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論文

High temperature gas-cooled reactors

武田 哲明*; 稲垣 嘉之; 相原 純; 青木 健; 藤原 佑輔; 深谷 裕司; 後藤 実; Ho, H. Q.; 飯垣 和彦; 今井 良行; et al.

High Temperature Gas-Cooled Reactors; JSME Series in Thermal and Nuclear Power Generation, Vol.5, 464 Pages, 2021/02

本書は、原子力機構における今までの高温ガス炉の研究開発の総括として、HTTRの設計、燃料、炉内構造物や中間熱交換器などの要素技術の開発、出力上昇試験、950$$^{circ}$$Cの高温運転、安全性実証試験などの運転経験及び成果についてまとめたものである。また、HTTRでの知見をもとに、商用炉の設計、高性能燃料、ヘリウムガスタービン、ISプロセスによる水素製造などの要素技術開発の現状について記述しており、今後の高温ガス炉の開発に非常に有用である。本書は、日本機械学会の動力エネルギーシステム部門による化石燃料及び原子力によるエネルギーシステムの技術書のシリーズの一冊として刊行されるものである。

論文

Universality and structural implications of the Boson peak in Proteins

中川 洋; 城地 保昌*; 北尾 彰朗*; 山室 修*; 片岡 幹雄*

Biophysical Journal, 117(2), p.229 - 238, 2019/07

 被引用回数:3 パーセンタイル:13.03(Biophysics)

蛋白質の柔らかさや固さは、環境に影響を受けるダイナミクスに反映される。蛋白質の低エネルギー振動スペクトルの特徴の一つである、ボソンピークは、低温や乾燥状態における蛋白質構造の固さの指標となる。この論文では、中性子非弾性散乱と分子シミュレーションによって、ボソンピークと体積についての水和,温度,圧力効果を調べた。水和,加圧,低温はボソンピークを高エネルギー側にシフトさせ、強度が小さくなり、またキャビティが小さくなった。しかし、このような効果は水和蛋白質にはあまり見られなかった。体積の減少は固さの増加を意味し、これがボソンピークシフトの起源である。ボソンピークはキャビティ体積で予測できる。この予測は、強い準弾性散乱のために実験的にはボソンピークが見分けられない場合に、非干渉性中性子散乱スペクトルにおける準弾性散乱の寄与を見積もるのに効果的である。

報告書

TRU廃棄物処分に係る核種移行データ; セメント硬化体の間隙水を用いたプルトニウムの溶解度試験結果

須黒 寿康; 西川 義朗*; 綿引 聖*; 加川 昭夫

JAEA-Technology 2013-023, 22 Pages, 2013/10

JAEA-Technology-2013-023.pdf:2.41MB

TRU廃棄物処分の安全評価上不可欠なプルトニウム(Pu)について、セメント硬化体の間隙水中における溶解度データを取得する試験を実施した。試験で使用したセメント混和剤は、TRU廃棄物処分場で使用される可能性のあるポリカルボン酸系化合物を選定した。Puの初期添加濃度は10$$^{-6}$$Mとし、液相には、普通ポルトランド,脱イオン交換水,セメント混和剤を混練して硬化させたセメント硬化体から採取した間隙水と比較のため、セメント混和剤を添加しないで硬化させたセメント硬化体から採取した間隙水の2種類を使用した。その他の溶解度試験条件として、試験期間は最大で154日、常温(298$$pm$$5K)のAr雰囲気中(O$$_{2}$$濃度1ppm以下)とし、バッチ式溶解度試験を行った。その結果、試験期間154日目の間隙水中のPu濃度は、セメント混和剤の有無にかかわらず10$$^{-10}$$mol/dm$$^{3}$$オーダーであった。また、Pu(IV)の高pH条件における溶解度(約10$$^{-10}$$mol/dm$$^{3}$$)と比べても同等程度であり、セメント混和剤によるPu溶解度への影響は見られなかった。

報告書

TRU廃棄物処分にかかわる核種移行データ; 有機物(セメント混和剤)共存下におけるプルトニウムの溶解度試験結果

須黒 寿康; 西川 義朗*; 綿引 聖*; 加川 昭夫; 飯島 和毅

JAEA-Technology 2010-048, 32 Pages, 2011/03

JAEA-Technology-2010-048.pdf:0.89MB

TRU廃棄物処分の安全評価上不可欠なプルトニウム(Pu)の有機物(セメント混和剤)共存下における溶解度データを取得するための試験を実施した。試験で使用したセメント混和剤は、TRU廃棄物処分場で使用される可能性のあるナトリウムフォルムアルデヒド酸系化合物及びポリカルボン酸系化合物を選定した。試験は、処分環境を模擬した極低酸素濃度(O$$_{2}$$濃度1ppm以下),還元条件(還元剤:亜ジチオン酸ナトリウム)でバッチ式溶解度試験を行った。その他の試験条件として、Puの初期添加濃度は10$$^{-6}$$Mの1ケース、液相は(1)蒸留水を水酸化ナトリウムによりpHを12.5に調整した溶液,(2)セメント間隙水を想定した普通ポルトランドセメントの浸漬液及び(3)セメントが固化した後の間隙水中に存在するセメント混和剤の成分を想定し、分子量別に分画(分画分子量5,000の限外ろ過膜を透過する低分子量成分とろ過される高分子量成分に分画)した溶液の3ケースとした。また、温度は室温(298$$pm$$5K)、試験期間は7, 14, 28及び56日を基本とした。その結果、セメント混和剤が存在しない場合のPuの溶解度(約10$$^{-10}$$mol/dm$$^{3}$$)に対し、セメント混和剤が存在すると、セメント混和剤の種類や濃度にかかわらずPu濃度は2$$sim$$3桁上昇した。また、分子量別の試験から高pH条件では、高分子量成分よりも低分子量成分のセメント混和剤の方がPu濃度をより上昇させる傾向が示された。

論文

Validation of IHX temperature calculation code for future HTGR

中川 繁昭; 七種 明雄; 栃尾 大輔; 武田 哲明*

Proceedings of 16th Pacific Basin Nuclear Conference (PBNC-16) (CD-ROM), 6 Pages, 2008/10

超高温ガス炉(VHTR)システムにおいて、中間熱交換器(IHX)は重要機器の1つである。IHXはヘリウム/ヘリウムの熱交換器であり、約900$$^{circ}$$Cまで加熱された高温の2次ヘリウムガスは、熱化学法のよう素-イオウプロセスにより水素を製造するISシステムのような水素製造施設に供給される。60年の設計寿命を有するVHTRの設計の信頼性を向上させるために、IHX内部の正確な温度分布の計算が求められている。HTTRにおいて、原子炉出口冷却材温度850$$^{circ}$$Cでの30日間連続運転が実施され、IHX内部の温度データが得られた。HTTR運転中のIHX内部温度分布を予測するため、温度計算を実施した。計算結果は実測結果と良い一致を示し、計算コードが検証された。本IHX温度計算コードは、熱交換器内部の温度分布を精度よく予測できることを確認した。

論文

Hydration affects both harmonic and anharmonic nature of protein dynamics

中川 洋; 城地 保昌*; 北尾 彰朗*; 片岡 幹雄

Biophysical Journal, 95(6), p.2916 - 2923, 2008/09

 被引用回数:49 パーセンタイル:78.26(Biophysics)

To understand the effect of hydration on protein dynamics, inelastic neutron scattering experiments were carried out on Staphylococcal nuclease samples at differing hydration levels: dehydrated, partially hydrated and hydrated. At cryogenic temperatures, hydration affected the collective motions with energies lower than 5 meV, while the high energy localized motions were independent of hydration. The prominent change was a shift of boson peak toward higher energy by hydration, suggesting hardening of harmonic potential at local minima on the energy landscape. The 240 K transition was observed only for the hydrated protein. Significant quasi-elastic scattering at 300 K was observed only for the hydrated sample, indicating that the origin of the transition is the motion activated by hydration water. The neutron scattering profile of the partially hydrated sample was quite similar to that of the hydrated sample at 100 and 200 K, while it was close to the dehydrated sample at 300 K, indicating that partial hydration is sufficient to affect the harmonic nature of protein dynamics, and that there is a threshold hydration level to activate the anharmonic motions. Thus, hydration water controls both the harmonic and anharmonic protein dynamics, by differing means.

論文

Hydration effect on low-frequency protein dynamics observed in simulated neutron scattering spectra

城地 保昌*; 中川 洋; 片岡 幹雄; 北尾 彰朗*

Biophysical Journal, 94(11), p.4435 - 4443, 2008/06

 被引用回数:24 パーセンタイル:53.62(Biophysics)

分子シミュレーションによる中性子散乱スペクトルの周波数依存性を調べることで蛋白質ダイナミクスの水和依存性を調べた。蛋白質のボソンピークは水和にかかわらず100Kで1$$sim$$4meVに観測されるが、水和によってピーク位置は高エネルギーシフトする。4meVよりも高エネルギーの蛋白質の振動はほぼ調和振動的である。1meVよりも低振動運動は揺らぎの大きさに大きく寄与し、ガラス性転移の起源に寄与する。300Kでは水和状態のボソンピークは準弾性散乱に埋もれるが、低い水和量ではボソンピークは観測される。ボソンピークは蛋白質ダイナミクスがエネルギーランドスケープのローカルミニマムにトラップされることで観測される。ボソンピークに寄与する蛋白質の運動は蛋白質全体に広がっている。近い将来高エネルギー分解能の装置が開発されれば、動的構造因子の微細構造が実験的に検出されると期待される。

論文

Hydration-dependent protein dynamics revealed by molecular dynamics simulation of crystalline Staphylococcal nuclease

城地 保昌*; 中川 洋; 片岡 幹雄; 北尾 彰朗*

Journal of Physical Chemistry B, 112(11), p.3522 - 3528, 2008/03

 被引用回数:10 パーセンタイル:25.44(Chemistry, Physical)

結晶状態の黄色ブドウ球菌由来核酸分解酵素の分子シミュレーションを低い水和量と高い水和量で行って、蛋白質ダイナミクスに対する水和効果を調べた。高い水和量では結晶の隙間に水を充填させた。低い水和量では結晶水のみを入れた。ガラス性転移は220Kの温度で両者で見られたが、高い水和量の方が転移はより顕著であった。残基ごとの揺らぎの解析からは、ループや末端領域に揺らぎの増加が見られた。これら領域は低い水和量では分子間の接触によって揺らぎは抑制されていた。高い水和量での水分子の揺らぎは低い水和量よりも一桁大きい。転移温度以上では高い水和量では水分子はバルク水のように振る舞い、蛋白質ダイナミクスの潤滑剤として働く。一方、低い水和量では水分子は蛋白質と水素結合を形成し、蛋白質の揺らぎの大きさと同程度になる。分子間相互作用と溶媒の運動性は蛋白質のガラス性転移を理解するのに重要である。

報告書

プルトニウムの岩石に対する収着データ; 還元環境,硝酸塩存在下におけるプルトニウムの凝灰岩に対する収着試験結果

須黒 寿康; 西川 義朗*; 小室 崇*; 加川 昭夫; 柏崎 博; 山田 一夫

JAEA-Technology 2007-058, 20 Pages, 2007/11

JAEA-Technology-2007-058.pdf:3.26MB

TRU廃棄物処分の安全評価上不可欠なプルトニウム(Pu)の凝灰岩に対する収着データを取得するための試験を実施した。試験は、処分環境が還元的であり、廃棄物に相当量の硝酸塩が含まれることを考慮し、極低酸素濃度(O$$_{2}$$$$leq$$1ppm),還元条件(還元剤:亜ジチオン酸ナトリウム)で硝酸ナトリウム濃度を変数(0$$sim$$0.5M)として凝灰岩(栃木県産大谷石)に対するバッチ式収着試験を行った。その結果、液固比0.1m$$^{3}$$kg$$^{-1}$$の場合のKd値は約0.2$$sim$$0.7m$$^{3}$$kg$$^{-1}$$、同様に液固比1m$$^{3}$$kg$$^{-1}$$の場合のKd値は約1$$sim$$7m$$^{3}$$kg$$^{-1}$$となった。しかし、ほとんどの試料が試験後の溶液中の$$alpha$$スペクトル分析において分析装置の検出下限値以下(10$$^{-13}$$mol/dm$$^{3}$$オーダー以下)であった。これは、本試験において液相に飽和水酸化カルシウム溶液を使用したため、炭酸カルシウム塩とPuが共沈したことにより、溶液中のPuの溶解度が制限されたものと推察した。

論文

Non-Gaussian behavior of elastic incoherent neutron scattering profiles of proteins studied by molecular dynamics simulation

徳久 淳師; 城地 保昌*; 中川 洋; 北尾 彰朗*; 片岡 幹雄

Physical Review E, 75(4), p.041912_1 - 041912_8, 2007/05

 被引用回数:20 パーセンタイル:67.12(Physics, Fluids & Plasmas)

弾性非干渉性中性子散乱(EINS)では、散乱プロファイルの小角領域でガウス近似することで、揺らぎ幅の平均値である平均二乗変位(MSD)を見積もることがでる。一方、広角領域ではガウス近似からのずれ(非ガウス性)が観測される。非ガウス性には平均値以上の詳細な揺らぎ幅に関する情報が含まれており、非ガウス性に対しての解析法を確立することが望まれている。タンパク質ダイナミクスは非常に複雑で、非調和的であり、非等方的であり、かつ不均一である。そのため非ガウス性の起源に対して数種類の要因を考えることができる。非ガウス性の主要な起源を明らかにし、解析法を確立することを目的とした。核酸分解酵素であるStaphylococcal nucleaseの分子動力学計算から、EINSデータを再現した。非ガウス性を以下の3つの起源に分離し、非ガウス性を引き起こす種々の起源の寄与を見積もることに成功した。(1)揺らぎ幅の原子個々の不均一性の寄与(動的不均一性),(2)非等法性の寄与、及び(3)非調和性の寄与、に分離した。タンパク質全体では、さまざまなジャンプ距離を持つ原子が存在するため、非等方性及び非調和性の寄与は原子間で互いに打ち消し合い、EINSプロファイルへの寄与は結果的に小さくなることがわかった。つまり、非ガウス性の主要な起源は動的不均一性であり、タンパク質を試料としたEINS実験にあらわれる非ガウス性に対しては、動的不均一性の解析が適していることを明らかにした。

論文

Dynamical heterogeneity of protein dynamics studied by elastic incoherent neutron scattering and molecular simulations

中川 洋; 徳久 淳師*; 上久保 裕生*; 城地 保昌*; 北尾 彰朗*; 片岡 幹雄*

Materials Science & Engineering A, 442(1-2), p.356 - 360, 2006/12

 被引用回数:4 パーセンタイル:34.16(Nanoscience & Nanotechnology)

中性子非干渉性弾性散乱と分子シミュレーションによって球状タンパク質の動的不均一性を調べた。中性子非干渉性弾性散乱のq依存性はガウス近似からのずれ、非ガウス性を示した。非調和性も非ガウス性に寄与するが、われわれは動的不均一性によって実際の散乱プロファイルの非ガウス性を説明することができた。分子シミュレーションにより、1meV程度の低いエネルギー分解能では非ガウス性はおもに動的不均一性に由来することを確認した。一方、非調和性の非ガウス性に対する寄与は10$$mu$$eV程度の高エネルギー分解能では無視できないが、それでも動的不均一性は非ガウス性の主な原因であった。

論文

Hydration-coupled protein boson peak measured by incoherent neutron scattering

中川 洋; 片岡 幹雄*; 城地 保昌*; 北尾 彰朗*; 柴田 薫; 徳久 淳師*; 筑紫 格*; 郷 信広

Physica B; Condensed Matter, 385-386(2), p.871 - 873, 2006/11

 被引用回数:13 パーセンタイル:52.05(Physics, Condensed Matter)

スタフィロコッカルヌクレアーゼを用いてタンパク質のボソンピークの水和との関連を調べた。ボソンピークは合成高分子,ガラス性物質,アモルファス物質に共通に見られるものであるが、その起源は十分には理解されていない。ボソンピークに寄与する運動は調和振動である。水和によりピークの位置は高周波数側にシフトし、振動の力学定数は増加した。このことはタンパクのエネルギー地形が変化したことを示す。タンパク質が水和することでエネルギー地形がより凸凹になり、極低温ではエネルギー極小に振動がトラップされる。タンパク質のボソンピークの起源はこのエネルギー地形の凹凸と関係しているかもしれない。

報告書

HTTRの2次加圧水冷却器の伝熱性能に関する評価

栃尾 大輔; 渡辺 周二; 七種 明雄; 小山 直; 根本 隆弘; 濱本 真平; 篠原 正憲; 磯崎 実; 中川 繁昭

JAEA-Technology 2006-005, 83 Pages, 2006/02

JAEA-Technology-2006-005.pdf:6.09MB

定格熱出力30MWの高温工学試験研究炉(HTTR)では、原子炉で発生した熱を主冷却系を構成する加圧水冷却器,中間熱交換器による熱交換を経て、最終的に加圧水空気冷却器により大気に放散している。HTTRの主冷却系熱交換器は原子炉出口冷却材温度850$$^{circ}$$C/950$$^{circ}$$Cの条件下で原子炉で発生した30MWの除熱を行うための伝熱性能を有していなければいけない。本報では、HTTRにおいてこれまで実施してきた出力上昇試験,供用運転のデータから、主冷却系に設置されている熱交換器のうちの2次加圧水冷却器(SPWC)について伝熱性能を評価した。また、設計時におけるSPWCの伝熱性能との比較を行い、SPWCが設計時に要求された伝熱性能を有していることを確認した。

論文

Plan for first phase of safety demonstration tests of the High Temperature Engineering Test Reactor (HTTR)

橘 幸男; 中川 繁昭; 竹田 武司; 七種 明雄; 古澤 孝之; 高松 邦吉; 沢 和弘; 伊与久 達夫

Nuclear Engineering and Design, 224(2), p.179 - 197, 2003/09

 被引用回数:13 パーセンタイル:64.66(Nuclear Science & Technology)

HTTR(高温工学試験研究炉)を用いた安全性実証試験は、高温ガス炉固有の安全性を実証するとともに、高温ガス炉用安全解析コードの検証に必要な炉心及びプラントの過渡挙動データを取得するために実施される。第1段階の試験として、制御棒引抜き試験及び1次系流量低下試験を行う。制御棒引抜き試験では、16対の制御棒のうち中央の一対を引き抜くことで反応度投入事象を模擬する。1次系流量低下試験は、循環機停止試験と流量部分喪失試験からなり、それぞれ、循環機の停止(循環機3台中1台又は2台の停止)あるいは自動制御系により流量低下事象を模擬する。制御棒引抜き試験及び循環機停止試験は、予想される過渡現象でスクラムできない事故、いわゆるATWSを模擬したものである。

報告書

Data on test results of vessel cooling system of High Temperature Engineering Test Reactor

七種 明雄*; 中川 繁昭; 藤本 望; 橘 幸男; 伊与久 達夫

JAERI-Data/Code 2002-027, 34 Pages, 2003/02

JAERI-Data-Code-2002-027.pdf:1.22MB

高温工学試験研究炉(HTTR)は、日本で建設された最初の黒鉛減速ヘリウムガス冷却炉である。1999年9月28日から出力上昇試験を開始し、HTTRは2001年12月7日に定格出力30MWに到達した。HTTRの炉容器冷却設備(VCS)は、高温ガス炉に実用化された最初のReactor Cavity Cooling System (RCCS)であり、炉心の強制冷却が喪失する減圧事故時に炉心の健全性を維持するために原子炉圧力容器を介して間接的に炉心を冷却する。そのために、定格出力時に0.3MW以上の除熱量を確保できるように設計されており、HTTRの出力上昇試験時に実施した性能試験によって、定格出力時に0.3MW以上の除熱量が確保されていることを確認した。本報では、炉容器冷却設備の概要及び出力上昇試験時の試験結果について報告する。

報告書

アスファルトから浸出する可溶性有機成分に関する評価試験(6) 還元雰囲気アスファルト浸出試験での可溶性有機成分の調査研究

福本 雅弘; 西川 義朗*; 加川 昭夫

JNC TN8410 2002-009, 191 Pages, 2002/11

JNC-TN8410-2002-009.pdf:4.06MB

有機系TRU廃棄体(マトリックスが有機物であるもの及び廃棄物中に有機物を含むもの)は地下深部へ処分した際、長期の処分期間において水との反応及び放射線並びに微生物により分解することが予想される。処分場に浸入する地下水は、廃棄体からの劣化生成物である可溶性有機成分を溶解し、廃棄体中の超ウラン元素と安定な錯体を形成することによって、超ウラン元素の溶解度が高くなったり粘土鉱物や岩石の核種吸着能が劣化する恐れがあり、TRU廃棄物処分の性能評価に影響を及ぼすことが考えられる。このため、今回、有機系TRU廃棄物の内、アスファルト固化体を評価対象物に選定し、還元性雰囲気で水との接触による化学的劣化試験を実施したので、アスファルトから浸出する可溶性有機成分に関する評価試験の第6報として報告する。還元性雰囲気で水との接触による化学的劣化試験は、1.アスファルト+水+鉄粉(以下AHと記す)、2.アスファルト+水酸化カルシウム+硝酸ナトリウム+水+鉄粉(以下ACNHと記す)、3.アスファルト+水酸化ナトリウム+水+鉄粉(以下AOHと記す)とした。試験で得られた浸出液のTOCの結果、AH、ACNHでは経時による増加傾向は見られなかった。しかし、AOHでは経時による増加傾向が見られた。既報(1)$$sim$$(12)の大気雰囲気試験でも高アルカリ(10M-NaOH)の系は他の系に比べ高いTOCを示した。アスファルトの化学的劣化は酸化的分解反応が支配的であると考えられるが、還元性雰囲気下において、アルカリ加水分解反応による可溶性有機物の生成の可能性が推定される。

報告書

高温工学試験研究炉の出力上昇試験; 試験経過及び結果の概要

中川 繁昭; 藤本 望; 島川 聡司; 野尻 直喜; 竹田 武司; 七種 明雄; 植田 祥平; 小嶋 崇夫; 高田 英治*; 齋藤 賢司; et al.

JAERI-Tech 2002-069, 87 Pages, 2002/08

JAERI-Tech-2002-069.pdf:10.12MB

高温工学試験研究炉(High Temperature engineering Test Reactor : HTTR)の出力上昇試験は、30MW運転時に原子炉出口冷却材温度が850$$^{circ}C$$となる「定格運転」モードでの試験として、平成12年4月23日から原子炉出力10MWまでの出力上昇試験(1)を行い、その後、原子炉出力20MWまでの出力上昇試験(2),30MW運転時に原子炉出口冷却材温度が950$$^{circ}C$$となる「高温試験運転」モードにおいて原子炉出力20MWまでの出力上昇試験(3)を行った。定格出力30MW運転達成のための試験として平成13年10月23日から出力上昇試験(4)を開始し、平成13年12月7日に定格出力30MWの到達及び原子炉出口冷却材温度850$$^{circ}C$$の達成を確認した。出力上昇試験(4)については、平成14年3月6日まで実施し、定格出力30MWからの商用電源喪失試験をもって全ての試験検査を終了して使用前検査合格証を取得した。「定格運転」モードにおける原子炉出力30MWまでの試験結果から、原子炉、冷却系統施設等の性能を確認することができ、原子炉を安定に運転できることを確認した。また、試験で明らかとなった課題を適切に処置することで、原子炉出力30MW,原子炉出口冷却材温度950$$^{circ}C$$の達成の見通しを得た。

報告書

高温工学試験研究炉(HTTR)の安全性実証試験計画

橘 幸男; 中川 繁昭; 竹田 武司; 七種 明雄; 古澤 孝之; 高松 邦吉; 西原 哲夫; 沢 和弘; 伊与久 達夫

JAERI-Tech 2002-059, 42 Pages, 2002/08

JAERI-Tech-2002-059.pdf:1.63MB

本報告は、高温工学試験研究炉(HTTR)の安全性実証試験計画について、特に、早期に実施する試験項目に重点を置いてまとめたものである。早期に実施する試験は、異常な過渡変化に相当する試験として実施する制御棒引抜試験及び1次冷却材流量低下試験である。制御棒引抜試験では、炉心中央位置の制御棒1対を引き抜くことにより、反応度投入事象を模擬する。また、1次冷却材流量低下試験では、循環機の停止(循環機3台中1台または2台の停止)あるいは自動制御系により流量低下事象を模擬する。これらの試験の結果を踏まえ、さらに、冷却材喪失事故等を模擬した試験を計画しており、現在、検討をすすめている。試験で得られた実測データは、炉心動特性コード,プラント動特性コード等の安全評価コードの高精度化と検証に利用でき、国内外の将来高温ガス炉の安全設計・評価技術の確立に活用することができる。

報告書

出力上昇試験におけるHTTR炉心支持板温度上昇の原因と対策

藤本 望; 高田 英治*; 中川 繁昭; 橘 幸男; 川崎 幸三; 七種 明雄; 小嶋 崇夫; 伊与久 達夫

JAERI-Tech 2001-090, 69 Pages, 2002/01

JAERI-Tech-2001-090.pdf:7.88MB

HTTRでは、初臨界達成後、出力上昇試験として段階的に出力を上げ、各種の試験を行ってきた。その中で、炉心支持板の温度が各出力で予想される温度より高めの値を示し、100%出力で最高使用温度を超えるおそれのあることがわかった。そのため、炉心流量の異なる高温試験運転モードでの試験を行い、温度の予測精度を上げるとともに、原因の推定を行った。その結果、炉床部の漏れ流れが原因であることがわかった。さらに、炉心支持板とその下のシールプレートの間隙が炉心差圧により変化することによって炉心支持板の温度が局所的に上昇することが推定された。温度上昇に対しては、炉心支持板の最高使用温度を変更することにより対応することとした。最高使用温度の変更にあたっては応力解析を行い構造健全性が確保されることを確認した。

論文

Development of a simulation model and safety evaluation for depressurization accident without reactor scram in an advanced HTGR

中川 繁昭; 七種 明雄; 國富 一彦

Nuclear Technology, 133(2), p.141 - 152, 2001/02

 被引用回数:3 パーセンタイル:27.1(Nuclear Science & Technology)

高圧ガス炉(HTGR)のシビアアクシデントとなる可能性を持つ事象の1つである減圧事故に原子炉スクラム失敗が重なった事故事象(DAWS)の詳細な安全解析が可能となるように、原子炉動特性及び原子炉圧力容器(RPV)表面からの間接冷却を模擬する新しい解析モデルを開発した。新しい解析モデルの特徴は以下のとおりである。(1)DAWS発生後の再臨界や出力振動を引き起こす現象を模擬できるよう既存の単チャンネル動特性解析モデルに、Xeの蓄積崩壊に伴う反応度変化を考慮できるようにした。(2)単チャンネル動特性解析モデルと2次元の炉心温度解析モデルを結合させることにより、RPV表面からの間接冷却をモデル化したこと。(3)ブロック型HTGRの燃料体としてピン・イン・ブロック型及びマルチホール型の炉心についての解析が可能であること。ピン・イン・ブロック型燃料体を採用した450MWtのHTGRについて、DAWSの解析を実施した。解析の結果、RPV表面からの間接冷却の受動的な冷却系のみで燃料最高温度は1800$$^{circ}C$$以下に制限されることから、シビアアクシデントフリー炉としての設計の成立性があることを確認した。開発した解析モデルについては、日本における将来HTGRの設計に適用できる。

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