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論文

Design study of new 3-GeV proton beam transport line for MLF second target station

山口 雄司; 近藤 恭弘; 明午 伸一郎; 小栗 英知; 大井 元貴; Saha, P. K.; 篠崎 信一; 高柳 智弘; 山本 風海

JPS Conference Proceedings (Internet), 45, p.011162_1 - 011162_7, 2026/06

J-PARCでは、3GeV陽子ビーム輸送施設によって3GeVシンクロトロンから物質・生命科学実験施設へ大強度陽子ビームを輸送しており、最近、設計出力1MWを達成した。この成果を受けて、MLFでは将来計画として中性子、ミュオンビームのさらなる輝度の増大を目指す第2ターゲットステーション(TS2)の建設が検討されている。TS2の計画には新しい陽子ビーム輸送ラインが必要となるため、設計検討を開始した。本発表では、ビームラインの光学や遮蔽等、設計検討の現状を報告する。

論文

Model-based development of pulsed electromagnets for accelerators by simulation

高柳 智弘; 植野 智晶*; 堀野 光喜*; 杉田 萌; 不破 康裕; 篠崎 信一

IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 36(3), p.4900905_1 - 4900905_5, 2026/05

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Engineering, Electrical & Electronic)

Compared to DC magnets with constant current, pulsed magnets with instantaneous current flow are superior in terms of energy conservation because the time required to generate Joule heat due to the electrical resistance of the coil is limited. However, the magnetic field distribution that affects beam orbit control cannot be known accurately until the pulse power supply is excited, because the current path through the coil and the load resistance changes with time due to the current skin effect, respectively. For this reason, we have introduced model-based development (MBD), which integrates electromagnets and power supplies, whereas previous simulation analysis was performed separately for electromagnets and power supplies. For the simulation, we combined OPERA-3D transient analysis, which has a proven track record in the development of pulsed magnets for the J-PARC accelerator, and MATLAB/Simulink for circuit simulation. The introduction of MBD is expected to reduce the number of actual prototypes and development costs and shorten the development period because highly accurate results can be obtained in a short period of time. In addition, simulation of trouble cases that cannot be covered by verification of actual machines alone is possible, which is expected to improve safety. In this presentation, we will report the evaluation results compared to the actual machine.

報告書

加速器冷却水設備における防錆剤変更による電蝕の抑制; 腐食とコストの削減

出井 竜美; 菅沼 和明; 藤来 洸裕; 鈴木 勝夫; 鈴木 博*; 仲田 守浩*; 細川 英洸*; 小野瀬 勇一郎*; 渡辺 泰広; 篠崎 信一; et al.

JAEA-Technology 2026-003, 27 Pages, 2026/03

JAEA-Technology-2026-003.pdf:1.3MB

加速器冷却水設備配管系統は異なる金属で構成されることも多いため電蝕が不可避である。本試験では、まず無酸素銅と炭素鋼の間で電蝕が起こること、またこれまで使用されてきた防錆剤ではその電蝕の抑制ができないことを確認した。次に新たに導入した防錆剤による電蝕の抑制を確認した。また新しい防錆剤に変更することにより、補給水の節水および防錆剤コスト削減が実現できた。

論文

J-PARCリニアック大電力高周波源の50Hz運転対応に関する検討

不破 康裕; 溝端 仁志*; 中野 秀仁; 篠崎 信一; 高柳 智弘; 浅野 博之; 岩間 悠平*

Proceedings of 22nd Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.389 - 391, 2026/03

J-PARCリニアックは25Hzの繰り返しで後段の3GeVシンクロトロンに負水素イオンビームを供給している。J-PARC加速器施設の将来計画の1つとしてリニアックを50Hzの繰り返しで運転し半数のパルスを照射利用や核変換システムの基礎研究のために供給することが検討されている。J-PARCリニアックの大電力高周波源は45式のクライストロンから構成されており、その動作繰り返しを50Hzに増強するためには電気的動作や熱的負荷の影響を十分に検証する必要がある。そこで、大電力高周波源の電力負荷がこれまでの加速器利用運転と同等となるようクライストロンのオン時間に相当する高圧パルス幅を短縮したパラメータにより50Hz繰り返し試験運転を実施した。試験運転の結果、大電力高周波源の50Hzの繰り返しにおいて電源制御システムが問題なく動作すること及びシミュレーションから想定されるものと同等の消費電力であることを検証した。

論文

3GeV陽子ビーム輸送施設のためのパルス偏向電磁石とセプタム電磁石の検討

山口 雄司; 近藤 恭弘; 明午 伸一郎; 高柳 智弘; 藤森 寛*; 篠崎 信一

Proceedings of 22nd Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.655 - 660, 2026/03

J-PARC 3GeV陽子ビーム輸送施設(3NBT)では、パルス偏向電磁石やセプタム電磁石等を用いて3GeVシンクロトロンからの陽子ビームを下流の施設へ供給する。3NBTの電磁石には供給先の施設の運転条件に適した性能が求められるため、要求される運転条件に応じて電磁石性能の高度化が必要となる。高度化における設計条件を明確にするために、既存の偏向電磁石等の仕様と運転条件からの要求仕様を比較し、高度化により得られる性能を見積もった結果、パルス偏向電磁石の動作の高速化とセプタム電磁石の磁極の拡張により要求される性能を達成でき、安定なビーム供給が可能であることがわかった。

論文

Neural networks approach for controlling a waveform pattern of the paint bump power supply at J-PARC RCS

杉田 萌; 堀野 光喜*; 野村 昌弘; 篠崎 信一; 高柳 智弘; 植野 智晶*; 栗山 靖敏

Proceedings of 16th International Particle Accelerator Conference (IPAC25) (Internet), p.2715 - 2717, 2025/11

J-PARC 3GeVシンクロトロンでは、大強度ビームの安定化のため、4台の水平ペイントバンプ電磁石と2台の垂直ペイントバンプ電磁石を用いてビーム軌道を調整し、入射中に蓄積するビームの密度を制御している。ペイントバンプ電磁石電源はIGBT制御のチョッパ回路で構成され、指令電流と指令電圧の高周波スイッチング制御により、ビーム軌道を時間変化させる任意の出力電流波形(ペイントパターン)を作成する。ビーム軌道の制御精度は指令電流と出力電流の差(出力電流偏差)で決まり、$$pm$$1.0%以下の偏差が要求される。現在のペイントパターン調整では、電源制御の応答関数に応じて指令電圧を作成するソフトと、手動で指令電圧値を書き換える調整を組み合わせ、$$pm$$0.2%以下の偏差を達成している。しかし、1つのペイントパターン調整に1時間程度を要している。そのため、ニューラルネットワークを用いたペイントパターン作成を行った。結果、オフライン試験ではビーム調整で使用する台形波形について瞬時の波形調整が可能となった。本発表では、学習に用いたデータ、ニューラルネットワークの構成、それによって得られた結果について報告する。

論文

Progress in linac beam commissioning for high-intensity operations for J-PARC power upgrades

Liu, Y.*; 大谷 将士*; 宮尾 智章*; 中沢 雄河*; 柴田 崇統*; 南茂 今朝雄*; Fang, Z.*; 二ツ川 健太*; 福井 佑治*; 溝端 仁志*; et al.

Proceedings of 16th International Particle Accelerator Conference (IPAC25) (Internet), p.855 - 857, 2025/11

The Japan Proton Accelerator Research Complex (J-PARC) has achieved stable 1 MW operation on its neutron target and is advancing toward higher power levels of 1.5 MW to support high-power MR operations and a second target station. This progression presents challenges, including increased intra-beam stripping (IBSt) of negative hydrogen ions, chop leakage from higher beam currents and emittance, low-energy beam loss due to halo formation, frontend fluctuations affecting beam transmission, and RF phase and amplitude fluctuations. To address these issues, a redesigned lattice mitigates IBSt, a new MEBT1 improves chopping and collimation, and machine learning-based compensation schemes manage frontend and RF fluctuations. Additionally, longitudinal and transverse matching schemes enhance beam quality, validated through benchmarked longitudinal measurements. Results from studies at 50 mA and 60 mA beam currents demonstrate significant progress in overcoming these challenges.

論文

Status of J-PARC accelerator chain

山本 風海; 小栗 英知; 森下 卓俊; 山本 昌亘; 神谷 潤一郎; 篠崎 信一; 發知 英明*; 佐藤 洋一*; Fang, Z.*

Proceedings of 16th International Particle Accelerator Conference (IPAC25) (Internet), p.1128 - 1131, 2025/11

J-PARCは大強度陽子ビームを用いて中性子や中間子、ニュートリノ等様々な二次粒子を大量に生成し、物質・生命科学研究施設(MLF)、ハドロン実験施設、ニュートリノ標的に供給している。このような大強度陽子加速器では、わずか0.1%未満のビーム損失であっても深刻な放射化や加速器機器の故障など、様々な問題を引き起こす可能性がある。ビーム損失を十分に低減した状態で大出力運転を実現するため、機器の高度化およびビーム調整を継続している。これらの努力を通じて、MLF利用者向けに1MWのビーム出力運転、ニュートリノ利用者向けに830kWのビーム出力運転を確立した。しかし一方で、初段加速器であるリニアックが運転を開始してより20年近くが経過しており、経年劣化による機器故障等も発生している。それらについては、原因を究明し対策を行うことで、安定運転の維持に努めている。

論文

Simulations of magnetic field effects on 3-GeV proton beam brought by magnets for muon beam in future proton beam transport line of J-PARC

山口 雄司; 近藤 恭弘; 明午 伸一郎; 篠崎 信一; 高柳 智弘; 藤森 寛*; 河村 成肇*

Journal of Physics; Conference Series, 3094(1), p.012023_1 - 012023_5, 2025/09

J-PARCでは、3GeV陽子ビーム輸送施設によって3GeVシンクロトロンから物質・生命科学実験施設(MLF)へ大強度陽子ビームを輸送している。陽子ビーム輸送施設のビームライン最下流部には、ミュオンビーム輸送用の偏向電磁石とソレノイドがあるため、これらの磁場による3GeV陽子ビームへの影響を補正する必要がある。シミュレーションにより偏向電磁石による軌道のずれとソレノイドによるプロファイルの回転に伴う垂直方向ビームサイズの増大を模擬し、それぞれの影響を補正する方法を検討した結果、追加の偏向電磁石とソレノイドを用いることで補正でき、安定なビーム輸送が可能であることがわかった。

論文

J-PARC RCS用ペイントバンプ電源の波形パターン調整システムの構築

杉田 萌; 高柳 智弘; 植野 智晶*; 堀野 光喜*; 篠崎 信一

Proceedings of 21st Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.730 - 732, 2024/10

J-PARC RCSでは、大強度ビームを生成するペイント入射に、4台の水平ペイントバンプ電磁石と2台の垂直ペイントバンプ電磁石を用いる。ペイントバンプ電磁石電源はIGBT制御のチョッパ回路で構成され、指令電流と指令電圧の高周波スイッチング制御により、ビーム軌道を時間変化させる任意の出力電流波形(ペイントパターン)を作成する。ビーム軌道の制御精度は指令電流と出力電流の差(出力電流偏差)で決まり、$$pm$$1.0%以下の偏差が要求される。現在のペイントパターン調整では、電源制御の応答関数に応じて指令電圧を作成するソフトと、手動で指令電圧値を書き換える調整を組み合わせ、$$pm$$0.2%以下の偏差を達成している。ソフトは時間を約30マイクロ秒で区切り、その中で出力電流偏差を精度内に調整するため、ビーム入射時間が500マイクロ秒のペイントパターンを作成する場合、指令電圧は数マイクロ秒毎に不連続な階段状の値をとる。この波形はIGBTの高速動作によるスイッチング損失増加の原因となっている。そこで、可能な限り平滑化した指令電圧を手動で作成し、従来と同様の$$pm$$0.2%以下の偏差を達成できることを確認した。作成には時間を要したが、基本的なルールと傾向の中で予測をしながら調整ができたため、スイッチング損失を低減したペイントバンプ電源独自の波形パターン調整システムを機械学習で構築できる見通しを得た。本発表では、パターン作成の現状と構築するシステムの構成について報告する。

論文

J-PARC加速器用大電力クローバー回路用半導体スイッチ

小野 礼人; 高柳 智弘; 不破 康裕; 篠崎 信一; 植野 智晶*; 堀野 光喜*; 杉田 萌; 山本 風海; 金正 倫計; 生駒 直弥*; et al.

Proceedings of 20th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.871 - 876, 2023/11

J-PARCでは、直線型加速器の加速用高周波を増幅する真空管型高周波増幅器(クライストロン)電源の短絡保護装置(クローバー装置)に水銀整流器(イグナイトロン)を用いている。イグナイトロンは、世界的に使用が制限されている水銀を使用しており、将来的に製造中止が見込まれる。そこで、大電力半導体素子(MOSゲートサイリスタ)を用いたクライストロン短絡保護用の半導体クローバー装置を開発している。基板1枚当たり、3kV, 40kA, 50usの動作出力を実現するオーバル型基板モジュールを製作した。120kVの高電圧を想定した各基板モジュールへの制御電源供給は、各基板モジュール1枚に分担充電される電圧(3kV)から高圧DCDCコンバータで制御電源を作り出す自己給電方式を採用した。この基板モジュール20枚を20直列で接続し、既設機器(120kV, 40kA)の電圧に対して1/2スケール(60kV, 40kA)での動作性能を確認することができた。その出力試験結果について報告する。また、今後実施予定である3/4スケール(90kV, 40kA)での動作性能を確認するにあたり、超高圧試験回路の検討を行った。

論文

J-PARCリニアック用972MHz半導体増幅器の特性評価

中野 秀仁; 不破 康裕; 篠崎 信一; 溝端 仁志*

Proceedings of 20th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.577 - 578, 2023/11

J-PARCリニアックでは、高周波源としてクライストロンが用いられている。近年、電力効率を向上させる目的のため、クライストロンから半導体増幅器への置き換えが検討されている。半導体増幅器は出力できる電力が比較的小さいため、大電力が必要な区間はクライストロンが用いられてきた。半導体製造技術の進歩により実利用が期待できる半導体増幅器が製造可能になった。J-PARCリニアックでは出力電力の比較的小さなデバンチャー2空洞用のクライストロンを半導体増幅器に置き換えることを計画している。本格的な導入に当たって、プロトタイプの半導体増幅器の入出力特性の測定を実施した。また、現在ビームラインで稼働しているクライストロンと電力効率についての比較も行った。これらの結果について報告する。

論文

J-PARCにおける加速器用パルス電源の半導体化

高柳 智弘; 小野 礼人; 不破 康裕; 篠崎 信一; 堀野 光喜*; 植野 智晶*; 杉田 萌; 山本 風海; 小栗 英知; 金正 倫計; et al.

Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.242 - 246, 2023/01

J-PARCでは、放電管のサイラトロンを用いたビーム取り出し用キッカー電磁石電源を代替する半導体短パルススイッチ電源、および既設のクライストロン電源システムを小型化・省電力化する半導体長パルス電源の高度化を進めている。キッカー用半導体スイッチ電源においては、誘導電圧重畳回路(LTD)方式を採用した40kV/2kA/1.2$$mu$$sの実機仕様のユニット電源を製作し、必要な性能を確認した。そこで、本電源のメンテナンス性の向上と更なる安定化を目的とし、絶縁油を使わず、絶縁体構造のみでコロナ放電を抑制する高耐圧絶縁筒碍子の製作を進めている。また、クライストロン用半導体パルス電源においては、MARX方式を採用し、8kV/60A/830$$mu$$sの矩形パルス出力用主回路ユニットと、矩形波電流の一様性を10%から1%に改善する800V/60Aの補正回路ユニットを製作した。さらに、本MARX電源用に2.2kV/2.4kWの高耐圧SiCインバータ充電器を製作し、組み合わせ試験による特性評価を進めている。発表では各試験の評価結果と、パルス電源の半導体化について今後の展望を報告する。

論文

大電力クローバー回路用半導体スイッチ

小野 礼人; 高柳 智弘; 不破 康裕; 篠崎 信一; 植野 智晶*; 堀野 光喜*; 杉田 萌; 山本 風海; 金正 倫計; 生駒 直弥*; et al.

Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.395 - 399, 2023/01

J-PARCでは、直線型加速器の加速用高周波を増幅する真空管型高周波増幅器(クライストロン)電源の短絡保護装置(クローバー装置)に水銀整流器(イグナイトロン)を用いている。イグナイトロンは、世界的に使用が制限されている水銀を使用しており、将来的に製造中止が見込まれる。そこで、大電力半導体素子(MOSゲートサイリスタ)を用いたクライストロン短絡保護用の半導体クローバー装置を開発している。基板1枚当たり、3kV, 40kA, 50$$mu$$sの動作出力を実現するオーバル型基板モジュールを製作した。120kVの高電圧を想定した各基板モジュールへの制御電源供給は、基板ごとに高圧トランスが必要となり、トランスの設置場所や部分放電(コロナ放電)を考慮する必要がある。本機器では、高圧トランスを用いず、各基板モジュール1枚に分担充電される電圧(3kV)から高圧DCDCコンバータで制御電源を作り出す自己給電方式を採用した。この基板モジュール20枚を20直列で接続し、既設機器(120kV, 40kA)の電圧に対して1/2スケール(60kV, 40kA)での動作性能を確認することができた。その出力試験結果について報告する。

論文

J-PARCクライストロン高圧電源における電圧ドループの影響解析

不破 康裕; 小野 礼人; 高柳 智弘; 篠崎 信一; 溝端 仁志*; Fang, Z.*

Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.780 - 782, 2020/09

J-PARCリニアックではクライストロンを駆動する電源として直流高圧電源を使用している。これらの高圧電源は定格電圧110kVのアノード変調型電源で、1台の直流高圧電源に対して最大で4本のクライストロンを接続して運用している。このように複数のクライストロンを1台の直流高圧電源で駆動しているため、ビームパルス後半において高圧電源のコンデンサバンクの電圧ドループが生じる。この影響でクライストロンの出力低下が起こり、安定なビーム加速を維持する上での課題となっている。また、現有の直流高圧電源の半数はJ-PARC建設当初に導入され、残りの半数はリニアック400MeVアップグレード時に導入されたものであり経年劣化が現れ始めている。今後、経年劣化が生じたコンデンサを部分的あるいは全面的に交換するなどの対策が必要になり、安定運転を維持するためにはコンデンサバンクの構成を変更した際の直流高圧電源の運転挙動を改めて評価する必要がある。本発表では、現状の構成での電圧ドループやそれによる電圧低下がクライストロンに与える影響、及びコンデンサバンクの構成を変更した際の影響を数値計算や実測結果を用いて評価し、今後の安定なビーム運転に必要な対策を議論した。

論文

Upgrade of the 3-MeV linac for testing of accelerator components at J-PARC

近藤 恭弘; 平野 耕一郎; 伊藤 崇; 菊澤 信宏; 北村 遼; 森下 卓俊; 小栗 英知; 大越 清紀; 篠崎 信一; 神藤 勝啓; et al.

Journal of Physics; Conference Series, 1350, p.012077_1 - 012077_7, 2019/12

 被引用回数:3 パーセンタイル:76.36(Physics, Particles & Fields)

J-PARC加速器の要素技術試験に必要な3MeV H$$^{-}$$リニアックを高度化した。イオン源にはJ-PARCリニアックと同じものを用い、RFQは、J-PARCリニアックで2014年まで使用した30mA RFQに代わり新たに製作した50mA RFQを設置した。したがって、このシステムはエネルギー3MeV、ビーム電流50mAとなる。このリニアックの本来の目的は、このRFQの試験であるが、J-PARC加速器の運転維持に必要な様々な機器の試験を行うことができる。加速器は既に試運転が終了しており、測定プログラムが開始されつつある。この論文では、この3MeV加速器の現状について報告する。

論文

J-PARC用324MHzクライストロンの特性評価

不破 康裕; 篠崎 信一; 千代 悦司; 平根 達也; Fang, Z.*; 福井 佑治*; 二ツ川 健太*; 溝端 仁志*; 岩間 悠平*; 佐藤 福克*; et al.

Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.611 - 613, 2019/10

J-PARCリニアックでは、324MHzと972MHzのクライストロン計45台を用いて加速器の運転が行われている。J-PARCの今後の安定化及び高度化に際しては、最大出力付近でのクライストロン出力特性の正確な把握が重要となる。この特性の把握には使用前のクライストロンはもちろんのこと、放電など何らかの理由で交換されたクライストロンの特性測定が不可欠である。しかしながら、放電による周辺機器を含めた損傷などのリスクや加速器の運転との時間的な干渉が理由で、このような測定はこれまで実施されてこなかった。そこで、リニアック棟内にクライストロンテストスタンドを設置し、様々な運転パラメータにおけるクライストロンの高圧特性や入出力特性を測定した。この測定結果を用いることでインストール前にクライストロンの特性が把握でき、最適な運転パラメータの決定や効果的なクライストロン交換の計画が可能となった。また、使用前と使用済みのクライストロンの特性を比較することでクライストロンの劣化傾向を定量的に把握するための基礎データを取得した。

論文

J-PARCリニアックLLRFシステムの現状

二ツ川 健太*; Fang, Z.*; 福井 佑治*; 篠崎 信一; 溝端 仁志; 佐藤 福克*

Proceedings of 14th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.486 - 489, 2017/12

J-PARCリニアックのLLRFは、周波数324MHzのシステムと972MHzのシステムに大別される。周波数324MHzのシステムは、J-PARCリニアックの建設当初から使用されており、その開発から10年以上が経過している。そのため、経年劣化での故障頻度が増加してくることが予想され、実際に予備交換などの対策を検討し始めている。また、フィードバック(FB)やフィードフォワード(FF)を担っているcPCIのボードの一部が製造中止になり、更に開発環境をインストールできるOSを維持することが厳しくなってきている。そこで、次世代のFB&FFシステムへの移行の検討している。現在のシステムは50式近くあり全式を一遍に交換することは厳しいため、新システムと現在のシステムとの両立できる必要がある。開発のための制約が厳しい中でも、現在のシステムの改善点を洗い出して検討を進めている。本件では、現在検討を進めているシステムと現状のシステムを比較するかたちで紹介する予定である。

論文

A 3 MeV linac for development of accelerator components at J-PARC

近藤 恭弘; 浅野 博之*; 千代 悦司; 平野 耕一郎; 石山 達也; 伊藤 崇; 川根 祐輔; 菊澤 信宏; 明午 伸一郎; 三浦 昭彦; et al.

Proceedings of 28th International Linear Accelerator Conference (LINAC 2016) (Internet), p.298 - 300, 2017/05

J-PARC加速器の要素技術開発に必要な3MeV H$$^{-}$$リニアックを構築した。イオン源にはJ-PARCリニアックと同じものを用い、RFQは、J-PARCリニアックで2014年まで使用したものを再利用している。設置作業の後、2016年6月からRFQのコンディショニングを開始した。このRFQは様々な問題を克服し、なんとか安定運転に達していたが、2年間運転できなかったので再度コンディショニングが必要であった。現状定格のデューティーファクタでは運転できてはいないが、短パルスならばビーム運転可能となっている。この論文では、この3MeV加速器のコミッショニングと最初の応用例であるレーザー荷電変換試験の現状について述べる。

論文

Behavior of intermolecular interactions in $$alpha$$-glycine under high pressure

篠崎 彩子*; 小松 一生*; 鍵 裕之*; 藤本 千賀子*; 町田 真一*; 佐野 亜沙美; 服部 高典

Journal of Chemical Physics, 148(4), p.044507_1 - 044507_8, 2017/01

 被引用回数:13 パーセンタイル:44.01(Chemistry, Physical)

重水素化$$alpha$$-グリシンの結晶構造における圧力応答を、粉末および単結晶X線回折および高圧下での粉末中性子回折測定を用いて、室温で調べた。8.7GPaまでの相変化は観察されなかったが、格子圧縮率の異方性が見出された。中性子回折測定は、6.4GPaまでの圧縮で、$$c$$軸に沿った分子間D$$cdots$$O結合の距離が増大することを示した。$$a$$軸に沿った他のD$$cdots$$O結合の距離は圧力が増加するにつれて減少し、3GPa以上では最短の分子間水素結合となった。対照的に、$$b$$軸に沿った$$alpha$$-グリシン分子層間に形成された分岐したN-D$$cdots$$OおよびC-D$$cdots$$O水素結合の長さは、圧力が増加するにつれて著しく減少した。分子間距離の減少は、他の2つの軸と比較して、$$b$$軸の最大圧縮率をもたらした。Hirshfeld分析は、強固なN-D$$cdots$$O水素結合の収縮というよりも空隙領域の縮小で圧縮が起こることを示唆した

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