Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
水野 るり恵*; 新倉 潤*; 齋藤 岳志*; 松崎 禎市郎*; 櫻井 博儀*; Amato, A.*; 浅利 駿介*; Biswas, S.*; Chiu, I.-H.; Gianluca, J.*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 1060, p.169029_1 - 169029_14, 2024/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Instruments & Instrumentation)We have developed a photon detection system for muonic X-ray spectroscopy. The detector system consists of high-purity germanium detectors with BGO Compton suppressors. The signals from the detectors are readout with a digital acquisition system. The absolute energy accuracy, energy and timing resolutions, photo-peak efficiency, the performance of the Compton suppressor, and high count rate durability are studied with standard -ray sources and in-beam experiment using Al()Si resonance reaction. The detection system was demonstrated at Paul Scherrer Institute. A calibration method for a photon detector at a muon facility using muonic X-rays of Au and Bi is proposed.
中山 雅; 雑賀 敦; 木村 駿; 望月 陽人; 青柳 和平; 大野 宏和; 宮川 和也; 武田 匡樹; 早野 明; 松岡 稔幸; et al.
JAEA-Research 2019-013, 276 Pages, 2020/03
幌延深地層研究計画は、日本原子力研究開発機構(原子力機構)が堆積岩を対象に北海道幌延町で実施している地層処分技術に関する研究開発の計画である。幌延深地層研究計画は、「地上からの調査研究段階(第1段階)」、「坑道掘削(地下施設建設)時の調査研究段階(第2段階)」、「地下施設での調査研究段階(第3段階)」の3つの調査研究段階に分けて進めている。原子力機構の第3期中長期計画では、本計画について、「実際の地質環境における人工バリアの適用性確認、処分概念オプションの実証、地殻変動に対する堆積岩の緩衝能力の検証に重点的に取り組む。また、平成31年度末までに研究終了までの工程やその後の埋戻しについて決定する。」としている。本稿では、第3期中長期計画期間のうち、平成27年度から令和1年度までの地下施設での調査研究段階(第3段階)における調査研究のうち、原子力機構改革の中で必須の課題として抽出した(1)実際の地質環境における人工バリアの適用性確認、(2)処分概念オプションの実証、(3)地殻変動に対する堆積岩の緩衝能力の検証、の3つの研究開発課題について実施した調査研究の成果を取りまとめた。
青柳 和平; Chen, Y.*; 石井 英一; 櫻井 彰孝; 宮良 信勝; 石田 毅*
JAEA-Research 2019-011, 50 Pages, 2020/03
本研究では、坑道掘削により周辺岩盤に形成された掘削損傷領域の割れ目の可視化を行うことを目的とした。幌延深地層研究センターの地下350mに掘削した直径4mの試験坑道を対象として、紫外線照射により発光する蛍光剤を添加した樹脂を坑道周辺の岩盤に注入し、掘削損傷領域の割れ目を固定した。これにより、割れ目を可視化して観察することに成功した。注入孔周辺で試料を採取し、紫外線照射下で観察を行い、割れ目の連結性や開口幅を分析した。結果として、割れ目の最大発達範囲は、孔口から約0.9m、すなわち坑道壁面岩盤から約0.75mの範囲であった。また、孔口から0.4mまでの範囲では割れ目密度が高く、0.4m以深では割れ目の間隔が広くなることがわかった。さらに、割れ目の開口幅を測定した結果、孔口から近いほど割れ目の開口幅も大きいことがわかった。特に、孔口から0.3mまでの範囲では、樹脂が浸透した割れ目が多く観察され、開口幅が最大で1.02mmであった。一方、孔口から0.3m以深は、樹脂が浸透した割れ目が少なく、開口幅は最大で0.19mmであった。
青柳 和平; Chen, Y.*; 石井 英一; 櫻井 彰孝; 石田 毅*
Proceedings of 5th ISRM Young Scholars' Symposium on Rock Mechanics and International Symposium on Rock Engineering for Innovative Future (YSRM 2019 and REIF 2019) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2019/12
本研究では、幌延深地層研究センターの350m調査坑道を対象として、坑道掘削時の割れ目の性状を検討することを目的とした。検討に際し、坑道周辺に約1mのボーリング孔を掘削し、低粘性な樹脂を注入し、割れ目を固定した。その後、オーバーコアリング試料を採取し、試料の観察を行った。結果として、坑道掘削により形成されたと推定される割れ目は、壁面から0.8mの範囲まで発達していた。また、割れ目は壁面から0.25mの範囲において連結しあっており、開口幅は最大で約1.0mmであることがわかった。これらの観察結果は、坑道周辺の掘削影響領域の割れ目形成プロセスの理解のための基礎情報として有用であるといえる。
青柳 和平; Chen, Y.*; 櫻井 彰孝; 石井 英一; 石田 毅*
JAEA-Research 2017-014, 49 Pages, 2018/01
本研究では、坑道掘削により周辺岩盤に形成された掘削損傷領域の割れ目の三次元的な可視化を行うことを目的として、幌延深地層研究センターの地下350mの調査坑道を対象として、樹脂を坑道周辺の岩盤に注入し、掘削損傷領域の割れ目を固定し、紫外線照射下の観察により割れ目の連結性や開口幅の検討を行った。原位置における樹脂の注入に際しては、粘性が低く紫外線照射によって発光する樹脂を開発して坑道周辺岩盤へ圧入した。その結果、割れ目の状態を乱すことなく、坑道周辺に形成された割れ目へ樹脂を浸透させ、固定させることに成功した。さらに、割れ目への固定の後に、注入孔周辺をオーバーコアリングし、孔壁面及び得られたコア表面を紫外線照射下で観察した。観察の結果、割れ目は孔口から約0.9mの範囲まで発達していた。また、孔口から約0.3mまでは、複数本の割れ目が交差しており、開口幅は1-2mm程度であったのに対し、孔口から0.3-0.9mに分布する割れ目は単独で存在し、開口幅は1mmよりも小さいことがわかった。一方、ボアホールテレビューア観察では、孔口から0.2mまでの明瞭に開口した割れ目しか検出されていないことから、カメラの分解能の影響で開口幅の小さい割れ目を検出することが難しいため、割れ目の発達の範囲を過小評価する可能性があることがわかった。
日高 昭秀; 中野 佳洋; 渡部 陽子; 新井 信義; 澤田 誠; 金井塚 清一*; 加藤木 亜紀; 嶋田 麻由香*; 石川 智美*; 海老根 雅子*; et al.
JAEA-Review 2016-011, 208 Pages, 2016/07
原子力機構では、アジアにおける原子力技術の平和利用のための人材育成に貢献するため、文部科学省からの受託事業として、1996年から講師育成事業(ITP)を実施している。ITPは講師育成研修(ITC)、フォローアップ研修(FTC)、原子力技術セミナーからなり、アジア諸国を中心とする国々(現在、11ヵ国)の原子力関係者を我が国に招聘し、放射線利用技術等に関する研修、セミナーを行うことにより、母国において技術指導のできる講師を育成している。また、我が国からアジア諸国への講師派遣を通じて、各国の原子力関係者の技術及び知識の向上を図っている。さらに、作成したニュースレターを広く配布することにより、各国で得られた技術情報等を国内の原子力施設の立地地域等に広く提供している。本報では、これらについて概要を記載すると共に、今後、原子力人材育成事業を効果的に実施するための課題等について報告する。
原田 耕作*; 野中 哲生*; 浜田 信行*; 舟山 知夫; 桜井 英幸*; 坂下 哲哉; 和田 成一*; 河村 英将*; 長谷川 正俊*; 小林 泰彦; et al.
JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 102, 2007/02
We have here examined clonogenic survival of confluent human lung cancer A549 cells exposed to X-rays or 220 MeV 12C charged particles. Targeted exposure of 0.001-0.005 % of cells within the confluent population were resulted in 8-15 % reduction of surviving fraction, suggesting that the induced bystander responses are involved in mechanism of cell death by heavy particles.
加藤 章一; 桜井 方*; 吉田 英一
JNC TN9400 2003-107, 127 Pages, 2004/02
酸化物分散強化型フェライト鋼(ODS鋼)は、高温強度特性及び耐照射スエリング特性の両者に優れていることから、実用化戦略調査研究における実用化炉の長寿命燃料被覆管材料として期待されている。本研究では、国産ODS鋼の機械的強度特性に及ぼすナトリウム環境の影響を確認することを目的に、最長1万時間のナトリウム浸漬後の引張試験及びナトリウム浸漬中の内圧クリープ試験を実施した。ナトリウム浸漬はオーステナイト系ステンレス鋼で構成されるナトリウムループを用いて実施した。ナトリウム条件は、温度650と700度C、流速110 sup-4 m/s未満、及びナトリウム中溶存酸素濃度2ppm以下である。また、高流速下でナトリウムを介したステンレス鋼からのニッケル溶出に伴うODS鋼表面へのニッケル拡散を模擬したニッケル拡散模擬材を用いて、引張試験とアルゴンガス中内圧クリープ試験を実施した。 本試験において得られた結果を要約すると、以下のとおりである。(1)極低流速のナトリウム条件下では、700度Cの高温域まで良好な耐ナトリウム環境性を示し、引張強度及び引張破断延性に及ぼすナトリウムの影響は無視できるものと考えられる。また、極低流速ナトリウム中の内圧クリープ強度及びクリープ破断延性はアルゴンガス中と同等であり、クリープ特性に対するナトリウム環境の影響は認められなかった。(2)ニッケル拡散模擬材の引張強度は、熱時効材と同等であり、ODS鋼表層部のニッケル拡散に起因する明瞭な強度低下は生じないことを確認した。また、クリープ強度に対するニッケル拡散の影響については、現在、調査試験を継続中である。(3)ニッケル濃度分布の分析結果から、ODS鋼のニッケル拡散係数を試算した。その700度C以下では一般的なフェライト鋼よりも大きな値を示すことが分かった。
玉井 広史; 松川 誠; 栗田 源一; 林 伸彦; 浦田 一宏*; 三浦 友史; 木津 要; 土屋 勝彦; 森岡 篤彦; 工藤 祐介; et al.
Plasma Science and Technology, 6(1), p.2141 - 2150, 2004/02
被引用回数:2 パーセンタイル:6.49(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60定常高ベータ化計画(JT-60改修計画)の最重要課題は高ベータ,臨界クラスのパラメータを持つ高性能プラズマの100秒程度以上の維持を実証することである。このため、高ベータプラズマを達成するためのプラズマパラメータや運転シナリオ,制御手法の検討を行うとともに、超伝導磁場コイルの要素技術の開発を始め、放射線遮蔽や真空容器等の設計検討及び試験開発を行い、その成立性を確認した。本発表は、以上の物理・工学設計と試験開発の進捗状況を詳述する。
加藤 章一; 吉田 英一; 桜井 方*; 矢口 勝己*
JNC TN9450 2003-001, 192 Pages, 2003/03
新技術開発試験グループでは、高速炉の燃料被覆管材料について、内圧クリープ試験を長期にわたり実施してきた。本データ集は、試験データの拡充が図れたために取りまとめたものである。1万時間を越える長時間クリープ試験データやNa環境下でのクリープ試験データを有するものであり、今後の高速炉燃料被覆管材料の開発に役立つものである。 報告内容は、以下のとおりである。(1)材料及びデーア点数 : 15Cr-20Ni鋼(2ヒート) 72点 PNC1520鋼(1ヒート) 6点 14Cr-25Ni鋼(8ヒート) 56点 高Ni鋼(1ヒート) 15点 (2)試験雰囲気 : Air中、Ar中、Na中 (3)試験温度 : 600度C750度C
吉田 英一; 桜井 方*; 柴原 格
JNC TN9400 2003-050, 77 Pages, 2003/03
「もんじゅ」長寿命制御棒開発における概念候補のナトリウムボンド・ダブルポーラスプラグ型制御要素では、ポーラスプラグのナトリウム透過性および保持差圧特性が、ボンド役割を成すナトリウムの充填性や制御要素内ガスプレナム長さを決定する重要な因子となる。本研究では、高温ナトリウム中におけるポーラスプラグの基礎的な特性を実験的に明らかにするとともに、これらの特性評価式の策定を行い、その記述性を検討した。実験は、公称気孔径70m400mのSUS316製ポーラスプラグを用い、実機の制御要素ピンで使用される温度190650において、制御棒装荷時のナトリウム透過圧および定常運転時のHeガスの保持差圧(ガスバブリング後の平衡圧)を測定し、評価の上で必要となる基礎データを取得した。
小林 捷平*; 井口 哲夫*; 岩崎 信*; 青山 卓史*; 島川 聡司; 池田 裕二郎; 小田野 直光; 桜井 淳; 柴田 恵一; 中川 庸雄; et al.
JAERI 1344, 133 Pages, 2002/01
中性子束及び中性子のエネルギースペクトルの決定に必要なJENDLドシメトリーファイル99(JENDL/D-99)を作成した。このドシメトリーファイルに収納したデータは47核種,67反応である。そのうち、主たるドシメトリー断面積の33反応と共分散データは同時に評価したが、残りの34反応データは主として初版のJENDL/D-91から引用した。評価作業にあたってはEXFORの実験データを参考にし、大部分の場合、これをGMAコードで処理した。データは、20MeV以下のエネルギー範囲において、ENDF-6フォーマットでpoint-wiseファイルとgroup-wiseファイルの二種類が与えられている。データの信頼性を確認するために、IRDF-90V2の評価値との比較,核分裂中性子場,高速/熱中性子炉の中性子場,DT中性子場及びLi(d,n)中性子場での平均断面積値との比較による積分テストを行った。本報告では、JENDL/D-99ファイルの内容と積分テストの結果について述べる。また、付録に当ドシメトリー断面積の図を載せる。
原田 耕作*; 野中 哲生*; 桜井 英幸*; 河村 英将*; 長谷川 正俊*; 中野 隆史*; 浜田 信行*; 和田 成一*; 小林 泰彦; 舟山 知夫; et al.
no journal, ,
ヒト肺癌由来の細胞株を用いて重イオンビーム照射後のバイスタンダー効果の誘導について検討した。ブロードビームを用いた実験で220MeVCの細胞生存曲線は直線的であったが、X線及び220MeVCのD(37%生存線量)D(10%生存線量)はそれぞれ1.59Gy/4.00Gy, 1.23Gy/2.39Gyであった。マイクロビームを用いた実験では、選択的に1つの細胞にのみイオンを照射した際の細胞生存率は非照射細胞とほぼ同様であった。照射細胞数をディッシュ内の5-25個、また各細胞への照射イオン数を5-10個とすると、照射していない細胞の生存率と比較して統計学的に有意に低下した。本実験ではディッシュ全体の細胞のうち0.001-0.005%という極少数の細胞を重イオンビームで照射した時、ディッシュ全体の細胞生存率が有意に低下する結果が得られた。このことは重イオン照射による細胞死のメカニズムにバイスタンダー効果が深く関与していることを示唆している。
原田 耕作*; 野中 哲生*; 浜田 信行*; 舟山 知夫; 桜井 英幸*; 和田 成一*; 坂下 哲哉; 長谷川 正俊*; 小林 泰彦; 中野 隆史*
no journal, ,
重イオン放射線治療は、優れた線量分布と高い生物学的効果ゆえに、期待されている。しかし、ブロードビームによる細胞死メカニズムは、十分に解明されていない。本研究では、バイスタンダー効果に焦点を当て、p53ヒト肺癌細胞株A549を用い、重イオン照射による細胞死メカニズムを明らかにする。群馬大学のMBR-1505と、TIARA(JAEA)のC(220MeV)とNe(260MeV)を用い、コンフルエントな細胞にX線を照射し、コロニー形成法で細胞生存率を調べた。X線(150kV), C, Neを照射した細胞のD/Dは、それぞれ1.59Gy/4.00Gy, 1.23Gy/2.39Gy, 1.81Gy/4.55Gyだった。細胞50万個中わずか525個の細胞に100個のイオンを照射することで、非照射対照群と比較して生存率が2348%減少した。バイスタンダー効果は、重イオン照射による細胞死メカニズムに重要な役割を果たしていることがわかった。さらに、DNA修復の細胞応答や重イオン照射によるアポトーシスの研究を進め、臨床分野での重イオン放射線治療法を確立する。
櫻井 健; 薮内 友紀子; 新井 信義; 澤田 誠; 山下 清信; 佐藤 信行; 虎田 真一郎; 金井塚 清一; 中村 和幸
no journal, ,
文部科学省からの受託事業として原子力機構が実施しているアジア10か国を対象とした「放射線利用技術等国際交流(講師育成)」事業の概要と、本事業の3本柱の一つであり、現地において実施される「フォローアップ研修コース」の現状などを報告する。
櫻井 映子*; 櫻井 栄一*; 石井 慶造*; 山内 祥聖*; 小塩 成基*; 江夏 昌志; 佐藤 隆博; 神谷 富裕
no journal, ,
本研究では、有害な化学物質から肺を保護するために重要な働きをしている肺血液関門細胞に対するニコチンの影響を調べるために、培養したマウス肺血液関門細胞に0.02, 0.2, 2Mのニコチンを一定時間作用させ、凍結乾燥の後、大気マイクロPIXE(Particle Induced X-ray Emission)で細胞内微量元素の測定を行った。その結果、ニコチンの作用用量を増加させると肺血液関門細胞内の亜鉛量が減少し、カルシウム量が増加した。酸化的ストレスの除去に亜鉛が使用される一方で、細胞死が引き起こされカルシウムが増加すると考えられる。今後、測定試料数の増加により統計精度を上げ、肺血液関門細胞内の微量元素に対するニコチン量の影響を定量的に評価する。
中村 和幸; 新井 信義; 金井塚 清一; 櫻井 健; 沢井 友次; 澤田 誠; 仲川 憲生; 村上 博幸; 薮内 友紀子; 山下 清信; et al.
no journal, ,
文部科学省からの受託事業として原子力機構は、アジア11カ国を対象とした原子力に関する人材育成事業を実施している。本講演では、事業実施の過程で浮かび上がったアジア各国の抱える人材育成上の課題とその対応等について報告する。
櫻井 映子*; 櫻井 栄一*; 石井 慶造*; 小塩 成基*; 伊藤 駿*; 松山 成男*; 江夏 昌志; 山田 尚人; 喜多村 茜; 佐藤 隆博; et al.
no journal, ,
本研究は、ニコチン等の有害な化学物質の摂取を抑制する血液関門細胞の機能について、マウスの系統差を明らかにすることを目的としている。今回は、細胞の増殖能力が異なるICR系統とC57BL/6J系統の3周齢のマウスから肺血液関門細胞を分離し、コラーゲンコートした培養フラスコを使用して、COインキュベーター内で培養した。培養液を緩衝液に置換後、0.022Mのニコチンを一定時間作用させた後凍結乾燥し、微量元素分布をTIARAの大気マイクロPIXE(particle induced X-ray emission)装置で分析した。その結果、細胞の増殖能力が高いC57BL/6Jマウスの肺血液関門細胞では、ニコチン添加量の増加とともにリンの量が16g/cmから2g/cm以下に急激に低下しカルシウムと塩素が増加したが、ICRマウスではそのような変化が見られなかった。このように、マウスの系統による血液関門細胞の機能の違いについて、大気マイクロPIXEを用いて細胞内微量元素の観点から調査可能であることが示された。