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沼宮内 弼雄; 加藤 清
原子力工業, 32(9), p.74 - 79, 1986/00
原子炉施設の解体に際しては、金属解体物やコンクリート解体物などの放射性廃棄物が解体期間中に集中的に大量に発生する。このため、解体廃棄物の処理技術等の確立をはかる必要がある。原研における解体廃棄物処理処分関連技術の開発として、57年度から、(i)解体廃棄物のパッケージ技術、(ii)金属廃棄物の減容処理技術(圧縮切断と高圧縮処理法)、(iii)コンクリート廃棄物のセメント固化処理技術、(iv)大型機器やコンクリート解体物の表面汚染固定処理技術、(v)解体廃棄物の管理システムの評価検討について、技術開発を進めてきた。これらの技術開発の現状を簡単に解説する。
間辺 巖; 吉田 真; 沼宮内 弼雄
Radioisotopes, 32(11), p.559 - 562, 1983/00
放射線管理用の試料の線スペクトルを自動的に測定するための大型しゃへい体と試料交換装置を開発し、その評価を行った。装置は環境管理用の試料が測定可能な15cm厚の鉛しゃへい体と、各種形状の試料が60個まで並べられる自動試料交換装置で構成される。本装置を用いて同一の試料を繰り返し測定した結果、試料が検出器上に置かれる位置がずれることにより生じる測定誤差は2%以下であった。またしゃへい体の横に設置した試料架台上の試料からの放射線による影響を調べた結果、放射能の弱い環境管理用試料の測定に対しても支障がないことが明らかになった。本装置の開発により多種多数の試料の連続測定が可能になり、測定業務の能率が飛躍的に向上した。
熊沢 蕃; 島崎 潤也; 沼宮内 弼雄
JAERI-M 82-035, 63 Pages, 1982/04
職業被曝の解析法を確立する一環として、混成対数正規分布に関連した数値計算法と計算プログラムを開発した。これらは、混成対数正規分布のパラメータの推定、分布関数、パーセント点、中央値、最頻値の計算、積率、平均値、分散、幾何平均値、幾何標準偏差の計算、さらに積率分布の分布関数、パーセント点、中央値、最頻値の計算である。計算プログラムはすべてサブルーチンまたは関数サブプログラム形式であり、必要な補助プログラムも含めることにより、混成対数正規分布に関し完備したプログラムパッケージとした。この結果、実測データから混成対数正規分布の3つのパラメータを推定し、個人被曝線量分布や個人被曝線量による集団線量分布を求めるための各種の統計量の計算が簡単化された。
伊藤 精; 熊沢 蕃; 西 健雄; 沼宮内 弼雄
保健物理, 17, p.443 - 449, 1982/00
速中性子フィルム中の反跳陽子飛跡測定による速中性子線量当量を評価する場合の、検出限界線量当量の評価法を検討した。飛跡の検出限界数の推定にはポアソン分布を適用するとともに、評価にさいしては速中性子に対するフィルムの感度、エネルギー依存性、潜像退行等の要因を考慮した。検討の結果、検出限界線量当量はバックグラウンド放射線の変動に影響され、その程度は計測面積に依存することが明らかになった。また、中性子を照射したフィルムの計測面積が少ない場合であっても、バックグラウンド放射線測定用の計測面積を多くすることによって、検出限界線量当量はさらに低くすることができることがわかった。これらの結果をもとにして、検出限界線量当量と中性子照射フィルムの計測面積との関係をエネルギー依存性と潜像退行の効果を考慮して求めた。
間辺 巖; 吉田 真; 沼宮内 弼雄
保健物理, 17, p.469 - 478, 1982/00
東海研の放射線管理試料の測定と解析を効率的、経済的に行うとともに、測定の斉一化をはかる放射能試料自動測定解析システムを開発した。システムは小型計算機を中核に、、、(x)線スペクトロメータが8台迄と、2台のグロスカウンタが接続でき、測定は並列して行える。小型計算機は240K語のメモリと標準I/O装置で構成する。データの収集と解析は並列処理が可能である。リアルタイム処理にはデータ収集、スペクトル解析、エネルギー校正、計数効率校正、RIテーブルを基にする定性、定量などのデータ解析プログラムの他、業務の省力化をはかる自動実行プログラムがある。測定データはディスク装置にファイルされ常時照会に応じられると共に、放射線管理月報の要素データとなる。本システムは少人数で年間3万件以上の測定が可能である。
熊沢 蕃; 沼宮内 弼雄
Health Physics, 41(3), p.465 - 475, 1981/00
被引用回数:28 パーセンタイル:92.85(Environmental Sciences)原子力の普及にともない、職業被曝の統計分布が問題にされるようになって来た。ICRP26でもこれに対数正規分布を適用する立場をとっている。しかし、高い被曝者は線量限度を設定して管理されるので、その出現頻度は対数正規分布に従わなくなる。本論文はこのような線量限度効果を示す被曝線量分布を解析するため混成対数正規分布と名付ける理論分布を提案するとともに、この分布の適用例について報告したものである。混成対数正規分布は被曝メカニズムに関する現実的な仮定から導き、ここではこの分布の性質や分布の3つの助変数の推定法などを示した。この方法を米国原子力規制委員会の公表した職業被曝データの解析に適用した結果、このデータは対数正規分布よりも混成対数正規分布の方にはるかによく適合することが知られた。
熊沢 蕃; 伊藤 精; 西 健雄; 沼宮内 弼雄
保健物理, 16(2), p.141 - 144, 1981/00
原研における年間全身被曝線量の分布則性をK.Pearsonの検定および尤度比検定により検討したものである。危険率5%として次のことが知られた。 1.年間全身被曝線量分布の対数正規分布への適合度は、フィルムバッジ全使用者に対して否定される傾向が見られるのに対して、検出限界線量以上の被曝者に対しては否定されない傾向が見られた。 2.年間最大全身被曝線量分布の二重指数分布への適合度は否定されなかった。 3.年度別の年間全身被爆線量の最大値対平均値の比の分布の対数正規分布への適合度はフィルムバッジ全使用者にたいしては否定されなかったのに対して、検出限界線量以上の被曝者に対しては否定された。
備後 一義; 田野 茂光*; 沼宮内 弼雄; 吉田 芳和; 山口 彦之*
Radiat.Res., 85(3), p.592 - 596, 1981/00
被引用回数:5 パーセンタイル:88.02(Biology)ムラサキツユクサの花序内にIを滴下すると、オシベ毛に体細胞突然変異が起る。Iの線による花序中のツボミの吸収線量の計算を実施した。体細胞突然変位の倍加線量は、Iがツボミ中に一様に分布すると仮定した場合、1radであった。また、ツボミの表面に一様にIが分布すると仮定した場合、ツボミが球状であるとすると0.38radであり、板状であるとしたときは0.07radであった。
南 賢太郎; 沼宮内 弼雄; 国分 守信; 吉田 芳和
JAERI-M 8966, 50 Pages, 1980/07
本報告は事故時における影響範囲の推定方法及び予測被爆線量評価を新しいモニタリング技術との関連でのべるものである。
備後 一義; 須賀 新一; 梶本 与一; 沼宮内 弼雄
Health Physics, 39(1), p.21 - 28, 1980/00
被引用回数:1 パーセンタイル:22.66(Environmental Sciences)入射線のエネルギーにほぼ無関係に、線量率を直接測定評価可能な線用サーベィメータを開発した。このサーベィメータは、表面汚染検査計としても使用できる。最大エネルギー0.4MeV以上の線に対するレスポンスは10%で一定である。線量率の測定範囲は510~10mrad/hr(皮膚の線量率測定…表皮厚7mg/cm),310~10mrad/hr(指先の線量率測定…同40mg/cm)である。汚染検査計として使用するときの測定範囲は0.3~1.710cm・sec(2方向)である。
西 健雄; 伊藤 精; 熊沢 蕃; 沼宮内 弼雄
保健物理, 15(2), p.129 - 133, 1980/00
フィルムバッジの線に対するエネルギー依存性を改善する目的で、錫(1mmt)と鉛(0.5mmt)の金属板を重ね合わせたフィルタに直径1mmの貫通小穴を2mm等間隔にあけたエネルギー補償型フィルタを作成した。このフィルタの内側にアクリル板(3mmt)を接着した試作バッジケースの線に対するエネルギー依存性は、30keVから1.25MeVのエネルギー範囲まで、Coの線のフィルム感度を基準として、0.9から1.4の間に平坦化することができた。この実験で得られたエネルギー依存性は、ポケット線量計(国産)の特性より優れ、熱ルミネッセンス線量計(LiF)とほぼ同様な結果である。
西 健雄; 熊沢 蕃; 伊藤 精; 沼宮内 弼雄
保健物理, 15(2), p.111 - 118, 1980/00
原研における被曝の特徴を明らかにするとともに将来の被曝を予測するため、年間全身被曝線量分布について各種被曝統計解析をおこない、下記の結論をえた。(1)年間全身被曝線量分布は、対数正規分布則にしたがう。(2)年度別の年間最大全身被曝線量分布は、二重指数分布則にしたがう。この結果より、年間3remおよび4remを超える年間最大被曝者の出現年度割合は、それぞれ20年間に1回程度および100年間に1回程度と推定される。(3)年度別に年間全身被曝線量の最大値を平均値で割った値の分布は、対数正規分布則にしたがう。(4)年度毎の年間最大全身被曝線量を大きさの順にならべると、線量の大きさは順位の指数関数として表わすことができ、11番目ごとにその線量は1/eに減少する。
龍福 廣; 沼宮内 弼雄; 宮坂 駿一; 南 多善*
JAERI-M 8171, 136 Pages, 1979/03
本プログラムはガンマ線スカイシャイン計算のために、輸送計算コードANISNおよびDOT、点積分核法計算コードG-33およびSPANを簡単かつ有効に使用するために作成された。各コードの入力形式は共通の形式に統一されており、入力方法の簡易化のために計算体系のパターン化および標準データファイルの採用などが行われている。また、複雑な線源および遮蔽条件を取り扱うために、各コードを互いに結合して使用する結合計算法が可能である。
備後 一義; 須賀 新一; 上沢 輝夫; 梶本 与一; 武藤 貢; 沼宮内 弼雄
日本原子力学会誌, 21(8), p.668 - 675, 1979/00
被引用回数:0皮膚または指先の吸収線量率を直読可能なサーベィメータを開発した。このサーベィメータは表面汚染検査計としても使用可能である。吸収線量率測定に用いるとき、最大エネルギー0.4MeV以上の線に対する線量感度は10%範囲内で一定値である。吸収線量率の測定範囲は3.110~10mrad/hr(皮膚に対する線量率)および1.710~10mrad/hr(指先に対する線量率)である。表面汚染検査計として用いるとき、測定範囲は1.910~1.710n/cm・sec(2方向)である(但し、汚染は厚さ27mg/cmのAlフィルタ付天然ウラン線源の場合と同じであると仮定した場合)。従来の50mmGM計数管型表面汚染検査計の測定範囲(1.710~4.210n/cm・sec)よりも、測定範囲が広く秀れている。
大谷 暁; 河合 勝雄; 沼宮内 弼雄
放射線, 3(3), p.33 - 37, 1976/03
原研におけるエキソ電子放射を利用した高感度線量計の開発状況を紹介した。試作したエキソ電子測定装置の概略とBeO(Na)粉末素子に関する線量計としての特性およびBeO(Na)セラミック試料の活性化による特性の改善について述べた。
大谷 暁; 河合 勝雄; 沼宮内 弼雄
JAERI-M 5863, 16 Pages, 1974/10
BeOにNaをドープした(BeO:Na)試料のエクソ電子線量計としての特性と、試作した測定装置の特性について述べた。試料は500Cで1時間アニールした後、Co線を照射し、ヒータで加熱昇温したとき放出されるエクソ電子をガスフロー型GM計数管で検出した。検出器は、ヒータの昇温速度が0.4~3.0C/sec、加熱温度が室温~500Cで動作する。エクソ電子の測定は積算値の計数、グロー曲線のアナログおよびディジタル記録などによって行った。BeO:Na粉末試料のグロー曲線は380Cに主ピーク、460Cに小ピークを示し、積算計数値の再現性は平均値の3以内であった。主ピークの積算計数値は、グロー曲線をガウス分布で近似し計数落しを補正した。その結果、試料のレスポンスは(線量)に比例し、0.01mRまで測定できることが明らかになった。表面にアカダックを塗布したセラミック試料の特性についても述べた。
備後 一義; 沼宮内 弼雄; 藤田 稔
JAERI 1229, 31 Pages, 1973/07
エネルギースペクトルが解らないときと中性子の線量を求めることは困難である。ここで中性子のスペクトルを三つの成分に分け、速中性子のスペクトルを√aEe~で表わし、中速中性子はE分布、熱中性子はMaxwell分布するものとする。ここで、aおよびnはエネルギースペクトルのパラメータであって、スペクトルの形を決定する。パラメータa、nを、天然ウラン、低濃縮ウランまたはT をドープしたガラス製核分裂飛跡検出器6個と硫黄ディスク1個で構成された原研型検出器系を用いて求める方法について述べた。また、入射中性子流量、線量を評価する方法も述べた。この検出器系を用い、JRR-4ウランコンバータから発生する核分裂中性子のスペクトルを求め、線量を評価する実験を行なった。速中性子成分のパラメータは0、9であり、速中性子成分のみの平均エネルギーは1、7MeV弱であった。中速中性子成分のパラメータnについては求めることができなかった。その原因について考案した。
沼宮内 弼雄; 大谷 暁; 河合 勝雄; 織田 暢夫*
JAERI 1208, 20 Pages, 1971/07
微現的線量概念にもとづいて、エネルギーが1~20MeVの速中性子線に対する標的の不活性化有効断面積と生存率をIBM-7044を用いて計算した。生存率はoneー、twoー、およびthreeーevents modelの標的について、速中性子数の入射エネルギー、En、デルタ約のcut-off エネルギー、n および平均厚みlをパラメータとして、それぞれの異なる組合せをした場合について求めた。標的速中性子線は、oneーtarget modelの生存率から決めた。
沼宮内 弼雄; 大谷 暁; 河合 勝雄; 織田 暢夫*
JAERI 1180, 12 Pages, 1969/09
微視的線量概念にもとづいて、エネルギーが4~12MeV/amu、電荷が1~18の重荷電粒子対する標的不活性化有効断面積と生存率をIBM-7044を用いて計算した。生存率はoneーtwoーおよびthreeーevents modelの標的について、重荷電粒子の重荷電粒子の有効重荷Zeff、入射」エネルギーEp、8線のcut-offエネルギー、標的厚み をパラメータとして、それぞれ異なる組み合わせをした場合について求めた。InputとしてはZ(標的当りの附与エネルギー)を用いた、不活性化有効断面積は、oneーevent modelの場合についてのみ、生存率から求めた。
沼宮内 弼雄; 大谷 暁; 河合 勝雄; 織田 暢夫*
JAERI 1179, 25 Pages, 1969/08
微視的線量概念にもとづいて、重荷電粒子水中巾微小飛跡中の一次的エネルギー付分布を、新たに開発した方法によってIBN-7044で計算した、入射荷電粒子の有効電荷(118)、エネルギー(412MeV/amu)、デルタ線のcut-offエネルギー(1251000eV)および標的の大きさ(/W=1/10001/10、100のすべての組合わせの場合について求めたエネルギー付与分布の情報を、一次的エネルギー付与の確率と、標的の大きさとの関数として表にまとめた。これらのデータから生物系にone-target modelを適用し、T-分布にもとづいた重荷電粒子に対する標的有効断面積と幾何学的断面積との比(Sett-So)を求め表にした。