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論文

オーステナイト系ステンレス鋼の中性子照射による磁気特性変化に関する研究

根本 義之; 大石 誠; 伊藤 正泰; 加治 芳行; 欅田 理*

保全学, 14(4), p.83 - 90, 2016/01

これまで中性子照射したオーステナイトステンレス合金の照射誘起応力腐食割れ(IASCC)感受性と、渦電流法,交流磁化法で測定した磁気データの間に相関性があることを報告してきた。この相関性のメカニズムを検討するため、本研究では当該試験片の微細組織観察を行い、結晶粒界に沿った強磁性のパーマロイ(FeNi$$_{3}$$)の生成を確認した。この結果から照射による磁気特性変化の原因は結晶粒界での照射誘起の磁性相生成によるものであり、IASCC感受性と磁気データの相関に関連しているものと考えられる。また高感度,高位置分解能の新規センサープローブの開発を行い、SUS304オーステナイトステンレス鋼照射材の磁気測定に適用した。SUS304の試験片には照射前からフェライト相が存在していたため、照射後の材料の磁気測定に悪影響を及ぼす可能性が懸念されたが、実験結果においては照射量に依存した磁気データの上昇が捉えられた。そのため本研究で開発した磁気測定の技術は照射前からフェライト相を含むオーステナイトステンレス鋼照射材にも適用可能であることが示されたと考えられる。

論文

高温磁気センサの開発

高屋 茂; 荒川 尚*; 欅田 理*

保全学, 14(3), p.81 - 87, 2015/10

高温環境で利用可能な磁気センサを新たに開発した。開発したセンサは、フラックスゲート型センサの一種であり、磁気コア材料として、通常用いられるパーマロイに代わり、キュリー温度が約1000$$^{circ}$$Cと高いパーメンジュールを用いている。またコイルには、耐熱性セラミックコーティングの銅線を用いた。外部磁場の大きさは、微分磁化率のピーク位置の変化により測定する。磁気コアの形状は、微分磁化率のピーク位置の判定を容易にし検出性能を向上させるために、一部で径が細くなっている矩形形状とした。開発した磁気センサの出力は500$$^{circ}$$Cの高温でも良い直線性を示した。さらに、センサの耐久性について検討し、耐熱コイルの性能向上が今後の課題であることを示した。

論文

Development of a magnetic sensor system for predictive IASCC diagnosis on stainless steels in a nuclear reactor

根本 義之; 欅田 理*; 内一 哲哉*; 高屋 茂; 塚田 隆

International Journal of Applied Electromagnetics and Mechanics, 35(2), p.123 - 139, 2011/02

 被引用回数:1 パーセンタイル:11.99(Engineering, Electrical & Electronic)特願 2008-301850   公報

これまでの研究において、オーステナイトステンレス合金中性子照射材のフラックスゲート(FG)センサーによる漏えい磁束密度測定結果と、照射誘起応力腐食割れ(IASCC)感受性の間に、相関性が見られることを報告している。本研究は、実機への適用性がより高いと考えられる渦電流法及び交流磁化法によってIASCC予兆診断を行うための技術開発を目的として実施した。そのために原子炉内環境への十分な耐性を持つセンサーの開発を行った。またセンサープローブの小型化による位置分解能の向上を実施した。遠隔操作可能なセンサーシステムを製作し、中性子照射材及び模擬材の測定による性能評価試験を行い、その結果渦電流法及び交流磁化法によって評価した磁気特性と、IASCC感受性の間に正の相関関係が得られ、本システムによるIASCC予兆診断が可能であることが示された。また、実機原子炉内での適用のために今後実施すべき開発項目と、磁気特性とIASCC感受性の相関関係のメカニズムについて議論を行った。

論文

Evaluation of susceptibility to stress corrosion cracking based on non-linear eddy current method

及川 諒太*; 内一 哲哉*; 高木 敏行*; 浦山 良一*; 根本 義之; 高屋 茂; 欅田 理*

International Journal of Applied Electromagnetics and Mechanics, 33(3-4), p.1303 - 1308, 2010/10

 被引用回数:4 パーセンタイル:32.33(Engineering, Electrical & Electronic)

本研究では、非線形渦電流法によるオーステナイト系ステンレス鋼の、照射誘起応力腐食割れ(IASCC)に関連した材料劣化診断の可能性を検討した。その目的のため、照射誘起偏析模擬材の高温での引張り試験を行い、その前後での試料振動型磁力計(VSM)による磁化曲線の評価を行った。また磁気力顕微鏡(MFM)による引張り試験片の微視的な磁気特性の評価を行った。さらに、非線形渦電流法による評価を行い、その結果検出された第3高調波比が引張り試験における公称ひずみと相関性があることが示された。以上の結果から磁気的手法による材料劣化診断原理について議論を行った。

論文

漏えい磁束密度測定によるオーステナイト系ステンレス鋼の材料劣化診断

高屋 茂; 根本 義之; 内一 哲哉*; 欅田 理*

日本AEM学会誌, 17(1), p.156 - 161, 2009/03

以前の研究で、高純度モデルオーステナイト系ステンレス鋼について漏えい磁束密度と照射誘起応力腐食割れ感受性に相関があることを実験的に示した。本研究は、この相関の機構を検討することを目的としている。化学組成の変化や格子欠陥が漏えい磁束密度に与える影響を評価するために、照射誘起偏析模擬材を用いて高温環境下での引張試験を行い、その試験前後で漏えい磁束密度の測定を行った。さらに、磁気モーメントの化学組成と空孔への依存性を第一原理計算により評価した。その結果から、照射材の漏えい磁束密度は、空孔の有無にかかわらず、厳しい照射偏析領域において増加していると考えられることを示した。

論文

ステンレス鋼のIASCC感受性と磁気特性の相関性に関する研究

根本 義之; 欅田 理*; 内一 哲哉*; 高屋 茂; 塚田 隆

保全学, 7(4), p.57 - 68, 2009/01

これまでの研究において、オーステナイトステンレス鋼中性子照射材の、フラックスゲート(FG)センサーによる漏えい磁束密度測定結果と、照射誘起応力腐食割れ(IASCC)感受性の間に、相関性が見られることを報告している。本研究は、実機への適用性がFGセンサーよりも高いと考えられる、渦電流法及び交流磁化法によって、IASCCの予兆診断を行う技術の開発の可能性を検討することを目的として実施した。中性子照射材及び模擬材に関して研究を行った結果、渦電流法及び交流磁化法によって評価した磁気特性と、IASCC感受性の間に正の相関関係が得られた。また、照射誘起偏析による磁性相生成について検討するため、透過型電子顕微鏡(TEM)による微細組織観察を行った。その結果、照射誘起偏析による結晶粒界での磁性相生成に基づいた磁気信号の変化を検知,評価することが、IASCC予兆診断のメカニズムとなり得る可能性が示された。

口頭

IASCC感受性と電磁気特性の相関についての検討,1

根本 義之; 内一 哲哉*; 欅田 理*; 永江 勇二; 高屋 茂; 海老根 典也; 塚田 隆

no journal, , 

これまでの研究により、原子炉構造材のオーステナイト・ステンレス鋼の照射誘起応力腐食割れ(IASCC)を、き裂の発生以前に電磁気的手法によって予兆診断できる可能性が指摘されている。そのため、本研究においては照射誘起偏析によって生成する、結晶粒界における幅数nmのCr欠乏領域を熱処理によって模擬した試験片を用いて、高温水中低歪み速度引張り(SSRT)試験及び、導電率,静的/動的電磁特性の評価、また渦電流法,交流磁化法等による電磁気特性評価等を行った。高温水中SSRT試験によって得られた粒界破面率(SCC感受性)は偏析量に依存して上昇していた。また、偏析量に依存して渦電流信号の値が大きくなる傾向を示した。さらに動的電磁特性の評価の結果得られた比透磁率の値も偏析量に依存して高くなっていた。これらの結果から、IASCC感受性と電磁特性の相関関係の要因の一つが、結晶粒界における照射誘起偏析によるCr欠乏領域の生成である可能性が示された。

口頭

IASCC感受性と電磁気特性の相関についての検討,2

根本 義之; 高屋 茂; 海老根 典也; 塚田 隆; 内一 哲哉*; 欅田 理*

no journal, , 

オーステナイト・ステンレス鋼の照射誘起応力腐食割れ(IASCC)感受性と電磁気特性の相関のメカニズムを検討するため、SUS316の冷間圧延及び鋭敏化熱処理材を用いて研究を行った。高温水中低歪み速度引張り(SSRT)試験によるSCC感受性の評価の結果、冷間圧延率の上昇に伴い粒界破面率は低下し、鋭敏化熱処理によって粒界破面率は上昇したが4時間以上の熱処理では差が小さかった。一方、電磁気特性評価試験では各試験片の測定値の差は小さく、SCC感受性との相関関係は明らかでなかった。SUS304の鋭敏化熱処理材等で、SCC感受性と電磁気特性の相関関係が明らかであり、磁気力顕微鏡(MFM)観察で粒界に磁気変化が見られたことと比較すると、SUS316では冷間圧延や鋭敏化で磁性相の生成が起こりにくく電磁気特性が変化しにくいことが、今回の結果に関係していると考えられる。また高純度モデルオーステナイト系ステンレス合金HP316中性子照射材ではIASCC感受性と電磁気特性の間に相関が見られたことから、照射誘起の磁性相生成等、電磁気特性変化に関係すると考えられる照射効果についてさらなる研究が必要であると考えられる。

口頭

IASCC感受性の非破壊評価手法に関する研究

根本 義之; 三輪 幸夫; 高屋 茂; 海老根 典也; 塚田 隆; 内一 哲哉*; 欅田 理*

no journal, , 

これまでの研究によって高純度モデル・オーステナイト・ステンレス合金の照射誘起応力腐食割れ(IASCC)感受性と磁気特性の間には相関関係がある可能性が示されている。本研究はその原理解明を目的として行った。照射による磁性相生成の可能性を検討するため、IASCC感受性と磁気特性の相関性が見られた照射材の透過型電子顕微鏡観察における電子線回折の結果について解析を行った。また模擬材を用いて、粒界での照射誘起偏析が磁気特性に及ぼす影響について検討を行った。その結果、照射材では粒内で磁性相の生成が確認された。また模擬材の実験結果から、照射誘起偏析によって粒界に磁性相が生成する可能性が示された。これらの磁性相生成がIASCC感受性と磁気特性の相関の原理に関与している可能性が指摘された。

口頭

IASCC感受性の非破壊評価手法に関する研究

根本 義之; 三輪 幸夫; 高屋 茂; 海老根 典也; 塚田 隆; 内一 哲哉*; 欅田 理*

no journal, , 

これまでの研究によって高純度モデル・オーステナイト・ステンレス合金の照射誘起応力腐食割れ(IASCC)感受性と磁気特性の間には相関関係がある可能性が示されている。本研究はその原理解明を目的として行った。照射による磁性相生成の可能性を検討するため、IASCC感受性と磁気特性の相関性が見られた照射材の透過型電子顕微鏡観察における電子線回折の結果について解析を行った。また模擬材を用いて、粒界での照射誘起偏析が磁気特性に及ぼす影響について検討を行った。その結果、照射材では粒内で磁性相の生成が確認された。また模擬材の実験結果から、照射誘起偏析によって粒界に磁性相が生成する可能性が示された。これらの磁性相生成がIASCC感受性と磁気特性の相関の原理に関与している可能性が指摘された。

口頭

漏えい磁束密度測定による照射誘起応力腐食割れ感受性評価

高屋 茂; 根本 義之; 内一 哲哉*; 欅田 理*

no journal, , 

これまでの研究により、高純度モデルオーステナイト系ステンレス鋼について、漏えい磁束密度と照射誘起応力腐食割れ感受性の間に、相関があることを実験的に示している。本研究では、その相関の機構について検討することとした。まず、化学組成変化や格子欠陥が漏えい磁束密度に与える影響を調べるために、照射誘起偏析模擬材を対象に、高温での引張試験及び熱時効試験を実施し、各試験の前後で漏えい磁束密度測定を実施した。さらに、磁気モーメントの格子定数依存性を、第一原理計算により評価した。その結果から、漏えい磁束密度は、厳しい照射誘起偏析領域において増加していると考えられた。

口頭

非線形渦電流法によるオーステナイト系ステンレス鋼の材料劣化診断

内一 哲哉*; 高木 敏行*; 根本 義之; 高屋 茂; 欅田 理*

no journal, , 

本研究では、非線形渦電流法によるオーステナイト系ステンレス鋼の、照射誘起応力腐食割れに関連した材料劣化診断の可能性を検討した。そのため照射誘起偏析模擬材の高温での引張り試験を行い、その前後での非線形渦電流法による評価を行った。さらに磁気力顕微鏡による引張り試験片の微視的な磁気特性の評価を行った。その結果、結晶粒界でのCr欠乏とNi富化に関連した磁性相の生成により、非線形渦電流法における検出信号の高調波比が変化することを確認した。

口頭

非線形渦電流法に基づいたオーステナイト系ステンレス鋼の照射誘起応力腐食割れに伴う材料劣化の評価

及川 諒太*; 内一 哲哉*; 高木 敏行*; 浦山 良一*; 根本 義之; 高屋 茂; 欅田 理*

no journal, , 

照射誘起偏析を模擬したオーステナイト系ステンレス鋼モデル合金の引張り試験を行い、照射誘起偏析と格子欠陥に相当する材料劣化を評価した。具体的には、試験片の磁区構造及び結晶構造の変化を観察し、測定した磁化曲線と比較検討することで、組織変化と磁気特性との関係を考察した。以上の考察に基づき、電磁非破壊評価法の一種である非線形渦電流法を適用し、照射誘起応力腐食割れに伴う材料劣化の非破壊評価可能性を示した。

口頭

オーステナイト系ステンレス鋼の応力腐食割れ感受性に関する微視的組織の電磁非破壊評価

内一 哲哉*; 及川 諒太*; 高木 敏行*; 浦山 良一*; 根本 義之; 高屋 茂; 欅田 理*

no journal, , 

This paper discusses the feasibility of nondestructive evaluation of micro-structure related to susceptibility to stress corrosion cracking in austenitic stainless steels. For the purpose, tensile tests at elevated temperatures were conducted using model alloys simulating radiation-induced segregation (RIS), and magnetization curves of the tensile test specimens were measured by vibrating sample magnetometer (VSM). Microstructure of magnetization of the tensile test specimens was observed by magnetic force microscopy (MFM). The mechanism of magnetization change was discussed through these observations. Finally, non-linear eddy current method was carried out for the tensile test specimens. It is shown that the 3rd higher harmonic ratio of the pick-up signal is related to the targeted nominal strain.

口頭

Development of a heat-resistant magnetic sensor

高屋 茂; 荒川 尚*; 欅田 理*

no journal, , 

耐熱性フラックスゲートセンサを開発した。高キュリー温度材料であるパーメンジュールをコア材料として採用するとともに、磁場評価手法を改良した。300$$^{circ}$$Cでの特性を評価したところ、$$pm$$5Gの範囲で線形性を有し、感度は約0.89Gであった。

口頭

耐熱磁気センサの開発

高屋 茂; 荒川 尚*; 欅田 理*

no journal, , 

耐熱性のフラックスゲート型磁気センサを開発した。高キュリー温度を有するパーメンジュールを磁性コア材料として採用し、同材料の磁気特性を考慮して外部磁場の検出原理の改良を行った。500$$^{circ}$$Cまでのセンサの出力特性を調べたところ、$$pm$$5Gの範囲で直線性を示すことが示された。500$$^{circ}$$Cにおける精度は、約0.85Gと評価された。

口頭

耐熱磁気センサの開発

高屋 茂; 荒川 尚*; 欅田 理*

no journal, , 

耐熱性のフラックスゲート型磁気センサを開発した。高キュリー温度を有するパーメンジュールを磁性コア材料として採用し、同材料の磁気特性を考慮して外部磁場の検出原理の改良を行った。500$$^{circ}$$Cまでのセンサの出力特性を調べ、直線性を有することを示した。測定温度の上昇とともに感度の低下が認められたことから、磁気コア材の酸化の影響について検討し、酸化が感度低下の主要因でないことを確認した。

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