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立川 崇之; 手島 直哉*; 櫛田 慶幸; 宮村 浩子; Kim, G.; 武宮 博
High Performance Computing on Vector Systems 2011, p.107 - 117, 2012/01
原子力分野において実験装置の大規模化,計算機の性能向上に伴い、実験,シミュレーションが大規模なものになっている。これに伴い、出力される実験データ,シミュレーションデータも大規模化している。今後の原子力分野の研究において、得られた大規模データを効率よく解析し、有用な情報を得ることが必要となる。われわれは大規模データの解析に対し研究者が随時利用できるシステムを構築しており、今回2つの要素技術について取り上げる。1つは特定処理を高速化するプロセッサを用いて、データ解析を高速化する方法である。もう1つは多数の汎用PCに対し大規模データを分散記録し、解析処理を並列に行う方法である。これらの要素技術を用いたデータ解析システムの開発成果について発表する。この技術は原子力課題において、実験やシミュレーションから得られる大規模データ解析を高速化するための、計算機基盤技術である。
鈴木 喜雄; 櫛田 慶幸; 立川 崇之; 手島 直哉; Caniou, Y.*; Guivarch, R.*; Dayde, M.*; Ramet, P.*
Proceedings of Joint International Conference of 7th Supercomputing in Nuclear Application and 3rd Monte Carlo (SNA + MC 2010) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2010/10
CNRSとJSTが進める戦略的国際科学技術推進事業『仏国との「コンピュータサイエンスを含む情報通信技術」分野における研究交流』の下で実施している国際的マトリクスソルバー予測システムの研究開発(REDIMPS)プロジェクトにおいて、日仏間国際グリッドコンピューティング環境を構築し、本環境を利用できるようにマトリクスソルバー予測システムを設置して、本システムの機能を向上することを目的とした研究開発を実施した。具体的には、日本側のグリッドコンピューティング技術に仏国側のマトリクスソルバー予測技術を組合せ、日仏でそれぞれ開発したソルバーを追加し、日仏の理工学分野にかかわる計算科学研究者が、自身の有するアプリケーションプログラムに最適なマトリクスソルバーを選び出すことができる環境を実現した。これにより、両国の研究者に対し、各研究者自らアプリケーションプログラムの高速化等に有益な情報を取得できる場を提供することができた。
水越 保貴; 櫛田 尚也
Proceedings of 47th Annual Meeting of the Working Group "Hot Laboratories and Remote Handling" (HOTLAB 2010) (CD-ROM), 4 Pages, 2010/09
照射燃料集合体試験施設は、高速増殖炉の高性能燃料の開発を目的として、原子炉で照射された燃料要素のさまざまな研究をするための核燃料物質使用施設(以下、使用施設)である。使用施設では、非密封のプルトニウムやウランなどの核燃料物質の漏えいや作業員の放射線障害を防止するために、放射線の遮蔽,密封,負圧保持といった閉じ込め機能を有する気密型ホットセルやグローブボックスを設置し、その中で核燃料物質を取り扱う。原子炉で照射された燃料要素(ウランとプルトニウムの混合酸化物燃料等)の破壊試験を実施するため、核種を取り扱う気密型ホットセル(ホットセル)を有している。このホットセルでは、セル内の負圧を保持するために使用している機器などの補修は、核燃料物質の漏えいを防止し、作業員の被ばく低減に考慮しながら行う必要がある。本報では、FMFで確立したホットセルの核燃料物質の閉じ込め機能を維持(ホットセルを運転)した状態で負圧を調整する排気弁を更新する方法について報告する。
水越 保貴; 櫛田 尚也
JAEA-Technology 2010-011, 16 Pages, 2010/06
金相セルでは原子炉で照射した燃料ピンの切断,研磨及び機器分析等の照射後試験を長年実施しており、セル内部は放射性核種を含む核燃料物質等の放射性物質により高いレベルで汚染されている。このような雰囲気セルは法令上及び安全上から常に負圧を維持する必要があるため、排気自動制御弁などのセル空調機器を更新する際は、常時負圧を維持した状態での作業、もしくはセル内の放射性物質を除染した後での作業が要求される。金相セルの排気自動制御弁を更新する方法としては、設計当初セル内の放射性物質を除染した後、セルの排気運転を停止し排気制御弁を更新する方法としていたが、本方法のデメリットとして整備期間が1年間以上にわたるうえ、核燃料物質使用変更許可申請の手続き等膨大な労力が必要である。当該セルには燃料挙動解析用の分析機器が配備され外部からの試験ニーズも非常に高く、1年間以上もセルの使用ができないことは多方面への影響も大きくなる。したがって、今回セルとして負圧維持を常時行いながら排気制御弁を更新する方法を考案し実施した。これにより、放射性廃棄物の削減,セルの使用停止期間の短縮,排気制御弁更新にかかわる経費の大幅節減を達成した。
坂本 直樹; 吉川 勝則; 櫛田 尚也; 勝山 幸三; 永峯 剛
Proceedings of 46th Annual Meeting of "Hot Laboratories and Remote Handling" Working Group (HOTLAB 2009) (CD-ROM), 5 Pages, 2009/09
日本原子力研究開発機構の照射燃料集合体試験施設(Fuels Monitoring Facility:以下「FMF」)は、高速実験炉「常陽」など高速炉で照射したプルトニウム含有燃料集合体の照射後試験を行うための施設として1978年にホットインした。FMFは、使用済燃料を集合体単位で取扱うために、高い遮へい性能のあるホットセルを有するだけでなく、大型のホットセル(試験セル)を設置している。そして、この試験セル内は、集合体や燃料ピンの解体時に試験試料の酸化等の影響をなくすため、常時、窒素ガス雰囲気になっていることが特徴である。一方、試験セル内に設置されている機器は、経年劣化に加えて高放射線による劣化が著しいため、性能を維持するためには定期的なメンテナンスが必要である。しかし、被ばくの観点から作業員がセル内で作業することは困難であるため、セル外から遠隔でメンテナンスできるように設計されている。本報では、セル内クレーン設備を中心としたFMFの遠隔保守技術の有効性と、この約30年間に渡る遠隔保守の実績について報告する。
鈴木 喜雄; 櫛田 慶幸; 手島 直哉; 中島 康平; 西田 明美; 中島 憲宏
High Performance Computing on Vector Systems 2008, p.65 - 77, 2009/00
日本原子力研究開発機構システム計算科学センターでは、計算科学研究のための基盤構築に向け、1995年以来グリッドコンピューティングの研究開発を実施している。それらの一つがITBL基盤ソフトウェアの研究開発である。ITBLは、e-Japan戦略のもと実施されたe-Japan重点計画の一つとして実施された国家プロジェクトである。ITBL基盤ソフトウェアの技術を継承することにより、原子力研究のための知的基盤の構築を目指し、原子力グリッド基盤AEGISの研究開発を実施している。ここで、計算科学の進展とAEGIS環境の拡大を目指し、さまざまな分野にて国際協力を実施している。このため、AEGISと他のグリッドミドルウェアの相互接続環境を構築するためのシステムを構築した。
鈴木 喜雄; 西田 明美; 新谷 文将; 櫛田 慶幸; 阿久津 拓; 手島 直哉; 中島 康平; 近藤 誠; 林 幸子; 青柳 哲雄; et al.
Journal of Power and Energy Systems (Internet), 3(1), p.60 - 71, 2009/00
原子力機構システム計算科学センターでは、原子力プラントの全容解析のための大規模シミュレーション技術の研究開発を実施している。特に、原子力プラントの震動応答解析のため、スーパーコンピュータを複数台接続した環境での3次元仮想振動台の構築を進めている。原子力プラントの全容シミュレーションでは、大規模なデータを処理することが課題となる。この課題克服のため、われわれは、シミュレーションのフレームワークとコンピュータのプラットフォームを提案し、構築した。コンピュータプラットフォームでは、グリッドコンピューティング基盤ITBL-IS及びAEGISにより、大規模な原子力プラントの全容シミュレーションを可能とした。また、本プラットフォームをベースとしたシミュレーションフレームワークでは、原子力施設HTTRの圧力容器と冷却システムに対する線形弾性解析に成功した。
Caniou, Y.*; 櫛田 慶幸; 手島 直哉
Proceedings of 2nd International Conference on Advanced Engineering Computing and Applications in Sciences (ADVCOMP 2008) (CD-ROM), p.205 - 210, 2008/09
本論文では、国際的疎行列解法エキスパートシステムの構築に向けたAEGIS-DIETグリッドミドルウェアの相互運用法について、その方法論及び構造について明らかにした。ここでは、相互運用の実現のために、特に、各グリッドミドルウェアが独自に持つプロトコル(通信方法)の変換に注目し実現を行った。エキスパートシステムのなかで用いられる疎行列解法はコンピュータの特性により性能が変化するため、相互運用によりもたらされる計算機の多様性は、エキスパートシステムの精度に良いインパクトをもたらす。
坂本 直樹; 吉川 勝則; 櫛田 尚也; 中村 保雄; 助川 清志*
日本保全学会第5回学術講演会要旨集, p.226 - 230, 2008/07
宇宙開発分野,海洋技術開発分野などでは、作業環境の特殊性から、遠隔操作技術や遠隔保守技術の開発が不可欠となっている。放射性物質を取扱う施設(ホットラボ)においても、高放射線,封じ込め等特有な環境の中での作業となることから、遠隔保守技術の開発は極めて重要である。特に高速炉で使用したプルトニウムを含有した燃料(集合体)を取扱う施設では、放射線を遮へいしつつ、密封性を確保した大型のセルを配置する必要がある。この大型セルでは、鉛ガラス窓を介したマニプレータによる遠隔操作によりさまざまな試験を実施している。さらにセル内には、試験機のほか、重量物の移送を行うインセルクレーン,試験機などの機器の操作や保守を行うためのパワーマニプレータが備え付けられており、これらの設備においても故障等を想定した遠隔保守技術が取り入れられている。本報では、インセルクレーン,パワーマニプレータを中心とした大型ホットラボにおける遠隔保守技術の概要,操業開始から30年間に渡る運転保守管理の実績に基づく保全方法の確立について述べる。
櫛田 慶幸; 鈴木 喜雄; 手島 直哉; 中島 憲宏; Caniou, Y.*; Dayd, M.*; Ramet, P.*
Proceedings of 8th International Meeting on High Performance Computing for Computational Science (VECPAR '08) (CD-ROM), p.424 - 429, 2008/06
本研究では、ITBLとGridTLSEの相互接続法の開発を行った。GridTLSEはユーザーの問題に対して適切な疎行列解法を選び出すためのエキスパートシステムである。疎行列解法が解を求めるまでに必要な時間は解法の種類,コンピュータの種類、そして問題に依存する。このため、エキスパートシステムに多くの計算機を接続することで、より適した解法を選び出すことができるようになる。本発表では、相互接続法の適用性確認のため、TLSE計算機からITBLへ簡単な計算ジョブを発行し、動作することを確認した。
鈴木 喜雄; 中島 憲宏; 新谷 文将; 羽間 収; 西田 明美; 櫛田 慶幸; 阿久津 拓; 手島 直哉; 中島 康平; 近藤 誠; et al.
Proceedings of 16th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-16) (CD-ROM), 9 Pages, 2008/05
Center for computational science and e-systems of Japan Atomic Energy Agency is carrying out R&D in the area of extra large-scale simulation technologies for solving nuclear plant structures in its entirety. Specifically, we focus on establishing a virtual plant vibration simulator on inter-connected supercomputers intended for seismic response analysis of a whole nuclear plant. The simulation of the whole plant is a very difficult task because an extremely large dataset must be processed. To overcome this difficulty, we have proposed and implemented a necessary simulation framework and computing platform. The simulation framework based on the computing platform has been applied to a linear elastic analysis of the reactor pressure vessel and cooling systems of a nuclear research facility, the HTTR. The simulation framework opens a possibility of new simulation technologies for building a whole virtual nuclear plant in computers for virtual experiments.
櫛田 慶幸; 鈴木 喜雄; 手島 直哉; 中島 憲宏
no journal, ,
本発表では、グリッド相互接続を利用した国際的線形ソルバーエキスパートシステムの開発について述べる。線形ソルバーエキスパートシステムでは、ユーザーが与える問題に対して最も適切な線型方程式解法(ソルバー)を選ぶために必要な情報を提供する。このため、エキスパートシステムにおいては、利用可能な線形ソルバーの種類や計算機の種類を増やすことで、より適切な情報を提供することができるようになる。本研究では、それを達成するために、グリッド相互接続技術を開発し、原子力機構のグリッドであるITBLと、エキスパートシステムが存在するグリッドとを相互に接続した。
坂本 直樹; 吉川 勝則; 櫛田 尚也; 永峯 剛; 助川 清志*
no journal, ,
照射後試験施設は、放射能の高い使用済燃料などの放射性物質を扱うため、放射線の遮へい性と気密性を有するホットセル内に照射後試験のためのさまざまな試験機器が設置されている。特に、高速炉で照射したプルトニウム含有燃料集合体を扱う照射燃料集合体試験施設(FMF)はより高い遮へい性能を求められるとともに、集合体単位で取扱うため大型のホットセルとなっていることが特徴である。ホットセル内に設置されたさまざまな試験機器の保守を作業員がホットセル内に入域しなくても行えるように、FMFでは各機器をパワーマニプレータやインセルクレーン等を用いて遠隔操作で作業員が直接保守作業を行えるホットリペア室に移動させ、保守を行う独自の遠隔保守システムを開発した。ホット運転開始以来30年以上が経過し、経年化を考慮した運転管理や機器の保守を要する時期にあるが、開発した遠隔保守システムにより照射後試験機能や施設・設備の運転は適切に維持されており、遠隔保守技術の有効性を実証した。本報では、重さ1.5tonもある部材切断機の遠隔保守の経験やホットセル内機器の経年化対策の実績等について報告する。
櫛田 慶幸; 手島 直哉; 武宮 博; 中島 憲宏; 平山 俊雄
no journal, ,
本論文では、AEGISとGrid-TLSEの相互連携法について述べる。Grid-TLSEは、ユーザーの問題に対して適切な線形代数方程式ソルバーとそのコントロール用パラメータを提示するものである。Grid-TLSEがよりよいソルバーを提示するためには、接続されるコンピューターの種類を増やすことが重要である。このため、本論文では、AEGISのコンピューターをGrid-TLSEと接続する手法を開発し、その方法論を解説した。
中島 憲宏; 鈴木 喜雄; 西田 明美; 櫛田 慶幸; 手島 直哉; 武宮 博; 平山 俊雄
no journal, ,
ネットワーク上に接続されている複数のコンピュータを、あたかも1台のコンピュータのように、ユーザーが必要とするコンピュータ資源を提供するための技術を用いて、実験施設やデータベースなどとも連携した原子力分野のシミュレーションを開発した。このような技術をグリッド技術とよび、ITBLやAEGISといった形で実用化してきた。高速増殖炉サイクル技術,核融合エネルギー技術などにおけるシミュレーションは、大規模で、大量の計算が必要であり、このような計算機資源の利用環境が不可欠である。本発表では、原子力耐震計算科学シミュレーション,核融合大規模計算解析,物性解析,材料設計シミュレーション,核融合バーチャルラボラトリ,大規模原子力材料シミュレーションについて報告する。
水越 保貴; 櫛田 尚也
no journal, ,
大洗研究開発センターの照射燃料集合体試験施設(以下、FMF)は、高速増殖炉の高性能燃料の開発を目的として、原子炉で照射された燃料要素のさまざまな研究をするための核燃料物質使用施設(以下、使用施設)である。使用施設では、非密封のプルトニウムやウランなどの核燃料物質の漏えいや作業員の放射線障害を防止するために、放射線の遮蔽,密封,負圧保持といった閉じ込め機能を有する気密型ホットセルやグローブボックスを設置し、その中で核燃料物質を取り扱う。FMFでは、原子炉で照射された燃料要素(ウランとプルトニウムの混合酸化物燃料等)の破壊試験を実施するため、核種を取り扱う気密型ホットセル(ホットセル)を有している。このホットセルでは、セル内の負圧を保持するために使用している機器などの補修は、核燃料物質の漏えいを防止し、作業員の被ばく低減に考慮しながら行う必要がある。本報では、FMFで確立したホットセルの核燃料物質の閉じ込め機能を維持(ホットセルを運転)した状態で負圧を調整する排気弁を更新する方法について報告する。
立川 崇之; 櫛田 慶幸; 宮村 浩子; 手島 直哉*; 藤林 健一*; 武宮 博
no journal, ,
計算機の性能向上に伴うシミュレーション及び実験装置の大規模化に伴い、時間的,空間的に詳細なデータが得られるようになってきている。今後、出力されるデータはテラバイト,ペタバイト規模になると予想され、膨大なデータから有用な情報を目的となる時間内に抽出する技術はますます重要になると考えられる。本発表では並列分散処理技術を用いて、膨大なデータを即時的に解析する方法を検討した。100GB規模の実験データを対象とし、計算機に分散記録したデータを並列処理することにより、目的となる時間以内に解析を完了できることを確認した。また、科学技術分野のデータを並列分散処理で解析する際の、アルゴリズム構築の注意点、及び大規模な実データを用いずにチューニングを図るための手順を明らかにした。本技術は今後、原子力施設の耐震シミュレーションの結果評価などにも適用可能であり、大規模・複雑な原子力分野のデータ処理の効率化が期待できる。