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稲葉 良知; 佐藤 博之; 角田 淳弥; 大橋 弘史; 西原 哲夫; 坂場 成昭
日本機械学会誌, 127(1267), p.25 - 28, 2024/06
原子力機構(JAEA)は、高温ガス炉の早期社会実装によるネットゼロへの貢献を目指し、HTTR-熱利用試験、高温ガス炉国内実証炉、英国の高温ガス炉実証プログラム、英国高温ガス炉燃料開発プログラム、ポーランド高温ガス炉研究炉基本設計の5つのプロジェクトを推進する。本稿では、これら5つのプロジェクトに加え、HTTRを用いた安全性実証試験の概況を述べた。
武田 哲明*; 稲垣 嘉之; 相原 純; 青木 健; 藤原 佑輔; 深谷 裕司; 後藤 実; Ho, H. Q.; 飯垣 和彦; 今井 良行; et al.
High Temperature Gas-Cooled Reactors; JSME Series in Thermal and Nuclear Power Generation, Vol.5, 464 Pages, 2021/02
本書は、原子力機構における今までの高温ガス炉の研究開発の総括として、HTTRの設計、燃料、炉内構造物や中間熱交換器などの要素技術の開発、出力上昇試験、950Cの高温運転、安全性実証試験などの運転経験及び成果についてまとめたものである。また、HTTRでの知見をもとに、商用炉の設計、高性能燃料、ヘリウムガスタービン、ISプロセスによる水素製造などの要素技術開発の現状について記述しており、今後の高温ガス炉の開発に非常に有用である。本書は、日本機械学会の動力エネルギーシステム部門による化石燃料及び原子力によるエネルギーシステムの技術書のシリーズの一冊として刊行されるものである。
Humrickhouse, P. W.*; 佐藤 博之; 今井 良行; 角田 淳弥; Yan, X.
Proceedings of 9th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2018) (USB Flash Drive), 9 Pages, 2018/10
本検討では、HTTR-GT/Hプラントの熱交換器やヘリウムガスタービンを含む2次ヘリウム冷却設備の評価モデルを構築した。定常解析を行い、解析結果と設計値を比較した結果、単独発電運転時及び熱電併給運転時のいずれにおいても、タービンモデルを除き、評価モデルは設計値を再現できることが示された。
Yan, X.; 佐藤 博之; 角田 淳弥; 野本 恭信*; 堀井 翔一*; 今井 良行; 笠原 清司; 鈴木 孝一*; 岩月 仁; 寺田 敦彦; et al.
Nuclear Engineering and Design, 329, p.223 - 233, 2018/04
被引用回数:23 パーセンタイル:90.88(Nuclear Science & Technology)原子力機構では、高温ガス炉から取り出される熱を用いた発電や水素製造等の実現に向けて、ヘリウムガスタービン及び水素製造施設の原子炉への接続にあたっての安全基準確立や経済的で信頼性を有する運転制御方式の確立を目的とした、HTTRに熱利用施設を接続したHTTR-GT/Hプラントの建設を計画している。本報告では、HTTR-GT/Hプラントの基本設計として、システム設計の成果を報告する。
佐藤 博之; 野本 恭信*; 堀井 翔一*; 角田 淳弥; Yan, X.
Nuclear Engineering and Design, 329, p.247 - 254, 2018/04
被引用回数:14 パーセンタイル:78.89(Nuclear Science & Technology)本報告では、HTTRガスタービンコジェネレーションプラント(HTTR-GT/H plant)のシステム性能評価を行った。具体的には、起動停止及び負荷追従運転時の運転制御性について検討を行った。また、負荷喪失時や水素製造施設異常時の制御特性評価を行った。性能評価結果から、HTTR-GT/Hプラントにより実用高温ガス炉の運転制御法の確証する試験の実施が可能であることを示した。
野本 恭信; 堀井 翔一; 角田 淳弥; 佐藤 博之; Yan, X.
Proceedings of 2017 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2017) (CD-ROM), 9 Pages, 2017/04
実用高温ガス炉GTHTR300C及びHTTRに接続する熱利用システム(HTTR-GT/H プラント)の熱供給配管設計について報告する。二重管構造と内部断熱管構造を比較検討し、内部断熱管構造の方が配管物量を低減できることより、建設時の配管系据付コストとプラント運転中の熱損失コストを考慮した配管系コストを低減できることを示した。さらに、内部断熱管の外側に保温材を施工することで、熱損失及び高温ヘリウムの温度低下を低減できることを示した。また、耐圧管の材質をHTTRの二重管で使用されたクロム・モリブデン鋼から高温強度に優れたステンレス鋼に変更することで、より小口径で高温ヘリウムの温度低下条件を達成できた。以上の結果に基づき、GTHTR300Cプラント及びHTTR-GT/H プラントの熱供給配管仕様を設定した。
Yan, X.; 佐藤 博之; 角田 淳弥; 野本 恭信; 堀井 翔一; 今井 良行; 笠原 清司; 鈴木 孝一*; 岩月 仁; 寺田 敦彦; et al.
Proceedings of 8th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2016) (CD-ROM), p.827 - 836, 2016/11
原子力機構では、高温ガス炉から取り出される熱を用いた発電や水素製造等の実現に向けて、ヘリウムガスタービン及び水素製造施設の原子炉への接続にあたっての安全基準確立や経済的で信頼性を有する運転制御方式の確立を目的とした、HTTRに熱利用施設を接続したHTTR-GT/Hプラントの建設を計画している。本報告では、HTTR-GT/Hプラントの基本設計として、システム設計の成果を報告する。
佐藤 博之; 野本 恭信; 堀井 翔一; 角田 淳弥; Yan, X.; 大橋 弘史
Proceedings of 8th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2016) (CD-ROM), p.759 - 766, 2016/11
本研究では、HTTRにガスタービンと水素製造施設を接続したHTTR-GT/Hプラントの性能評価を行った。起動停止運転及び負荷追従運転について検討するとともに、発電機負荷喪失時や水素製造施設異常時におけるプラント動特性評価を行い、HTTR-GT/Hプラントにより、実用高温ガス炉の運転制御技術の確証試験が実施できることを明らかにした。
佐藤 博之; Yan, X.; 角田 淳弥; 寺田 敦彦; 橘 幸男
Journal of Nuclear Engineering and Radiation Science, 2(3), p.031010_1 - 031010_6, 2016/07
本報告では、高温ガス炉から取り出される熱を用いた発電や水素製造等の実現に向けて、高温ガス炉技術の課題である、ヘリウムガスタービン及び水素製造施設の原子炉への接続に当たっての安全基準確立や経済的で信頼性を有するシステム設計及び運転制御方式の確立に資するため、HTTR試験計画を提案するとともにスケジュールやプラント概念を明らかにした。
佐藤 博之; Yan, X.; 角田 淳弥; 寺田 敦彦; 西原 哲夫
Proceedings of International Gas Turbine Congress 2015 (IGTC 2015) (DVD-ROM), p.184 - 190, 2015/11
本報告では、水素電力コジェネレーション高温ガス炉システムを対象に、従来の制御系にタービン回転数制御を加えることで、熱電比0.4を超える熱利用系を有するシステムにおいて熱利用系の負荷変動に追従可能な制御方式を提案した。代表的な熱利用系の負荷変動曲線に対する制御特性評価を行い、原子炉出力を一定に保ち、かつ、高い発電効率を維持した状態での負荷追従運転が可能であることを明らかにし、本提案の有効性を確認した。加えて、提案制御方式の確証を目的としたHTTR接続試験の試験項目を提案した。
佐藤 博之; 角田 淳弥; 寺田 敦彦; 大橋 弘史; Yan, X.; 西原 哲夫; 橘 幸男; 稲垣 嘉之
Proceedings of 23rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-23) (DVD-ROM), 8 Pages, 2015/05
本報告では、高温ガス炉から取り出される熱を用いた発電や水素製造等の実現に向けて、高温ガス炉技術の課題である、ヘリウムガスタービン及び水素製造施設の原子炉への接続にあたっての安全基準確立や経済的で信頼性を有するシステム設計及び運転制御方式の確立に資するため、HTTR試験計画を提案するとともにスケジュールやプラント概念を明らかにした。
大橋 弘史; 佐藤 博之; Yan, X.; 角田 淳弥; 野本 恭信; 田澤 勇次郎; 野口 弘喜; 今井 良行; 橘 幸男
JAEA-Technology 2013-016, 176 Pages, 2013/09
原子力機構は、小型高温ガス炉システムの開発途上国等への2030年代の世界展開を目指し、蒸気タービンによる発電、工業プロセスへの高温蒸気、及び地域暖房への低温蒸気供給を目的とした小型高温ガス炉システムの商用1号機あるいは実証炉と位置づけられるリファレンスの原子炉として、原子炉熱出力50MWtの小型高温ガス炉システム(HTR50S)の概念設計を進めている。本検討では、HTR50Sのプラント設計として、原子炉出口温度750Cで発電,蒸気供給,地域暖房を行うシステムを対象としたうえで、原子炉出口温度900Cへの高温化及び中間熱交換器の追設を考慮に入れ、プラント基本仕様及び各設備の設計要件に基づき、炉内構造物,原子炉圧力容器,炉容器冷却設備,停止時冷却設備,中間熱交換器,蒸気発生器及びヘリウムガス循環機,蒸気発生器隔離及びドレン設備,原子炉格納容器,発電設備及び熱供給設備の概念設計、並びに配置概念検討を実施した。これらの結果、各設備ともに設計目標を達成でき、小型高温ガス炉システムの概念設計の技術的成立性を示すことができた。本報は、小型高温ガス炉システムのプラント設計及び技術的成立性評価の結果について報告する。
大橋 弘史; 佐藤 博之; 後藤 実; Yan, X.; 角田 淳弥; 田澤 勇次郎*; 野本 恭信; 相原 純; 稲葉 良知; 深谷 裕司; et al.
International Journal of Nuclear Energy, 2013, p.918567_1 - 918567_18, 2013/00
原子力機構は、開発途上国等による2020年代の実証的高温ガス炉システムの建設を目指して、送電網が整備されていない中小都市向けの熱出力50MWの小型高温ガス炉(原子炉出口温度750C及び900C)の概念設計を実施した。設計思想は、地域暖房,プロセス熱供給,ガスタービン発電及び熱化学法による水素製造の実証試験等の多目的熱利用に係るユーザーの要請に応えることが可能なこと、HTTRの設計を基に特段の研究開発なしでHTTRより性能を向上させること、高温ガス炉の固有の特性及び受動的崩壊熱除去系を用いて安全性をより向上させることである。設計目標に対する設計結果及び代表的な事象に対する安全予備評価の結果、設計した小型高温ガス炉の技術的成立性を示すことができた。
森田 浩介*; 森本 幸司*; 加治 大哉*; 羽場 宏光*; 大関 和貴*; 工藤 祐生*; 住田 貴之*; 若林 泰生*; 米田 晃*; 田中 謙伍*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 81(10), p.103201_1 - 103201_4, 2012/10
被引用回数:171 パーセンタイル:97.24(Physics, Multidisciplinary)113番元素である113をBi標的にZnビームを照射する実験により合成した。観測したのは6連鎖の崩壊で、そのうち連鎖の5番目と6番目は既知であるDb及びLrの崩壊エネルギーと崩壊時間と非常によく一致した。この意味するところは、その連鎖を構成する核種が113, Rg (Z=111), Mt (Z=109), Bh (Z=107), Db (Z=105)及びLr (Z=103)であることを示している。本結果と2004年, 2007年に報告した結果と併せて、113番元素である113を曖昧さなく生成・同定したことを強く結論付ける結果となった。
佐藤 望; 羽場 宏光*; 市川 隆敏*; 加治 大哉*; 工藤 祐生*; 森本 幸司*; 森田 浩介*; 大関 和貴*; 住田 貴之*; 米田 晃*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 80(9), p.094201_1 - 094201_7, 2011/09
被引用回数:16 パーセンタイル:66.17(Physics, Multidisciplinary)本論文は、理化学研究所線型加速器施設の気体充填型反跳分離装置を用いて行った、Pb(Fe, )[=1,2]反応で合成されたHs及びHsの崩壊特性について報告するものである。6つの崩壊連鎖がHsと同定され、Hs合成の反応断面積は、Pb(Fe,)反応がpb、Pb(Fe,)反応がpbであった。Hsは崩壊並びに自発核分裂を起こし、半減期はmsであった。Hsの線エネルギーとしては、10.610.04MeVと10.800.08MeVを観測した。また、Hsの自発核分裂分岐比はであった。
橘 幸男; 西原 哲夫; 坂場 成昭; 大橋 弘史; 佐藤 博之; 植田 祥平; 相原 純; 後藤 実; 角田 淳弥; 柴田 大受; et al.
JAEA-Technology 2009-063, 155 Pages, 2010/02
高温ガス炉実用化のために必要となるHTTRを用いた試験計画を立案した。HTTRを用いる試験項目は、燃料性能,核分裂生成物挙動,炉物理,伝熱流動,原子炉運転及びメンテナンスなどであり、これらについて検討し、試験項目を細分化した。HTTRを用いた試験により得られた結果は、原子力機構が設計して世界の代表的な商用超高温ガス炉と認められているGTHTR300Cの実用化に用いることができる。
森田 浩介*; 森本 幸司*; 加治 大哉*; 羽場 宏光*; 大関 和貴*; 工藤 祐生*; 佐藤 望*; 住田 貴之*; 米田 晃*; 市川 隆敏*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 78(6), p.064201_1 - 064201_6, 2009/06
被引用回数:30 パーセンタイル:77.87(Physics, Multidisciplinary)Cm(Na,5)反応で合成したBh及びその娘核種であるDbの崩壊特性の研究を、気体充填型反跳分離装置(GARIS)と位置感度半導体検出器(PSD)とを組合せた装置を用いて行った。既知核種であるDbとの相関を調べ、Bhの同定を十分な確度で行った。今回合成・測定を行ったBh及びDbの崩壊特性は以前(理化学研究所、2004年,2007年)に合成・測定を行った113の崩壊特性と一致しており、これは新元素(原子番号113)とされる113の発見の成果を強く補強するものと言える。
加治 大哉*; 森本 幸司*; 佐藤 望*; 市川 隆敏*; 井手口 栄治*; 大関 和貴*; 羽場 宏光*; 小浦 寛之; 工藤 祐生*; 小澤 顕*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 78(3), p.035003_1 - 035003_2, 2009/03
被引用回数:3 パーセンタイル:25.92(Physics, Multidisciplinary)原子番号108元素であるHs(ハッシウム)の新同位体となるHsの直接合成に世界で初めて成功した。2008年5月19日から25日にかけて、理化学研究所の線形加速器(RILAC)及び気体充填型反跳質量分析機(GARIS)を用い、Pb(Fe,n)反応を用い、合計9つの崩壊連鎖を観測し、これらをHsからの連鎖崩壊と同定した。見積もられた半減期は0.60ミリ秒である。本実験におけるビーム総量はFeイオンに対して4.110、Feイオンに対して6.210であった。計9つの崩壊にかかわる合成断面積は輸送効率を80%としてそれぞれ21ピコバーン及び1.6ピコバーンとなった。
加治 大哉*; 森本 幸司*; 佐藤 望*; 市川 隆敏*; 井手口 栄治*; 大関 和貴*; 羽場 宏光*; 小浦 寛之; 工藤 祐生*; 小澤 顕*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 78(3), p.035003_1 - 035003_2, 2009/03
原子番号108元素であるHs(ハッシウム)の新同位体となるHsの直接合成に世界で初めて成功した。2008年6月19日から25日にかけて、理化学研究所の線形加速器(RILAC)及び気体充填型反跳質量分析機(GARIS)を用い、Pb(Fe,n)及びPb(Fe,n)反応を用い、合計9つの崩壊連鎖を観測し、これらをHsからの連鎖崩壊と同定した。見積もられた半減期は0.60ミリ秒である。本実験におけるビーム総量はFeイオンに対して, Feイオンに対してであった。計9つの崩壊にかかわる合成断面積は輸送効率を80%として21 pb and 1.6ピコバーンとなった。
佐藤 望*; 羽場 宏光*; 市川 隆敏*; 井手口 栄治*; 加治 大哉*; 小浦 寛之; 工藤 祐生*; 森本 幸司*; 森田 浩介*; 小澤 顕*; et al.
RIKEN Accelerator Progress Report, Vol.42, P. 16, 2009/00
超重核領域の偶偶核(陽子数,中性子数がともに偶数)であるHs及びその娘核の崩壊様式の性質を、理化学研究所の気体充填型反跳イオン分離装置(GARIS)においてPb(Fe,2n)及びPb(Fe,n)反応を用いて調べた。前者の反応で3事象、後者の反応で8事象のHsからの崩壊現象が観測された。計11事象から得られる半減期はmsであった。Hsからの崩壊において従来の報告と異なる事象を見いだした。一つは崩壊娘核Sgの崩壊事象のうち、半減期180msの長寿命の崩壊状態(それまではSg直接合成での0.90msの崩壊)。もう一つは崩壊孫核Rfの崩壊事象のうち、半減期10.4sの長寿命の崩壊状態(それまではRf直接合成での6.7msの崩壊)である。今回の実験で新たなアイソマーの情報が得られ、また、直接合成と崩壊生成では、異なる崩壊様式を示すことを明らかにした。