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尾崎 裕介; 石橋 正祐紀; 松下 智昭*; 升元 一彦*; 今里 武彦*
Proceedings of 13th SEGJ International Symposium (USB Flash Drive), 4 Pages, 2018/11
瑞浪超深地層研究所では、坑道閉塞後の地質環境変化の把握を目的とした再冠水試験を実施している。再冠水試験において、坑道閉塞前後に2次元比抵抗探査を3度にわたり実施した。1回目は坑道閉塞前に、2回目と3回目は坑道から排水後に探査を実施した。これら探査において、低比抵抗体と高比抵抗体からなる二層構造を検知することができた。これら二層は各々吹き付けコンクリートと母岩部に相当する。また、坑道排水後に実施した探査では、母岩部に相当する高比抵抗体の上部の比抵抗の減少が確認された。この比抵抗変化は、母岩部の亀裂部に存在する不飽和層が冠水試験により飽和した過程を捉えたものと考えられる。
升元 一彦*; 竹内 竜史
応用地質, 57(4), p.154 - 161, 2016/10
岩盤内に掘削した坑道周辺の割れ目群は地下水の透水経路としての問題を生じさせることから、坑道周辺に分布する水みちとなる割れ目を把握することが重要となる。われわれは、坑道周辺に分布する割れ目の地下水状況の面的な評価を非破壊的に行う方法として地中レーダに着目し、地中レーダによる割れ目の幾何学的な分布情報および割れ目内の地下水の状態の評価を進めている。本研究では、地中レーダによる割れ目中の地下水浸透状況の評価方法の検証を目的として瑞浪超深地層研究所の深度500m研究アクセス南坑道での原位置試験を実施した。その結果、本評価手法により坑道周辺の水みちとなる割れ目の評価が可能であることを確認するとともに、水みちとなる割れ目での塩水の浸透過程を地中レーダの反射波形や卓越波数の変化で評価できることを示した。
石橋 正祐紀; 尾上 博則; 澤田 淳; 渥美 博行*; 升元 一彦*; 細谷 真一*
第42回岩盤力学に関するシンポジウム講演集(CD-ROM), p.101 - 106, 2014/01
日本原子力研究開発機構は、岐阜県瑞浪市において地層処分技術に関する研究開発の一環として、超深地層研究所計画を進めており、結晶質岩における深部地質環境の調査・解析・評価技術の基盤の整備を目的の一つとして調査研究を実施している。本研究では、結晶質岩中の物質移動特性評価を行ううえで重要となるパラメータの抽出を目的として、原位置調査データに基づく研究坑道周辺領域(100mスケール)の水理地質構造モデルの構築、地下水流動解析、および粒子追跡解析を実施している。本稿では、地下坑道から取得したデータに基づき亀裂ネットワークモデルを構築した。さらに、調査データの解釈の違いが亀裂ネットワークモデル構築のためのパラメータに与える影響について検討を行った。
笹倉 剛*; 升元 一彦*; 戸井田 克*; 藤田 朝雄; 杉田 裕
Proceedings of 9th International Conference on Geo-environmental Engineering (GEE 2010), p.47 - 56, 2010/05
高レベル放射性廃棄物の地層処分を行う地下施設は、廃棄物等の埋設後に埋め戻し、プラグ、グラウト注入などの閉鎖技術を用いて閉鎖される。閉鎖による処分場全体の安全性を向上させるためには、これらの閉鎖要素について有効性の確認を行う必要がある。本論文では、閉鎖技術の確立に向け、これら閉鎖要素のうちのプラグに着目してカナダにおいて実施した原位置での実規模閉鎖試験の概要を紹介した後、試験中のプラグ周辺挙動のうちの力学的挙動の整理結果を示すとともに、プラグ構築にあたって適用した既往技術の有効性を検討した結果を述べる。
戸井田 克*; 須山 泰宏*; 森 孝之*; 稲葉 武史*; 笹倉 剛*; 渥美 博行*; 升元 一彦*; 小林 一三*; 岩野 圭太*; 古市 光昭*; et al.
JAEA-Research 2007-065, 210 Pages, 2007/09
東濃地科学センターにおける地層科学研究では、地質環境特性を明らかにするために必要な調査・解析技術並びにその妥当性を評価する手法の開発を進めている。この研究では、岩盤の不均一性推定に伴う不確実性を定量的に把握するための手法を明らかにし、その不確実性を低減するための合理的な地質環境調査手法の確立を一つの大きな目標としている。本研究においては、これまでにファジー地球統計を基本とした不確実性解析手法を用い、調査の各段階で想定し得る(あるいは否定できない)モデルやパラメータの全体集合を考えることにより不確実性を定量化でき、調査結果に基づき蓋然性が低いと考えられる選択肢を絞り込むことによってその不確実性を低減できるという新たなアプローチを考案している。平成16年度は、平成17年度に行う研究成果の取りまとめに向け、これまで東濃地域で行われた調査結果に基づき、本手法の実用化に向けた評価・検討を行った。本研究成果を取りまとめると以下のようになる。(1)東濃地域の事例を対象とした統合化データフローを活用し、本手法を適用するための知識・情報を整理した。(2)これまでの課題であったパラメータの設定方法とスクリーニング方法を整備した。(3)適用事例を用いて評価・検討を行い、本手法の実用化の目処を得た。(4)本手法(確率的手法)とこれまでに適用されてきた決定論的手法との統合方法を整備した。
須山 泰宏*; 戸井田 克*; 升元 一彦*; 竹内 真司
Proceedings of 12th European Meeting of Environmental and Engineering Geophysics (Near Surface 2006) (CD-ROM), 5 Pages, 2006/09
放射性廃棄物の性能評価では、原位置における坑道掘削影響領域(EDZ)の把握が必要である。EDZを把握する手法の開発として、可変周波数による高精度地中レーダーの現場適用性を東濃鉱山坑道内で実施した。その結果、本手法はEDZの構造を高精度で把握する手法であることがわかった。
藤田 朝雄; Martino, J. B.*; Dixon, D. A.*; Kozak, E. T.*; Vignal, B.*; 杉田 裕; 升元 一彦*
Waste Management, Decommissioning and Environmental Restoration for Canada's Nuclear Activities, 12 Pages, 2005/05
カナダAECLの地下研究施設において、サイクル機構は共同研究として「トンネルシーリング性能試験」を実施している。本共同研究は、実規模プラグのシーリング性能を把握する目的で実施しており、処分坑道を模擬した原位置の試験坑道内に、処分概念で検討されている埋め戻し技術を適用している。埋め戻し技術は、坑道の埋め戻し技術、プラグの設置技術、グラウト注入技術などであるが、本プロジェクトはプラグに着目した試験となっている。本プロジェクトでは、プラグとして強度プラグと止水プラグを対象とし、強度プラグはコンクリート材料、止水プラグは粘土材料である。両プラグ間に設置する圧力チャンバーに加圧し、そこからの試験水の浸潤挙動により両プラグのシーリング性能を把握することを目的としている。本報告では、トンネルシーリング性能試験全体についてとりまとめた。
戸井田 克*; 笹倉 剛*; 渥美 博行*; 升元 一彦*; 田中 俊行*; 須山 泰宏*; 小林 一三*
JNC TJ8400 2004-023, 146 Pages, 2005/02
わが国の地質環境条件に適応し得るこれら閉鎖システムの確立に資するため,室内試験及び原位置試験を通じてこれらの性能に関連するデータの取得,および,これらのデータを活用し評価手法を確立することが必要である。サイクル機構とカナダAECLとの共同研究としてこれまで実施してきた,カナダAECLにおけるトンネルシーリング性能試験が最終段階に至り,シーリング性能に関する基礎データが取得された。本年度は,これまでに実施した試験の総合的なデータ整理・解釈,トレーサー試験結果に対する数値解析的検討・評価を実施した。また,堆積岩を対象としたトンネルシーリング性能の確認を行うための試験計画の概念設計を行った。
太田 久仁雄; 天野 健治; 熊崎 直樹; 松岡 稔幸; 竹内 真司; 升元 一彦; 藪内 聡
JNC TN7410 2003-006, 127 Pages, 2003/07
超深地層研究所計画では,代表的な結晶質岩である花崗岩を対象に,「深部地質環境の調査・解析・評価技術の基盤の整備」および「深地層における工学技術の基盤の整備」を目標にした調査・試験研究を実施している。本計画は,瑞浪市明世町にある核燃料サイクル開発機構の正馬様用地において,平成8年度より実施してきた。その後,平成14年1月に瑞浪市と瑞浪市明世町の市有地(瑞浪超深地層研究所用地,以下,研究所用地という)の賃貸借契約を締結し,超深地層研究所の研究坑道および関連施設を設置することとなった。これを受けて,平成13年度より,研究所用地での調査・研究を開始した。平成14年度は,研究所用地において,地上物理探査,4本の浅層試錐孔調査を実施した。また,掘削長約1,350 mの深層試錐孔の掘削調査を開始した。これらの調査・研究によって取得した情報に基づき,研究坑道掘削前の深部地質環境の状態の把握を目的に,研究所用地およびその周辺の地質環境モデルの構築を行った。また,深地層における工学技術の調査・研究として,研究坑道の設計や施工計画を確定し,これに基づき研究坑道掘削時における具体的な調査・研究計画の策定を行った。正馬様用地では,反射法弾性波探査で捉えられた反射イベントと地質構造との対応を確認するため,VSP探査を実施した。また,長期揚水試験の結果,水収支観測や地下水の間隙水圧などの長期観測結果を用いて水理地質構造モデルの更新を行うと共に,一連の調査・解析・評価技術を体系化するため,複数のモデル化手法を適用した地下水流動解析を行い,不確実性要因の抽出を行った。さらに,正馬様用地において構築された岩盤力学モデルを用いた坑道周辺岩盤の掘削影響解析を行った。
杉田 裕; 升元 一彦*
JNC TN8400 2002-005, 54 Pages, 2002/02
カナダ原子力公杜の所有する地下研究施設において実施している国際共同研究「トンネルシーリング性能試験」では、実規模の処分坑道を模擬した試験坑道内に、処分概念で検討されている埋め戻し技術を適用している。埋め戻し技術は、坑道の埋め戻し技術、プラグの設置技術、グラウト注入技術などであるが、プラグ設置技術は坑道のシーリング性能への影響が大きく、その性能の把握は重要な課題の一つである。トンネルシーリング性能試験では、コンクリートプラグおよび粘土プラグの両材料のプラグを施工し、両者のシーリング性能をプラグ内外に設置した多種多様な計測センサーにより観測・評価している。ここでは、本研究で実施されたプラグの設計・施工技術についてとりまとめた。プラグの設計は止水性に重点を置き、コンクリートプラグでは岩盤との密着を考慮した形状、切り欠き部の設定等を検討し、粘土プラグでは掘削影響領域の規模を考慮した切り欠き部の設定等を検討した。コンクリートプラグは低発熱高流動コンクリートを材料として、所定の位置に打設し、粘土プラグはあらかじめ圧縮固化された粘土ブロックを現場へ搬入し、一つずつ積み上げて施工した。コンクリートプラグは大型のブロック打設により、粘土プラグは本試験と同じ施工条件を想定した設置予備試験により工学規模の施工性を確認し、本試験での施工性を確認した。
戸井田 克*; 塩釜 幸弘*; 升元 一彦*; 須山 泰宏*; 阿部 泰典*; 古市 光昭*; 須山*
JNC TJ8400 2002-018, 159 Pages, 2002/02
高レベル放射性廃棄物の地層処分においては、廃棄体の定置後、処分のために建設した地下構造物を人工バリアである埋め戻し、プラグ、グラウトといった要素技術により閉鎖し、廃棄体の隔離性能を長期にわたり確保する必要がある。そこで、わが国の地質環境条件に適応し得るこれら閉鎖システムの確立に資するため、室内試験及び原位置試験を通じてこれらの性能を定量的に評価していくことが必要である。本年度は、カナダAECLにおけるトンネルシーリング性能試験で昨年度までに実施した2MPaまでの注水圧の試験に引続き、圧力増加後の性能に関する試験を行うことから、取得されるデータおよびトレーサー試験結果のデータの整理、解釈、トレーサー結果の数値解析に関わる技術的検討、評価を行った。また、シーリングシステム構築のための情報整理も行った。
戸井田 克*; 塩釜 幸弘*; 升元 一彦*; 須山 泰宏*; 阿部 泰典*; 古市 光昭*
JNC TJ8400 2002-017, 159 Pages, 2002/02
高レベル放射性廃棄物の地層処分においては、廃棄体の定置後、処分のために建設した地下構造物を人工バリアである埋め戻し、プラグ、グラウトといった要素技術により閉鎖し、廃棄体の隔離性能を長期にわたり確保する必要がある。そこで、わが国の地質環境条件に適応し得るこれら閉鎖システムの確立に資するため、室内試験及び原位置試験を通じてこれらの性能を定量的に評価していくことが必要である。本年度は、カナダAECLにおけるトンネルシーリング性能試験で昨年度までに実施した2MPaまでの注水圧の試験に引続き、圧力増加後の性能に関する試験を行うことから、取得されるデータおよびトレーサー試験結果のデータの整理、解釈、トレーサー結果の数値解析に関わる技術的検討、評価を行った。また、シーリングシステム構築のための情報整理を行った。
戸井田 克*; 塩釜 幸弘*; 升元 一彦*; 須山 泰宏; 阿部 泰典*; 古市 光昭*
JNC TJ7440 2001-015, 103 Pages, 2001/03
東濃地科学センターにおける地層科学研究では、地質環境特性の調査・解析・評価手法を開発することを目的として、広域地下水流動研究、超深地層研究所計画を進めている。これらの計画では、地表から地下深部に至る花崗岩中の地下水の流れを把握することが重要となる。そのための大きな課題は、できるだけ少ない調査量で高精度に地質環境を把握するための合理的な調査手法を確立することである。本業務は、統計解析手法を用い、上記の合理的調査手法を確立するのに必要な定量的地質環境モデル構築方法の開発を目的としている。本年度は、昨年度の成果を受けて、2次元の地質環境の不均一性の具体的評価手法や手順を明確にするため、実際に東濃鉱山周辺の地質環境データによる例題演習を行い、以下のような成果を得た。1.ファジーデータを用いることにより、ハードデータ(実測透水係数)にソフトデータ(インタビュー結果)を加えた形で、地質環境の不均一性に付随した不確実性の大きさを定量的に示すことが可能である。2.不確実性に関しては、ファジー変動幅とクリッキング標準偏差を用いて定量化することが可能であり、今後の調査計画立案において、ファジー変動幅は調査手法の選定に、クリッキング標準偏差は調査位置の選定に適用が可能である。
戸井田 克*; 塩釜 幸弘*; 升元 一彦*; 須山 泰宏*; 阿部 泰典*; 古市 光昭*
JNC TJ8400 2001-019, 68 Pages, 2001/02
高レベル放射性廃棄物の地層処分においては、廃棄体の定置後、処分のために建設した地下構造物を人工バリア材の一つである埋め戻し材、プラグ材、グラウト材といった要素技術により閉鎖し、廃棄体の定置間隔性能を長期にわたり確保する必要がある。そこで、わが国の地質環境条件に適応し得るこれら閉鎖システムの確立に資するため、室内試験及び原位置試験を通じてこれらの性能を定量的に評価していくことが必要である。本年度は、昨年度開始したカナダAECLにおけるトンネルシーリング性能試験で取得されるデータおよびトレーサー試験結果のデータの整理、解釈、トレーサー結果の数値解析に関わる技術的検討、評価を実施した。その結果、注入圧上昇にともなう、湧水量、膨潤圧、トレーサー回収量の変化が把握できた。また、トレーサー試験結果と解析との比較からプラグ周辺の物質移行特性が把握できた。
戸井田 克*; 塩釜 幸弘*; 升元 一彦*; 須山 泰宏*; 阿部 泰典*; 古市 光昭*
JNC TJ8400 2001-018, 212 Pages, 2001/02
高レベル放射性廃棄物の地層処分においては、廃棄体の定置後、処分のために建設した地下構造物を人工バリア材の一つである埋め戻し材、プラグ材、グラウト材といった要素技術により閉鎖し、廃棄体の定置間隔性能を長期にわたり確保する必要がある。そこで、わが国の地質環境条件に適応し得るこれら閉鎖システムの確立に資するため、室内試験及び原位置試験を通じてこれらの性能を定量的に評価していくことが必要である。本年度は、昨年度開始したカナダAECLにおけるトンネルシーリング性能試験で取得されるデータおよびトレーサー試験結果のデータの整理、解釈、トレーサー結果の数値解析に関わる技術的検討、評価を実施した。その結果、注入圧上昇にともなう、湧水量、膨潤圧、トレーサー回収量の変化が把握できた。また、トレーサー試験結果と解析との比較からプラグ周辺の物質移行特性が把握できた。
古市 光昭*; 戸井田 克*; 升元 一彦*
JNC TJ8400 2000-021, 196 Pages, 2000/02
高レベル放射性廃棄物の地層処分においては、廃棄体の定置後、処分のために建設した地下構造物を埋め戻し材、プラグ材、グラウト材により閉鎖し、人工バリアの健全性を保つとともに廃棄体の隔離性能を長期にわたり確保する必要がある。そこで、わが国の地質環境条件に適応し得るこれら閉鎖システムの確立に資するため、室内試験および原位置試験を通じてこれらの性能を定量的に評価していくことが必要である。本年度は、カナダAECLにおいて開始したトンネルシーリング性能試験におけるトレーサー試験のデータ解析、数値解析に関わる技術的検討及びそれに伴うプラグ周囲のシーリングシステムとしての評価を行うと共に、第2次とりまとめの閉鎖技術に関わる有識者のコメントに対する検討を実施した。以下にその概要を示す。1)AECL地下研究施設において実施しているトンネルシーリング性能試験に係わる、1、トレーサー試験のデータ解決及び数値解析、2、蒸発散量測定のデータ解決、3、ワークショップに関わる資料作成、の項目についての検討を行った。2)第2次とりまとめのドラフトに対して指摘のあった横締固めの機械及び手順についての説明とコンクリートプラグ部の岩盤耐力の検討を行った。
戸井田 克*; 升元 一彦*; 中村 充利*; 奥津 一夫*; 三浦 和彦*
JNC TJ8400 2000-020, 68 Pages, 2000/02
高レベル放射性廃棄物の地層処分においては、廃棄体の定置後、処分のために建設した地下構造物を埋め戻し材、プラグ材、グラウト材により閉鎖し、人工バリアの健全性を保つとともに廃棄体の隔離性能を長期にわたり確保する必要がある。そこで、わが国の地質環境条件に適応し得るこれら閉鎖システムの確立に資するため、室内試験および原位置試験を通じてこれらの性能を定量的に評価していくことが必要である。本年度は、カナダAECLにおいて開始したトンネルシーリング性能試験におけるトレーサー試験のデータ解析、数値解析に関わる技術的検討及びそれに伴うプラグ周囲のシーリングシステムとしての評価を行うと共に、第2次とりまとめの閉鎖技術に関わる有識者のコメントに対する検討を実施した。以下にその概要を示す。1)AECL地下研究施設において実施しているトンネルシーリング性能試験に係わる、1、トレーサー試験のデータ解決及び数値解析、2、蒸発散量測定のデータ解決、3、ワークショップに関わる資料作成、の項目についての検討を行った。2)第2次とりまとめのドラフトに対して指摘のあった横締固めの機械及び手順についての説明とコンクリートプラグ部の岩盤耐力の検討を行った。
戸井田 克*; 塩釜 幸弘*; 渥美 博行; 升元 一彦*; 安井 信吾*; 阿部 泰典*; 古市 光昭*
JNC TJ7440 2000-006, 137 Pages, 2000/02
東濃地科学センターにおける地層科学研究では,地質環境の調査技術・調査手法を開発することを目的として,広域地下水流動研究,超深地層研究所計画を進めている。これらの計画では,主に地表から地下深部に至る花崗岩中の地下水の動きを対象にしており,そのための大きな課題は,できるだけ少ない調査量で高精度に地質環境を把握するための合理的手法を確立することである。統計解析手法は,地下に埋蔵する資源量の評価など他の分野において用いられてきた数学的な方法である。本業務ではこの手法を試錐データの解析に適用し,その有効性を確認した上で,この手法を取り入れた定量的地質環境モデルの構築を提示するものである。平成11年度には,以下の項目を実施した。1.限られた数量の実測データから得られた地質環境特性の空間的不均一性の情報に付随する不確実性を,定量的に評価する統計解析手法の明確化 2.東濃及び他地域の例における上記手法の試用及び適用性の調査 3.国内外の調査・検討事例の調査及びこれらとの比較による上記手法の合理性の確認 4.上記の統計解析手法を反映した定量的な地質環境モデル構築の要領案の作成
日比谷 啓介*; 稲葉 武史*; 塩釜 幸弘*; 山本 拓治*; 升元 一彦*; 古市 光昭*; 三枝 博光
JNC TN7400 99-004, 314 Pages, 1999/03
我が国の地下水流動特性を評価する上で重要な項目として、地下水の動水勾配、及び沿岸部に見られる海水と淡水の密度差によって生じる塩淡境界が挙げられる。地下水の動水勾配は地下水の流速を決定する重要な要因の1つであり、特に地下深部の動水勾配の範囲を把握することは、地下深部の地下水流動が緩慢か否かを評価する上で重要である。一方、塩淡境界の性状(実際の境界面の形状や塩分濃度分布)を把握することは、沿岸部における地下水の流動や水質を評価する上で重要である。したがって、本研究は、全国を対象に、既存の公開資料から動水勾配と塩淡境界に関する情報を収集し、我が国におけるこれらの特徴を把握するとともに、国内外の調査・解析事例を取りまとめ、そこで提案されている調査・解析手法に関して我が国における適用性や問題点を検討した。
日比谷 啓介*; 稲葉 武史*; 塩釜 幸弘*; 升元 一彦*; 深沢 栄造*; 平 和男*; 田中 俊行*; 近藤 嘉広*; 山本 正明*; 奥津 一夫*; et al.
PNC TJ1100 97-004, 69 Pages, 1997/02
高レベル放射性廃棄物の地層処分においては、廃棄体の定置後、処分のために建設した地下構造物を人工バリア材の一つである埋戻し材、プラグ材、グラウト材により閉鎖し、廃棄体の隔離性能を長期にわたり確保する必要がある。そこで、わが国の地質環境条件に適応し得るこれら閉鎖システムの確立に資するため、室内試験および原位置試験を通じてこれらの性能を定量的に評価していくことが必要である。本年度は、粘土プラグの性能を評価するため、室内透水試験を実施するとともに、原位置試験の設計検討を実施した。(1)圧縮珪砂ベントナイトによるプラグを模擬した高水圧透水試験を行い、プラグの透水特性を検討した。(2)カナダのURLサイトにおける横坑シーリング試験の事前検討を行い、具体的な施工方法や試験方法を選定した。