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長谷川 雄太; 青木 尊之*; 小林 宏充*; 井戸村 泰宏; 小野寺 直幸
Parallel Computing, 108, p.102851_1 - 102851_12, 2021/12
被引用回数:4 パーセンタイル:43.14(Computer Science, Theory & Methods)GPUスーパコンピュータに対して格子ボルツマン法(LBM: lattice Botltzmann method)およびforest-of-octreesに基づくブロック構造型の局所細分化格子(LMR: local mesh refinement)を用いた空力解析コードを実装し、その性能を評価した。性能評価の結果、従来の空間充填曲線(SFC; space-filling curve)に基づく領域分割アルゴリズムでは、本空力解析において袖領域通信のコストが過大となることがわかった。領域分割の改善手法として本稿では挿し木法を提案し、領域分割の局所性とトポロジーを改善し、従来のSFCに基づく手法に比べて通信コストを1/31/4に削減した。強スケーリング測定では、最大で1.82倍の高速化を示し、128GPUで2207MLUPS(mega-lattice update per second)の性能を達成した。弱スケーリング測定では、8128GPUで93.4%の並列化効率を示し、最大規模の128GPU計算では44.73億格子点を用いて9620MLUPSの性能を達成した。
長谷川 雄太; 青木 尊之*; 小林 宏充*; 井戸村 泰宏; 小野寺 直幸
計算工学講演会論文集(CD-ROM), 26, 6 Pages, 2021/05
Forest-of-octreesに基づく局所格子細分化法(LMR)を導入した格子ボルツマン法(LBM)に基づく空力解析コードに対し、挿し木法による領域分割の改善手法を提案した。従来の空間充填曲線に基づく領域分割法は、適合格子細分化法(AMR)やLMRで広く用いられているものの、GPUスパコン向けに実装された本空力解析コードにおいては袖領域通信が増大し計算のボトルネックとなるうることが確認された。本研究で提案する挿し木法は、粗い等間隔格子状の領域分割と細かい空間充填曲線に基づく分割のハイブリッドによる手法である。挿し木法により、領域分割の局所性と幾何形状が改善しており、通信量が従来の空間充填曲線に基づく手法に比べて3分の1に削減された。8GPU並列による性能検証では、コード全体で1.23倍の高速化が確認された。また、強スケーリングにおいてさらに性能の改善が見られ、128GPUの強スケーリングにおいては、従来手法に比べて1.82倍の高速化を示し、2207MLUPS (mega-lattice update per second)の計算性能を達成した。
齋藤 龍郎; 小林 愼一*; 財津 知久*; 下 道國*; 麓 弘道*
保健物理(インターネット), 55(2), p.86 - 91, 2020/06
ウラン廃棄物およびウランを含む鉱さい等廃棄物処分安全の考え方は、まだ完全には確立されていない。その理由は、子孫核種の放射能が蓄積し、数十万年以後に線量のピークが生じるウラン安全性評価の不確実性と、遠い将来発生するラドンによる被ばくである。我々「自然放射性核種を含む廃棄物の放射線防護に関する専門研究会」は、ウラン含有廃棄物と鉱さい等廃棄物に含まれる核種、U-235, U-238とその子孫の処分に関する安全事例を研究し、ICRPやIAEAなどの国際機関の考え方と比較しながら、処分の現状を総括的に議論し、不確実性及びラドン被ばくの取り組むべき重要な問題を提言した。
北村 直登*; 野村 輝*; 斎藤 全*; 小林 秀和; 天本 一平; 武部 博倫*
Journal of the Ceramic Society of Japan, 126(11), p.948 - 951, 2018/11
被引用回数:4 パーセンタイル:16.08(Materials Science, Ceramics)ジルコニウム放射性同位体を含有する安定なガラス廃棄体の製造技術の確立を目指して、ジルコニウムイオン(IV)を含有するFeO-FeO-PO系ガラスの耐水性向上とガラス組成との関係について研究を行った。BaOとZrOが共存する亀裂のないガラスを試験片としてMCC-2高温浸出試験法に基づき120Cの超純水に168時間浸漬したところ、ガラス表面に形成していた干渉縞を伴う被膜が水に対する保護作用を示し、耐水性が向上した。一方、ZrOを1mol%以上充填したガラスマトリックス中に微晶質のZrPOが検出された。ガラス中のZrPO結晶は、Ramanスペクトルによってリン酸塩構造を形成していることが判明した。ガラスの耐水性を向上させる働きのある架橋酸素数がQとQの形成は、ZrPO結晶が優先的に蓄積するために起こるものと考えられる。
天本 一平; 小林 秀和; 北村 直登*; 武部 博倫*; 三田村 直樹*; 都築 達也*; 深山 大元*; 長野 祐一*; Jantzen, T.*; Hack, K.*
Journal of Nuclear Science and Technology, 53(10), p.1467 - 1475, 2016/10
被引用回数:5 パーセンタイル:40.81(Nuclear Science & Technology)福島第一原子力発電所の汚染水処理で発生した汚泥(スラッジ)の廃棄体化技術候補の一つとして、ガラス固化法に着目し、鉄リン酸塩ガラス(IPG)媒体を用いたスラッジ固化処理の適用性について検討を行っている。同検討を進めるにあたり、解析に必要とされる熱物性等のデータを充実させる必要があるが、高温雰囲気において、さまざまな成分と組成のIPG及び模擬廃棄体を作製し、それぞれに対して、多くの物性値を測定することは、時間と困難さを伴う作業となる。よって、理論解析により対象物質の挙動を推測することにより試験件数を減らし、データ取得を行った方が合理的である。本報では、既知の実験状態図から、CALPHAD法により熱力学的諸量を推算し、得られた結果を利用してIPG及び廃棄体の計算状態図を作成するとともに、同状態図から読み取ることのできる均質融体を形成するための情報と実験値との比較評価を行い、計算状態図の妥当性を確認することができた。
伊藤 裕道*; 大田 克; 川原 啓孝; 小林 哲彦; 高松 操; 長井 秋則
JAEA-Technology 2016-008, 87 Pages, 2016/05
高速実験炉「常陽」では、計測線付実験装置の不具合に起因した燃料交換機能の一部阻害に係る復旧措置の一環として、炉心上部機構交換作業を平成26年3月24日に開始し、同年12月17日に完了した。炉心上部機構は、交換することを前提に設計されたものではなく、これまでに交換した実績も有していないため、旧炉心上部機構を引き抜くことができないリスクがあった。このため、旧炉心上部機構ジャッキアップ試験を実施し、旧炉心上部機構を確実に引き抜ける見通しを得た。引き続き、旧炉心上部機構引抜作業を実施し、当該作業を完遂できた。新炉心上部機構据付作業では、装荷前に仮蓋を案内スリーブに通過させることにより装荷に必要なスペースが確保されていることを確認した。また、位置調整・揺動防止のためのガイドローラー及び所定の位置に精度よく据え付けるための拘束治具を使用した。この結果、有害な干渉がなく装荷され、要求据付精度1.02mmに対し、0.350.1mmの精度で据え付けることができた。
高松 操; 川原 啓孝; 伊藤 裕道; 宇敷 洋; 鈴木 信弘; 佐々木 純; 大田 克; 奥田 英二; 小林 哲彦; 長井 秋則; et al.
日本原子力学会和文論文誌, 15(1), p.32 - 42, 2016/03
高速実験炉「常陽」では、平成19年に「計測線付実験装置との干渉による回転プラグ燃料交換機能の一部阻害」が発生し、原子炉容器内において、計測線付実験装置(以下、MARICO-2(MAterial testing RIg with temperature COntrol 2nd))試料部が炉内ラック内の移送用ポットから突出した状態で変形していること、MARICO-2試料部と炉心上部機構(以下、UCS(Upper Core Structure))の接触により、UCS下面に設置されている整流板等が変形していることが確認された。当該燃料交換機能復旧作業の一環として、「常陽」では、平成26年5月よりUCS交換作業を開始し、同年12月に終了した。高放射線・高温環境のSFRにおける原子炉容器内補修(観察を含む)には、軽水炉にはない技術開発が必要であり、その技術レベルを高め、供用期間中の運転・保守に反映することはSFRの信頼性の向上に寄与することができる。SFRにおけるUCSの交換実績は世界でも数少なく、30年以上使用した原子炉容器内の大型構造物の交換作業の完遂により蓄積された経験・知見は、「常陽」のみならず、SFRにおける原子炉容器内観察・補修技術開発に大きく資するものと期待される。
伊藤 裕道; 鈴木 信弘; 小林 哲彦; 川原 啓孝; 長井 秋則; 坂尾 龍太*; 村田 長太郎*; 田中 淳也*; 松坂 康智*; 立野 高寛*
Proceedings of 2015 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2015) (CD-ROM), p.1058 - 1067, 2015/05
高速実験炉「常陽」では、計測線付実験装置の不具合に起因した燃料交換機能の一部阻害の復旧のため、ナトリウム冷却型高速炉における原子炉容器内保守・補修技術の開発を進めている。炉心上部機構と炉心上部機構案内スリーブのギャップは最小5mmと小さいため、旧炉心上部機構引抜時の水平度管理が十分でない場合、炉心上部機構と炉心上部機構案内スリーブが干渉し、旧炉心上部機構の変形等が生じるリスクがある。当該リスクに対応するため、3点支持構造を有するジャッキアップ治具を開発した。また、各ネジジャッキにロードセルを設置し、旧炉心上部機構が炉心上部機構案内スリーブと干渉した場合に生じる荷重変動を検出することにより、旧炉心上部機構の変形等を防止するとともに、干渉位置を同定する手法を開発した。旧炉心上部機構引抜性確認試験は、2014年5月14日に実施され、旧炉心上部機構が1000mm位置まで許容荷重を超過することなく引き抜くことが可能であることを確認した。本作業で蓄積された稀少な知見・経験は、「常陽」の復旧のみならず、ナトリウム冷却型高速炉の原子炉容器内保守・補修技術の開発に大きく資するものと期待される。
天本 一平; 小林 秀和; 横澤 拓磨; 山下 照雄; 永井 崇之; 北村 直登*; 武部 博倫*; 三田村 直樹*; 都築 達也*
Proceedings of 15th International Conference on Environmental Remediation and Radioactive Waste Management (ICEM 2013) (CD-ROM), 8 Pages, 2013/09
東日本大震災で被災した原子炉の冷却に使用している大量の水は、放射性物質で汚染しているため、汚染水の浄化方法や浄化によって発生した廃棄物の安定化法について、国内でさまざまな取り組みがなされている。ここでは、発生した廃棄物の中、BaSOを主成分とするスラッジを対象として、鉄リン酸ガラスを媒体として、スラッジの廃棄体化について検討を行っている。これまでの研究の結果、ストロンチウム核種を含有するBaSOスラッジの廃棄体化に鉄リン酸塩ガラスが十分に機能することが判明した。
小林 秀和; 天本 一平; 横澤 拓磨; 山下 照雄; 永井 崇之; 北村 直登*; 武部 博倫*; 三田村 直樹*; 都築 達也*
Proceedings of 15th International Conference on Environmental Remediation and Radioactive Waste Management (ICEM 2013) (CD-ROM), 6 Pages, 2013/09
福島第一原子力発電所での汚染水処理により生じたスラッジの廃棄体化候補技術として、鉄リン酸塩ガラス(IPG)媒体による固化法の適用性を検討している。本報では、スラッジに含まれる海水成分であるNaClのIPG媒体への充填挙動及びガラス物性を評価するため、100g規模の基礎試験を行った。試験の結果、IPG媒体に対してNaO及びClを約19及び15mol%まで充填できた。NaCl成分の充填によりガラスの架橋構造の分断が生じることで、ガラス転移温度及び結晶化開始温度が低下する傾向が認められた。化学的耐久性については、FeO濃度が高いIPG媒体を用いることでホウケイ酸塩系の高レベルガラスの1/10程度の浸出速度となることがわかった。
天本 一平; 小林 秀和; 北村 直登*; 武部 博倫*; 三田村 直樹*; 都築 達也*
no journal, ,
福島第一原子力発電所での汚染水処理で発生したスラッジ(汚泥)の廃棄体化技術候補として、ガラス固化法も対象になっているため、ガラスによるスラッジの固化処理の検討が進められている。スラッジの固化媒体については、さまざまな材料が提案されているが、ここでは、近年、新たに注目されている鉄リン酸塩ガラスを対象として、CALPHAD法を中心とした理論計算により熱学的諸量を推算した。算出した熱力学的諸量の妥当性を検証するために、同諸量を用いて作成した計算状態図と実験値との比較を行ったこところ、両者が高い精度で一致した。このことから、理論計算手法を用いることで新規媒体に対する信頼性のある熱力学的諸量を整備でき、スラッジ処理技術開発に有効に活用できることが判明した。
小林 秀和; 天本 一平; 北村 直登*; 武部 博倫*; 三田村 直樹*; 都築 達也*
no journal, ,
廃棄体化技術検討の一環として、鉄リン酸塩ガラス(IPG)媒体を用いて模擬スラッジを固化処理する100g規模基礎試験を行った。その結果、スラッジをIPG中に30から50wt%まで添加可能であること、スラッジ添加に伴いQn構造の不均化が進展すること、スラッジを添加したガラスは良好な化学的耐久性を示すことを明らかにした。
鈴木 信弘; 伊藤 裕道; 佐々木 純; 大川 敏克; 川原 啓孝; 小林 哲彦; 坂尾 龍太*; 村田 長太郎*; 田中 淳也*; 松坂 康智*; et al.
no journal, ,
高速実験炉「常陽」における炉心上部機構(UCS)の交換作業は、世界的にも例の少ない大型炉内構造物の補修作業である。UCSは、交換することを前提に設計されたものではなく、これまでに交換した実績も有していない。そのため、旧UCS引抜に際しては、(1)旧UCSと案内スリーブのギャップに存在する蒸着ナトリウムのせん断により生じる抵抗、(2)旧UCSと案内スリーブの干渉・接触により生じる抵抗により、機器の変形等が生じるリスクが懸念された。「常陽」では、UCS交換作業を確実に推進するため、その開始に先立って、精密な荷重管理・水平度管理を行うために開発したジャッキアップ治具を用いた旧UCSジャッキアップ試験を実施し、旧UCS引抜に係るデータを取得することで、これらのリスクを排除し、UCS交換作業を確実に推進できる見込みを得た。
小林 秀和; 捧 賢一; 天本 一平; 北村 直登*; 武部 博倫*; 中村 洋貴*; 三田村 直樹*; 都築 達也*
no journal, ,
鉄リン酸ガラスは、アルカリ/アルカリ土類, 遷移金属, 希土類等の様々な元素をガラス構造中に溶解でき、化学的耐久性にも優れた材料であることから、放射性廃棄物の固化マトリックスとして注目されている。最近では、溶融方式(ジュール加熱, 誘導加熱)や溶融炉材料(耐火物, 電極)の評価も行われる等、鉄リン酸ガラスの実用化に向けた技術開発が進展している。このような動向を踏まえ、本研究では、高レベル廃液処理への鉄リン酸ガラスの適用性調査として、マトリックス組成及び廃棄物含有率をパラメータにガラス化挙動を評価した。その結果、廃棄物含有率15wt%までは白金族化合物以外の析出物は生成せず、同20wt%以上ではZr含有リン酸塩結晶が相分離し始めること、廃棄物含有ガラスは良好な耐浸出性を有することを確認した。
藤澤 政晴*; 武部 博倫*; 小林 秀和; 天本 一平
no journal, ,
使用済核燃料の再処理工程で生じる高レベル放射性廃液を常圧下で蒸発濃縮させるとMoとZrとの化学反応により、結晶性のモリブデン酸ジルコニウムを主成分とする沈殿物が生成することが知られている。しかし、従来の高レベル放射性廃液の固化媒体であるホウケイ酸塩ガラスは、Moを取り込むことで水に易溶性な相が形成されやすいという問題がある。この現象を克服するために、新しい放射性廃棄物固化ガラスとして、耐水性に優れ金属酸化物を多く含有可能である鉄リン酸塩ガラスが期待されている。本研究では、沈殿物主成分の一つであるMoに着目し、MoOを添加した鉄リン酸塩ガラスの耐水性とガラス構造の関係について調査し、鉄リン酸塩ガラスの有効性を確認している。
長谷川 雄太; 青木 尊之*; 小林 宏充*; 白崎 啓太*
no journal, ,
自転車のロードレースの空力解析のため、大規模LES計算を実装および実行する。複数GPU計算を行うため、コヒーレント構造スマゴリンスキーモデルを導入した細分化格子LBMを用いた。単体走行および4人の集団走行の検証計算は、既往研究の実験および計算の結果とよく一致した。大規模計算のベンチマークとして72人の自転車の集団の空力解析を実施し、192GPUを用いて4日で計算を完了した。この計算コストは、応用解析に対して十分実用的である。
長谷川 雄太; 青木 尊之*; 小林 宏充*; 井戸村 泰宏; 小野寺 直幸
no journal, ,
格子ボルツマン法を用いた空力解析を対象として、ブロック適合細分化格子法(AMR)を実装した。AMRにはforest-of-octreesに基づく木構造データを用い、領域分割法として空間充填曲線(SFC)を用いた。袖領域通信の削減のため、SFCに基づく領域分割に対して挿木法を提案した。これは、計算領域をいくつかの小領域に分割し、粗い構造格子的な領域分割と、細かいSFCによる領域分割に基づく階層的な領域分割を与える手法である。挿木法は、分割された領域の局所性を改善するとともに、袖領域の通信量および隣接プロセス数を削減することができる。Tesla V100 GPUスパコンで強スケーリングを測定したところ、挿木法により、従来のSFCに比べて1.82倍の高速化、および、128GPUで2207MLUPSの計算性能を達成した。
小林 秀和; 天本 一平; 横澤 拓磨; 山下 照雄; 永井 崇之; 北村 直登*; 武部 博倫*; 三田村 直樹*; 都築 達也*
no journal, ,
福島第一原子力発電所での汚染水処理により発生したスラッジの固化媒体候補の一つとして、鉄リン酸塩ガラス(IPG)媒体に着目した試験検討を実施している。本報では、IPG媒体によりスラッジ成分の一つである塩化ナトリウム(NaCl)を固定化(ガラス化)するための条件及びNaCl充填IPGの熱特性について検討した。その結果、IPG媒体とNaClの混合比9:1において均質なNaCl充填IPGが作製できること及びNaCl充填により結晶化しやすくなることがわかった。
武部 博倫*; 北村 直登*; 天本 一平; 小林 秀和; 三田村 直樹*; 都築 達也*
no journal, ,
東日本大震災で破損した原子炉の冷却に使用した大量の水が、福島第一原子力発電所内に滞留している。滞留水は、放射性物質によって汚染されているため、冷却水として再利用するに当たり、除染処理を行ったところ、スラッジが発生した。スラッジの安定化については、鉄リン酸塩ガラス(IPG)を固化媒体候補として用いることにし、予察試験として、IPGと模擬スラッジ(BaSOとフェロシアン化ニッケルカリウム)を混合後、溶融しその挙動をサーモカップル試験装置を用いて、顕微鏡で直接観察した。次に、固化体原料をPtるつぼに入れ、空気中で加熱し、急冷することによりガラス固化体試料を作製した。固化体原料は、昇温過程において分解したため、最終的な固化体の成分は酸化物のみとなった。作製した固化体のガラス転移点(Tg)、結晶化開始温度(Tx)は、示差熱分析により求めた。また結晶化に対する固化体の熱的安定性については、TgとTxの差により決定した。耐水性は、MCC-2法を用いて、試料を120Cの熱水に72時間浸漬し、所定の重量変化から決定した。IPGの架橋構造評価は、ラマン分光法によった。模擬スラッジと溶融した固化媒体の最適組成を示すO/Pは、熱的安定性と耐水性から評価した。
北村 直登*; 斎藤 全*; 武部 博倫*; 天本 一平; 小林 秀和; 都築 達也*; 三田村 直樹*
no journal, ,
福島原子力発電所での冷却水処理に用いられた凝集沈殿法によりBaSOを主成分とする二次放射性スラッジが発生している。鉄リン酸塩(FeOx-PO)ガラスを用いたガラス固化法での溶融時にBaSOはBaOに分解することから、BaO-FeOx-PO系ガラスについて、鉄の価数を滴定法で評価し、耐水性に関係のある溶出挙動を調査した。試料は重量変化、溶液のpH、巨視的外観並びに微細構造及びガラス構造の変化を評価し、浸出挙動の組成依存性を検討した。