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小山 真一; 中桐 俊男; 逢坂 正彦; 吉田 啓之; 倉田 正輝; 池内 宏知; 前田 宏治; 佐々木 新治; 大西 貴士; 高野 公秀; et al.
廃炉・汚染水対策事業事務局ホームページ(インターネット), 144 Pages, 2021/08
令和2年度に原子力機構が補助事業者となって実施した「廃炉・汚染水対策事業費補助金(燃料デブリの性状把握のための分析・推定技術の開発(燃料デブリの分析精度の向上及び熱挙動の推定のための技術開発))」の成果概要を、最終報告として取りまとめた。本報告資料は、廃炉・汚染水対策事業事務局ウェブサイトにて公開される。
山田 隆二*; 木村 誇*; 苅谷 愛彦*; 佐野 雅規*; 對馬 あかね*; Li, Z.*; 中塚 武*; 國分 陽子; 井上 公夫*
砂防学会誌, 73(5), p.3 - 14, 2021/01
本研究では、深層崩壊発生履歴の高精度・高分解能復元に有効な試料採取および選定方法と年代値の適切な取扱について議論した。中部山岳地域で大規模な深層崩壊が発生した2箇所(ドンドコ沢岩石流れと大月川岩屑流)の土壌埋没樹木を試料とした事例研究を行った。年代測定は加速器質量分析計による放射性炭素年代測定法と酸素同位体比年輪年代測定法で行った。ドンドコ沢岩石流れによる堰止湖沼堆積物中から採取した試料は、887年の五畿七道地震に関連する年代値を示し、それ以前に他のイベントが存在した可能性も示唆した。一方、大月川岩屑流による崩壊堆積物から採取した試料年代値は特定の時期に集中しなかった。大規模土砂移動現象の発生年を正確に知るための試料として保存状態の良い大径樹幹や枝を用いることによって、大雨や大規模地震を示した古文書との対比も可能であることがわかった。
関尾 佳弘; 山県 一郎; 山下 真一郎; 井上 賢紀; 前田 宏治
Proceedings of 2014 Nuclear Plant Chemistry Conference (NPC 2014) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2014/10
福島第一原子力発電所では、東日本大震災による電源喪失に伴い、使用済燃料プール内の燃料を冷却するために海水が注入された。これらの燃料集合体の健全性評価に資するため、燃料集合体部材であるジルカロイ-2被覆管の腐食挙動や強度特性に及ぼす塩化物イオン等の影響を評価する目的で、ジルカロイ-2燃料被覆管の照射材及び非照射材に対して海水(人工海水及び天然海水)を用いた約1,000時間までの浸漬試験及び浸漬後の引張試験を実施した。これらの結果、照射の有無や海水の違いによらず、材料表面の腐食やジルカロイ-2被覆管の強度特性の劣化が生じなかったことから、腐食挙動や強度特性に及ぼす塩化物イオン等(実海水特有成分)の影響は小さいと考えられる。
井上 賢紀; 浅賀 健男
JAEA-Review 2014-020, 46 Pages, 2014/06
福島第一原子力発電所廃止措置における直近の最重要課題の一つに、14号機の使用済燃料プール保管燃料集合体の共用プールへの移送がある。使用済燃料プールは事故によって冷却機能と補給水機能を失い、応急処置的に注入された淡水や海水、水素爆発によって混入した瓦礫等により、保管燃料集合体は熱的にも化学的にも厳しい水環境に曝された。そこで、保管燃料集合体の共用プール移送後における長期健全性評価に必要な腐食試験計画検討に資するため、1
4号機の使用済燃料プールにおける事故事象の時系列を水環境に着目して調査した。
福田 庸太*; 小手石 泰康*; 米田 涼平*; 玉田 太郎; 高見 英人*; 井上 豪*; 野尻 正樹
Biochimica et Biophysica Acta; Bioenergetics, 1837(3), p.396 - 405, 2014/03
被引用回数:13 パーセンタイル:44.93(Biochemistry & Molecular Biology)海洋性好熱菌 HTA426由来銅型亜硝酸還元酵素(CuNIR)の全長体およびN末端領域(68アミノ酸)欠損変異体の結晶構造を各々1.3
、および1.8
分解能で決定した。全体構造は既知のCuNIRと同様に2つのグリークキー
バレルドメインから構成されていたが、N末端側に
ストランドと
へリックスからなる本酵素に特異的な領域が存在していた。この領域はタイプ1銅結合部位の方に伸びており、他の脱窒系におけるCuNIRと酸化還元パートナーである電子供与体(チトクロム
)との電子伝達複合体構造との重ね合わせから、この領域が
脱窒系の電子伝達反応における電子供与体との一時的な結合に寄与していることが推察された。さらに、N末端領域欠損変異体と
を由来チトクロム
を用いた電子伝達反応の速度論的解析結果を組み合わせた結果、この領域が電子供与体の認識に直接関与していることが示された。
梅田 尚孝; 柏木 美恵子; 谷口 正樹; 戸張 博之; 渡邊 和弘; 大楽 正幸; 山中 晴彦; 井上 多加志; 小島 有志; 花田 磨砂也
Review of Scientific Instruments, 85(2), p.02B304_1 - 02B304_3, 2014/02
被引用回数:11 パーセンタイル:48.3(Instruments & Instrumentation)原子力機構では、ITER中性粒子入射装置用加速器を実現するため、静電5段加速の負イオン加速器の開発を行なっている。これまで目標値のビームエネルギー1MeV、電流密度200A/mの負イオンビーム加速に対して、850keV, 185A/m
の加速に成功しているが、高い電極熱負荷によりビームパルス幅は0.4秒に制限されていた。今回、フィルター磁場によるビーム偏向を補正するため、0.5mmの孔軸変位を採用した新たな引出部を開発した。これにより、フィルター磁場によるビーム偏向を6mradから1mradに低減し、負イオンの衝突による電極熱負荷を23%から15%に低減した。この結果、高パワーでの長時間加速が可能となり、ビームエネルギー881keV, 電流密度130A/m
の負イオンビームを8.7秒間加速することができ、100MW/m
を越えるパワー密度でパルス幅を1桁上げることに成功した。
柏木 美恵子; 梅田 尚孝; 戸張 博之; 小島 有志; 吉田 雅史; 谷口 正樹; 大楽 正幸; 前島 哲也; 山中 晴彦; 渡邊 和弘; et al.
Review of Scientific Instruments, 85(2), p.02B320_1 - 02B320_3, 2014/02
被引用回数:28 パーセンタイル:75.7(Instruments & Instrumentation)ITER, JT-60SA及びDEMO用の核融合炉の加熱・電流駆動に必要なNBIに向けて、高パワー・長パルス用負イオン引出し部の電極を今回新たに開発した。まず、長パルスの間、十分除熱できる電極を熱解析で設計した。次に、負イオン加速試験で、新しい電極の負イオン生成と電子抑制能力について実験的に検証した。その結果、負イオン電流は1.3倍増加し、懸念していた電子電流の増加は抑えることができ、さらにビーム発散角も4mradまで十分低減できることを明らかにした。
井上 賢紀; 皆藤 威二
JAEA-Research 2013-041, 69 Pages, 2014/01
高速増殖炉の原子炉容器コンパクト化の枢要技術である水素化ジルコニウムを使用する炉心径方向遮蔽体について、実証炉想定条件における寿命を評価した。コールドトラップ負荷・遮蔽性能・冷却材流量配分の観点からは被覆管を拡散透過して一次冷却系に移行する水素透過放出量、被覆管の材料特性の観点からは高熱中性子束に起因するヘリウム生成量に着目した。炉心最外周における線束と中性子束の急峻な勾配を考慮し、水素透過放出量とヘリウム生成量を定量的に計算するための評価体系を新たに構築した。オーステナイト系ステンレス鋼被覆管(PNC316)はヘリウム生成量が大きく、フェライト/マルテンサイト系鋼被覆管(PNC-FMS)は水素透過放出量が大きいため、60年間無交換の達成は困難と評価された。PNC-FMSと酸化処理した耐熱鋼との二重管構造を実用化できれば、無交換の可能性があることがわかった。
山県 一郎; 林 長宏; 益子 真一*; 佐々木 新治; 井上 賢紀; 山下 真一郎; 前田 宏治
JAEA-Testing 2013-004, 23 Pages, 2013/11
東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故において、使用済燃料プールに保管されていた使用済燃料は、瓦礫の落下・混入や海水注入等、通常の運転時ではあり得ない環境に晒された。使用済燃料プール中の燃料集合体の健全性や、共用プール移送後の長期間保管における健全性の評価に資するため、新型転換炉「ふげん」にて使用されたジルカロイ-2燃料被覆管を用い、使用済燃料プールの模擬水として2倍に希釈した人工海水を用いた、液温80C、浸漬時間約336時間の浸漬試験を実施した。得られた主な結果は以下の通りであり、本試験条件において照射済みジルカロイ-2燃料被覆管への人工海水浸漬による機械的特性への影響はなく、顕著な腐食も生じないことを確認した。(1)浸漬前後の試料表面の外観に明確な変化は見られず、試料外表面近傍の酸化層等においても明確な変化は見られず、浸漬試験による顕著な表面腐食の進行はない。(2)引張強さ及び破断伸びは浸漬前後で有意な変化はなく、浸漬試験による機械的特性へ有意な影響はない。(3)照射済み試料を遠隔操作で浸漬試験及び引張試験を行うための手法を確立した。
井上 賢紀; 須藤 光雄; 小山 真一; 大塚 智史; 皆藤 威二
JAEA-Research 2013-009, 78 Pages, 2013/10
高速増殖炉サイクル実用化段階の燃料被覆管の基準材料であるマルテンサイト系酸化物分散強化型フェライト鋼(9Cr-ODS鋼)の再処理システム適合性評価の一環として、溶解工程の硝酸濃度等に対応した溶解量を評価した。溶解液のなかの燃料被覆管成分の高濃度化による個別プロセスへの影響の観点からは最大値を示す最高温度炉心燃料集合体単体の溶解量、高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)の発生量への影響の観点からはすべての炉心燃料集合体を積算した溶解量を算出した。溶解量の評価にあたっては、過去の高速炉における燃料ピン照射試験、ナトリウムループ試験等の結果をレビューし、炉内使用に伴う外面腐食,内面腐食等が硝酸溶解特性に及ぼす影響を考慮した評価方法を検討した。炉内使用の影響による溶解量の増分を評価したところ、流動ナトリウム環境特有の質量移行現象の発生条件に大きく依存することがわかった。
戸張 博之; 井上 多加志; 谷口 正樹; 柏木 美恵子; 梅田 尚孝; 大楽 正幸; 山中 晴彦; 渡邊 和弘; 坂本 慶司; 栗山 正明*; et al.
Fusion Engineering and Design, 88(6-8), p.975 - 979, 2013/10
被引用回数:1 パーセンタイル:11.45(Nuclear Science & Technology)日本が調達するITER NB機器の1つであるHVブッシングは、コバールをロウ付け接合したセラミックリングとFRPリングからなる2重絶縁管を、5段積み重ねた多芯絶縁フィードスルーである。0.6MPaの絶縁ガス領域と真空の隔壁となるHVブッシングでは、差圧によって生じる圧力荷重や地震荷重並びに自重をFRPリングで支持することが求められる。また、セラミックロウ付け接合部が真空境界となり、ここでは外部に充填する0.6MPaの空気圧に耐える機械強度が求められる。これらの荷重に耐え、安全係数3.5となる設計案を構築するために、機械構造解析を実施した。FRPについては、発生するせん断力に対する機械強度を増すために繊維を直交させたガラスクロスを周方向に巻いた2次元等方性FRPリングを用いるべきことを明らかにし、またロウ付け接合部については、コバールの形状、固定方法を工夫して応力を低減した。その結果、ITERの要求を満たす構造案を構築できた。
小島 有志; 花田 磨砂也; 吉田 雅史; 井上 多加志; 渡邊 和弘; 谷口 正樹; 柏木 美恵子; 梅田 尚孝; 戸張 博之; Grisham, L. R.*; et al.
Fusion Engineering and Design, 88(6-8), p.918 - 921, 2013/10
被引用回数:6 パーセンタイル:46.6(Nuclear Science & Technology)JT-60SAに向けて、500keV, 22A負イオンビームを100秒間生成するために、JT-60負イオン源は電極熱負荷を低減するとともに、負イオンを長時間生成する研究開発を行っている。電極の熱負荷に関しては、1.2m0.6mの面積を有するプラズマの不均一に起因した負イオン電流分布の非一様性による周辺ビームの発散角の増大が問題となっている。そこで、従来小型負イオン源で開発されたテント型磁気フィルターを有する軸対象磁場を、JT-60の大型負イオン源に適用する検討を行った。今回、フィラメントから生成される一次電子の軌道計算から磁場配位の最適化を行い、磁石の入れ替えのみで長手方向の一様性が従来の偏差30%から10%にまで改善できる可能性があることがわかった。また、負イオンを長時間生成するため、負イオン生成量がプラズマ電極の温度に依存することを利用した、高温冷媒による温度制御型プラズマ電極の検討を行った。開発した初期型プラズマ電極では、高温冷媒の物性値から見積もると10秒程度の時定数を持ち、プラズマ電極の最適温度である270
Cに維持できることがわかった。
大塚 智史; 皆藤 威二; 鵜飼 重治*; 井上 賢紀; 奥田 隆成*; 木村 晃彦*
Journal of Nuclear Materials, 441(1-3), p.286 - 292, 2013/10
被引用回数:4 パーセンタイル:34.32(Materials Science, Multidisciplinary)高Cr-ODS鋼とU-Zr金属燃料の高温反応試験を実施した。高Cr-ODS鋼にAlを添加することで、反応開始温度が約50K向上することがわかった。既存の熱力学データに基づく活量計算を行った結果、Al添加による界面のalpha-Zr層の安定化が反応抑制に寄与している可能性が示された。
皆藤 威二; 矢野 康英; 大塚 智史; 井上 賢紀; 田中 健哉; Fedoseev, A. E.*; Povstyanko, A. V.*; Novoselov, A.*
Journal of Nuclear Science and Technology, 50(4), p.387 - 399, 2013/04
被引用回数:12 パーセンタイル:69.87(Nuclear Science & Technology)高燃焼度燃料被覆管候補材として原子力機構で開発を進めている9Cr, 12Cr-ODS鋼の照射挙動を把握し、燃料被覆管としての適用性を判断するために、BOR-60で燃焼度11.9at%,照射量(はじき出し損傷量)51dpaまでの燃料ピン照射試験を実施した。その結果、ODS鋼被覆管の燃料共存性,寸法安定性等に関する優れた特性や、同じく原子力機構で開発したPRW法による端栓接合部の健全性が確認できた。その一方で、9Cr-ODS鋼燃料ピン1本で破損が発生するとともに、破損部近傍で組織の不均一や粗大な析出物の発生が認められた。本論文では、得られた照射データの評価や特異な照射挙動の原因について検討した結果を述べる。
柏木 美恵子; 谷口 正樹; 梅田 尚孝; 大楽 正幸; 戸張 博之; 山中 晴彦; 渡邊 和弘; 井上 多加志; DeEsch, H. P. L.*; Grisham, L. R.*; et al.
AIP Conference Proceedings 1515, p.227 - 236, 2013/02
被引用回数:10 パーセンタイル:95.33ITER中性粒子入射装置(NBI)用の5段多孔多段(MAMuG)加速器では、1MeV, 40Aの重水素(D)負イオンビームを1時間に渡り生成する。しかし、電子抑制用の磁場やビーム間に働く反発力でビームが大きく偏向して電極に衝突し、高い熱負荷を生じて運転を妨げることが問題となっていた。そこで3次元のビーム軌道解析を用いて、孔軸をずらしたり金属突起を付けることで、ビーム偏向と逆方向にビームを曲げる電界の歪みを形成してビーム偏向を補正する方法を検討した。磁場によるビーム偏向については、引出し部の直径17mmの孔をわずか0.6mm変位させて電界の歪みを形成することでビーム発散角を維持したまま補正できることを明らかにした。またビーム間の反発による偏向に対しては、引出部裏の多孔領域周辺に取り付けた金属板の厚みを3mmまで増やし、孔位置から徐々に遠ざけて30mmの位置に設置したとき、弱い電界の歪みで緩やかにビーム軌道を曲げて、発散角を維持したままビーム偏向を補正できることを示し、これらの結果をITERの設計に反映させた。
柴田 崇統; 寺崎 良*; 柏木 美恵子; 井上 多加志; 大楽 正幸; 谷口 正樹; 戸張 博之; 梅田 尚孝; 渡邊 和弘; 坂本 慶司; et al.
AIP Conference Proceedings 1515, p.177 - 186, 2013/02
被引用回数:8 パーセンタイル:93.53JT-60SA用中性粒子入射装置では、大面積(0.90.45m
)引出し面上の負イオン生成が偏っており、引き出された負イオンが電極に衝突して失われることが問題となっている。これまでの研究で、フィラメント陰極から放出される高速電子が
ドリフトによって長手方向一方向へ移動すること、その電子温度の空間分布に負イオン一様性が強く関連することがわかっている。本研究では、電子温度の空間分布を一様にする負イオン源の磁場配位の改良を目的として、負イオン源内の電子温度分布を再現・予測するため、衝突素過程を考慮した3次元電子輸送解析コードを開発し、原子力機構の10アンペア負イオン源モデルで電子温度空間分布に偏りが発現する機構を調べた。その結果、解析結果はプローブ測定結果を良く再現できること、さらに高速電子が高いエネルギー(
=25-60eV)を保持したまま長手方向端部の壁付近まで到達してプラズマ粒子と頻繁に衝突し、電子温度の空間分布に偏りを生じる過程を明らかにした。
戸張 博之; 谷口 正樹; 柏木 美恵子; 大楽 正幸; 梅田 尚孝; 山中 晴彦; 土田 一輝; 武本 純平; 渡邊 和弘; 井上 多加志; et al.
Plasma Science and Technology, 15(2), p.179 - 183, 2013/02
被引用回数:1 パーセンタイル:4.72(Physics, Fluids & Plasmas)ITER NBI用負イオン加速器及びHVブッシング開発において1MV真空絶縁が共通課題である。HVブッシングでは、外径1.56mのセラミックリングとその外周にFRPリングを二重配置し、これを5段積み重ねて1MVを絶縁する。二重構造ゆえ絶縁体周辺に三重点が複数存在する。これら三重点の電界を同時に低減するために、電界解析により形状を選定した3つの電界緩和部品の組合せる電界緩和構造を考案した。これを1段分の実規模モックアップに適用し耐電圧試験を実施したところ、定格の120%の-240kVを安定に保持し、ITERで要求される絶縁性能を実証した。MeV級加速器では、加速器内に存在する段差や端部における局所的な電界集中により十分な耐電圧性能が得られていなかった。そこで、電極間距離の延伸,端部曲率の増大を図り、電界を低減させ、真空中で1MVの安定保持を達成した。また、加速器内の磁場及び空間電荷反発によりビーム偏向を補正する電極を用いることで、ビームの電極への衝突を抑制し、ITER要求値をほぼ満足する980keV, 185A/mの負イオンビーム加速に成功した。
仲庭 哲津子*; 深田 はるみ*; 井上 達矢*; 合田 正貴*; 中井 良子*; 桐井 康行*; 安達 基泰; 玉田 太郎; 瀬川 新一*; 黒木 良太; et al.
Biochemistry, 51(42), p.8410 - 8421, 2012/10
被引用回数:16 パーセンタイル:41.03(Biochemistry & Molecular Biology)タンパク質キナーゼは、さまざまな疾病の治療のための創薬標的タンパク質となっている。C-Jun-N末端キナーゼ1(JNK1)に存在する遊離型システインの機能・安定性・構造への効果を調べるために、そのシステイン残基に系統的に変異導入を実施した。JNK1の3つ及び7つのシステインに変異導入したM3変異体とM7変異体は、大腸菌発現実験において、M0野生型JNK1よりも、それぞれ5及び2倍高く発現した。凝集の時間依存性を分析したSDS-PAGEの結果から、M3とM7は凝集しにくいことが示された。走査型熱量計で熱安定性を評価したところ、M0野生型JNK1, M3変異体及びM7変異体は、いずれも3状態で遷移し、熱変性することが示された。2.6分解能の結晶構造解析の結果、M3変異体の構造は野生型と同等であった。以上より、(1)最も高く生産され、(2)凝集に対する安定性が改善され、(3)構造も野生型と同等であったM3変異体が、今後JNK1の構造と機能の関係を調べるために最も適した変異体であると結論した。
井上 賢紀; 池内 宏知; 竹内 正行; 小山 真一; 須藤 光雄
JAEA-Research 2011-057, 100 Pages, 2012/03
湿式法再処理システムにおける燃料溶解には硝酸水溶液が適用されるため、実用化段階の燃料被覆管の基準材料であるマルテンサイト系酸化物分散強化型フェライト鋼「9Cr-ODS鋼」の製造まま材の硝酸溶解特性を評価した。9Cr-ODS鋼はクロム濃度が比較的低く、不働態皮膜の安定化による溶解速度の抑制には、高硝酸濃度あるいは溶存金属イオンによる溶液からの酸化力に期待する必要があることがわかった。連続溶解槽のなかでは硝酸濃度と溶存金属イオン濃度が連続的に変化するが、剪断片に接触する溶液電位は連続的に上昇し、腐食電位が高電位域に維持されるために不働態化の促進効果が持続する傾向があることがわかった。
小島 有志; 花田 磨砂也; Hilmi, A.*; 井上 多加志; 渡邊 和弘; 谷口 正樹; 柏木 美恵子; 梅田 尚孝; 戸張 博之; 小林 信一*; et al.
Review of Scientific Instruments, 83(2), p.02B117_1 - 02B117_5, 2012/02
被引用回数:16 パーセンタイル:60.62(Instruments & Instrumentation)JT-60NNBIの負イオン源は長年の課題であった加速器の低耐電圧を克服し、500keVビームを3Aまで生成することに成功している。その結果を踏まえ、JT-60SAに利用する次期負イオン源では、耐電圧データベースに基づいて負イオン源の設計を行う。そこで、実機負イオン源を用いて耐電圧試験を行い、平坦部の3倍近い局所高電界が生成している加速電極孔の数と直径1500mmの電極面積がともに、真空耐電圧を劣化させ得る原因であることを明らかにした。それらはそれぞれ、孔数の-0.15乗、面積の-0.125乗に従い耐電圧が低下するが得られ、実機負イオン源の耐電圧係数は24と孔数で制限された耐電圧であることを明らかにした。また、加速電極間の距離を広げすぎると、電極支持枠角部の電界によって決まる値に耐電圧が制限されることが明らかになった。これらの結果、加速電極構造の配位によって、異なる原因で耐電圧が制限されるという新たな知見を得て、JT-60SA用負イオン源の加速電極を設計するために必要なデータが取得できた。