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柴田 欣秀; 諫山 明彦; 松永 剛; 河野 康則; 宮本 斉児*; Lukash, V.*; Khayrutdinov, R.*; JT-60チーム
Plasma and Fusion Research (Internet), 9(Sp.2), p.3402084_1 - 3402084_5, 2014/06
トカマク装置におけるディスラプション現象ではプラズマ電流が急激に減少する電流クエンチが存在する。この電流クエンチ時にはプラズマ電流の減衰率に比例して真空容器等に電磁力が発生するため、プラズマ電流の減衰を抑制する必要がある。今までの研究においては電流クエンチ初期では電子温度分布の変化が電流減衰時間を決定していることが明らかにされている。本研究では電流クエンチ初期以降のプラズマ電流の減衰に電子温度が与える影響を調べるため、ディスラプションコードDINAを用いて電流クエンチ全体のシミュレーションを実施した。電流クエンチの初期は計測された電子温度分布を、初期以降は仮定した電子温度分布を用いて計算を行った。電子温度が計測できている最後の時刻以降は変化しないと仮定した場合、計測されたプラズマ電流値と近い時間変化が得られた。しかし、電流クエンチ初期以降では電子温度は計測限界値以下まで減少しているため、今回用いた仮定は実際の状況とは異なる。また、プラズマ断面積の振る舞いも実際に評価したものとは異なっていた。プラズマ電流の減少は様々なパラメータが関与するため、電子温度分布の影響を切り分ける必要がある。DINAコードを使用して様々な電子温度モデルで計算することにより、電子温度がプラズマ電流の減衰に与える影響を調査した結果を発表する。
植田 祥平; 角田 淳弥; 柴田 大受; 相原 純; 藤田 一郎*; 大橋 純*; 永石 賢英*; 武藤 剛範*; 沢 和弘; 坂場 成昭
Nuclear Engineering and Design, 271, p.309 - 313, 2014/05
被引用回数:9 パーセンタイル:59.63(Nuclear Science & Technology)空気/水蒸気侵入事故のように設計を超える条件においても、固有の安全性によって環境中への核分裂生成物の放出を抑制できる本質安全高温ガス炉が新たに提案されている。本質安全高温ガス炉においては、空気/水蒸気侵入事故においても黒鉛スリーブと燃料コンパクトと炭化ケイ素(SiC)被覆燃料粒子で構成する燃料棒の形状を維持し再臨界を防止することが重要であり、耐酸化特性を付与した黒鉛材料を適用できればこれが可能となる。本論では、照射試験並びに炉外試験を通じてのSiC傾斜層を有する耐酸化黒鉛の開発と共に、SiCの酸化によって形成され耐酸化性を有する二酸化ケイ素(SiO)皮膜の形成条件について立案した研究計画について述べる。
柴田 欣秀; 諫山 明彦; 宮本 斉児*; 河上 翔*; 渡邊 清政*; 松永 剛; 河野 康則; Lukash, V.*; Khayrutdinov, R.*; JT-60チーム
Plasma Physics and Controlled Fusion, 56(4), p.045008_1 - 045008_8, 2014/04
被引用回数:2 パーセンタイル:11.12(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uのディスラプションにおいて、電流クエンチ初期のプラズマ電流の減衰をディスラプションシミュレーションコード(DINA)と計測された電子温度分布を用いて計算した。電流減衰時間が短い放電では、熱クエンチ直後の電子温度分布は既にピークしており、電流クエンチ中にあまり変化しなかった。一方、電流減衰時間が長い放電では、熱クエンチ直後の電子温度分布は電流減衰時間が短い放電に比べて広がりを持っており、電流クエンチ中に電子温度分布の収縮が観測された。そのような放電では、プラズマ外部インダクタンスはほとんど変化しないが、プラズマ内部インダクタンスの増加がDINAコードの計算でも観測された。一連の計算により、プラズマ内部インダクタンスの増加は、周辺領域の電子温度が減少し、プラズマ中心に電流が拡散することにより発生していることが分かった。また、本研究ではDINAコードを用いることにより、プラズマ周辺部の電子温度の加熱を用いることによりプラズマ電流の減衰時間を長くする方法を提案した。
河上 翔*; 柴田 欣秀; 渡邊 清政*; 大野 哲靖*; 諫山 明彦; 滝塚 知典*; 河野 康則; 岡本 征晃*
Physics of Plasmas, 20(11), p.112507_1 - 112507_6, 2013/11
被引用回数:2 パーセンタイル:9.36(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uでは、ネオンガスパフディスラプションの電流クエンチの初期フェイズにおけるプラズマ電流減衰時間は、内部インダクタンスの増加率によって大きく影響されることが分かっていた。このフェイズにおいて内部インダクタンスが増加する理由を調べるために、電子温度(抵抗率)分布と電流密度分布の時間変化に着目し、数値計算を実施した。その結果、内部インダクタンスが増加する理由を解明した。電流クエンチ開始直後の電流密度分布は、数値計算で得られる定常状態での電流密度分布より広い分布をしており、電流密度分布はその後中心ピークした形へ変化していき、それに伴い内部インダクタンスが増加することを明らかにした。
植田 祥平; 角田 淳弥; 柴田 大受; 相原 純; 藤田 一郎*; 大橋 純*; 永石 賢英*; 武藤 剛範*; 沢 和弘; 坂場 成昭
Proceedings of 6th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2012) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2012/10
空気/水蒸気侵入事故のように設計を超える条件においても、固有の安全性によって環境中への核分裂生成物の放出を抑制できる本質安全高温ガス炉が新たに提案されている。本質安全高温ガス炉においては、空気/水蒸気侵入事故においても黒鉛スリーブと燃料コンパクトと炭化ケイ素(SiC)被覆燃料粒子で構成する燃料棒の形状を維持し再臨界を防止することが重要であり、耐酸化特性を付与した黒鉛材料を適用できればこれが可能となる。本論では、照射試験並びに炉外試験を通じてのSiC傾斜層を有する耐酸化黒鉛の開発とともに、SiCの酸化によって形成され耐酸化性を有する二酸化ケイ素(SiO)皮膜の形成条件について立案した研究計画について述べる。
柴田 欣秀*; 渡邊 清政*; 大野 哲靖*; 岡本 征晃*; 諫山 明彦; 栗原 研一; 大山 直幸; 仲野 友英; 河野 康則; 松永 剛; et al.
Plasma and Fusion Research (Internet), 6, p.1302136_1 - 1302136_4, 2011/10
トカマクで発生するディスラプション時の電流減衰時間のモデルとして、プラズマインダクタンスとプラズマ抵抗
のみで電流減衰時間を表現する
モデルがその簡便さから使用されている。しかし、過去の著者らの研究において、(1)JT-60Uの密度限界ディスラプションでは電流減衰初期のプラズマインダクタンスの時間変化が電流減衰時間に大きく影響を与えているため
モデルは実験結果を再現することができないこと、及び(2)プラズマインダクタンスの時間変化を考慮した「改良
モデル」を用いることにより実験結果が再現できることがわかった。また、今回、このモデルの適用範囲が拡大できるか明らかにするため、別の原因で発生したディスラプションに対してモデルの検証を行った。対象としてはJT-60Uで発生した高
ディスラプションのデータを用いた。その結果、前回同様、プラズマインダクタンスの時間変化を考慮することにより実験での電流減衰時間とモデルによる予測値がよく一致することがわかった。このことは、ディスラプションの発生原因が異なる場合でもプラズマインダクタンスの時間変化を考慮した改良電流減衰モデルで電流減衰時間が記述できることを示している。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Armendariz, R.*; et al.
Physical Review C, 83(6), p.064903_1 - 064903_29, 2011/06
被引用回数:175 パーセンタイル:99.44(Physics, Nuclear)200GeVと62.4GeVでの陽子陽子の中心衝突からのの横運動量分布及び収量をRHICのPHENIX実験によって測定した。それぞれエネルギーでの逆スロープパラメーター、平均横運動量及び単位rapidityあたりの収量を求め、異なるエネルギーでの他の測定結果と比較する。また
や
スケーリングのようなスケーリングについて示して陽子陽子衝突における粒子生成メカニズムについて議論する。さらに測定したスペクトルを二次の摂動QCDの計算と比較する。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Aramaki, Y.*; et al.
Physical Review C, 83(4), p.044912_1 - 044912_16, 2011/04
被引用回数:8 パーセンタイル:50.74(Physics, Nuclear)重いフレーバーのメソンの崩壊からの電子の測定は、このメソンの収量が金金衝突では陽子陽子に比べて抑制されていることを示している。われわれはこの研究をさらに進めて二つの粒子の相関、つまり重いフレーバーメソンの崩壊からの電子と、もう一つの重いフレーバーメソンあるいはジェットの破片からの荷電ハドロン、の相関を調べた。この測定は重いクォークとクォークグルオン物質の相互作用についてのより詳しい情報を与えるものである。われわれは特に金金衝突では陽子陽子に比べて反対側のジェットの形と収量が変化していることを見いだした。
柴田 欣秀*; 渡邊 清政*; 岡本 征晃*; 大野 哲靖*; 諫山 明彦; 栗原 研一; 仲野 友英; 大山 直幸; 河野 康則; 松永 剛; et al.
Nuclear Fusion, 50(2), p.025015_1 - 025015_7, 2010/01
被引用回数:14 パーセンタイル:49.03(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uのディスラプション時のプラズマ電流の減衰時間を計測データ及び平衡解析から得られた値を用いて詳細に評価した。まず、電子温度を電子サイクロトロン放射及びヘリウムI線強度比から独立に評価し、それぞれの値から得られたプラズマ抵抗値をモデルに適用して電流減衰時間を算出した。その結果、実験での電流減衰時間が長い(
100ms)領域では
モデルから算出した電流減衰時間は実験値と同程度であるが、電流減衰時間が短くなるにつれ
モデルでの値が実験値よりも大きくなり、実験での電流減衰時間が10ms程度の領域では
モデルでの値は1桁程度大きく評価されることがわかった。次に、内部インダクタンスをCauchy Condition Surface法により評価するとともに、内部インダクタンスの時間変化を考慮するようにモデルを改良した。その結果、広い電流減衰時間の範囲(10
100ms)に渡り実験値と近い値が得られ、内部インダクタンスの時間変化の効果が重要であることがわかった。
柴田 欣秀*; 大野 哲靖*; 岡本 征晃*; 仲野 友英; 河野 康則
no journal, ,
JT-60Uのディスラプション時の電流減衰時間を、ヘリウムの発光線の強度比から評価した電子温度の関数として調べた。プラズマ断面積で規格化した電流減衰時間は、L/Rモデルでは電子温度に対して単調に増加するが、測定した電子温度に対しては明瞭な依存性は見られず、絶対値も1桁から2桁異なる。ヘリウム発光線から評価した電子温度がプラズマのどの位置の温度を反映しているかが明らかでないことが原因であると考えられる。
岡本 征晃*; 柴田 欣秀*; 大野 哲靖*; 高村 秀一*; 仲野 友英; 河野 康則; 杉原 正芳*
no journal, ,
トカマクプラズマのディスラプション時に真空容器にかかる電磁力を推定するにはプラズマ電流の減衰時間を正確に定めることが重要で、プラズマをコイルと抵抗からなる閉回路とみたてたL/Rモデルによると、それは電子温度の3/2乗に比例する。ディスラプション発生時には莫大な熱負荷がかかるためラングミュアプローブを挿入して電子温度を定めることは困難である。そこでわれわれは電子温度に敏感な中性ヘリウムの発光線を高時間分解で測定する方法を用いた。熱クエンチ発生直後に、電子温度が急激に低下するのが観測された。この低下した後の電子温度をディスラプション中のプラズマの温度と考え、それと電流消滅時間の関係をデータベース化した。しかし、現状では明確な依存性は見いだされていない。
柴田 欣秀*; 岡本 征晃*; 渡邊 清政*; 大野 哲靖*; 河野 康則; 諫山 明彦; 坂本 宜照; 大山 直幸; 栗原 研一; 後藤 基志*
no journal, ,
トカマクにおいては、真空容器に大きな熱負荷や電磁力を与えるディスラプションを制御することは重要な研究課題である。真空容器に発生する電磁力を正確に見積もるためにはプラズマ電流減衰時間の正確な予測が必要であり、現在、プラズマ抵抗とインダクタンス
を用いて電流減衰時間を評価する
モデルが専ら用いられている。プラズマ抵抗率は電子温度
の3/2乗に反比例することから、
モデルではプラズマ電流減衰時間は
の3/2乗に比例する。まず、電流減衰時の電子温度を正確に評価するため、He線強度比法より電子温度を求め電子温度と電流減衰時間との関係を調べたが、モデルで予測されている依存性は実験データでは見られなかった。この原因として、
モデルでは
と
が時間的に変化しないという仮定のもとで導かれていることがあると考え、
モデルに
の時間変化を取り入れて電流減衰時間を再評価し実験値を比較したところ、広い電子温度の範囲で良い一致が見られた。これは電流減衰初期の減衰時間の評価ではプラズマ抵抗だけではなく、インダクタンスの時間変化も考慮しなければならないことを示している。
柴田 欣秀*; 渡邊 清政*; 岡本 征晃*; 大野 哲靖*; 諫山 明彦; 栗原 研一; 大山 直幸; 仲野 友英; 河野 康則; 松永 剛; et al.
no journal, ,
トカマク型核融合装置で発生するディスラプション時の電磁力を評価する方法として電流クエンチ時の電流減衰時間の予測が考えられている。電流減衰時間の予測の一般的なモデルとしてモデルという単純なモデルがこれまでに使われてきた。過去の研究において限定的なディスラプション放電でモデル検証が行われ、電流減衰初期においては
モデルは成り立たず、プラズマインダクタンスの時間変化が電流減衰時間に大きく影響を与えていることがわかっている。しかし、さまざまなディスラプション放電でモデルの検証は行われておらず、一般的なモデル検証のためには広いパラメータの放電に対してモデルの検証が必要である。そこで、今回プラズマ表面の安全係数
が4-13、プラズマ断面積
が2.5-4m
という広いパラメータを有したディスラプション放電においてモデルの検証を行った。実際に評価した結果、このように広いパラメータ範囲におけるディスラプションでも各放電において電流減衰初期ではプラズマインダクタンスの時間変化が大きいことがわかった。すなわち、JT-60Uにおけるディスラプション時の一般的な電流減衰モデルには
モデルは適さず、プラズマインダクタンスの時間変化を考慮した電流減衰モデルが適していることがわかった。
柴田 欣秀*; 渡邊 清政*; 大野 哲靖*; 岡本 征晃*; 諫山 明彦; 栗原 研一; 大山 直幸; 仲野 友英; 河野 康則; 松永 剛; et al.
no journal, ,
ディスラプション時に真空容器等に発生する電磁力は電流クエンチ時の電流減衰時間から予測される。これまで、電流減衰時間の予測の一般的なモデルとしてプラズマの抵抗とインダクタンスだけで評価するL/Rモデルが使われてきた。しかし、JT-60Uの多量ガスパフディスラプション放電では、電流クエンチ時でもプラズマ中心で数100eV程度の電子温度を有しており、電流減衰初期において単純なL/Rモデルが成り立たないことが過去に示された。今回、これまでとは電子温度,電流分布,加熱方式が異なる定常負磁気シア放電のディスラプション時の電流減衰時間と電子温度の関係について調べた。その結果、電流減衰初期の電子温度()が数倍程度異なっているにもかかわらず電流減衰時間がほぼ同じとなる場合があることがわかった。このことは今回解析した放電においてもプラズマ抵抗(
)以外の効果の寄与が電流減衰時間を決定するうえで重要であることを示唆している。
柴田 欣秀*; 渡邊 清政*; 大野 哲靖*; 岡本 征晃*; 諫山 明彦; 栗原 研一; 大山 直幸; 仲野 友英; 河野 康則; 杉原 正芳*
no journal, ,
トカマク型核融合装置で発生するディスラプション時の電流減衰時間の予測の一般的なモデルとして、インダクタンスLと抵抗Rの比のみで表すL/Rモデルが使用されている。しかし、過去の著者らの研究により、L/Rモデルでは実験データを再現できず、また電流減衰初期においてはプラズマインダクタンスの時間変化が電流減衰時間に大きな影響を与えていることが明らかになった。しかし、この検証では放射崩壊によるディスラプションのみを用いてモデルの検証を行っていたため、より一般的なモデル検証のためには別の原因で発生したディスラプションに対してもモデルの検証を行うことが必要となっていた。そこで、今回JT-60Uで発生した高ディスラプション放電においてモデルの検証を行った。その結果、CCSコードから得られた電流減衰時間は実験値から評価した電流減衰時間より短くなることがわかった。そこで、電子サイクロトロン放射計測から評価した電子温度分布を用いて電子温度のみが変化するという仮定でプラズマインダクタンスの時間変化率を評価し、CCSから評価できる値と比較した。その結果、電子温度の変化より求めた電流減衰時間は実験値よりはるかに大きくなり、電子密度等の変化も考慮する必要があることがわかった。
柴田 欣秀*; 渡邊 清政*; 大野 哲靖*; 岡本 征晃*; 諫山 明彦; 栗原 研一; 大山 直幸; 仲野 友英; 河野 康則; 松永 剛; et al.
no journal, ,
JT-60Uの高プラズマ放電ではマイナーコラプスが多く発生している。マイナーコラプスはメジャーディスラプションとは違い、一度プラズマの閉じ込めは悪くなり電流減衰が始まるが、その後、定常状態時のプラズマ電流まで回復する。電流減衰時間の制御の観点から考えるとこの現象を調べることにより、電流減衰時間の制御方法の確立を行える可能性がある。そこで、本研究ではマイナーコラプスとメジャーディスラプション時の電子温度や磁気計測などのプラズマ計測を比較することにより両現象中の電流減衰の違いを調べた。両現象において電流スパイク発生中では内部インダクタンス
は上昇するが、マイナーコラプスの電流減衰時では
は緩やかに減少、ディスラプションの電流減衰時では引き続き
が上昇するという異なる振舞いをしていた。また、マイナーコラプスでは電流減衰時のプラズマ周辺部の電子温度
は一旦減少し、その後元の状態まで回復するが、ディスラプションでは周辺部から
の減少が始まり、最終的にプラズマ中心部の
も低下していた。このことから、電流減衰時の
の変化が異なる原因の1つとして
の振る舞いの違いが考えられる。
河上 翔*; 柴田 欣秀*; 渡邊 清政*; 大野 哲靖*; 梶田 信*; 岡本 征晃*; 諫山 明彦; 杉原 正芳*; 河野 康則; Lukash, V. E.*; et al.
no journal, ,
トカマク型核融合装置においてディスラプションが発生すると第一壁や真空容器に熱的・電磁的な負荷を与えることから、ディスラプションの特性を理解して予測・回避・緩和のためのシナリオを確立することが重要である。今回、ディスラプション発生時のプラズマ電流の減衰過程に関して、JT-60Uの実験結果と2次元軸対称MHD平衡計算コードDINAの計算結果とを比較した。DINAの計算においてパワーバランスから解いた電子温度を用いた場合、プラズマ電流の時間発展は実験に比べて速い減衰となった。また、電子温度を100eV、実効電荷を17で一定値として計算した場合、プラズマ電流とプラズマ断面積の減衰は実験とよい一致を示したが、ディスラプション開始時刻における内部インダクタンスは実験値より低くなり、その時間発展も実験とは異なるものとなった。DINAでは電子温度分布を一定としているが、実際は一定ではない分布を持つことから、内部インダクタンスの差異の原因の1つとして電子温度分布が考えられる。
柴田 欣秀*; 渡邊 清政*; 大野 哲靖*; 岡本 征晃*; 諫山 明彦; 河野 康則
no journal, ,
トカマク装置ではプラズマの平衡を維持するためにプラズマ電流が不可欠であるが、ヘリカル装置においては外部コイルのみで平衡維持に必要な磁場を形成することができる。トカマク装置とヘリカル装置の平衡におけるプラズマ電流の役割を明らかにするため、JT-60UとLHD(トロイダル電流あり)における放電終了時のプラズマパラメータの時間発展を比較した。プラズマ電流の波形に着目したところ、JT-60Uの放電終了時の多くにおいて電流ランプダウンの終盤に電流が一時的に急激に上昇(ポジティブスパイクと呼ぶ)し、その後に減衰していることがわかった。ポジティブスパイク発生前には電子温度の急激な減少が観測されており、一連の結果からディスラプションと同様の現象が発生していると推測される。一方、LHDではJT-60Uと同様の急激な電流減衰が観測されるものの、ポジティブスパイクは観測されないことがわかった。電流減衰前に電子温度の急激な変化が見られないことから、ヘリカル装置の急激な電流減衰はトカマク装置のそれとは違う原因で発生している可能性が高い。
柴田 欣秀; 井手 俊介; 藤田 隆明; 諫山 明彦; 渡邊 清政*; 大山 直幸; 栗原 研一; 河野 康則; 杉原 正芳*
no journal, ,
大型トカマク装置のディスラプション時に真空容器等に発生する電磁力は電流減衰時間に反比例して大きくなるため、電流減衰時間の評価が重要となる。本研究では20062008年にJT-60Uで行われた高ブートストラップ電流割合実験、抵抗性壁モード実験中に発生したディスラプションを対象とし、電流減衰時間のプラズマパラメータ依存性について調査した。電流減衰が速い放電ではプラズマインダクタンスの時間変化が10eVを仮定したプラズマ抵抗に比べても5
6倍程度大きく、プラズマインダクタンスの時間変化が電流減衰時間の決定に大きく関与していることが判明した。また、高ブートストラップ電流割合実験においてディスラプション発生前の電子温度分布を調べたところ、電子温度分布はほぼ同じなのにもかかわらず、電流減衰時間,プラズマインダクタンスの時間変化に2
4倍程度の違いが生じる場合があることが明らかになった。今回解析した放電ではプラズマパラメータ、放電条件はほぼ同じであるが、このような違いが生じる理由としてはディスラプション前に発生するMHD不安定性のモードや大きさに違いがある可能性があることが判明した。
河上 翔*; 大野 哲靖*; 渡邊 清政*; 柴田 欣秀; 岡本 征晃*; 宮本 斉児; 諫山 明彦; 杉原 正芳*; 河野 康則; Lukash, V. E.*; et al.
no journal, ,
JT-60Uの大量ネオンガスパフによるディスラプション実験において、電流減衰の初期段階の内部インダクタンスの増加が電流減衰時間の値に影響を及ぼすことが以前実験的に検証されたが、物理機構は十分解明されていなかった。本研究では、2次元軸対称シミュレーションコードDINAを用いることにより、ディスラプション中の電子温度分布が
の時間変化に与える影響を解析した。まず、電子温度分布を空間一定とした場合、
は実験での観測とは逆に時間的に減少した。次に、実験時に得られた電子温度分布を用いて計算した場合、
は時間的にほぼ一定となった。このことは、電子温度の分布を考慮することで
を実験結果を再現する方向に近づけることができるものの、これだけでは不十分であることを示唆している。今回の計算では計測の困難さなどの理由から空間一定としているパラメータがあるが、これらの分布も
の時間変化に影響を及ぼしている可能性がある。