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那波 和宏*; 田中 公人*; 栗田 伸之*; 佐藤 卓*; 杉山 晴紀*; 植草 秀裕*; 河村 聖子; 中島 健次; 田中 秀数*
Nature Communications (Internet), 10, p.2096_1 - 2096_8, 2019/05
被引用回数:16 パーセンタイル:74.55(Multidisciplinary Sciences)固体物理学の分野において、現在、その省エネルギーの情報伝達や情報処理への応用もにらんで、トポロジカル物質の探索が精力的に行われている。近年の研究では、フェルミオンである電子にとどまらず、ボゾンにおいてもトポロジカルな状態が生まれることが示唆されている。ここで我々は、スピン1/2のダイマー反強磁性体BaCuSiOClについて中性子非弾性散乱実験を行い、トポロジカル的に重要と思われるトリプロンのバンドを測定した。実験結果は、ダイマー間相互作用の小さな交替により生じていると思われるトリプロンバンドの分裂を明瞭に捉えた。解析により、BaCuSiOClについては、初めてとなるボゾンによって実現した結合型Su-Schrieffer-Heeger模型を実現した系であると思われ、トポロジカルに保護された端状態が存在しているものと思われる。
米澤 理加; 郡司 郁子; 杉山 顕寿; 菖蒲 順子; 高下 浩文
JAEA-Review 2015-020, 80 Pages, 2016/02
原子力機構核燃料サイクル工学研究所(以下、サイクル研)では、平成23年7月から国の原子力災害現地対策本部及び福島県から依頼を受け、平成23年3月の東北地方太平洋沖地震時に起きた福島第一原子力発電所の事故(以下、福島原発事故)により影響を受けた福島県民に対して、ホールボディカウンター(以下、WBC)を使用した内部被ばく検査を実施してきた。この検査に訪れた福島県民は、福島原発事故による放射線の健康影響を心配するだけでなく、未曽有の大地震による被害を受ける等、様々な背景や懸念事項を抱えていた。そのため、疑問や不安の軽減に少しでも貢献できるよう、積極的傾聴を主とした双方向コミュニケーションに取り組んできた。本報告書では、内部被ばく検査開始直後から試行錯誤しながら取組んだコミュニケーション活動の実績とともに活動の効果を示す。
菖蒲 順子; 杉山 顕寿; 高下 浩文; 山本 隆一
JAEA-Review 2015-016, 182 Pages, 2016/02
原子力機構核燃料サイクル工学研究所(以下、サイクル研)では、福島原子力発電所事故により放射線影響への過剰な不安の低減を目的として、茨城県民を対象とした「放射線と健康影響に関する勉強会」を2011年5月より実施してきた。放射線と健康影響に関する勉強会では、これまでのリスクコミュニケーションの実践経験から得られたノウハウを基に、説明会が一方向的かつ説得的な理解促進活動ではなく、相互理解の場となるよう、相手のニーズに基づいて、双方向性を確保したプロセスを構築し対応してきた。参加者から寄せられた意見やアンケート結果によって参加者とのコミュニケーションが円滑になる双方向性を重視した形式が、参加者の不安軽減に有効であることが明らかとなった。本報告書では、サイクル研が実施してきた放射線勉強会の実績と共に、放射線勉強会実施までのプロセス及び参加者から寄せられた質問・意見、アンケートの解析結果等について報告する。
杉山 顕寿; 菖蒲 順子; 高下 浩文; 山本 隆一
JAEA-Review 2015-013, 75 Pages, 2016/02
日本原子力研究開発機構(以下、機構)では、福島県において、保育園, 幼稚園, 小中学校の保護者並びに先生方を主な対象として、放射線に関するご質問に答える会(以下、答える会)を実施した。答える会の実施にあたり、核燃料サイクル工学研究所(以下、サイクル研)において、過去10余年に亘り実施してきたリスクコミュニケーション研究・実践活動経験に基づき、参加者との双方向性を重視したプロセスとして、既に原発事故後の茨城県において順調な活動をしていた「放射線に関する勉強会」の手法をベースとした。答える会の活動をより効果的なものとするため、参加者へのアンケート調査を行った。また、サイクル研では、福島原発事故以前よりリスクコミュニケーション活動の展開にあたり、研究所内各部署の職員をコミュニケーターとして約130名養成・登録していたことから、これを準用、増員して対応した。併せて派遣者(コミュニケーター)へのアンケート調査を行った。本報告書ではこれらの活動内容と、答える会の参加者、及びコミュニケーターのアンケート調査結果等について報告する。
杉山 顕寿; 高下 浩文; 山本 隆一; 板橋 靖
JAEA-Review 2014-018, 110 Pages, 2014/07
東京電力福島第一原子力発電所事故では、多くの放射性物質が放出され、広い地域で通常時に比べて高い放射線量率が観測されている。特に事故の影響が強い福島県においては、園児,児童の放射線による人体への影響を心配する声が高まっていることを踏まえ、福島県内の保育園,幼稚園,小中学校の保護者並びに先生方を主な対象に、「放射線に関するご質問に答える会」(答える会)を集中的に実施することとした。答える会は平成23年7月より開始し、事故前から実施している機構での10余年に亘る地域住民とのコミュニケーション活動の実践経験に基づき、参加者との双方向性を重視したプロセスを採用し、事前に参加者の興味関心を伺った上で説明を行うこととしている。答える会の終了後には、参加者へアンケート調査を実施した。アンケートの調査内容は、講演内容の理解度、不安・心配に思うこと、事故前の放射線等の情報接触機会の有無及びその情報源、情報で重視する項目、意見・要望(自由記述)である。本報告書ではこれらアンケート調査について、データマイニング、自由記述のテキストマイニングの結果などについて記述する。
菖蒲 順子; 米澤 理加; 杉山 顕寿; 高下 浩文; 山本 隆一
日本原子力学会誌ATOMO, 54(8), p.543 - 548, 2012/08
原子力機構東海研究開発センター核燃料サイクル工学研究所(以下、サイクル研)では、2001年からリスクコミュニケーションに関する調査研究・実践を行い、地域住民との双方向対話活動等の経験を積んできた。2011年3月の福島第一原子力発電所事故により、原子力機構では事故発生直後から福島原子力発電所事故の事態収束に向けた協力活動を実施している。サイクル研においてもさまざまな活動を行っているが、さらに、これまでの経験を生かした放射線影響に関するさまざまなリスクコミュニケーションを実践している。本稿では、その実践経験から得られた手法や知見、特に住民から寄せられた質問や意見等について紹介する。
山西 敏彦; 林 巧; 岩井 保則; 磯部 兼嗣; 原 正憲*; 杉山 貴彦*; 奥野 健二*
Fusion Engineering and Design, 86(9-11), p.2152 - 2155, 2011/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)核融合炉において、トリチウムをいかに閉じこめるかは重要な研究課題である。特に、水の形のトリチウムは、水素上の形のトリチウムと比較して、放射性物質としての危険度が高く、そのデータを取得することが強く求められている。高濃度トリチウム水の挙動として、金属材料に対するトリチウム水の腐食に関する一連のデータを得ることができた。通常、金属表面には酸化膜が形成され、腐食に対する不動態として機能するが、トリチウム水の存在により(0.23GBq/cc)、その膜形成が阻害されることが判明した。水処理については、ITERで採用された化学交換塔に関して、合理化・高度化を図る研究を行った。
鷹尾 康一朗*; 野田 恭子*; 野上 雅伸*; 杉山 雄一*; 原田 雅幸*; 森田 泰治; 西村 建二*; 池田 泰久*
Journal of Nuclear Science and Technology, 46(10), p.995 - 999, 2009/10
被引用回数:14 パーセンタイル:66.94(Nuclear Science & Technology)ピロリドン誘導体を用いた沈殿法による高速炉燃料の高度化再処理システムを開発している。本研究では、硝酸濃度05.0Mの溶液におけるUO(NO)(NRP)(NRP=-アルキル-2-ピロリドン,アルキル基=-プロピル, -ブチル, -ブチル,シクロヘキシル)の溶解度を測定した。その結果、UO(NO)(NRP)の溶解度は、上澄み液における硝酸及びNRPの濃度が上昇するほど減少することがわかった。溶解度は、NRPの種類にも依存し、基本的にNRPが高疎水性であるほど溶解度は減少した。また、溶解度の評価に溶解度積の導入が有効であることがわかった。
山西 敏彦; 林 巧; 岩井 保則; 磯部 兼嗣; 原 正憲*; 杉山 貴彦*; 奥野 健二*
プラズマ・核融合学会誌, 85(10), p.716 - 725, 2009/10
平成19年度より文部科学省科学研究費特定領域「核融合炉実現を目指したトリチウム研究の新展開」が採択され発足した。6個の「計画研究」班を置き、核融合で使用されるトリチウムについての社会的受容性を高めるための活動を行っている。本報告は、原子力研究開発機構が中心となっている計画研究班、C01班のこれまでの研究成果,今後の計画を記述したものである。C01班では、核融合炉でのトリチウム閉じ込め技術を確立することを最終的な目標とする。そのために、特に基礎研究の進展とデータ取得が強く望まれている「高濃度トリチウム水及び有機物の化学的現象の解明」を目的に研究を行っている。具体的には、(1)トリチウム水及び有機トリチウムが物理的閉じこめ障壁に与える影響の解明:トリチウム水及び有機トリチウムの化学反応による生成物の特定、その反応生成物による閉じ込め障壁に対する腐食、浸透現象の解明、(2)トリチウム水及び有機トリチウムの機能的閉じ込めの研究:トリチウム水及び有機トリチウムのセラミック、触媒での反応の速度の測定、反応速度に影響を与える因子の特定、を行う。
正木 圭; 田辺 哲朗*; 広畑 優子*; 大矢 恭久*; 柴原 孝宏*; 林 孝夫; 杉山 一慶*; 新井 貴; 奥野 健二*; 宮 直之
Nuclear Fusion, 47(11), p.1577 - 1582, 2007/11
被引用回数:14 パーセンタイル:45.18(Physics, Fluids & Plasmas)本研究では、炉内の水素同位体残留量の定量評価及び残留過程を明らかにすることを目的として、従来のダイバータ領域に加え、第一壁及びプラズマから影の部分における炭素の損耗/再堆積分布及び水素同位体蓄積分布を評価した。真空容器内全体でプラズマ対向壁を観察した結果、おもに外側ダイバータ及び上部第一壁が損耗領域であり、内側ダイバータ及び内側第一壁が堆積領域であった。トロイダル方向の対称性を仮定したダイバータ領域全体の損耗/再堆積量は損耗量0.34kg、再堆積量(ダスト含む)0.55kgであり、この差0.21kgが第一壁領域の損耗が寄与していると考えられる。また、最も厚い再堆積層(内側ダイバータ)に蓄積された水素同位体蓄積濃度を評価した結果、(H+D)/C0.02であった。真空容器ベーキング温度を150Cに下げた運転後、プラズマから影の部分であるダイバータ下部を調べた結果、約2mの堆積層があり(H+D)/Cが約0.8と高いことがわかった。しかし、この領域における炭素堆積率は、810 atoms/sとタイル表面の炭素堆積率(610 atoms/s)と比較すると約一桁小さい値であった。
正木 圭; 田辺 哲朗*; 広畑 優子*; 大矢 恭久*; 柴原 孝宏*; 林 孝夫; 杉山 一慶*; 新井 貴; 奥野 健二*; 宮 直之
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03
本研究では、炉内の水素同位体残留量の定量評価及び残留過程を明らかにすることを目的として、従来のダイバータ領域に加え、第一壁及びプラズマから影の部分における炭素の損耗/再堆積分布及び水素同位体蓄積分布を評価した。真空容器内全体でプラズマ対向壁を観察した結果、おもに外側ダイバータ及び上部第一壁が損耗領域であり、内側ダイバータ及び内側第一壁が堆積領域であった。トロイダル方向の対称性を仮定したダイバータ領域全体の損耗/再堆積量は損耗量0.34kg、再堆積量(ダスト含む)0.55kgであり、この差0.21kgが第一壁領域の損耗が寄与していると考えられる。また、最も厚い再堆積層(内側ダイバータ)に蓄積された水素同位体蓄積濃度を評価した結果、(H+D)/C0.02であった。真空容器ベーキング温度を150Cに下げた運転後、プラズマから影の部分であるダイバータ下部を調べた結果、約2mの堆積層があり(H+D)/Cが約0.8と高いことがわかった。しかし、この領域における炭素堆積率は、810atoms/sとタイル表面の炭素堆積率(610atoms/s)と比較すると約一桁小さい値であった。
金盛 正至; 河田 東海夫; 渡辺 均; 飛田 吉春; 杉山 俊英; 宮部 賢次郎; 小林 博英
JNC TN8450 2003-009, 506 Pages, 2004/03
核燃料サイクル開発機構(以下、サイクル機構という)は、1999年9月30日に発生したJCO臨界事故に際して、事故発生直後に東海事業所内に事故対策支援本部を設置し、本社理事長の指示の下、東海事業所、大洗工学センター等全社の緊密な連携を図り、臨界事故の終息、全身カウンターによる被ばく評価、事故後の周辺住民の被ばく量低減のための土嚢積み、地域住民の汚染検査、周辺環境モニタリング、県、村の支援、住民相談、放射線測定等技術的支援に当たった。また、臨界事故終息後も、科学技術庁の事故対策本部及び、原子力安全委員会のウラン加工工場臨界事故調査委員会、健康管理委員会に協力し、臨界事故の原因究明、作業員、国、地方自治体の防災業務関係者、マスコミ等の被ばく線量評価等、長期間にわたって種々の協力を行ってきた。本報告は、サイクル機構が実施した臨界事故の終息のための活動、臨界事故評価、環境モニタリング、被ばく線量評価等の活動について取りまとめたものである。
大矢 恭久*; 森本 泰臣*; 小柳津 誠*; 廣畑 優子*; 柳生 純一; 三代 康彦; 後藤 純孝*; 杉山 一慶*; 奥野 健二*; 宮 直之; et al.
Physica Scripta, T108, p.57 - 62, 2004/00
JT-60Uにおいて両側排気時期に使用された外側ダイバータタイル中の水素同位体挙動をSIMS,XPS,SEMを用いて調べた。その結果、タイル中央部分では水素同位体濃度が低 く、タイル両側で高いことがわかった。下側排気ポート近くで水素同位体濃度が最も 高く、この部分に多く観察される再堆積層中に存在している可能性が示唆された。タイル中央部では再堆積層に替わってエロージョンが支配的である。放電時にタイル表面温度が上昇し、水素同位体の多くが除去されたと推察できる。一方、上部ではタイル中央部ほどストライクポイントの頻度が少ないことから、表面に重水素放電後に実施した水素放電による水素が滞留している。また、タイル内部のカーボンファイバー上に再堆積層が存在しており、表面はエロージョンが支配的であるが、内部の堆積膜中には水素同位体が存在している可能性が示唆された。これらの結果より、外側ダイバータ部では主にエロージョンが支配的であるが、ストライクポイントの頻度が少ない場所において再堆積層が存在し、その内部に水素同位体が存在していること,タイル表面における水素同位体挙動はタイルの温度,損耗の効果,ストライクポイントの位置・頻度に大きく影響を受けること等が明らかとなった。
正木 圭; 杉山 一慶*; 田辺 哲朗*; 後藤 純孝*; 飛田 健次; 三代 康彦; 神永 敦嗣; 児玉 幸三; 新井 貴; 宮 直之
日本原子力学会和文論文誌, 2(2), p.130 - 139, 2003/06
JT-60UのW型ダイバータ及び第一壁タイル内に残留したトリチウムをイメージングプレート法及び燃焼法により測定した。両者の測定結果は良い一致を示し、ドーム頂部で最もトリチウム濃度が高く、運転時の表面温度が高いダイバ-タ部では低い値を示した。タイル表面の堆積層の厚さを、走査型電子顕微鏡による断面観察により測定した結果、トリチウム分布と堆積層との相関は認められなかった。DD反応で生成される高エネルギートリトンの軌道損失を、軌道追跡モンテカルロコードで計算した結果、計算結果とイメージングプレート法及び燃焼法によるトリチウム分布の測定結果はよく一致した。また、計算結果と燃焼法測定結果との比較から、ダイバータターゲットタイルに取込まれたトリチウムは、タイル表面の温度上昇により放出されたことがわかった。これらのことから、JT-60Uのダイバ-タ及び第一壁タイルのトリチウム分布は、DD反応で生成される高エネルギートリトンのトロイダル磁場リップルによる損失を反映し、生成時のエネルギーが損失されずに壁に深く入射されていることがわかった。さらに、ダイバ-タタ-ゲットにおいては、タイル表面温度上昇の影響を受け、トリチウムが放出されていることがわかった。
正木 圭; 杉山 一慶*; 田辺 哲朗*; 後藤 純孝*; 宮坂 和孝*; 飛田 健次; 三代 康彦; 神永 敦嗣; 児玉 幸三; 新井 貴; et al.
Journal of Nuclear Materials, 313-316, p.514 - 518, 2003/03
被引用回数:55 パーセンタイル:94.93(Materials Science, Multidisciplinary)トリチウム残留量の評価及び吸蔵過程の解明のために、JT-60U W型ダイバータタイルにおけるトリチウム分布を、イメ-ジングプレ-ト技術(TIPT)及び燃焼法により測定した。その結果、発生したトリチウムの約10%がダイバータ領域に残留し、そのトリチウム濃度は、ドーム頂部及び外側バッフル板タイルで高く(60 kBq/cm)、ダイバータターゲットタイルでは低かった(2 kBq/cm)。DD反応で生成されるトリトンの粒子軌道計算の結果、第一壁及びダイバータタイルに打ち込まれるトリトンの粒子束分布は、TIPT及び燃焼法で得られたポロイダル分布結果と一致した。また、このトリチウム分布は、測定された再堆積層の分布状態との相関は認められなかった。これらの結果から、JT-60Uでのトリチウム分布は、プラズマ中におけるトリトンの粒子損失を反映していることがわかった。
杉山 一慶*; 宮坂 和孝*; 田辺 哲朗*; 正木 圭; 後藤 純孝*; 飛田 健次; 児玉 幸三; 宮 直之
Physica Scripta, T103, p.56 - 58, 2003/00
被引用回数:14 パーセンタイル:62.77(Physics, Multidisciplinary)JT-60Uのダイバータタイルに蓄積されているトリチウムの表面分布測定にイメージングプレートを適用した。その結果は以下のようにまとめられる。JT-60Uのダイバータ領域の黒鉛タイルのトリチウム蓄積量は、表面ドームの頂及び、ダイバータバッフル板で大きく、ダイバータ領域で小さくなっていた。ダイバータ黒鉛タイルに蓄積されているトリチウムの分布は、基本的には、トリチウムがいったんプラズマから均一に打ち込まれ、その後の黒鉛の温度により放出量が異なることを反映している。特に表面温度が1000C以上になったと思われるダイバータの足の部分では、トリチウムはほとんど検出されなかった。ダイバータドーム頂のタイル約240枚をトロイダル方向全周について測定したところ、トロイダル方向の磁場のリップロスに相当するトリチウム蓄積の強弱が認められ、高速のトリチウムが入射していることが初めて明らかにされた。第1壁についもポロイダル方向に測定し、容器上部のトリチウム濃度が低いこと、外側第1壁に特にトリチウム濃度が高いところがあることなど新たな知見が得られた。
田辺 哲朗*; 杉山 一慶*; 正木 圭; 後藤 純孝*; 飛田 健次; 宮 直之
IAEA-CN-94/EX/P2-11 (CD-ROM), 6 Pages, 2002/00
本研究ではトカマク型臨界プラズマ試験装置JT-60Uのプラズマ対向壁についてトリチウムの表面分布をイメージングプレートで測定した結果について評価した。ポロイダル方向では、直接プラズマが当たらないドームトップタイルや外側バッフル板にトリチウム濃度の高い部分が見いだされた。トリチウム分布は一様分布である一方、トロイダル方向にはトロイダル磁場コイル配置の影響を受けていることが明らかとなった。この分布は、高速トリトンの軌道計算コードOFMCで評価した結果、トロイダル磁場コイルのリップルによる粒子損失で説明可能なことを確認した。高熱となるダイバータ部分では一旦蓄積したトリチウムは、最終的にはプラズマからの熱負荷により脱離する。
中江 延男; 杉山 顕寿; 安部 智之; 市村 敏夫; 渡部 雅之; 小島 久雄; 高下 浩文
PNC TN1430 97-005, 229 Pages, 1997/11
1997年10月510日に標記国際会議が横浜で開催された。核燃料サイクル開発関係者に会議概要を周知するため、全体会議及び核燃料サイクル関連の口頭発表の要旨をまとめた。
船坂 英之; 杉山 顕寿; 山本 和典; 高橋 武士
Chemical Physics Letters, 241(3), p.154 - 160, 1995/07
被引用回数:3 パーセンタイル:14.17(Chemistry, Physical)アルカリ金属フラーレン超電導体において、Rb3C60は、臨界温度が30Kであり、その結晶構造が面心立方構造であることはよく知られている。今回我々はルビジウム金属を多くドープさせたRb4C60, Rb5C60, Rb6C60において、30K以外に12.5Kでも超電導転移を示すことを初めて見い出した。
船坂 英之; 杉山 顕寿; 山本 和典; 高橋 武士
Chemical Physics Letters, 236(3), p.277 - 284, 1995/04
被引用回数:5 パーセンタイル:21.89(Chemistry, Physical)従来ナノ粒子に内包された物質の化学形態については、ランタニド元素では炭化物、鉄系元素では金属であることが報告されているにすぎなかった。我々は、アーク放電前の陽極円に充填するランタン化合物を変化させることにより、アーク放電後に生成する内包ナノ粒子の内包物の形態を変えることができることを初めて見い出した。すなわち従来報告されているランタン炭化物以外にもランタンホウ化物、ランタン金属体の形態でも内包されることを初めて見い出した。