに成功した。

報告書

「ふげん」燃料被覆管を用いた人工海水浸漬試験及び強度特性評価

山県 一郎; 林 長宏; 益子 真一*; 佐々木 新治; 井上 賢紀; 山下 真一郎; 前田 宏治

JAEA-Testing 2013-004, 23 Pages, 2013/11

JAEA-Testing-2013-004.pdf:8.59MB

東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故において、使用済燃料プールに保管されていた使用済燃料は、瓦礫の落下・混入や海水注入等、通常の運転時ではあり得ない環境に晒された。使用済燃料プール中の燃料集合体の健全性や、共用プール移送後の長期間保管における健全性の評価に資するため、新型転換炉「ふげん」にて使用されたジルカロイ-2燃料被覆管を用い、使用済燃料プールの模擬水として2倍に希釈した人工海水を用いた、液温80$$^{circ}$$C、浸漬時間約336時間の浸漬試験を実施した。得られた主な結果は以下の通りであり、本試験条件において照射済みジルカロイ-2燃料被覆管への人工海水浸漬による機械的特性への影響はなく、顕著な腐食も生じないことを確認した。(1)浸漬前後の試料表面の外観に明確な変化は見られず、試料外表面近傍の酸化層等においても明確な変化は見られず、浸漬試験による顕著な表面腐食の進行はない。(2)引張強さ及び破断伸びは浸漬前後で有意な変化はなく、浸漬試験による機械的特性へ有意な影響はない。(3)照射済み試料を遠隔操作で浸漬試験及び引張試験を行うための手法を確立した。

論文

Origin of non-uniformity of the source plasmas in JT-60 negative ion source

吉田 雅史; 花田 磨砂也; 小島 有志; 井上 多加志; 柏木 美恵子; Grisham, L. R.*; 秋野 昇; 遠藤 安栄; 小又 将夫; 藻垣 和彦; et al.

Plasma and Fusion Research (Internet), 8(Sp.1), p.2405146_1 - 2405146_4, 2013/11

本研究では、JT-60負イオン源の端部から引き出される負イオンビームの密度が低い原因を明らかにするために、負イオン源内での負イオン生成の元となる水素イオン及び水素原子の密度分布を静電プローブ及び分光計測にて調べた。またフィラメントから電子の軌道分布を計算コードにて求めた。その結果、負イオンビームの密度が低くなる原因は、電子のB$$times$$grad Bドリフトによって負イオンが非一様に生成されるためであることがわかった。また、負イオンビームが電子数の多い端部では高密度の負イオンを、電子数の少ない反対側の端部では低密度の負イオンを引き出すために歪んでしまい、接地電極に当たっていることも明らかとなった。

論文

Long-pulse production of the negative ion beams for JT-60SA

小島 有志; 花田 磨砂也; 吉田 雅史; 井上 多加志; 渡邊 和弘; 谷口 正樹; 柏木 美恵子; 梅田 尚孝; 戸張 博之; Grisham, L. R.*; et al.

Fusion Engineering and Design, 88(6-8), p.918 - 921, 2013/10

 被引用回数:6 パーセンタイル:49.92(Nuclear Science & Technology)

JT-60SAに向けて、500keV, 22A負イオンビームを100秒間生成するために、JT-60負イオン源は電極熱負荷を低減するとともに、負イオンを長時間生成する研究開発を行っている。電極の熱負荷に関しては、1.2m$$times$$0.6mの面積を有するプラズマの不均一に起因した負イオン電流分布の非一様性による周辺ビームの発散角の増大が問題となっている。そこで、従来小型負イオン源で開発されたテント型磁気フィルターを有する軸対象磁場を、JT-60の大型負イオン源に適用する検討を行った。今回、フィラメントから生成される一次電子の軌道計算から磁場配位の最適化を行い、磁石の入れ替えのみで長手方向の一様性が従来の偏差30%から10%にまで改善できる可能性があることがわかった。また、負イオンを長時間生成するため、負イオン生成量がプラズマ電極の温度に依存することを利用した、高温冷媒による温度制御型プラズマ電極の検討を行った。開発した初期型プラズマ電極では、高温冷媒の物性値から見積もると10秒程度の時定数を持ち、プラズマ電極の最適温度である270$$^{circ}$$Cに維持できることがわかった。

論文

Vacuum insulation of the high energy negative ion source for fusion application

小島 有志; 花田 磨砂也; Hilmi, A.*; 井上 多加志; 渡邊 和弘; 谷口 正樹; 柏木 美恵子; 梅田 尚孝; 戸張 博之; 小林 信一*; et al.

Review of Scientific Instruments, 83(2), p.02B117_1 - 02B117_5, 2012/02

 被引用回数:14 パーセンタイル:59.58(Instruments & Instrumentation)

JT-60NNBIの負イオン源は長年の課題であった加速器の低耐電圧を克服し、500keVビームを3Aまで生成することに成功している。その結果を踏まえ、JT-60SAに利用する次期負イオン源では、耐電圧データベースに基づいて負イオン源の設計を行う。そこで、実機負イオン源を用いて耐電圧試験を行い、平坦部の3倍近い局所高電界が生成している加速電極孔の数と直径1500mmの電極面積がともに、真空耐電圧を劣化させ得る原因であることを明らかにした。それらはそれぞれ、孔数の-0.15乗、面積の-0.125乗に従い耐電圧が低下するが得られ、実機負イオン源の耐電圧係数は24と孔数で制限された耐電圧であることを明らかにした。また、加速電極間の距離を広げすぎると、電極支持枠角部の電界によって決まる値に耐電圧が制限されることが明らかになった。これらの結果、加速電極構造の配位によって、異なる原因で耐電圧が制限されるという新たな知見を得て、JT-60SA用負イオン源の加速電極を設計するために必要なデータが取得できた。

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