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論文

Ground-state configuration of the $$N=157$$ nucleus $$^{259}$$No

浅井 雅人; 塚田 和明; 阪間 稔*; 羽場 宏光*; 市川 隆敏*; 石井 康雄; 豊嶋 厚史; 石井 哲朗; 西中 一朗; 永目 諭一郎; et al.

Physical Review C, 87(1), p.014332_1 - 014332_6, 2013/01

 被引用回数:6 パーセンタイル:42.80(Physics, Nuclear)

$$^{259}$$Noの基底状態のスピン・パリティ,中性子軌道配位を$$alpha$$崩壊核分光により初めて実験的に同定した。$$^{259}$$Noは、これまでにスピン・パリティや一粒子軌道配位が同定された原子核の中で最も中性子数の多い原子核である。本研究により$$^{259}$$Noの基底状態と娘核$$^{255}$$Fmの231.4keV励起準位の中性子軌道配位が9/2$$^{+}$$[615]と同定され、この領域の原子核における中性子一粒子軌道のエネルギー間隔と順序が明らかになった。中性子数$$N$$=157における9/2$$^{+}$$[615]基底状態の出現は、$$N$$=152と$$N$$=162に存在する変形殻ギャップ間の中性子軌道のエネルギー順序が中性子数が増えるにつれて大きく変化していることを示唆している。

論文

Neutron one-quasiparticle states in $$^{251}$$Fm$$_{151}$$ populated via the $$alpha$$ decay of $$^{255}$$No

浅井 雅人; 塚田 和明; 羽場 宏光*; 石井 康雄; 市川 隆敏*; 豊嶋 厚史; 石井 哲朗; 永目 諭一郎; 西中 一朗; 小島 康明*; et al.

Physical Review C, 83(1), p.014315_1 - 014315_12, 2011/01

 被引用回数:26 パーセンタイル:80.42(Physics, Nuclear)

$$^{255}$$Noの$$alpha$$崩壊によって励起される$$^{251}$$Fmの励起準位を、$$alpha$$-$$gamma$$同時計数測定並びに$$alpha$$線微細構造測定により詳細に調べた。測定で得られた$$gamma$$遷移の内部転換係数や寿命,一準粒子軌道状態の回転バンドのエネルギー,$$alpha$$遷移の抑止係数をもとに、$$^{251}$$Fmの励起準位と$$^{255}$$Noの基底状態のスピン・パリティ並びに中性子軌道配位を実験的に決定した。中性子数151の原子核における1/2$$^{+}$$[620]準位の励起エネルギーは、陽子数の増加に伴って特に陽子数100以上の原子核において顕著に増加するが、1/2$$^{+}$$[631]準位のエネルギーは陽子数100において減少することが明らかとなった。これらの一準粒子軌道状態のエネルギーの系統性から、陽子数の増加に伴って原子核の変形がどのように変化しているのかを、16重極変形や64重極変形といった高次の変形まで含めて議論した。

論文

$$Q_{beta}$$ measurements of $$^{158,159}$$Pm, $$^{159,161}$$Sm, $$^{160-165}$$Eu, $$^{163}$$Gd and $$^{166}$$Tb using a total absorption BGO detector

林 裕晃*; 秋田 幸範*; 末松 倫*; 柴田 理尋*; 浅井 雅人; 佐藤 哲也; 市川 進一; 西中 一朗; 永目 諭一郎; 長 明彦; et al.

European Physical Journal A, 34(4), p.363 - 370, 2007/12

 被引用回数:17 パーセンタイル:72.20(Physics, Nuclear)

全吸収BGO検出器を用いて$$^{160-165}$$Euと$$^{163}$$Gdの$$Q_{beta}$$を初めて測定し、また過去に測定した$$^{158,159}$$Pm, $$^{159,161}$$Sm, $$^{166}$$Tbのデータを再解析した。これらの核種は、原子力機構東海タンデム加速器施設において$$^{238}$$Uの陽子誘起核分裂で合成し、オンライン同位体分離装置を用いて核反応生成物の中から分離した。得られた質量偏差と2中性子分離エネルギーの値を、原子質量評価値や理論計算の値と比較した。

論文

$$alpha$$ decay of $$^{238}$$Cm and the new isotope $$^{237}$$Cm

浅井 雅人; 塚田 和明; 市川 進一; 阪間 稔*; 羽場 宏光*; 西中 一朗; 永目 諭一郎; 後藤 真一*; 小島 康明*; 大浦 泰嗣*; et al.

Physical Review C, 73(6), p.067301_1 - 067301_4, 2006/06

 被引用回数:21 パーセンタイル:75.70(Physics, Nuclear)

ガスジェット結合型オンライン同位体分離器を用いて$$^{237}$$Cm及び$$^{238}$$Cmの$$alpha$$崩壊を研究した。新核種$$^{237}$$Cmを初めて同定し、その$$alpha$$崩壊の遷移エネルギーが6656keVであることを明らかにした。$$^{238}$$Cmの$$alpha$$線エネルギーを精度よく再決定し、娘核$$^{234}$$Puの第1励起準位へ遷移する$$alpha$$線の観測にも成功した。$$^{234}$$Puの第1励起準位のエネルギーは、他のPu同位体のそれに比べてかなり高いことが明らかになった。

論文

$$beta$$-decay half-lives of new neutron-rich rare-earth isotopes $$^{159}$$Pm, $$^{162}$$Sm, and $$^{166}$$Gd

市川 進一; 浅井 雅人; 塚田 和明; 羽場 宏光*; 永目 諭一郎; 柴田 理尋*; 阪間 稔*; 小島 康明*

Physical Review C, 71(6), p.067302_1 - 067302_4, 2005/06

 被引用回数:19 パーセンタイル:74.80(Physics, Nuclear)

ガスジェット搬送装置と結合したオンライン同位体分離器を用い、ウランの陽子誘起核分裂で生成する中性子過剰未知希土類核、$$^{159}$$Pm, $$^{162}$$Sm, $$^{166}$$Gdを発見し、それぞれの半減期を1.5$$pm$$0.2s, 2.4$$pm$$0.5s, 4.8$$pm$$1.0sと決定した。また、$$^{166}$$Gdについては部分崩壊図式を構築した。さらに、以前に見いだした$$^{166}$$Tbの半減期を精度よく再測定し25.6$$pm$$2.2sと決定した。本研究で見いだした新核種の半減期は、大局的理論で予測された半減期と良い一致を見た。

論文

Proton-neutron configurations in $$^{236g,m}$$Am and its EC-decay daughter $$^{236}$$Pu

浅井 雅人; 阪間 稔*; 塚田 和明; 市川 進一; 羽場 宏光*; 西中 一朗; 永目 諭一郎; 後藤 真一*; 小島 康明*; 大浦 泰嗣*; et al.

European Physical Journal A, 23(3), p.395 - 400, 2005/02

 被引用回数:16 パーセンタイル:70.93(Physics, Nuclear)

$$gamma$$線核分光の手法により$$^{236}$$AmのEC崩壊を研究した。$$^{236}$$Amには半減期3.6分と2.9分の2つの核異性体があることがわかった。娘核$$^{236}$$Puの励起準位を構築し、$$K^{pi}=0^{-}$$の8重極振動バンドと2準粒子状態を同定した。2準粒子状態のうちの1つは半減期1.2$$mu$$秒のKアイソマーであった。$$^{236g,m}$$Amから$$^{236}$$Puの2準粒子状態へのEC遷移は$$log ft$$=4.8-5.3という小さい値を示し、この事実から$$^{236g,m}$$Amと2準粒子状態の陽子-中性子配位を決定した。

論文

EC and $$alpha$$ decays of $$^{235}$$Am

浅井 雅人; 阪間 稔*; 塚田 和明; 市川 進一; 羽場 宏光*; 西中 一朗; 永目 諭一郎; 後藤 真一*; 小島 康明*; 大浦 泰嗣*; et al.

European Physical Journal A, 22(3), p.411 - 416, 2004/12

 被引用回数:9 パーセンタイル:51.03(Physics, Nuclear)

$$^{235}$$AmのEC及び$$alpha$$崩壊を$$gamma$$線核分光の手法により調べた。$$^{235}$$Puの励起準位を初めて構築し、予備的ではあるが準位のスピン・パリティ及びニールソン軌道を同定した。実験結果から$$^{235}$$Amの基底状態の軌道配位を$$pi5/2^{-}[523]$$と評価した。一方$$^{231}$$Npの$$pi5/2^{-}[523]$$準位のエネルギーは15keV以下であることがわかり、実験で得られた$$alpha$$線のエネルギー値と合わせて、$$^{235}$$Amの$$Q_{alpha}$$値を6569$$^{+27}_{-12}$$keVと決定した。

論文

$$alpha$$-decays of neutron-deficient americium isotopes

阪間 稔*; 浅井 雅人; 塚田 和明; 市川 進一; 西中 一朗; 永目 諭一郎; 羽場 宏光*; 後藤 真一*; 柴田 理尋*; 河出 清*; et al.

Physical Review C, 69(1), p.014308_1 - 014308_11, 2004/01

 被引用回数:23 パーセンタイル:75.65(Physics, Nuclear)

原研タンデム加速器から得られる$$^{6}$$Liビームを用いてウラン同位体$$^{233,235}$$Uを照射し、中性子欠損アメリシウム同位体$$^{233,234,235,236}$$Amを合成した。核反応生成生物はガスジェット結合型オンライン同位体分離器により、選択的に分離され放射線測定から同定された。$$^{235}$$Amのアルファ壊変を初めて観測するとともに、$$^{233,234,236}$$Amのアルファ壊変データを詳細に調べ、これら同位体のアルファ壊変に伴う阻害因子に関して新たな知見を得た。

論文

$$gamma$$-ray spectroscopy for neutron-rich A$$approx$$160-170 nuclei; The $$beta^{-}$$ decay of $$^{159}$$Pm, $$^{160-162}$$Sm, $$^{162}$$Eu, $$^{164-166}$$Gd, and $$^{166-168}$$Tb

浅井 雅人; 市川 進一; 塚田 和明; 長 明彦; 西中 一朗; 永目 諭一郎; 小島 康明*; 柴田 理尋*

Fission and Properties of Neutron-Rich Nuclei; Proceedings of 3rd International Conference, p.227 - 232, 2003/10

陽子誘起核分裂で生成する質量数160-170領域の中性子過剰核をオンライン同位体分離装置を用いて質量分離し、$$beta$$崩壊$$gamma$$線核分光の手法により核構造を研究した。$$^{159}$$Pm,$$^{161,162}$$Sm,$$^{165,166}$$Gdの観測に初めて成功し半減期を決定するとともに、娘核のエネルギー準位を明らかにした。また$$^{162}$$Eu,$$^{164}$$Gdの崩壊$$gamma$$線の測定にも成功し、その結果から$$^{162}$$Euの基底状態のスピンが5あるいは6であると推定された。

論文

Identification of the new isotope $$^{241}$$Bk

浅井 雅人; 塚田 和明; 市川 進一; 阪間 稔*; 羽場 宏光*; 永目 諭一郎; 西中 一朗; 秋山 和彦; 豊嶋 厚史; 金子 哲也*; et al.

European Physical Journal A, 16(1), p.17 - 19, 2003/01

 被引用回数:8 パーセンタイル:49.98(Physics, Nuclear)

原研タンデム加速器に付設されたガスジェット搬送装置結合型オンライン同位体分離装置を用いて新核種$$^{241}$$Bkを初めて同定した。$$^{241}$$BkのEC崩壊に伴うX線及び3本の$$gamma$$線を確認し、半減期を4.6分と決定した。半減期の値と観測された$$gamma$$線のエネルギーや強度は、$$^{241}$$Bkの基底状態$$pi 7/2^{+}[633]$$から娘核の励起準位$$nu 7/2^{+}[624]$$へのEC遷移を考えることで無理なく説明できる。

論文

Nuclear decay properties of the neutron-deficient actinides

阪間 稔*; 塚田 和明; 浅井 雅人; 市川 進一; 羽場 宏光; 後藤 真一*; 西中 一朗; 永目 諭一郎; 大浦 泰嗣*; 小島 康明*; et al.

Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.34 - 37, 2002/11

中性子欠損アクチノイド核$$^{233,234,235,236}$$Am並びに$$^{237,238}$$Cmの壊変特性をガスジェット結合型オンライン同位体分離装置を用いて調べた。これらの核種は、タンデム加速器から得られる$$^{6}$$Liビームを用いて$$^{233,235}$$U,$$^{237}$$Npターゲットを照射して合成した。この中で$$^{233}$$Amと$$^{237}$$Cmは新アイソトープとして同定した。また$$alpha$$壊変エネルギーと$$alpha$$壊変半減期の系統性に基づき、本研究で初めて観測した$$^{233}$$Am及び$$^{235}$$Amの$$alpha$$壊変遷移に関して考察した。

論文

Measurements of EC and weak $$alpha$$ decays of neutron-deficient transuranium isotopes

浅井 雅人; 阪間 稔; 塚田 和明; 市川 進一; 羽場 宏光; 西中 一朗; 永目 諭一郎; 後藤 真一; 小島 康明*; 大浦 泰嗣*; et al.

Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.2), p.474 - 477, 2002/08

中性子欠損領域に位置する短寿命アメリシウム及びキュリウム同位体をタンデム加速器を用いて合成し、イオン化・同位体分離することでそれらのEC崩壊及び微弱な$$alpha$$崩壊を観測した。$$^{235, 236}$$AmのEC崩壊に伴う$$gamma$$線の観測から崩壊図式を作成し、親核及び娘核における陽子中性子の配位を決定した。$$^{233, 235}$$Amで観測された$$alpha$$崩壊は$$pi 5/2^{-}[523]$$軌道間の主$$alpha$$遷移であることがわかった。これらのデータからこの領域の原子核の核構造,変形度,原子質量などを明らかにした。

論文

Decay studies of neutron-deficient Am, Cm, and Bk nuclei using an on-line isotope separator

浅井 雅人; 阪間 稔*; 塚田 和明; 市川 進一; 羽場 宏光; 西中 一朗; 永目 諭一郎; 後藤 真一*; 秋山 和彦; 豊嶋 厚史; et al.

Journal of Nuclear and Radiochemical Sciences, 3(1), p.187 - 190, 2002/06

オンライン同位体分離装置を用いて質量分離した中性子欠損アメリシウム,キュリウム,バークリウムのEC及び$$alpha$$崩壊について調べた。$$^{235, 236}$$Amの崩壊図式を作成し、親核及び娘核における陽子中性子の配位を決定した。$$^{233, 235}$$Amで観測された$$alpha$$崩壊は$$pi 5/2^{-}[523]$$軌道間の主$$alpha$$遷移であることがわかった。$$^{237, 238}$$Cmの$$Q_{alpha}$$値を決定した。これらの情報からこれらの原子核の核構造,変形度,原子質量を議論した。

論文

Q$$_{beta}$$ determination of neutron-rich isotope $$^{144}$$La with a total absorption detector

柴田 理尋*; 進藤 晃成*; 谷口 秋洋*; 小島 康明*; 河出 清*; 市川 進一; 川瀬 洋一*

Journal of the Physical Society of Japan, 71(5), p.1401 - 1402, 2002/05

 被引用回数:8 パーセンタイル:49.73(Physics, Multidisciplinary)

$$^{235}$$Uの中性子核分裂で生成する、半減期40.8秒の$$^{144}$$Laの$$beta$$線最大エネルギーを2台のBGO結晶で構成された全吸収検出器で測定した。実験は、京都大学原子炉実験所に設置された質量分離器を用いて行った。検出器のエネルギー補正をQ$$_{beta}$$が正確に決定されている。$$^{91,92,93}$$Rb,$$^{139,140,141}$$Csで行った後、$$^{144}$$Laの測定を進めQ$$_{beta}$$を5.54$$pm$$0.10MeVと決定した。決定した値は、Audiらの評価値ならびに質量公式(KUTY)の理論値5.56MeVと良い一致を示した。

論文

Performance of the multiple target He/PbI$$_{2}$$ aerosol jet system for mass separation of neutron-deficient actinide isotopes

市川 進一; 塚田 和明; 浅井 雅人; 羽場 宏光; 阪間 稔*; 小島 康明*; 柴田 理尋*; 永目 諭一郎; 大浦 泰嗣*; 河出 清*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 187(4), p.548 - 554, 2002/04

 被引用回数:15 パーセンタイル:67.27(Instruments & Instrumentation)

重イオン核融合反応で生成する中性子欠損アクチノイド核のオンライン同位体分離を目的に、多層標的槽,ガスジェット搬送装置ならびに熱イオン源から構成されるオンライン・システムを構築した。本システムは、$$^{141}$$Pr($$^{6}$$Li,4n)反応で生成する$$^{143m}$$Smを11%の効率で、$$^{233}$$U($$^{6}$$Li,4n)反応で生成する$$^{235}$$Amを0.3~0.4%の効率で分離できる。さらに、反応で生成した核種の分離にかかわる時間は1~2秒で、かつ100時間以上の連続した実験に使用可能である。本システムによる未知核種の探索では、$$^{237}$$Np($$^{6}$$Li,4n)反応で生成する、$$^{237}$$Cmの発見に成功した。この時の$$^{237}$$Cmの生成断面積は1$$mu$$bと予測された。

論文

Normalization of $$gamma$$-$$gamma$$ angular correlation coincidence counts using characteristic X-rays

浅井 雅人*; 河出 清*; 柴田 理尋*; 小島 康明*; 長 明彦; 小泉 光生; 関根 俊明

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 463(1-2), p.205 - 212, 2001/05

 被引用回数:3 パーセンタイル:28.15(Instruments & Instrumentation)

われわれは3個以上のGe検出器を用いる$$gamma$$線角度相関測定において、異なる効率を持つ検出器の組み合せから得られる同時計数値を規格化する新しい方法を提案する。この方法は内部転換や軌道電子捕獲に伴って放出される特性KX線が$$gamma$$線と同時計数され、特性KX線が等方的に放出されることを利用する。角度相関の決定には、目的の$$gamma$$線とKX線の強度比を求めるだけでよく、検出器効率も、単一Ge検出器による$$gamma$$線強度も必要としないことが特徴である。この方法の有用性はオンライン質量分離された$$^{126}$$Laと$$^{128}$$La線源で実証した。

論文

Application of a total absorption detector to Q$$_{beta}$$ determination without the knowledge of the decay scheme

柴田 理尋*; 小島 康明*; 鵜野 浩行*; 河出 清*; 谷口 秋洋*; 川瀬 洋一*; 市川 進一; 前川 藤夫; 池田 裕二郎

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 459(3), p.581 - 585, 2001/03

 被引用回数:8 パーセンタイル:86.05(Instruments & Instrumentation)

崩壊前後の質量差を意味する、$$beta$$線最大エネルギーの測定に用いる全吸収検出器を開発した。本検出器はGe並びにSi検出器に比べ約二桁効率が高く、かつ崩壊に伴い放出される全ての$$gamma$$線と$$beta$$線の検出が可能である。これにより、崩壊図式が未知あるいは不完全な核種から放出される、10MeVまでの、$$beta$$線最大エネルギーを決定することができる。本検出器を、ウラン-235の熱中性子核分裂で生成するQ$$_{beta}$$が未決定の$$^{151}$$Ceを対象に$$beta$$線最大エネルギーの測定に応用した。その結果、$$^{151}$$CeのQ$$_{beta}$$を5.27(20)MeVと、初めて決定することに成功した。

論文

New isotope $$^{233}$$Am

阪間 稔*; 塚田 和明; 浅井 雅人; 市川 進一; 羽場 宏光; 後藤 真一*; 大浦 泰嗣*; 西中 一朗; 永目 諭一郎; 柴田 理尋*; et al.

European Physical Journal A, 9(3), p.303 - 306, 2000/11

 被引用回数:17 パーセンタイル:65.94(Physics, Nuclear)

原研タンデム加速器及びガスジェット結合型オンライン同位体分離装置を用いて、中性子欠損未知アメリシウム同位体$$^{233}$$Amを初めて同定した。$$^{233}$$Amの$$alpha$$崩壊を観測し、半減期3.2$$pm$$0.8分、$$alpha$$線エネルギー6780$$pm$$17keVと決定した。これらの値と$$alpha$$崩壊分岐比から、観測された$$^{233}$$Amの$$alpha$$崩壊は主$$alpha$$遷移であることがわかった。

論文

Spectroscopic studies of mass-separated heavy nuclei

浅井 雅人; 阪間 稔*; 塚田 和明; 市川 進一; 羽場 宏光; 西中 一朗; 永目 諭一郎; 後藤 真一*; 小島 康明*; 大浦 泰嗣*; et al.

AIP Conference Proceedings 561, p.358 - 367, 2000/09

重核・超重核の核構造や安定性は、これまで高感度の$$alpha$$線測定によって調べられてきた。しかし$$gamma$$線核分光や$$alpha$$崩壊確率の非常に小さい核種を測定する場合、多数の核反応生成物から目的とする核種を分離する必要がある。本研究では、原研タンデム加速器に付設されたオンライン同位体分離装置を用いて短寿命のAm,Cm同位体を分離し、$$alpha$$及び$$gamma$$線核分光を行った。$$^{233,235}$$Amの原子核質量を決定し、予測値より100-200keV小さいことを明らかにした。またされらの$$alpha$$崩壊は主$$alpha$$遷移であることがわかった。$$^{236}$$AmのEC崩壊$$alpha$$線核分光により、$$^{236}$$Amの基底状態と核異性体準位の陽子中性子配位を決定し、娘核の励起準位の性質を明らかにした。

論文

Decay studies of neutron-rich isotopes produced in proton-induced fission of actinides

市川 進一; 浅井 雅人*; 塚田 和明; 西中 一朗; 永目 諭一郎; 長 明彦; 柴田 理尋*; 河出 清*; 小島 康明*; 阪間 稔*; et al.

Proceedings of 2nd International Conference on Fission and Neutron-rich Nuclei, p.203 - 205, 2000/03

これまで見いだした6つの中性子過剰希土類核の核的性質について議論した。実験で求めた半減期と理論で予測された半減期との比較から、これら核種はより不安定であることが明らかとなった。決定した$$^{166}$$Tb, $$^{167}$$Tb, $$^{168}$$Tbの崩壊図式から娘核種の変形度にかかわる情報を取り出し、近傍の核種と比較した。その結果、偶-偶核では中性子数98の$$^{164}$$Dy、次いで中性子数102の$$^{163}$$Dyが、奇質量核では中性子数97の$$^{163}$$Dyが大きく変形していることがわかった。また、会議では最近見いだした二つの核種$$^{162}$$Sm, $$^{166}$$Gdについても報告した。

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