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須藤 勝夫; 高野 龍雄; 武内 健太郎; 木原 義之; 加藤 正人
Proceedings of International Conference on Toward and Over the Fukushima Daiichi Accident (GLOBAL 2011) (CD-ROM), 5 Pages, 2011/12
原子力機構では、高速増殖炉サイクルの実用化研究開発において、MOX燃料製造プロセスの合理化を目的に、簡素化ペレット法に関する技術開発を行っている。簡素化ペレット法については、実験室規模の試験によりその技術的成立性を確認している。簡素化ペレット法の枢要技術の1つにダイ潤滑成型技術があり、ここでは、実験室規模の試験の次のステップとして、kgスケールでの簡素化ペレット法によるMOXペレット製造試験を行う目的で、ダイ潤滑機構を組み込んだ成型機を開発したので、その概要を報告する。
廣岡 瞬; 加藤 正人; 武内 健太郎; 高野 龍雄
Proceedings of International Conference on Toward and Over the Fukushima Daiichi Accident (GLOBAL 2011) (CD-ROM), 6 Pages, 2011/12
MOX燃料ペレットの焼結工程における密度変化とO/M変化を、ディラトメータと熱天秤によって測定し、焼結挙動を表す式を作成した。得られた式は、熱処理中の温度パターンと雰囲気中の水素水分比をパラメータとして表した。これらの結果は、焼結工程におけるMOXペレットの密度変化とO/M変化を正確に表現するための重要なデータとなる。
高野 龍雄; 須藤 勝夫; 武内 健太郎; 木原 義之; 加藤 正人
Proceedings of International Conference on Toward and Over the Fukushima Daiichi Accident (GLOBAL 2011) (CD-ROM), 7 Pages, 2011/12
高速増殖炉サイクルの経済性を向上させるための重要な要求事項の一つに、MOX燃料の高燃焼度化が挙げられている。MOX燃料の高燃焼度化は燃料-被覆管の化学的相互作用(PCCI)を増大させるため、高燃焼度化を達成するにはPCCIの要因となる燃料ピン内の余剰酸素を抑制する必要がある。燃料ピン内の余剰酸素を抑制する方法として、MOXペレットの初期O/M比を下げる方法があり、O/M比1.97以下のMOXペレットの製造技術開発を進めている。MOXペレットのO/M比の調整技術は、FaCTプロジェクトにおいて実施している簡素化ペレット法の技術開発において、枢要技術の1つである。これまでのMOXペレットのO/M比の調整技術開発において、酸素ポテンシャル及び酸素相互拡散係数のデータを用いて理論的に熱処理中のO/M比の変化を推定する手法を開発した。これにより、目標とするO/M比のMOXペレットを得るための理論的な熱処理条件を設定することが可能となり、実験室規模(数百g)のMOXペレットO/M比調整試験を実施した結果、本手法による熱処理後のO/M比の推定値とほぼ一致することを確認している。ここでは、実験室規模の次のステップとして、小規模(数kg)で目標とするO/M比のMOXペレットを得ることを目的に実施した技術開発の結果について報告する。
永田 晋二*; 井上 愛知; 山本 春也; 土屋 文*; 高野 勝昌; 藤 健太郎*; 四竈 樹男*
Journal of Alloys and Compounds, 446-447, p.558 - 561, 2007/10
被引用回数:20 パーセンタイル:68.60(Chemistry, Physical)触媒金属を表面に担持した酸化タングステン膜は、水素と反応することにより着色することが知られている(ガスクロミック現象)。しかしながら、水素によるガスクロミック着色の詳細なメカニズムは、未だに明らかになっていない。本研究では、ガスクロミック着色のメカニズムを解明することを目的に、種々の組成の酸化タングステン膜を作製し、酸化タングステン膜中の水素の挙動と着色現象の関係について調べた。反応性スパッター法により成膜中の酸素分圧を制御し、O/W原子数比を2.53.0まで変化させた酸化タングステン膜を作製した。薄膜試料中の水素は、ヘリウムイオンビームを用いた反跳粒子検出法により評価した。実験の結果、O/W原子数比が3.0近傍の酸化タングステン膜が最も良い着色性能を示した。さらに、水素に曝して着色させると薄膜中の水素濃度が2割程度増加することが確認できた。これより、この着色がタングステンブロンズ(HWO
)の形成と関連していることがわかった。
加藤 正人; 中道 晋哉; 高野 龍雄
Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycles and Systems (Global 2007) (CD-ROM), p.916 - 920, 2007/09
マイナーアクチニドを含有した酸化物燃料が先進高速炉の燃料として開発が進められている。燃料開発の一環として、さまざまな物性データの研究が行われてきた。燃料は、高燃焼を達成するために低O/Mの仕様である。MA含有MOX燃料は常陽において照射試験が進められている。本研究では、均質な低O/M燃料を調製するために、焼結挙動とO/M調整のための熱処理の挙動を調べ、熱処理条件を決定することを目的とする。焼結工程では、酸素ポテンシャルの高い雰囲気で熱処理をすることによって、均質な高密度ペレットを調整することができた。また、O/M調整の熱処理では、急激なO/M変化をさせるとペレット内にポアの成長とクラックが発生するため、徐々にO/Mを下げる必要がある。これらの試験結果から得られた条件をもとにMA含有MOXの製造条件を決定し、実際の照射試験燃料製造によって実証した。
Hoesch, M.*; 福田 竜生; 水木 純一郎; 竹之内 智大*; 河原田 洋*; Sutter, J. P.*; 筒井 智嗣*; Baron, A. Q. R.*; 長尾 雅則*; 高野 義彦*
Physical Review B, 75(14), p.140508_1 - 140508_4, 2007/04
被引用回数:36 パーセンタイル:77.16(Materials Science, Multidisciplinary)CVD法を用いて作成した、超伝導(転移温度4.2K)を示す高品質のボロンドープダイヤモンド薄膜試料を用い、非弾性X線散乱によってフォノンの測定を行った。同じくCVD法を用いて作成した、ボロンをドープしていないダイヤモンド薄膜試料のフォノンも測定し、これとの比較によって、[111]及び[001]方向ともに、音響モードはほとんど変化ないのに対し、光学モードはブリルアンゾーン境界で約2meV、ブリルアンゾーン中心(点)付近で約8meVソフト化していることがわかった。この実験結果から電子格子相互作用係数を見積もると約
=0.33となり、これは、
点を中心とするフェルミ面と光学モードとの相互作用を通じて電子対を形成するという理論モデルを支持するものとなっている。
井上 愛知; 山本 春也; 永田 晋二*; 高野 勝昌; 吉川 正人; 四竈 樹男*
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 32(1), p.107 - 110, 2007/03
水素ガスと反応して着色する酸化タングステン膜による光学式水素センサーの開発を行うため、反応性マグネトロンスパッタ法を用いて不定比性酸化タングステン膜を作製し、その元素組成比と着色性能の関係を調べた。成膜雰囲気中のアルゴン分圧を150mPaに保ち、酸素分圧を080mPaの範囲で変化させながら金属タングステンターゲットをスパッタして作製した試料に対して、ラザフォード後方散乱法(RBS)及び反跳粒子検出法(ERD)を用いて組成を調べた結果、膜の酸素組成比が増加するに伴って含有水素量は増加し、WO
膜では最大約H
WO
まで水素が含有していることが明らかになった。また、石英基板上に同様な条件で堆積させた酸化タングステン膜表面に約15nmのパラジウムを堆積させた試料に対して着色性能を調べたところ、組成がWO
に近づくほど、また含有水素が多いほど光の透過強度が低下する傾向にあった。
井上 愛知; 永田 晋二*; 四竈 樹男*; 山本 春也; 高野 勝昌
JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 147, 2007/02
クロム添加アルミナ(ルビー)は、イオンビーム照射よってCrに由来する強い可視赤色発光(R-line)を示すことから、核融合炉内のDT反応によって生成される3.5MeVの
粒子に対する光学式荷電粒子モニターの検出材料としての利用が期待されている。本研究では、keV、MeV領域の軽イオン照射に対するルビーの発光特性に関して、焼鈍による発光強度と結晶性の回復との関連性を調べた。その結果、はじき出し密度が約20個/nm
以下では、おもに酸素原子のはじき出しによって消滅したR-line発光中心が700K以下で回復した。しかしながらはじき出し密度がこれを超えると、アルミ原子を含んだ欠陥集合体が形成されるため、900K以上の温度でないとR-line発光中心が回復しないことがわかった。
永田 晋二*; 山本 春也; 井上 愛知; 土屋 文*; 藤 健太郎*; 高野 勝昌; 吉川 正人; 四竈 樹男*
JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 148, 2007/02
シリカガラスやアルミナはイオンビームモニタ材料として簡便に利用されているが、これらセラミックスからのイオンビーム誘起発光は微量の不純物元素や酸素欠陥に影響され、その発光特性については不明の点も多い。本研究では、シリカガラス中の水酸基がイオンビーム誘起発光に及ぼす影響と照射損傷との関連を明らかにし、発光体など機能材料への応用を探索することを目的に、イオンビーム誘起発光実験を行った。実験では、水酸基の含有量が異なったシリカガラスに対して、入射エネルギー:1MeVの水素を照射し、試料からの発光を測定した。発光強度のエネルギー依存性及び照射量依存性から、MeV領域の水素照射では酸素欠損型の発光中心はおもに電子励起によって生成されていると結論され、水酸基が存在する場合には、付与エネルギーが水酸基の解離や酸素欠損生成に費やされることが示唆された。
萩原 政幸*; 辻井 宏之*; Rotundu, C. R.*; Andraka, B.*; 高野 安正*; 立岩 尚之; 小林 達生*; 鈴木 隆史*; 菅 誠一郎*
Physical Review Letters, 96(14), p.147203_1 - 147203_4, 2006/04
被引用回数:20 パーセンタイル:68.72(Physics, Multidisciplinary)準一次元系磁性物質Ni(CH
N
)(NO
)(ClO
)(NTENP)の磁場中比熱測定を行った。スピン鎖に並行に磁場を加えると、臨界磁場
以上でスピンギャップが消滅し、磁気秩序転移温度より高温では比熱
が温度
に依存する振る舞いを示すことが明らかとなった。本研究から明らかとなった、朝永-ラッティンジャー流体的振る舞いについて理論モデルを用いて解析する。
高野 龍雄; 小林 仁; 鈴木 雄一郎*; 芳賀 哲也; 武内 健太郎; 鹿志村 元明; 鈴木 政浩; 木原 義之
no journal, ,
FaCTプロジェクトにおいて、簡素化ペレット法による燃料製造技術の成立性の見通しを得るために、焼結・O/M調整技術開発を実施している。本報告では、小規模MOX試験用焼結・O/M調整設備の設計結果について報告する。小規模MOX試験用焼結・O/M調整設備の主な仕様は、(1)処理量: 3kgMOX/バッチ,(2)雰囲気ガスの酸素ポテンシャル制御機能,(3)降温時のO/M変化防止のための急冷機能である。これまでのMOX燃料技術開発等での知見から、炉内ペレット装荷域での雰囲気ガスの滞留による焼結密度,O/M等のばらつきの低減及びO/M調整時間の短縮を図る必要があった。本開発では、炉内の雰囲気ガスの流れについて可視化試験を行い、その結果をもとに炉内構造を設計し、ペレットへの雰囲気ガスの供給が均一となるよう改善を図った。また、雰囲気ガスの酸素ポテンシャルは雰囲気ガス中の水分/水素濃度比によって制御し、最大1000C/hで降温する冷却能力を有する設計とした。今後は、本設計結果をもとに、設備の製作・据付を行い、基本プロセスを確証するための試験に移行する。
須藤 勝夫; 沖田 高敏; 武内 健太郎; 高野 龍雄; 加藤 明文*; 芳賀 哲也; 山田 美一; 木原 義之
no journal, ,
FaCTプロジェクトにおいて、簡素化ペレット法によるMOX燃料製造技術として、ダイ潤滑成型技術開発を進めている。これまでに、潤滑剤の選定,潤滑手法,ダイ潤滑成型試験及びダイ潤滑を模擬したMOX試験等を実施し、これらの技術成果をもとにダイ潤滑試験装置の設計,製作を実施した。本報告では、小規模のMOX試験用に整備したダイ潤滑成型装置のコールド試験結果について報告する。評価項目は、金型壁面への潤滑剤の塗布状況,下パンチに取り付けたロードセルによる成型体抜き出し荷重,潤滑剤切り出し精度,ペレットへの潤滑剤移行量及び成型速度である。試験の結果、潤滑剤が金型壁面全体に均一に塗布されており、成型体抜き出し荷重も現行の成型法と同等であり、潤滑剤切り出し精度も良好であった。また、成型速度については将来のMOX燃料製造プラントの設計に求められる成型速度である7.5サイクル/分・パンチを満足することができた。
井上 愛知; 高野 勝昌; 山本 春也; 永田 晋二*; 四竈 樹男*
no journal, ,
パラジウムなどを表面に堆積させた酸化タングステン薄膜は、水素に曝されることで着色する。本研究では、この性質を利用した光学式水素センサーの開発を行っている。今回は、酸化タングステン薄膜の組成と着色特性の関連性を系統的に調べた。試料の作製には、反応性RFマグネトロンスパッタ法を用いた。成膜雰囲気中のアルゴン分圧を150mPaに保ち、酸素分圧を080mPaの範囲で変化させながら金属タングステンターゲットをスパッタした。室温で炭素基板上に堆積させた試料について、ラザフォード後方散乱法により組成を調べた。また、同様の条件で石英基板上に作製した膜の表面に約15nmのパラジウムを堆積させた試料も合わせて作製した。これらの試料に対して光学特性を評価したところ,組成がWO
に近づくほど水素ガスによる着色で光の透過率が低下することがわかった。
井上 愛知; 高野 勝昌; 山本 春也; 永田 晋二*; 四竈 樹男*
no journal, ,
触媒金属を表面に堆積させた酸化タングステンは、水素が固溶すると着色する。物質選択性セラミック材料研究グループでは、その性質を利用した光学式水素センサーの開発を行っている。今回はRFマグネトロンスパッタ法を用いて、作製パラメータである基板温度,成膜中のアルゴン及び酸素分圧、投入電力を系統的に変え、結晶欠陥の少ない配向膜の作製条件を調べた。投入電力が50W、基板温度が400C以上、酸素分圧が15mPa以上、アルゴン分圧が95
175mPaの範囲で作製した膜の結晶構造をX線回折法により調べた結果、作製された膜は単斜晶系WO
の(0 0 1)面が1軸配向していることがわかった。また、1%に希釈した水素により着色性能を調べたところ、無配向性の多結晶体酸化タングステン膜に比べて1軸配向膜は速く着色することがわかった。
井上 愛知; 永田 晋二*; 四竈 樹男*; 山本 春也; 高野 勝昌; 吉川 正人
no journal, ,
放射線照射によって発光する酸化物のなかで、クロム添加アルミナ(ルビー)はCrに由来する強い可視赤色発光(R-line)を示すことから、核融合炉内のDT反応によって生成される3.5MeVの
粒子に対する光学式荷電粒子モニターの検出材料として利用することが考えられている。本研究では、keV
MeV領域の軽イオン照射に対するルビーの発光特性に関して、焼鈍による発光強度及び結晶の回復傾向を調べ、発光中心の消滅に起因する欠陥の種類について検討を行った。その結果、はじき出し密度が約20個/nm
以下の低照射量領域では700K以下の比較的低温で発光強度が回復するが、高照射領域でははじき出し密度の増加に伴い急激に回復しにくくなる傾向が明らかとなった。また、低照射領域ではおもに酸素原子のはじき出しによってR-line発光中心が消滅するが、照射量が増加するとともにアルミ原子を含んだ欠陥集合体が形成されることでR-line発光中心は900K以上の温度でないと回復しない傾向にあることがわかった。
井上 愛知; 山本 春也; 永田 晋二*; 高野 勝昌; 吉川 正人; 四竈 樹男*
no journal, ,
酸化タングステンの水素ガスによる着色メカニズムを解明するため、表面に15nmのパラジウムを堆積させた結晶配向性酸化タングステン膜に対して、水素を曝露させたときの結晶構造の変化をX線回折(XRD)法で、膜の元素組成比の変化をイオンビーム分析法で調べた。その結果、水素による着色が起こると、単斜晶系WOの(0 2 0)に配向した膜の結晶構造が正方晶に変化するとともに、その組成もH
WO
からH
WO
に変化することがわかった。この結果から、水素による着色は正方晶系のタングステンブロンズ(H
WO
)の形成が原因となって生じていると予想できた。
永田 晋二*; 土屋 文*; 四竈 樹男*; 井上 愛知; 山本 春也; 高野 勝昌
no journal, ,
核融合炉の第一壁の候補材であるタングステンは炉心プラズマによってスパッタされると、酸化タングステン膜が形成され、燃料であるトリチウムが膜中に捕獲されてしまう。そこで、トリチウム捕獲の基礎的知見を得るため、酸化タングステン膜をスパッタ法及びパルスレーザー蒸着法(PLD)によって作製し、膜形成時に取込まれた水素量に及ぼす元素組成の影響を反跳粒子検出法により調べた。その結果、どちらの方法を用いて作製した試料においても、酸素組成比(O/W)が3に近づくほど結晶内の水素量が増加し、WOでは約0.7H/Wにまで達した。また、試料作製時の基板温度を400
C以上にすると、取り込まれる水素量が低下することが明らかになった。この取り込まれる水素量の低下は酸化タングステンの結晶化が関係していると考えられる。
井上 愛知; 高野 勝昌; 山本 春也; 永田 晋二*; 四竈 樹男*
no journal, ,
水素と反応して着色する酸化タングステン(WO)膜による光学式水素センサーの開発を行うため、反応性マグネトロンスパッタ法を用いて酸化タングステン膜を作製し、その元素組成比と着色性能の関係を調べた。成膜雰囲気中のアルゴン分圧を150mPaに保ち、酸素分圧を90mPaまでの範囲で変化させながら金属タングステンターゲットをスパッタして作製した試料に対して、ラザフォード後方散乱法(RBS)及び反跳粒子検出法(ERDA)を用いて組成を調べた結果、膜の酸素組成比が増加するに伴って含有水素量は増加し、WO
膜では最大約0.8H/Wまで水素を含有していることが明らかになった。また、石英基板上に同様な条件で堆積させた酸化タングステン膜表面に約15nmのパラジウムを堆積させた試料に対して着色性能を調べたところ、組成がH
WO
に近づくほど光の透過強度が低下する傾向にあり、イオンビーム分析の結果が裏付けられた。
鈴木 紀一; 村上 龍敏; 青野 茂典; 畑中 延浩; 高野 龍雄
no journal, ,
O/M比が1.98から2.00の焼結MOXペレットを18段重ねのMo製の焼結皿に装荷し、工学規模のバッチ式焼結炉で熱処理しO/M比の低下量を測定した。熱処理時の雰囲気ガスは、水分含有率約10ppmの95%Ar-5%Hとした。ペレットの装荷量を約10kgMOXとして熱処理した結果、熱処理温度が高く、熱処理時間が長いほどO/M比が下がる傾向が見られたが、O/M比の低下速度は小規模試験に比べて緩やかで、O/M比を1.97以下とするためには相当な時間を要すると予想される。当初、この原因はペレットの装荷量の違いによるものと思われたが、ペレットの装荷量を小規模試験と同等の約40gMOXまで減らしても、O/M比の低下速度に改善は見られなかった。工学規模設備のバッチ式焼結炉内の雰囲気ガスの流れを解析したところ、雰囲気ガスの大部分は焼結皿の周囲を流れており、ペレットが積載されている焼結皿の隙間にはほとんど入り込んでいないことがわかった。以上から、工学規模試験でO/M比の低下速度が緩やかであった原因は、ペレット装荷量ではなく、ペレットへの雰囲気ガスあたりの影響と考えられる。
井上 愛知; 山本 春也; 永田 晋二*; 高野 勝昌; 吉川 正人; 四竈 樹男*
no journal, ,
水素と反応して着色する酸化タングステン膜を用いた光学式水素センサーの開発を行うため、反応性マグネトロンスパッタ法を用いて不定比性酸化タングステン(WO)膜を作製し、その酸素組成比(3-X: 0
X
3)をラザフォード後方散乱法(RBS)で、膜中に含有される水素を反跳粒子検出法(ERDA)で調べた。成膜雰囲気中のアルゴン分圧を150mPaに保ち、酸素分圧を0
90mPaの範囲で変化させて作製した試料では、酸素組成比が3に近づくほど含有水素量が多かった。この試料表面に、約15nmのパラジウムを堆積させて水素による着色特性を調べると、酸素組成比が3に近づくほど着色が顕著になった。熱処理により含有水素を脱離させた試料が着色を示さないことから、酸化タングステン結晶内の含有水素が、ガスクロミック効果の発現に深く関与していることがわかった。