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村上 陽之; 木津 要; 土屋 勝彦; 小出 芳彦; 吉田 清; 尾花 哲浩*; 高畑 一也*; 濱口 真司*; 力石 浩孝*; 夏目 恭平*; et al.
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 24(3), p.4200205_1 - 4200205_5, 2014/06
被引用回数:25 パーセンタイル:73.63(Engineering, Electrical & Electronic)JT-60SAの中心ソレノイドは、ひずみに弱いNbSn素線を用いたケーブル・イン・コンジット導体を用いて製作される。中心ソレノイドモデルコイルは、実機製作を開始する前にコイル巻線や接続部の製作方法の妥当性を検証するために製作し、極低温において通電試験を行った。モデルコイルは4層のパンケーキコイルからなり、内径や外径、絶縁構成などは実機と同じである。実機製作に使用される治具用い、実機と同等の手順で製作した。モデルコイルは、核融合科学研究所のコイル試験装置を用いて極低温において通電試験を行った。試験の結果、圧力損失や臨界電流値,接続抵抗値は要求性能を満たすことが確かめられ、NbSnマグネットの製作方法が確立できた。本論文では、中心ソレノイドモデルコイルの仕様及び製作方法、試験について報告する。
土屋 勝彦; 木津 要; 村上 陽之; 柏 好敏; 吉澤 憲生; 吉田 清; 長谷川 満*; 久野 和雄*; 野元 一宏*; 堀井 弘幸*
Fusion Engineering and Design, 88(6-8), p.551 - 554, 2013/10
被引用回数:8 パーセンタイル:53.04(Nuclear Science & Technology)JT-60SA装置の超伝導平衡磁場(EF)コイルのうち、トロイダル磁場(TF)コイルの下側に設置されるEF4, 5, 6の3つのコイルは、TFコイル設置前に製作を完了する必要がある。EFコイルの一号機として、2011年よりEF4コイルの製作が開始され、2012年4月に巻線が完成した。プラズマを高い精度で制御するために本コイルに対して求められている製作・設置精度は、電流中心半径では、両者合わせて6mm以内である。EF4コイルについて、積層後に巻線全体の非円形度を計測すると0.6mm(+0.2から-0.4mm)であり、要求精度の十分の一を達成できたことがわかった。これは、非変形度の生じやすいジョイント部を、一つのセクションに集中させることなく、DPコイルごとに位置を散らす構造としたため、誤差が平均化されたことによるものが一因と考えられる。これにより、今後大口径(8ないし11m)のEFコイル製作について、高い精度で製作できる目処がたち、設置精度に十分な裕度を残せる結果となった。
木津 要; 村上 陽之; 土屋 勝彦; 吉田 清; 野元 一宏*; 今井 良夫*; 湊 恒明*; 尾花 哲浩*; 濱口 真司*; 高畑 一也*
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 23(3), p.4200104_1 - 4200104_4, 2013/06
被引用回数:23 パーセンタイル:70.72(Engineering, Electrical & Electronic)JT-60SAの中心ソレノイド(CS)の最大経験磁場、電流値、電圧は8.9T, 20kA, 10kVである。そのため、高磁場・高電流密度のNbSn導体を開発した。CSの外形と高さは2m, 1.6mである。幾つかの構成部品を新規に開発し、試験を行った。供給磁束を最大化するためには、巻線の直径をできるだけ大きくする必要がある。そのために、ジョイントの空間を最小化できるバットタイプのジョイントを開発した。DGEBAエポキシを用いた絶縁は、100kGyの線照射においても十分な強度を有していることが示された。44に導体を積み重ねたサンプルに運転時の2倍の応力を運転回数与えた後に絶縁試験を行ったところ、21kVより大きな絶縁耐力があった。これらの結果より、CS実機製作が開始できる。
土屋 勝彦; 木津 要; 村上 陽之; 吉田 清; 栗原 研一; 長谷川 満*; 久野 和雄*; 野元 一宏*; 堀井 弘幸*
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 22(3), p.4202304_1 - 4202304_4, 2012/06
被引用回数:8 パーセンタイル:44.46(Engineering, Electrical & Electronic)日本が担当しているJT-60SAのポロイダル磁場コイルのうち、中心ソレノイド(CS)については、巻線機が完成して調整中であり、平衡磁場コイル(EF)コイルについては、一号機となるEF4コイルが製造を開始し、これまでに本コイルを構成する10個のダブルパンケーキコイル(DP)のうち4個のDPが完成している。また、3つのDPについては寸法検査も行われ、電流中心の誤差は、+2.2mmから-2.1mmの範囲であり、設計誤算範囲である3mmよりも十分小さくなっていることがわかった。このことから、本コイル製造は順調に進んでいるものと判断できる。一方、巻線を構成する部品である、冷媒入口部や巻線終端部の製作は、コイル巻線作業直後に行われる作業でもあるので、早急に設計を完遂する必要がある。特にCSは大きな電磁力を生じることから、設計条件が厳しくなる。まずインレットについては、この電磁力に耐えるうえに、加工時に超伝導線を傷つけないようにする設計ができた。巻線終端構造については、ITERで提案されているものに比べ簡素でありながら、フープ力に耐えつつ絶縁性能も保持する構造とすることができた。これにより、終端部の占有空間が小さくなって巻線の欠ターン数を少なくでき、プラズマ運転領域の確保に貢献した。
長谷川 満*; 堀井 弘幸*; 野元 一宏*; 今井 良夫*; 村井 隆*; 湊 恒明*; 久野 和雄*; 土屋 勝彦; 村上 陽之; 木津 要; et al.
Proceedings of 24th International Cryogenic Engineering Conference (ICEC 24) and International Cryogenic Materials Conference 2012 (ICMC 2012) (CD-ROM), p.571 - 574, 2012/05
JT-60SA装置の超伝導コイルには、18個のトロイダル磁場(TF)コイルと、4つのモジュールから構成される中心ソレノイド(CS)、そして6つの円形であり、さまざまな直径(4.5ないし11m)を持つプラズマ平衡磁場(EF)コイルがあり、日欧協力して製造が進めており、これらのうちCSとEFコイルは日本が担当となっている。このEFコイルのうち、TFコイルの下側に設置されるEF4,5,6の3つのコイルは、TFコイル完成前にJT-60SA本体が設置される箇所に配置されている必要があるため、特に製造が急がれる。2011年より、超伝導コイルの一号機として、EF4コイルの巻線製造が開始された。そして2012年4月、巻線が完成し日本原子力研究開発機構那珂研究所に納入した。最終的に、本コイルの電流中心のトレランスは、要求設計スペックの約十分の一に押さえ込むことが確認できた。本講演では、巻線製造に使用された各機器類の諸元及び工程について述べるとともに、トレランスの評価結果について報告する。
小泉 徳潔; 辺見 努; 松井 邦浩; 中嶋 秀夫; 奥野 清; 久野 和雄*; 野元 一宏*
Fusion Engineering and Design, 84(2-6), p.210 - 214, 2009/09
被引用回数:16 パーセンタイル:70.75(Nuclear Science & Technology)ITER-TFコイルは高さ14m,幅9mのD型コイルであり、ITER工学設計で開発,試験されたTFモデル・コイルの約3倍の大きさとなっている。このため、その製作では新たな技術的課題が生じている。特に、導体長を0.05%の高精度で管理しながら巻線を実施する自動巻線技術、高さ14mのラジアル・プレート(RP)に導体を固定するカバー・プレート(CP)を約750mの長さにわたって溶接し、かつ、溶接による面外変形及び面内変形をそれぞれ2mm及び5mmに抑える技術では、これまでに経験したことがない高い技術が必要とされる。そこで、高精度自動巻線ヘッドを開発し、導体長を0.01%の高精度で測定しながら、1/3規模のD型巻線を試作して、高精度自動巻線が可能なことを示した。また、長さ1mのRP部分モデルを用いて、CP溶接試験を実施し、面外変形を0.8mmに抑えることができた。この結果から、固有歪法を用いて、実機RPのCP溶接による変形量を評価すると、面外変形が1mm、面内変形が5mmと評価され、要求値を満足できると期待できる。また、TFコイルの製作工程全般についても検討し、技術的にはその製作性に目処を立てることができた。
大平 茂; 多田 栄介; 羽田 一彦; 閨谷 譲; 丸尾 毅; 橋本 正義*; 荒木 隆夫*; 野元 一宏*; 鶴 大悟; 石田 敏勝*; et al.
Fusion Science and Technology, 41(3), p.642 - 646, 2002/05
ITER日本建設のため準備されている安全規制の枠組みに関し、科学技術庁の技術顧問会は「ITER施設の安全確保の基本的な考え方の確立について」に、その技術的見地からの考え方を示した。この報告書では、ITERにおける安全確保の目標を、一般公衆と作業従事者を放射性物質による放射線障害から守ることとしている。そのために、核融合反応の受動的終息性や、低い崩壊熱密度等の、ITER施設の安全上の特徴を考慮して、安全設計と安全評価における技術的要件としての基本的な安全性の原則及びアプローチを定めた。すなわち、上記の目標を達成するため、平常運転時におけるALARAの原則の履行,放射性物質を内蔵する機器の構造健全性の確保による事故の防止を行い、コンファインメント施設を設けることで万が一の事故時でも環境中への放射性物質放出を抑制し公衆の過度の放射線被ばくを防止する。ここでは日本における安全性の原則,考え方,技術基準に基づくトリチウムの安全設計概念等について述べる。
鶴 大悟; 閨谷 譲; 荒木 隆夫*; 野元 一宏*; 大平 茂; 丸尾 毅; 橋本 正義*; 羽田 一彦; 多田 栄介
Fusion Engineering and Design, 58-59, p.985 - 989, 2001/11
被引用回数:4 パーセンタイル:33.39(Nuclear Science & Technology)コンパクトITERの固有の安全性を踏まえた安全確保の考え方の構築の一環として、全冷却系が機能してない条件下での崩壊熱による各機器の温度上昇を見積もることにより非常用冷却系の必要性を検討した。全冷却系の全冷却材が瞬時に喪失し、機器間は輻射により熱伝達され、クライオスタットがヒートシングとなるといった極端に仮想的な条件にも関わらず、真空容器の最高温度は500近辺に留まり、なおかつ温度上昇は非常に緩やかで最高温度に到達するのが100日後であった。以上の結果より、コンパクトITERでは崩壊熱密度の小ささから、非常用冷却系が無くても輻射により崩壊熱が除去可能である見通しを得た。併せて、第一壁が一体型である場合及び真空容器冷却系が機能している場合の温度上昇に関して感度解析を行った。
大平 茂; 多田 栄介; 羽田 一彦; 閨谷 譲; 丸尾 毅; 橋本 正義*; 荒木 隆夫*; 野元 一宏*; 鶴 大悟; 石田 敏勝*; et al.
Fusion Engineering and Design, 54(3-4), p.515 - 522, 2001/04
被引用回数:3 パーセンタイル:27.07(Nuclear Science & Technology)原研で開始されている、ITERの安全設計検討、建設のための設計の具体化、設計基準の整備のための検討の現状及びITERの安全に関するR&Dについて概説する。ITERの安全設計と技術的に考慮すべき要件の検討の過程で考慮されるべき重要な要素として、固有の安全性及び高いレベルの受動的安全性があげられる。これらの安全上の特徴により、基本的に異常の事故への拡大は特別の対処なしに防止可能であり、気密性を持った一次閉じ込め系とこれを取り囲むコンファイメント施設とによりITERの安全確保が可能であることについて述べる。ITERに特徴的な機器の構造設計基準や日本への立地の際に必要とされる免震設計の基準確立のための委員会における検討状況や、原研において進められている、トリチウム閉じ込め、免震構造設計、ICE/LOVA事象等にかかわるITERの安全性に関するR&Dについても報告する。
土屋 勝彦; 木津 要; 村上 陽之; 吉田 清; 村井 隆*; 岡田 泰之*; 野元 一宏*; 湊 恒明*
no journal, ,
JT-60SA装置におけるポロイダル磁場を生成する超伝導コイルシステムのうち、中心ソレノイドは最大磁場8.9Tを20kAの電流で発生させるため、大きな電磁力を生じる。そのため、本コイル巻線部のインレット部や終端(巻き止め)部を設計するにあたっては、この電磁力に耐えることはもちろんのこと、特に巻線製造後に直接加工を施すインレットについては、その加工時に超伝導線を傷つけないようにする構造を持つことが要求される。この対策により開口部面積が大きくなるため、インレットキャップに電磁力を持たせることで、機械的強度を担保する設計とした。また、インレットキャップに空ける冷媒溝構造についても、加工が可能となるよう設計を進めた。本講演では、これらの形状を決定するまでのプロセスや構造の機械的成立性について述べる。
辺見 努; 小泉 徳潔; 松井 邦浩; 濱田 一弥; 高橋 良和; 中嶋 秀夫; 奥野 清; 久野 和雄*; 野元 一宏*; 酒井 正弘*; et al.
no journal, ,
原子力機構では、今年度からITER-トロイダル磁場(TF)コイルの調達活動を開始する。ITER-TFコイルは、ITER-EDAの一環として開発されたTFモデルコイル(TFMC)の約3倍の大きさである。TFMCの開発において、基礎的な製作技術は実証されたが、スケール・アップによる新たな技術課題も生じている。これらを解決するために、高精度D型自動巻線試作,絶縁材含浸試験,カバー・プレート(CP)溶接変形試験等を実施している。本発表では、これらの試作及び実証試験の結果について報告する。
高柳 貞敏*; 久野 和雄*; 市原 直*; 野元 一宏*; 長谷川 満*; 小泉 徳潔; 松井 邦浩; 奥野 清
no journal, ,
日本が製作を担当するITERトロイダル磁場(TF)コイルの調達準備のために、TFコイル製作方法とコイル製造装置の検討を行っている。ITER-TFコイル導体の巻線では、高精度化と工程合理化のための自動化が必須である。2006年度には、3点ロール曲げ自動巻線装置の部分試作を行い、その装置を使用して短尺導体の試巻線を実施した。その結果、数パーセントの曲げ精度で巻線ができることを実証した。今後、高精度自動化巻線で必要となる巻線長の高精度計測手法についても報告する。
村上 陽之; 木津 要; 神谷 宏治; 土屋 勝彦; 小出 芳彦; 吉田 清; 尾花 哲浩*; 高畑 一也*; 濱口 真司*; 力石 浩孝*; et al.
no journal, ,
JT-60SA中心ソレノイド(CS)の製作方法の妥当性を確認するため、実機と同じ導体・製作治具を用いてモデルコイルを製作し、極低温における通電試験を実施した。モデルコイルは実機と同じ曲げ半径で巻線し、実機と同等の熱処理を行った。電流リードとの接続に用いる電流フィーダとモデルコイル本体は、実機CSに用いるバットジョイントにより接続し、接続部の評価も同時に実施できる構造とした。モデルコイルの通電試験は、核融合科学研究所(NIFS)の大型試験装置を用いて実施した。試験は臨界電流測定、接続抵抗測定および圧力損失測定を実施した。試験の結果、臨界電流値,接続抵抗値,圧力損失はいずれも要求値を満足し、CSの製作方法に問題が生じていないことを明らかにした。本講演では、今回実施した試験の概要および結果について報告する。