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佐伯 盛久*; 松村 大樹; 中西 隆造*; 蓬田 匠; 辻 卓也; 齋藤 寛之*; 大場 弘則*
Journal of Physical Chemistry C, 126(12), p.5607 - 5616, 2022/03
被引用回数:1 パーセンタイル:56.41(Chemistry, Physical)パルス紫外線レーザー照射によって引き起こされるRhイオン錯体のRh
種への直接光還元反応機構を、分散型X線吸収微細構造(DXAFS)分光法によって調べた。時間分解X線吸収端近傍構造(XANES)には等吸収点がなく、Rh
の直接光還元に2種類以上のRh
が寄与することを示した。時間分解XANESデータの特異値解析から、直接光還元には3つのRh
種が関与することが示唆された。時間分解XANESデータを、交互最小二乗法による多変量解析(MCR-ALS)により解析したところ、3つのRh
種の純粋なスペクトルと濃度プロファイルが得られた。Rh
種は、3つのXANESスペクトルの特徴から、Rh
, Rh
, Rh
種に分類できた。得られた濃度プロファイルから、Rhの直接光還元はRh
Rh
Rh
の順で進行することが示唆され、Rh
とRh
の光還元、Rh
とRh
の光による自己触媒的還元、Rh
の光酸化による反応機構により、3種のRh
の濃度プロファイルがよく再現できることが示された。
蓬田 匠; 佐伯 盛久*; 森井 志織; 大場 弘則*; 北辻 章浩
Analytical Sciences, 37(12), p.1843 - 1846, 2021/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Analytical)高レベル放射性廃液(HLLW)中に含まれる長寿命核種であるPdの存在量を知ることは、HLLWの処分安全評価の観点から重要である。我々は、HLLW等に含まれる
Pdの定量のために、キセノンランプの光照射による簡易で単ステップのPd沈殿分離法を開発した。14元素を含む模擬HLLW試料に、キセノンランプによる光照射を行い、遠心分離によって生成したPd沈殿を回収した。光照射時の照射時間とエタノール濃度の最適化を行った結果、模擬HLLWからのPd回収率は50%に達し、他の13元素は99.5%以上除去された。Pd沈殿中には、HLLW中での主要な放射能源(Sr, Cs, Ba)や、
Pdの定量分析の際に測定妨害となる元素(Zr, Ru)が含まれておらず、開発した分離法は実際のHLLWなどへ適用可能であることが示された。
田村 浩司; 大場 弘則; 佐伯 盛久; 田口 富嗣*; Lim, H. H.*; 平等 拓範*; 若井田 育夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 58(4), p.405 - 415, 2021/04
被引用回数:5 パーセンタイル:67.23(Nuclear Science & Technology)モノリシックNd:YAG / Cr:YAG複合セラミックを備えたコンパクトな光ファイバー伝送レーザー誘起ブレークダウン分光法(LIBS)システムを開発し、その特性に対する放射線線量率の影響を、過酷環境下遠隔分析のために調べた。LIBS信号に対する放射線の影響を調べるために、レーザー発振しきい値、出力エネルギー、発振タイミング、時間パルス形状、ビームプロファイルなどのNd:YAGレーザー動作に関連する特性を、010kGy/hrの放射線量率で変化させて金属ジルコニウムのLIBSスペクトルを照射下で測定した。信号強度は照射により大幅に減少したが、最大放射線量率でも有益なスペクトルが得られた。LIBS関連パラメーターの比較から、信号の減少は主に入射パルスエネルギーの減少に起因した。シンチレーション発光スペクトルも放射線照射中に観測され、その信号強度は線量率とともに直線的に増加した。試験結果は、開発したLIBSシステムが、燃料デブリ探査などの過酷な環境において放射線量率の影響を受けるものの遠隔元素分析およびモニタリングに適用可能であることを示している。
中西 隆造; 大場 弘則; 佐伯 盛久; 若井田 育夫; 田邉 里枝*; 伊藤 義郎*
Optics Express (Internet), 29(4), p.5205 - 5212, 2021/02
被引用回数:3 パーセンタイル:42.85(Optics)液体ジェットと組み合わせたレーザー誘起ブレークダウン分光法(LIBS)を、水溶液中の微量ナトリウム(Na)の検出に適用した。直径500mの液体円筒ジェットと厚さ20
mの液体シートジェットの2種類の液体ジェットの感度を比較した。液体シートジェットは、円筒形ジェットと比較して、レーザー照射面からの飛沫を効果的に低減し、長寿命の発光プラズマを生成した。Naの検出限界(LOD)は、シートジェットで0.57
g/L、円筒ジェットで10.5
g/Lと決定された。シートジェットで得られたLODは、市販の誘導結合プラズマ発光分析計で得られたLODと同等であった。
佐伯 盛久*; 蓬田 匠; 松村 大樹; 斉藤 拓巳*; 中西 隆造*; 辻 卓也; 大場 弘則*
Analytical Sciences, 36(11), p.1371 - 1378, 2020/11
被引用回数:2 パーセンタイル:15.8(Chemistry, Analytical)モリブデンイオンMoO水溶液に酸を加えると、複数のモリブデン原子が酸素を介して結合したポリモリブデン酸が形成され、さらに酸濃度に応じてポリモリブデン酸の化学形態は大きく変化する。我々は、これまで研究例の少なかった高酸性水溶液中(0.15-4.0M)でのポリモリブデン酸の化学形態を、ラマン分光法およびX線吸収微細構造(XAFS)分光法により調べ、測定したスペクトルを多変量スペクトル分解法(MCR-ALS)により解析した。MCR-ALS解析では実験データ解析により得られるスペクトルの任意性が問題になり、XAFSデータのみの解析ではこれが顕著になるが、XAFSデータとラマンデータを同時にMCR-ALS解析することで、信頼性の高い3成分のXAFSスペクトルを得ることに成功した。構造解析の結果から、硝酸濃度が高くなるにつれポリモリブデン酸の化学種が[Mo
O
(H
O)
]
[Mo
O
(H
O)
]
[HMoO
(H
O)
]
へと変化する様子を明らかにした。
浅井 志保; 大畑 昌輝*; 蓬田 匠; 佐伯 盛久*; 大場 弘則*; 半澤 有希子; 堀田 拓摩; 北辻 章浩
Analytical and Bioanalytical Chemistry, 411(5), p.973 - 983, 2019/02
被引用回数:9 パーセンタイル:62.2(Biochemical Research Methods)使用済燃料中には複数のPd同位体が存在している。そのうちPdは放射性であるため、使用済燃料中のPdを廃棄物処分もしくは資源として利用する場合、
Pdの定量分析が不可欠となる。本研究では、
Pdの分析を迅速化することを目的として、レーザーアブレーションICP-MS(LA-ICP-MS)による定量を試みた。LA-ICP-MSでは、沈殿分離したPdを固体のまま直接測定でき、従来の溶液測定において不可欠であった溶液化処理や希釈操作が不要となる。ここでは、使用済燃料中には存在せず天然にのみ存在する
Pdを内標準として、
Pdの添加量と
Pd/
Pd実測値から
Pdを定量した。Pd沈殿は、遠心分離によってろ紙上に回収することで、均質で平滑なPd薄層を形成するため、アブレーションに適した形状となる。このため安定した
Pd/
Pdが得られ、従来の溶液測定における
Pd定量結果と一致した。
佐伯 盛久*; 松村 大樹; 蓬田 匠; 田口 富嗣*; 辻 卓也; 齋藤 寛之*; 大場 弘則*
Journal of Physical Chemistry C, 123(1), p.817 - 824, 2019/01
被引用回数:11 パーセンタイル:54.62(Chemistry, Physical)PdCl水溶液にパルスレーザーを照射した際の、パラジウム(Pd)微粒子の形成反応メカニズムを透過型電子顕微鏡(TEM)、およびエネルギー分散型X線吸収分光法(DXAFS)を用いて調べた。266 nmの波長のナノ秒レーザー照射により形成されたPd微粒子をTEMにより観測した結果、微粒子径が照射レーザーのフルエンスに依存し、高フルエンスのレーザー照射が微粒子形成を促進することを明らかにした。DXAFSの結果よりPd
の濃度を算出し、Finke-Watzkyの二段階反応に基づいた解析を行った。その結果、照射するレーザーのフォトンは、1光子過程のPdCl
の還元と、多光子過程のPd微粒子の自己触媒的な成長に寄与することを見出した。
若井田 育夫; 大場 弘則; 宮部 昌文; 赤岡 克昭; 大場 正規; 田村 浩司; 佐伯 盛久
光学, 48(1), p.13 - 20, 2019/01
レーザー誘起ブレークダウン分光(LIBS)や関連技術である共鳴吸収分光の原子力分野での応用について紹介する。放射性物質を多く含有した次世代低除染MOX燃料への適用や、福島第一原子力発電所の損傷炉内といった高放射線・過酷環境における燃料出渕のその場サーベランスにおいては、光ファイバーを活用したLIBS技術や共鳴吸収分光技術は、遠隔分析手法として最も有力な手法の一つとして期待されている。これらの技術の基本及び性能について現状を紹介し、LIBS技術などの原子力分野への適用についてレビューする。
佐伯 盛久*; 浅井 志保; 大場 弘則*
ぶんせき, 2018(4), p.138 - 143, 2018/04
白金族元素は産業分野において高いニーズがあり、溶媒抽出法, 固相抽出法, 溶融塩電解法といったさまざまな分離回収法が開発されてきた。こうした分離法のうち、新しく開発された「レーザー微粒子化分離法」は、単純操作で非接触かつ高選択的に白金族を分離できることから、これまでの分離法に代わる有効な手法として期待されている。本稿では、レーザー微粒子化分離法の開発背景と基本原理について概説した。また、分析化学分野での応用例として、世界初の実測成功につながった使用済み燃料中の放射性パラジウム分析についても紹介した。
蓬田 匠; 浅井 志保; 佐伯 盛久*; 半澤 有希子; 堀田 拓摩; 江坂 文孝; 大場 弘則*; 北辻 章浩
分析化学, 66(9), p.647 - 652, 2017/09
被引用回数:2 パーセンタイル:7.99(Chemistry, Analytical)ウランの核分裂生成物の一つであるPdは、半減期が約650万年と長く、長期間に渡り放射線を放出して人体に影響を及ぼす可能性があることから、高レベル放射性廃液(HLLW)中の存在量を正確に把握する必要がある。しかし、これまでその存在量の実測報告例はない。本研究では、遠隔・非接触分離が可能なレーザー誘起光還元法のHLLWへの適用を念頭に、HLW模擬液を用いて種々の分離条件がPd回収率に与える影響を検討した。Pdの回収率は、還元剤として作用するエタノール濃度、レーザー光の照射時間とパルスエネルギーに依存し、それぞれ40%、20分、100mJとした場合に60%となった。また、Pd濃度0.24
g mL
から24
g mL
の広い濃度範囲において、主要な放射能源やスペクトル干渉源となる元素を99.5%以上の割合で除去し、Pdを高純度に分離できることを明らかにした。本条件によれば、レーザー誘起光還元法はHLLWなど実際の放射性廃棄物に含まれる
PdのICP-MS測定前処理法として、十分に適用可能である。
佐伯 盛久*; 田口 富嗣*; 大場 弘則*; 松村 大樹; 辻 卓也; 蓬田 匠
電気学会研究会資料,電子材料研究会(EFM-17-010021), p.15 - 18, 2017/09
パラジウム水溶液にナノ秒パルス紫外レーザーを照射すると、レーザー微粒子化反応により通常の手法ではできにくいサブミクロンサイズのPd微粒子が生成する。本研究ではその生成メカニズムを調べるため、パルスレーザー照射による微粒子化反応を時間分解XAFS分光により追跡した。そして、様々な照射レーザー強度における微粒子化反応速度を比較したところ、レーザー強度増大により反応が1光子から2光子過程に移行することを示唆する結果を得た。
浅井 志保; 蓬田 匠; 佐伯 盛久*; 大場 弘則*; 半澤 有希子; 堀田 拓摩; 北辻 章浩
Analytical Chemistry, 88(24), p.12227 - 12233, 2016/12
被引用回数:15 パーセンタイル:55.57(Chemistry, Analytical)放射性廃棄物中の放射能インベントリを合理的に積算するためには、実廃棄物の分析値によって裏付けられた信頼性の高い放射能評価値が不可欠である。Pdは、高レベル放射性廃棄物(HLW)の主要な発生源である使用済燃料中に存在し、HLWの放射能評価対象核種の1つとされている。しかしながら、測定が困難であるため実測値の報告例がなくHLW中存在量は未評価である。本研究では、ICP-MSによる使用済燃料中
Pdの定量を目的とし、パルスレーザー照射によって誘起されるPdの光還元反応を利用した迅速簡便な分離法を開発した。方法の妥当性検証のため使用済燃料試料に適用したところ、20分のレーザー照射によって使用済燃料試料中に存在する約90%のPdが回収され、かつ不純物がほとんど存在しない純粋なPd沈殿が得られた。したがって、不純物による測定干渉がない正確な
Pd定量値が得られ、初めての実測例となった。
佐伯 盛久; 田口 富嗣; 中島 信昭*; 大場 弘則
Journal of Photochemistry and Photobiology A; Chemistry, 299, p.189 - 193, 2015/02
被引用回数:11 パーセンタイル:30.55(Chemistry, Physical)Metal separation by using laser-induced particle formation was applied to the recovery of Pd from a mixed solution with Mo. In this separation, the Pd ions in the mixed solution containing 1 vol% ethanol were selectively reduced by irradiation of pulsed laser (10 Hz repetition rate) and high-repetition-pulse (HRP) laser (30 kHz repetition rate) with the wavelength of 355 nm while keeping irradiation power constant. The laser-induced reduction resulted in the generation of the Pd neutrals, which is followed by the aggregation of Pd neutrals in the absence of a stabilizing agent. The generated Pd particles were recovered and separated from the Mo ions by filtration. ICP-AES analysis of the filtrate elucidated that the Pd metals were successfully separated from Mo with a high recovery efficiency (84%). The recovery efficiency of Pd was different in the irradiation between the pulsed and HRP lasers; the efficiency obtained using the pulsed laser was 12% higher than that from the HRP laser. XRD analyses demonstrated that the Pd particles subjected to pulsed laser irradiation were 30 times larger than those subjected to the HRP laser. Based on TEM observations, the sizes of the Pd primary particles were approximately 200 nm (pulsed laser) and 10 nm (HRP laser). The formation of submicron Pd particles using the pulsed laser increased the recovery efficiency of Pd in this separation, because the Pd particles were recovered by a 0.2
m pore size filter. The formation of different size Pd particles in the irradiation between the pulsed and HRP lasers clearly suggests that the pulsed laser irradiation contributes not only to the reduction of the Pd ion but also to the Pd particle growth in the laser-induced particle formation.
大場 弘則; 佐伯 盛久; 若井田 育夫
レーザー研究, 42(12), p.892 - 896, 2014/12
レーザー誘起ブレークダウン分光(LIBS)は前処理無しで迅速、その場、遠隔で元素組成を決定することができる魅力的な手段である。LIBSは工程管理や環境測定における液体柱の溶存元素に適用できる。本稿では、液体へのLIBS適用例や、適用時の問題点とその解決方法を解説するとともに、原子力再処理工程における放射性溶液の物質移動監視へのLIBS適用可能性検討として実施した、高レベル放射性廃液模擬溶解液を用いたLIBS分析例について紹介する。
大場 弘則; 佐伯 盛久; 若井田 育夫; 田邉 里枝*; 伊藤 義郎*
Optics Express (Internet), 22(20), p.24478 - 24490, 2014/10
被引用回数:15 パーセンタイル:64.95(Optics)液体を対象にしたレーザー誘起ブレークダウン分光(LIBS)分析において、簡素化して高感度な分析を行うために付加的機器やキャリアガス等用いない連続液体フロージェットの気液界面をLIBSに適用することを検討している。本研究では、Nd:YAGレーザー基本波(1064nm)をmオーダーの液膜ジェットに照射したときに得られる発光スペクトルにおいて、膜厚と発光検出感度の関係を調べた。その結果、液体膜厚を数
mから数十
mに増加させるとそれに比例して検出感度は向上して20
mで最大感度となった。また、膜厚が25
mを超えると急激に検出感度が低下することがわかった。さらに、液膜ジェット形状の時間分解シャドウグラフおよびプラズマ発光分光計測を行い、レーザー光と水溶液の相互作用体積の大小、すなわち液体ジェットの膜厚、により飛沫の発生量や飛散方向が異なり、検出感度は膜厚に依存することがわかった。
佐伯 盛久; 岩撫 暁生; 伊藤 主税; 若井田 育夫; Thornton, B.*; 作花 哲夫*; 大場 弘則
Journal of Nuclear Science and Technology, 51(7-8), p.930 - 938, 2014/07
被引用回数:59 パーセンタイル:98.31(Nuclear Science & Technology)高放射線環境下でかつ水中に存在する固体試料を遠隔元素分析するための、ファイバーカップリングレーザー誘起ブレークダウン(LIBS)分光装置を設計・開発した。通常水中でLIBSを行うと、レーザーアブレーションにより生成したプラズマが水によりすぐ冷却されてしまうため、そこからの発光を効率よく観測することができない。そこで我々は、ガスフローシステムまたはダブルレーザーパルスシステムをLIBSシステムに取り入れること により、レーザーアブレーションプラズマの周辺だけに擬大気環境を発生させ、水中でも効率よくLIBS測定がで きるようにした。また、放射線照射した時のファイバーの光学透過特性試験を行い、放射線照射前後において近赤 外(700-1100nm)領域では透過特性が変化しないことを見出した。さらに、分析を行うために最低必要なレーザーパワーを測定し、その結果を基にLIBSシステムの要であるレーザーを小型なもので置き換えることに成功した。以上の結果を基に、可搬型のファイバーカップリングレーザーLIBS分析システムを試作し、その性能評価を行った。
伊藤 主税; 内藤 裕之; 西村 昭彦; 大場 弘則; 若井田 育夫; 杉山 僚; 茶谷 恵治
Journal of Nuclear Science and Technology, 51(7-8), p.944 - 950, 2014/07
被引用回数:20 パーセンタイル:85.24(Nuclear Science & Technology)福島第一原子力発電所の燃料デブリの取出しに向けた原子炉圧力容器・格納容器内の燃料デブリの位置や状況の把握に適用可能な検査技術として、ファイバスコープによる観察技術とレーザー分光による元素分析技術を組み合わせた光ファイバプローブを開発している。積算線量100万Gyまで使用できる性能を目指し、ヒドロキシ基を1,000ppm含有させることにより耐放射線性を向上させた高純度石英光ファイバを試作して、
線照射試験により放射線の影響による伝送損失の測定とイメージファイバによる可視光線及び赤外線観察を行った。その結果、光ファイバの耐放射線性能を確認でき、100万Gyまで観察及びLIBS分光が行える見通しを得た。
伊藤 主税; 内藤 裕之; 大場 弘則; 佐伯 盛久; 伊藤 敬輔; 石川 高史; 西村 昭彦; 若井田 育夫; 関根 隆
Proceedings of 22nd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-22) (DVD-ROM), 7 Pages, 2014/07
福島第一原子力発電所の燃料デブリの取り出しに向けた原子炉圧力容器・格納容器内の燃料デブリの位置や状況の把握に適用可能な光ファイバを用いた遠隔調査技術を開発している。積算線量100万Gyまで使用できる性能を目指し、ヒドロキシ基を1000ppm含有させることにより耐放射線性を向上させた高純度石英光ファイバを試作して
線照射試験によりその耐放射線性を確認した。これにより、積算100万Gyまで、イメージファイバによる観察及びレーザー分光による元素分析が行える見通しを得た。また、さらに耐放射線性を向上させるためにフッ素を含有した高純度石英光ファイバを試作し、ルビーシンチレータと組み合わせて放射線計測できることを確認した。これらにより、高耐放射線性光ファイバを用いた高放射線環境の遠隔調査装置が開発できることを示した。
石山 新太郎; 大場 弘則; 山本 春也; 菖蒲 敬久
化学工学論文集, 40(2), p.131 - 136, 2014/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Engineering, Chemical)世界で初めて0.3MeVで加速したプロトンを注入したサファイア基板に対してArFレーザー照射を行うことにより、プロトン注入深さ1m
幅50
80
mの量子ビーム融合化による微細加工に成功した。本技術は、プロトン注入サファイアが200nmの紫外可視光を吸収する特性を利用してサファイア内部のプロトン注入領域を局部的にArFエキシマレーザーにより微細加工する方法である。これにより、サファイア単結晶基板からの大面積サファイア単結晶薄膜の作成なども可能となる。
宮部 昌文; 大場 正規; 飯村 秀紀; 赤岡 克昭; 丸山 庸一郎; 大場 弘則; 反保 元伸; 若井田 育夫
Applied Physics A, 112(1), p.87 - 92, 2013/07
被引用回数:27 パーセンタイル:73.28(Materials Science, Multidisciplinary)次世代燃料の非破壊・遠隔分析技術開発におけるウラン同位体の分析条件最適化を目的として、フルエンス0.5J/cmのNd:YAGレーザーの2倍高調波で生成したウランプラズマの運動を共鳴吸収分光法により調べた。真空中の中性原子とイオンのフロー速度はそれぞれ2.7km/s, 4.0km/sと求められた。Heガス中の密度分布の変化の様子から、イオンの密度は約3
sec、原子の密度は約5
secで最大となること、最密部分の現れる高さは表面から2.5-3.0mmであることがわかった。アブレーション後3
secまでの時間帯は、
Uと
Uの吸収量にドップラー分裂に伴う差が生じることから、精密な同位体分析に適さないことがわかった。得られた最適条件を用いて同位体比分析の検量線を求め、直線性や検出下限値,分析精度を評価した。これにより本方法がウランの遠隔同位体分析に適用できることを確認した。