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論文

Failure probability evaluation for steam generator tubes with wall-thinning

山口 義仁; 真野 晃宏; Li, Y.

Transactions of the 27th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT 27) (Internet), 10 Pages, 2024/03

加圧水型原子炉の重要機器の構成要素である蒸気発生器(SG)伝熱管では、経年劣化による局部減肉が報告されている。確率論的リスク評価やリスク情報を活用した意思決定に資するため、減肉の存在が確認された場合の伝熱管の破損確率の増加を評価する必要がある。また、SG伝熱管の破損確率を計算するためには、減肉を有する伝熱管の破裂圧力を評価する手法が必要である。本研究では、国内及び米国の破裂試験結果に基づき、減肉を有するSG伝熱管を対象とした既存の破裂圧力評価手法を改良し、精度の向上を図った。また、改良した破裂圧力評価手法を用いて減肉寸法を変えながら、通常運転から過渡条件における破損確率を算出し、減肉寸法と破損確率の関係を定量的に求めた。本論文では、上記破裂圧力評価手法の改良及び改良した破裂圧力評価手法を用いて算出した破損確率について報告する。

論文

Improvement of the return mapping algorithm based on the implicit function theorem with application to ductile fracture analysis using the GTN model

真野 晃宏; 今井 隆太*; 宮本 裕平*; Lu, K.; 勝山 仁哉; Li, Y.

International Journal of Pressure Vessels and Piping, 199, p.104700_1 - 104700_13, 2022/10

 被引用回数:1 パーセンタイル:28.33(Engineering, Multidisciplinary)

有限要素法に基づく弾塑性解析は、金属材料の非線形挙動の再現に広く用いられる。この弾塑性解析を陰解法により実施する場合、応力値は通常リターンマッピングアルゴリズムを通じて時間増分ごとに更新される。一方、延性破壊等の複雑な挙動の解析では、リターンマッピングアルゴリズムに係る連立方程式の数が多くなり、収束解を得ることが困難となる場合がある。そのため、本論文では、連立方程式の数の削減を通じて陰解法による安定的な非線形解析を実現することを目的として、陰関数定理に基づき連立方程式の数を削減する一般的な手法を提案した。また、提案手法を、延性破壊解析に用いられるGurson-Tvergaard-Needleman(GTN)モデルに適用し、弾塑性解析を実施した。その結果、解析により、延性破壊に係る実験結果が再現できることを確認した。以上を踏まえ、提案手法は、金属材料の延性破壊解析に有用であると結論付けた。

論文

Application of CFD code with debris-bed coolability assessment model to pool Type SFR

中村 博紀*; 早川 教*; 柴田 明裕*; 佐々 京平*; 山野 秀将; 久保 重信

Proceedings of 12th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS12) (Internet), 7 Pages, 2022/10

デブリベッドの長期冷却性評価のため、本研究ではデブリベッドモジュールと連成させた3次元解析手法を開発した。連成解析により、浸漬型直接炉心冷却熱交換が稼働後に、ホットプレナムとコールドプレナムの間で冷却材の自然循環が4つの中間熱交換器を通じて確立されることを示した。デブリベッドに接したコールドプールは継続的に冷却され、自然循環だけなく、ホットプールとコールドプールを隔てる分離板を通じた熱伝達により冷却される。デブリベッドの温度分布に対するコアキャッチャ周辺の3次元流れの影響は現在の計算条件では20$$^{circ}$$C程度であった。

論文

Event tree analysis for material relocation on core catcher in a sodium-cooled fast reactor

山野 秀将; 久保 重信; 菅 太郎*; 柴田 明裕*; Hourcade, E.*; Dirat, J. F.*

Proceedings of 29th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 29) (Internet), 10 Pages, 2022/08

本論文では、まずコアキャッチャへの負荷に関する重要な点と共に、イベントツリー解析のアプローチとスコープを記述する。解析条件としては、コアキャッチャ負荷条件として上限ケースと保守側ケースを対象にした。イベントツリーの重要なヘッディングには重要現象が含まれ、ストロングバック設計、下部ナトリウムプレナムにおける燃料冷却材相互作用と固化,ジェットアタック,コアキャッチャ上での臨界性と冷却性とした。本論文では、高額的判断に基づく確率ランクテーブルを用いて、予備的な定量化を試行した。このイベントツリー解析により、支配的なシーケンスが同定され、コアキャッチャへの負荷と設計対策の有効性の効果を明確にした。この研究により、臨界性対策がコアキャッチャ研究に非常に重要であることが示唆された。

論文

Coolability evaluation of the debris bed on core catcher in a sodium-cooled fast reactor with a whole vessel model

山野 秀将; 久保 重信; 佐々 京平*; 柴田 明裕*; Hourcade, E.*; Dirat, J. F.*

Proceedings of 29th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 29) (Internet), 9 Pages, 2022/08

本論文は、短時間でコアキャッチャ上での燃料堆積を仮定して、様々な崩壊熱除去系(DHRS)運転条件でのデブリベッドの冷却性評価を記述する。評価は、1次元プラント動特性解析コードSuper-COPDで実施した。冷却性評価では、DHRS1系統さえ稼働されれば、現設計は、コアキャッチャ周辺の十分な自然循環流によってデブリベッドの冷却性は確保できることを示した。悲観的な条件での感度解析では、短時間でコアキャッチャ上にほとんどの燃料が堆積したとしても、改善されたDHRSの少なくとも1系統あれば、デブリベッドは冷却可能であることを示した。

論文

Failure estimation methods for steam generator tubes with wall-thinning or crack

山口 義仁; 真野 晃宏; Li, Y.

Proceedings of ASME 2022 Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2022) (Internet), 10 Pages, 2022/07

蒸気発生器(SG)伝熱管は、加圧水型原子炉の重要な機器の一つである。SG伝熱管では、減肉や応力腐食割れなどの検出が報告されている。SG伝熱管の構造健全性を評価するためには、一次冷却系からの内圧と二次冷却系からの外圧の両方を考慮して破裂による破壊を評価する必要がある。そこで、様々な機関においてSG伝熱管を対象とした破裂試験が実施され、それに基づき破壊評価法が提案されている。本研究では、減肉又は亀裂を有するSG伝熱管を対象に、既存の破裂試験データを調査し、それを踏まえて、亀裂又は局所的な減肉を有するSG伝熱管に適した破壊評価法を新たに提案した。また、これらの破壊評価法の適用性を、予測結果と実機SG伝熱管の破裂試験データを比較することにより確認した。

論文

Sodium-cooled Fast Reactors

大島 宏之; 森下 正樹*; 相澤 康介; 安藤 勝訓; 芦田 貴志; 近澤 佳隆; 堂田 哲広; 江沼 康弘; 江連 俊樹; 深野 義隆; et al.

Sodium-cooled Fast Reactors; JSME Series in Thermal and Nuclear Power Generation, Vol.3, 631 Pages, 2022/07

ナトリウム冷却高速炉(SFR: Sodium-cooled Fast Reactor)の歴史や、利点、課題を踏まえた安全性、設計、運用、メンテナンスなどについて解説する。AIを利用した設計手法など、SFRの実用化に向けた設計や研究開発についても述べる。

論文

CSNI leak-before-break benchmark; Summary of phase 1

Tregoning, R.*; Wallace, J.*; Bouydo, A.*; Costa-Garrido, O.*; Dillstr$"o$m, P.*; Duan, X.*; Heckmann, K.*; Kim, Y.-B.*; Kim, Y.*; Kurth-Twombly, E.*; et al.

Transactions of the 26th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT-26) (Internet), 11 Pages, 2022/07

破断前漏えいに関する国際ベンチマーク活動は、11か国から14機関が参加して実施された。本ベンチマーク活動では、参加者は最初に所定の寸法の亀裂が自国のLBB許容基準を満足するかを判断し、次に溶接残留応力(WRS)と亀裂の形態が、亀裂開口変位(COD),限界曲げモーメント(CBM)及び漏えい量(LR)の結果に及ぼす影響を特定した。最初のタスクでは、14の参加機関のうち6機関がLBBの要件を満たすことを示した。次のタスクでは、参加機関のCBMの予測の違いは主に用いた材料特性の違いによるものであり、評価手法の違いはそれほど影響しないこと、また、LRの予測の違いはほぼCODの評価手法の違いに起因するが一部は亀裂面圧力(CFP)の処理に起因すること等の結果が得られた。本ベンチマークを通じて、より現実的なLBB評価を行うための要点を特定した。

論文

France-Japan collaboration on the SFR severe accident studies; Outcomes and future work program

久保 重信; Payot, F.*; 山野 秀将; Bertrand, F.*; Bachrata, A.*; Saas, L.*; Journeau, C.*; Gosse, S.*; Quaini, A.*; 柴田 明裕*; et al.

Proceedings of International Conference on Fast Reactors and Related Fuel Cycles; Sustainable Clean Energy for the Future (FR22) (Internet), 8 Pages, 2022/04

The paper presents major outcomes of the France-Japan ASTRID collaboration and the work program from 2020 to 2024 in the field of severe accident study. In the ASTRID collaboration, severe accident sequences were summarized based on the various safety analyses for the important accident phases, which contributed to strengthen the confidence in the ASTRID severe accident progression for a robust safety demonstration and identification of R and D programs of common interest. Collaborative analysis has been conducted to evaluate ASTRID mitigation device efficiency for mitigation of power excursions, material relocation, debris bed and molten pool behavior on the core catcher. The methodology for mechanical consequence assessment was also developed. In order to support the reactor studies, experimental studies have been planned and conducted regarding the reaction of core material mixtures, in-pile experiments for the fuel pin failure and material relocation through a steel duct structure, and out-of-pile experiments for the fuel coolant interaction (FCI) in the sodium pool. Severe accident analysis tool SIMMER-V with new simulation capabilities and SEASON platform have also been developed. Based on these successful achievements, several tasks to study the large fields of the severe accident domain, which include development of severe accident analysis methodologies and synthesis of SA sequences and consequences, thermodynamics, kinetic and thermo-physical studies of core material mixture, development and validation of SIMMER-V, experimental programs on the molten core material relocation and FCI. After defining the technical contents and implementation plans, the five years study programs have been started.

論文

Improvement of probabilistic fracture mechanics analysis code PASCAL-SP regarding stress corrosion cracking in nickel based alloy weld joint of piping system in boiling water reactor

真野 晃宏; 山口 義仁; 勝山 仁哉; Li, Y.

Journal of Pressure Vessel Technology, 144(1), p.011506_1 - 011506_9, 2022/02

 被引用回数:1 パーセンタイル:20.34(Engineering, Mechanical)

これまで、沸騰水型原子炉(BWR)配管系のニッケル合金異材溶接継手において応力腐食割れ(SCC)による亀裂の存在が報告されており、そのような溶接継手に対する構造健全性評価が重要となっている。現在、影響因子の固有の不確実さを確率分布として考慮することで亀裂を有する機器の破損確率を定量的に評価できる確率論的破壊力学(PFM)評価手法が、より合理的な構造健全性評価手法として注目されており、原子力機構では、溶接継手を含む原子炉配管系を対象としたPFM解析コードPASCAL-SPの開発を進めている。本研究では、PASCAL-SPにBWRのニッケル合金異材溶接継手を対象とした解析機能を新たに導入した。また、改良したPASCAL-SPを用いて、異材溶接継手を対象に、漏えいの検知及び供用期間中検査が破損確率に及ぼす影響に関する感度解析を実施した。解析結果より、改良したPASCAL-SPは、異材溶接継手の破損確率を求め、供用期間中検査等の効果を定量的に評価できることから、構造健全性評価に有用であると結論付けた。

論文

Benchmark analysis of ductile fracture simulation for circumferentially cracked pipes subjected to bending

熊谷 知久*; 三浦 靖史*; 三浦 直樹*; Marie, S.*; Almahdi, R.*; 真野 晃宏; Li, Y.; 勝山 仁哉; 和田 義孝*; Hwang, J.-H.*; et al.

Journal of Pressure Vessel Technology, 144(1), p.011509_1 - 011509_18, 2022/02

 被引用回数:1 パーセンタイル:20.34(Engineering, Mechanical)

延性材料の破壊挙動を予測するため、いくつかの延性破壊シミュレーション手法が提案されている。ただし、これらの手法には実機器への適用性に関する懸念がある。本研究では、パラメータの決定を含めたシミュレーション手法の予測能力を確認するため、実機器を想定した破壊試験に関する2つの問題を設定し、ベンチマーク解析を実施した。1つ目の問題は、周方向の表面亀裂及び貫通亀裂を有する配管に対する単調曲げ荷重負荷試験、2つ目の問題は、周方向貫通亀裂を有する配管に対する繰り返し曲げ荷重負荷試験である。ベンチマークの参加機関は、独自に選択した手法によって延性亀裂進展挙動を予測した。用いられた手法は、ボイド率基準を有するGurson-Tvergaard-Needleman(GTN)モデルに基づく有限要素法(FEM)、応力三軸度により修正される破壊ひずみ基準また破壊エネルギー基準に基づくFEM、Jまたは$$Delta$$J基準に基づく拡張FEM及び弾塑性粒子法等である。単調曲げ荷重負荷試験に関しては、すべての手法によるシミュレーションの結果が配管の変形と亀裂進展の挙動を精度よく再現し、シミュレーション手法の実機器への適用性が確認された。一方、繰り返し曲げ荷重負荷試験におけるこれらの挙動については、ほとんどの手法で再現できなかった。今後材料の繰り返し硬化特性等を考慮したパラメータの決定手法についてさらなる検討が必要であることを確認した。

論文

A Novel method to uniquely determine the parameters in Gurson-Tvergaard-Needleman model

Zhang, T.; Lu, K.; 真野 晃宏; 山口 義仁; 勝山 仁哉; Li, Y.

Fatigue & Fracture of Engineering Materials & Structures, 44(12), p.3399 - 3415, 2021/12

 被引用回数:14 パーセンタイル:81.94(Engineering, Mechanical)

GTNモデルは、延性金属の微細組織の力学挙動を考慮するモデルであるとともに、式が明確な物理的意味を表すことから、延性金属の破壊予測のためのアプローチとして期待されている。一方、強い相関のある8つのモデルパラメータの決定が困難なため、工学的な応用はほとんど進んでいない。本研究では、GTNモデルの物理的背景に基づいて、GTNモデルのパラメータを決定するための一連の手法を提案した。具体的には、連続体損傷力学の考え方を活用し、一軸引張試験における有効ヤング率の変化からボイドの体積分率の増加を実験的に求めることで、ボイドの生成に関する3つのパラメータの値を決定した。その他のGTNモデルのパラメータに関しては、化学組成分析、ボイドが含まれる単位セルモデルを用いた解析及び有限要素逆解析により一意に決定した。また、これらのパラメータ決定手法の妥当性を、炭素鋼STPT410の亀裂付き試験片と亀裂のない試験片の両方の破壊試験の結果と決定したパラメータを用いた数値解析結果との比較を通じて確認した。

論文

Benchmarking study on probabilistic fracture mechanics analysis codes xLPR and PASCAL-SP considering primary water stress corrosion cracking

真野 晃宏; 勝山 仁哉; Li, Y.

Proceedings of ASME 2021 Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2021) (Internet), 7 Pages, 2021/07

確率論的破壊力学(PFM)解析は、様々な影響因子に固有の不確実さを確率分布として考慮し、機器の破損確率を定量的に評価できるため、原子炉機器の構造健全性評価のより合理的な手法として期待される。原子力機構(JAEA)では、加圧水型原子炉と沸騰水型原子炉の両環境における応力腐食割れや疲労等の経年劣化事象による配管の破損確率を評価可能なPFM解析コードPASCAL-SPの開発を進めている。本解析コードの検証活動の一環として、米国原子力規制委員会(NRC)と米国電力研究所が共同で開発したPFM解析コードxLPRとの間でベンチマーク解析を実施した。本ベンチマーク解析は、加圧水型原子炉サージラインの異材溶接継手における加圧水型原子炉一次系水質環境中応力腐食割れに関する決定論的及び確率論的な解析から構成され、共通の解析条件の下でNRCとJAEAにより独立に実施された。本論文では、本ベンチマーク解析の条件を説明するとともに、PASCAL-SPとxLPRから得られた解析結果を示す。両解析コードから得られた結果が、決定論的解析及び確率論的解析の両方で良く一致したことから、PASCAL-SPの信頼性が向上したと結論付けた。

報告書

原子炉配管に対する確率論的破壊力学解析コードPASCAL-SP2の使用手引き及び解析手法(受託研究)

山口 義仁; 真野 晃宏; 勝山 仁哉; 眞崎 浩一*; 宮本 裕平*; Li, Y.

JAEA-Data/Code 2020-021, 176 Pages, 2021/02

JAEA-Data-Code-2020-021.pdf:5.26MB

日本原子力研究開発機構では、軽水炉機器の構造健全性評価及び耐震安全性評価に関する研究の一環として、原子炉配管を対象とした確率論的破壊力学(PFM: Probabilistic Fracture Mechanics)解析コードPASCAL-SP(PFM Analysis of Structural Components in Aging LWR - Stress Corrosion Cracking at Welded Joints of Piping)の開発を進めてきた。初版は2010年に公開され、その後もより実用性の高いPFM解析の実現を目的として、最新知見を踏まえて解析対象の拡充や解析手法の高度化等を実施してきた。今般、その成果を反映し、バージョン2.0として公開することとした。最新版では、解析対象の経年劣化事象として、ニッケル合金の加圧水型原子炉一次系水質環境中の応力腐食割れ、ニッケル合金の沸騰水型原子炉環境中の応力腐食割れ、二相ステンレス鋼における熱時効等を新たに加えたほか、最新の応力拡大係数解の導入や溶接残留応力の不確実さ等の評価機能の高度化を行い、より適用範囲が広く信頼性が高い配管の破損確率評価を可能とした。また、経年配管の耐震安全性評価の高度化に資することを目的に、巨大地震を想定した大きな地震応答応力に対応した亀裂進展量評価手法等を導入し、地震フラジリティ評価を可能とした。さらに、確率論的評価に係る影響因子の不確実さを認識論的不確実さと偶然的不確実さに分類し、これらの不確実さを考慮して配管の破損確率の信頼度を評価する機能及びモジュールを新たに整備した。本報告書は、バージョン2.0としてPASCAL-SP2の使用方法及び解析手法をまとめたものである。

論文

Probabilistic fracture mechanics benchmarking study involving the xLPR and PASCAL-SP codes; Analysis by PASCAL-SP

真野 晃宏; 勝山 仁哉; Li, Y.

Proceedings of ASME 2020 Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2020) (Internet), 7 Pages, 2020/08

原子力機構(JAEA)では、加圧水型原子炉一次冷却水環境中における応力腐食割れ(PWSCC)や疲労等の経年劣化事象による原子炉配管の破損確率を評価するために、確率論的破壊力学(PFM)解析コードPASCAL-SPを整備している。現在、本解析コードの検証のため、NRCとEPRIが共同で開発したPFM解析コードxLPRとのベンチマーク解析を実施している。本ベンチマーク解析は、両解析コードにより、共通の解析条件の下でPWSCCに関する決定論的解析及び確率論的解析を行うものであり、NRCとJAEAが自らの解析コードを用いて、それぞれ独立に解析を進めている。決定論的解析は完了しており、両解析コードから得られた結果が概ね一致することが確認された。本稿では、主として決定論的解析における解析条件及び両解析コードから得られた解析結果の詳細について示すとともに、確率論的解析について、その解析条件及びJAEAが実施したPASCAL-SPによる解析結果を示す。

論文

Improved Bayesian update method on flaw distributions reflecting non-destructive inspection result

勝山 仁哉; 宮本 裕平*; Lu, K.; 真野 晃宏; Li, Y.

Proceedings of ASME 2020 Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2020) (Internet), 8 Pages, 2020/08

原子力機構では、中性子照射脆化及び加圧熱衝撃事象等の過渡事象を考慮し、原子炉圧力容器(RPV)の破損頻度を算出するための確率的破壊力学(PFM)解析コードPASCAL4の開発を進めている。亀裂のサイズや密度等の欠陥分布は、PFM解析の破損頻度を算出する上で重要な影響因子であることがよく知られている。NUREG-2163では、非破壊検査(NDI)の結果を反映するベイズ更新手法が提案されているが、NDIにより欠陥指示がある場合にのみ適用可能である。RPVの検査結果として欠陥指示がない場合があることから、我々は以前、NDIの結果として欠陥指示がある場合とない場合の両方に適用可能な尤度関数を提案した。しかし、これらのベイズ更新手法では、両者に相関のあると考えられる亀裂のサイズと密度を独立に更新する尤度関数が適用されている。本研究では、尤度関数をさらに改善し、亀裂のサイズと密度を同時に更新できるようにした。また、その尤度関数に基づきベイズ更新及びPFM解析を行い、その有用性を示した。

論文

Influence evaluation of sampling methods of the nondestructive examination on failure probability of piping based on probabilistic fracture mechanics analysis

真野 晃宏; 勝山 仁哉; Li, Y.

Mechanical Engineering Journal (Internet), 7(3), p.19-00567_1 - 19-00567_11, 2020/06

非破壊試験(NDE)は、配管等の原子炉機器の構造健全性を確保するうえで、重要な役割を果たしている。国内の原子力発電所では、日本機械学会発電用原子力設備規格維持規格等の規則に従って、非破壊試験が配管系の溶接部に対して実施される。応力腐食割れ(SCC)が想定されない溶接部の場合、10年の検査間隔でNDEが実施され、各検査間隔における試験程度が規格等において定められている。各検査間隔でNDEを実施する溶接部を選択するためのサンプリング方式としては、一般的に2種類が挙げられる。1つ目の方式は、定点サンプリング方式であり、NDEが実施される溶接部は前の検査間隔で試験が実施された溶接部と同一である。2つ目の方式は、ランダムサンプリング方式であり、NDEが実施される溶接部は、前の検査間隔で試験が実施されなかった溶接部から選択される。これらのサンプリング方式の選択は、配管系の構造健全性を確保する上で重要と考えられる。合理的な構造健全性評価手法の1つである確率論的破壊力学(PFM)解析は、SCCや疲労等の経年劣化事象、並びにNDEを通じた溶接部における亀裂の検出及び溶接部の補修・取替を考慮して、溶接部の破損確率を定量的に計算できる。本研究では、サンプリング方式の違いが配管系の構造健全性に及ぼす影響を明らかにするため、典型的な原子力配管系を対象に、PFM解析により2つのサンプリング方式によるNDEを考慮して破損確率を評価した。その結果、非破壊試験のサンプリング方式の違いが配管系の破損確率に及ぼす影響を定量的に確認した。

論文

A New probabilistic evaluation model for weld residual stress

真野 晃宏; 勝山 仁哉; 宮本 裕平*; 山口 義仁; Li, Y.

International Journal of Pressure Vessels and Piping, 179, p.103945_1 - 103945_6, 2020/01

 被引用回数:1 パーセンタイル:12.35(Engineering, Multidisciplinary)

溶接残留応力(WRS)は、確率論的破壊力学(PFM)に基づく亀裂を有する配管溶接部の破損確率評価において最も重要な影響因子の一つであるとともに、大きな不確実さを有する。既存のPFM解析コードにおけるWRSの確率論的評価モデルでは、有限要素解析から得られる板厚内の複数の離散点におけるWRS値の不確実さが考慮されるが、板厚方向のWRSの分布形状が考慮されないため、板厚内におけるWRS値の相関関係や力のつり合いに関する複雑でユーザー依存の追加処理を行う必要がある。本研究では、より合理的なWRSの確率論的評価モデルとして、有限要素解析に基づくWRS解析結果をフーリエ余弦級数で表現し、WRS分布の不確実さをフーリエ余弦級数の係数の確率分布を用いて表現する確率論的評価モデルを提案した。フーリエ余弦級数の係数は、板厚内の特定位置におけるWRS値の大きさと板厚方向におけるWRSの分布形状の両方を同時に考慮して決定されるため、板厚内におけるWRS値の相関関係や力のつり合いが考慮されている。提案したWRS評価モデルは、解析コードのユーザー依存性がなく、簡単かつ合理的にWRSの不確実さを考慮できるため、PFM解析において有用であると結論した。

論文

Comparison of two-phase critical flow models for estimation of leak flow rate through cracks

渡辺 正*; 勝山 仁哉; 真野 晃宏

International Journal of Nuclear and Quantum Engineering (Internet), 13(11), p.516 - 519, 2019/10

冷却材の漏えいは冷却材喪失事故が発生する前に検出できることから、破断前漏えいの観点から、原子炉機器における貫通亀裂からの冷却材の漏えい量を精度よく推定することは安全上重要である。本研究では、2つの代表的な非均質臨界流量評価モデル(Henry-FauskeモデルとRansom-Trappモデル)を用いて、システム解析コードにより得られた2相流の臨界漏えい量の計算結果を比較した。その結果、Henry-Fauskeモデルを用いた場合、亀裂内で圧力の低下と蒸気生成が起きるため、漏えい量が大きく評価されることが分かった。これは、漏えい量は構造物の温度の影響を受けないものの、亀裂表面の粗さの影響を大きく受けること示唆した結果である。

論文

Improvement of probabilistic fracture mechanics analysis code PASCAL-SP with regard to PWSCC

真野 晃宏; 山口 義仁; 勝山 仁哉; Li, Y.

Journal of Nuclear Engineering and Radiation Science, 5(3), p.031505_1 - 031505_8, 2019/07

亀裂を有する原子力構造物の健全性評価には、決定論的な破壊力学に基づく手法が用いられている。一方で、影響因子の不確実性の考慮及び構造物の破損確率の定量評価が可能であるという理由から、確率論的破壊力学(PFM)に基づく手法の実用性が期待されている。原子力機構ではこれまでに、沸騰水型原子炉水質環境中における粒界型応力腐食割れや疲労等の経年事象を考慮した原子力配管の破損確率の評価を目的として、PFM解析コードPASCAL-SPの開発を進めてきた。近年国内では加圧水型原子炉一次系水質環境中応力腐食割れ(PWSCC)に起因する亀裂がニッケル合金溶接部において確認されていることを踏まえ、その構造健全性評価が重要となっている。本論文はPWSCCを考慮した一次系配管の評価を目的として、PASCAL-SPに整備した機能について示すものである。PWSCCに関連する確率論的評価モデルとして、亀裂の発生、進展、貫通亀裂からの漏えい量の評価及び非破壊検査による亀裂の検出等のモデルを整備した。また、解析コードによる応力拡大係数の計算精度の向上を図った。評価事例としてPWSCCに起因する周方向及び軸方向亀裂を有するニッケル合金溶接部を対象とした破損確率の評価を示した。加えて、非破壊検査及び漏えいの検知が破損確率に及ぼす影響を評価した。評価結果を踏まえて、改良したPASCAL-SPがPWSCCを考慮した一次系配管の破損確率評価に有用であると結論付けた。

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