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丹羽 正和; 黒澤 英樹*; 小坂 英輝*; 生田 正文*; 高取 亮一*
JAEA-Data/Code 2017-009, 71 Pages, 2017/06
2011年東北地方太平洋沖地震から1ヶ月後に発生した福島県浜通りの地震では、それまで地質断層であるという見解もあった正断層が活動しており、地殻変動の規則性、継続性に基づく地質環境の長期予測の観点からは、地層断層の再活動が地層処分のサイト選定や安全評価に及ぼす影響を検討しておく必要がある。そこで筆者らは、海溝型地震などによる地殻応力・歪の変化に伴い地質断層が再活動する可能性を評価する手法を構築する目的で、南海トラフ巨大地震の想定震源域の西端部に位置し、沿岸域に正断層の存在が知られている宮崎平野を対象とした事例研究を進めてきた。本報告書は、宮崎平野における主に川南断層の活動履歴や活動性を明らかにするための地形・地質調査および試料分析の内容を取りまとめたものである。
安江 健一; 高取 亮一*; 谷川 晋一*; 二ノ宮 淳*; 棚瀬 充史*; 古澤 明*; 田力 正好*
地質学雑誌, 120(12), p.435 - 445, 2014/12
侵食は、日本における高レベル放射性廃棄物の地層処分の実現可能性を考える上で、重要な自然現象の一つである。本研究では、侵食速度の指標として、環流丘陵を伴う旧河谷に着目した。この旧河谷は、分布が乏しい流域があるものの、日本列島の各地に分布し、様々な比高を持つことから、侵食速度を算出する際の有効な指標になると考えられる。この旧河谷を用いた事例研究を、熊野川(十津川)の中流域において行った結果、旧河床堆積物を覆う角礫層は最終間氷期以前の堆積物と考えられ、離水年代は12.5万年前かそれより古いと考えられる。この離水年代と旧河床堆積物の現河床からの比高から算出した下刻速度は、約0.9m/kyかそれより遅い可能性がある。より確度の高い侵食速度の算出には、環流旧河谷に分布する旧河床堆積物や斜面堆積物などを対象とした年代測定が今後の課題である。
生田 正文; 丹羽 正和; 高取 亮一*; 鎌滝 孝信*; 黒澤 英樹*
JAEA-Data/Code 2014-002, 246 Pages, 2014/06
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(Mw9.0)による津波災害を契機に、津波堆積物を用いた海溝型巨大地震に関する研究が注目を集めている。一方、日向灘に面する宮崎平野は、歴史時代に日向灘あるいは南海トラフを震源とする大規模な地震による津波に襲われたことが知られている。しかしながら堆積物として津波の痕跡を確認するなど、その証拠を科学的に明らかにした地質学的な研究例は未だ無い。本研究では、宮崎平野の完新世の堆積物を事例に、津波堆積物の認定手法の高度化のほか、数千年オーダでの局所的な隆起・沈降のプロセスの解明等に取り組んでおり、これまでに堆積物の記載、採取および各種分析等を進めてきた。本データ集は、これらの結果を取りまとめ、報告するものである。
高取 亮一; 安江 健一; 谷川 晋一*; 二ノ宮 淳*; 棚瀬 充史*
JAEA-Data/Code 2012-028, 15 Pages, 2013/03
日本原子力研究開発機構では、河成段丘の発達に乏しい内陸山地部における第四紀後期の隆起量を推定するために、山地部を流下する穿入蛇行河川において蛇行切断により取り残された旧河谷地形(環流旧河谷)を用いた隆起速度の推定手法の研究開発を進めている。本報告は、その基礎資料とする目的で、日本列島全域を対象とした2万5千分の1地形図の判読によって約1,000箇所に及ぶ環流旧河谷地形を抽出し、GISで利用可能なデータベースを作成したものである。データベース作成に際しては、環流旧河谷の位置,開析程度,比高,基盤地質などについて整理を行った。抽出の結果、日本列島全域に渡って環流旧河谷の分布が認められ、従来隆起速度が未知の山地部において、同一の地域・水系においてさまざまな比高を持つ環流旧河谷が分布することを確認した。また、現河床からの比高が高い環流旧河谷ほど離水時河床面の開析が進んでいる傾向が認められ、開析が進んでいる環流旧河谷ほど離水時期が古い可能性が示唆される。
浅森 浩一; 丹羽 正和; 花室 孝広; 山田 国見; 草野 友宏; 幕内 歩; 高取 亮一; 國分 陽子; 松原 章浩; 石丸 恒存; et al.
JAEA-Research 2012-024, 132 Pages, 2012/09
本報は、深地層の科学的研究のうち、「地質環境の長期安定性に関する研究」について、第2期中期計画期間(平成22年度平成26年度)の2年目である平成23年度に実施した研究開発にかかわる成果を取りまとめたものである。第2期中期計画期間においても第1期中期計画に引き続き、最終処分事業の概要調査や安全審査基本指針などの検討・策定に研究成果を反映できるよう、(1)概要調査などに必要となる、自然現象に関する過去の記録や現在の状況を調査するための体系的な技術の整備(調査技術の開発・体系化)、(2)変動シナリオを考慮した安全評価の基盤となる、将来の自然現象に伴う地質環境の変化を予測・評価するための手法の整備(長期予測・影響評価モデルの開発)のほか、(3)最先端の分析装置などを用いた放射年代測定や鍵層の高分解能同定法などによる編年技術の高度化(年代測定技術の開発)を進めている。本報では、それぞれの研究分野にかかわる科学的・技術的背景を解説するとともに、主な研究成果及び今後の課題などについて述べる。
浅森 浩一; 丹羽 正和; 花室 孝広; 山田 国見; 草野 友宏; 幕内 歩; 高取 亮一; 國分 陽子; 石丸 恒存; 梅田 浩司
JAEA-Review 2012-024, 44 Pages, 2012/07
本計画書は、高レベル放射性廃棄物の地層処分における地質環境の長期安定性に関する研究についての第2期中期計画期間(平成22年度平成26年度)における平成24年度の研究開発計画である。本計画の策定にあたっては、「地質環境の長期安定性に関する研究」基本計画-第2期中期計画に基づき、第1期中期計画期間(平成17年度
平成21年度)における研究成果、平成22年度及び平成23年度の研究成果、関係研究機関の動向や大学などで行われている最新の研究成果、実施主体や規制機関からのニーズなどを考慮しつつ策定した。研究の実施にあたっては、最終処分事業の概要調査や安全審査基本指針などの検討・策定に研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで研究開発を推進していく。
生田 正文; 丹羽 正和; 鎌滝 孝信*; 高取 亮一*
no journal, ,
2011年東北地方太平洋沖地震の際には、それまで地質断層であると考えられてきた湯ノ岳断層や井戸沢断層が活動した。このように海溝型地震に伴う沿岸域の地殻応力場の変化が、断層の活動性に及ぼす影響を評価することは、地質環境の長期安定性に関する研究において重要な課題として挙げられる。本研究では、宮崎平野を事例研究対象として、正断層型活断層と海溝型巨大地震の関連性を解明するための調査・分析を行っている。宮崎平野は、南海トラフ巨大地震の想定震源域の西端部に位置し、正断層の存在が知られている。これまでの調査では、正断層については、周辺部の基礎データを取得した。巨大地震に伴う津波堆積物については、歴史記録に記されている古地震による地盤沈降を地質学的手法により明らかにした。
花室 孝広; 高取 亮一; 安江 健一; 柴田 健二; 梅田 浩司
no journal, ,
地殻変動による山地の形成過程を復元することは、過去から現在までの地下水流動等の変化を把握するために重要である。山地の形成過程の復元は一般的に山地から供給された土砂による堆積物を用いた後背地解析が行われるが、これまでは露頭での肉眼による概略的な岩種の判別に基づくものであった。しかしながら、木曽山地や美濃・三河高原といった山地を構成する基盤地質が類似した岩相の山地の復元は従来の手法では困難であることから、堆積物の記載岩石学的特徴や地球化学的特徴も考慮した新たな後背地解析手法の構築を目指している。そのため、本研究では土岐川上流域に位置する屏風山の形成過程の復元及び屏風山断層の活動開始時期を特定するため、後背地解析に必要な東濃地域及び周辺の地質・岩石に関するデータの収集・解析を行った。その結果、それぞれの山地を構成する岩石を識別するために重要となる記載岩石学、地球化学的特徴を抽出した。
生田 正文; 丹羽 正和; 高取 亮一*; 鎌滝 孝信*; 田辺 裕明; 黒澤 英樹*
no journal, ,
2011年東北地方太平洋沖地震以降、日本列島沿岸域の隆起・沈降の長期的な傾向の再評価が求められている。本研究では、平野部であるにもかかわらず約1mm/yrもの隆起速度が推定されている宮崎平野を事例対象として、地震に伴う隆起・沈降の痕跡に関する現地調査を行った。宮崎平野では、1662年の寛文地震により、宮崎市内の河口付近で約1m沈降したことが歴史記録に記されている。先ずはこの1662年の地震を地質学的に明らかにするために、局所的な沈降に伴う堆積環境の変化や津波などのイベント堆積物に関する記載・分析(珪藻化石分析及び水質分析など)を行った。その結果、歴史記録で示されている沈降域で、地震による沈降により海水が流入し、陸地から海(海浜・内湾)へと周辺環境が変化したことを示唆する痕跡が見つかった。堆積物の放射性炭素年代測定に基づくと、この古堆積環境の急激な変化は、1662年の地震に対応する沈降イベントであると推定される。
生田 正文; 佐藤 善輝; 丹羽 正和; 鎌滝 孝信*; 黒澤 英樹*; 高取 亮一*
no journal, ,
宮崎平野周辺は巨大地震モデル検討会(2012)による津波想定で震源断層域に新たに日向灘を含めるモデルが示されるなど、南海トラフ地震に注目が集まっている。一方で、日向灘を震源とする巨大地震については、未解明な点が多く残されている。文書記録から宮崎平野南部の島山地域では、1662年寛文日向灘地震により、高さ45mの津波が到達し、地盤が約1m沈降した(羽鳥、1985)と推定されているが、これまでに地質学的データからその実態を検証した事例はなかった。そこで本研究では、島山地域を対象として地質調査を行うとともに、コア試料を用いて微化石や化学成分について分析を行い、沈降域周辺の堆積環境の復元を試みた。得られた堆積年代の暦年較正値は、沈降以前の淡水環境の堆積物(A層)がAD1435
1605年頃、沈降によって生じた入江を埋積した海水
汽水環境の堆積物(B層)がAD1520
1810年頃、その上位のシルト
砂からなる汽水
海水環境の堆積物(C層)がAD1640
1810年頃となる。この結果は、B層基底標高を境とする堆積環境の変化が1662年寛文日向灘地震に伴う地殻変動に対応するものであることを示す。
丹羽 正和; 生田 正文; 高取 亮一; 鎌滝 孝信*; 黒澤 英樹*
no journal, ,
平野部は一般に、その広さだけ堆積物を受け入れる堆積盆を有することを示唆し、構造的な沈降域であることが想定される。その一方で、宮崎平野のように、広い平野を持つにもかかわらず隆起速度の大きい地域も存在する。本研究では、宮崎平野の完新世の隆起・沈降プロセスを詳細に解明し、日向灘を含む地域の海溝型地震などとの関係について検証するため、堤間湿地での露頭観察及び浅層ボーリングによるコア採取を行った。その結果、過去の隆起・沈降にかかわるイベントが記録されている可能性が高い堆積物を検出することができた。本発表では、堆積環境の復元や堆積年代の推定を目的とした微化石やテフラの分析、放射性炭素年代測定、間隙水の水質分析などの進捗状況を報告する。
草野 友宏; 高取 亮一; 浅森 浩一; 丹羽 正和
no journal, ,
日本列島は変動帯に位置しているため、安定大陸に比べて地震活動や地殻変動が活発である。そのため、地層処分システムの長期的な安全性の確保においては、これらの自然現象に関する過去の記録や現在の状況を調査するための体系的な技術の整備が必要となる。地質環境の長期安定性に関する研究において進める調査技術の開発・体系化の一事例として、「変動地形が明瞭でない活断層などにかかわる調査技術」では、タイプや活動性の異なる活断層を対象に希ガス同位体分析など地球化学的手法を用いて、断層の分布や地質構造、テクトニクスの特徴などとの関連性について検討し、さまざまな断層を対象としたデータを蓄積することにより、同手法が未知の活断層等を検出する技術として有効である可能性を示した。また、「内陸部の隆起・侵食速度の算出にかかわる調査技術」では、穿入蛇行河川の蛇行切断により形成された環流旧河谷に着目し、日本全国の環流旧河谷地形を抽出するともに、事例研究により現河床からの比高と離水年代の関係を検討し、河成段丘が未発達の内陸山地において環流旧河谷堆積物を用いた隆起速度推定手法が適用できる可能性を示した。
生田 正文; 丹羽 正和; 高取 亮一; 黒澤 英樹*; 小坂 英輝*
no journal, ,
太平洋側の沿岸域に分布する活断層の中には、海溝型地震に誘発されて活動したものが知られている。2011年東北地方太平洋沖地震の際も、本震の1か月後に福島県浜通りの正断層が地震断層として活動した。プレート収束帯に位置する日本列島には正断層の分布が少なく、福島県浜通りの地震が発生するまでは、沿岸域の正断層を海溝型地震に誘発されて活動したものと捉えて本格的に研究された事例は皆無であった。そこで演者らは、宮崎県の沿岸域に正断層の分布が指摘されていることに着目し、これらの断層の活動履歴と、日向灘を含む地域の海溝型地震の履歴に関する研究を進めている。本発表ではおもに前者の内容について、空中写真判読及び地形・地質の現地踏査の進捗状況を報告する。
花室 孝広; 安江 健一; 柴田 健二; 梅田 浩司; 高取 亮一*
no journal, ,
木曽山地や美濃・三河高原を含む木曽川・土岐川流域の古地形復元における後背地解析においては、これらの山地を構成する基盤地質が類似した岩相を示すことから、後背地の山地を構成する基盤岩を識別するための記載岩石学的特徴や地球化学的特徴も考慮しつつ後背地解析を行う必要がある。本研究では、基盤地質が類似した岩相における後背地解析手法を開発するため、数種類の花崗岩が分布する土岐川流域に着目し、土岐川上流域に分布する伊奈川花崗岩(領家花崗岩)、苗木・上松花崗岩(山陽帯花崗岩)を対象として記載岩石学的、地球化学的特徴をもとにした岩体の識別を試みるとともに、当該地域の堆積物中の花崗岩礫を対象に岩体の同定を試みた。その結果、構成鉱物の違いや黒雲母の化学組成により、当該地域で岩体の識別が可能であることが示された。