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山口 瑛子; 栗原 雄一*; 永田 光知郎*; 田中 万也; 桧垣 正吾*; 小林 徹; 谷田 肇; 小原 義之*; 横山 啓一; 矢板 毅; et al.
Journal of Colloid and Interface Science, 661, p.317 - 332, 2024/05
被引用回数:4 パーセンタイル:80.79(Chemistry, Physical)ラジウム(Ra)は放射性元素であり、放射性廃棄物処理やウラン鉱山周辺の環境問題で重要なため、環境中Ra挙動の解明は急務である。しかし、Raは安定同位体が存在しないため分子レベルの実験が難しく、環境中で重要と考えられる粘土鉱物への吸着反応についても詳細なデータは得られていない。本研究では、広域X線吸収微細構造(EXAFS)法によりRaの分子レベルの情報を得る手法を確立し、さらに第一原理計算を利用することでRaの粘土鉱物への吸着構造を明らかにした。また、同族元素との比較を行い、粘土鉱物への吸着反応の系統的な理解に資する結果を得た。
谷田 肇
X線分析の進歩,55, p.145 - 152, 2024/03
水溶液表面に存在するリン、硫黄、塩素などの化学種の水和構造を選択的に見るために、表面敏感な電子収量法によるX線吸収法の開発を試みた。特に生体中のタンパク質などで重要な元素であるリン、硫黄、塩素などが界面活性剤の存在下で、界面に濃縮し、水和構造が変化する様子を捉えることを目的とした。水溶液試料の界面にテンダーX線を照射し、表面から放出される電子を検出できるセルを開発し、測定を試みたが、結果的にうまく測定することはできなかった。その開発について、ここに記す。
Tsai, Y. H.*; 小畠 雅明; 福田 竜生; 谷田 肇; 小林 徹; 山下 良之*
Applied Physics Letters, 124(11), p.112105_1 - 112105_5, 2024/03
被引用回数:1 パーセンタイル:53.26(Physics, Applied)Recently, gallium oxide (GaO
) has attracted much attention as an ultra-wide bandgap semiconductor with a bandgap of about 5 eV. In order to control device properties, it is important to clarify the chemical state of dopants and doping sites. X-ray absorption near edge structure (XANES) and hard X-ray photoemission spectroscopy were used to investigate the dopant sites and chemical states of Sn in Sn-doped
-Ga
O
(001) samples. The results show that the chemical state of the Sn dopant is the Sn
oxidation state and that the bond lengths around the Sn dopant atoms are longer due to the relaxation effect after Sn dopant insertion. Comparison of experimental and simulated XANES spectra indicates that the octahedral Ga substitution site in
-Ga
O
(001) is the active site of the Sn dopant.
山口 瑛子; 永田 光知郎*; 小林 恵太; 田中 万也; 小林 徹; 谷田 肇; 下条 晃司郎; 関口 哲弘; 金田 結依; 松田 晶平; et al.
iScience (Internet), 25(8), p.104763_1 - 104763_12, 2022/08
被引用回数:16 パーセンタイル:70.46(Multidisciplinary Sciences)ラジウム(Ra)は環境汚染やがん治療の観点から注目を集めている元素である。しかし、安定同位体が存在せず扱いが難しいことから、物理化学的に重要な水和構造さえも原子レベルでの観測が行われていない。本研究では、世界で初めて、広域X線吸収微細構造(EXAFS)法を用いたRa水和構造の解明を行った。また、第一原理計算による水和構造解明も実施し、実験ではわからない水分子のダイナミクスの解明を行った。両者の比較も行ったところ、実験と計算の結果はよく一致し、Raの第一水和圏における配位数や酸素との距離を解明した他、アナログ元素であるバリウムに比べて水分子の配位が弱いことがわかった。これらはRaの環境挙動解明やがん治療開発等に資する結果である。
山口 瑛子; 永田 光知郎*; 田中 万也; 小林 恵太; 小林 徹; 下条 晃司郎; 谷田 肇; 関口 哲弘; 金田 結依; 松田 晶平; et al.
放射化学, (45), p.28 - 30, 2022/03
ラジウム(Ra)は環境挙動の解明が急務な元素であるが、安定同位体を持たないため分光法の適用が難しく、水和構造でさえも十分に解明されていない。本研究では、Raの広域X線吸収微細構造(EXAFS)を測定し、世界で初めてRaの水和状態及び粘土鉱物への吸着状態を分子レベルで解明した。水和構造について第一原理計算を実施した結果、実験値と計算値は整合した。粘土鉱物において、Raは内圏錯体を形成し、環境中でRaが粘土鉱物に固定されることが示唆された。本稿では特に水和構造の結果について詳細に述べる。
谷田 肇; 辻 卓也; 小畠 雅明
JAEA-Technology 2021-031, 25 Pages, 2022/02
東京電力(株)福島第一原子力発電所の廃炉措置において、燃料デブリ等の分析は極めて重要である。試験的に取り出される燃料デブリのうち、分析に利用できる試料は1mm以下の微粒子状であると予想される。この様な試料の分析法として、非破壊のX線分析方法は有効であるが、そのような微粒子に適用するためにはX線をマイクロメートルオーダーに集光する必要がある。そのためにKirkpatrick-Baez(KB)ミラーを導入した。その選定、仕様決定から調整方法、1mの位置分解能での元素分布取得と価数評価などの例について記録として残す。
谷田 肇; 岡本 芳浩
X線分析の進歩,52, p.69 - 80, 2021/03
X線CCD検出器を用いた二次元イメージングXAFS法は、比較的高エネルギーに吸収端を持つ重元素に対して透過法が適用されてきた。透過法は試料を最適な厚みにする必要があるが、透過能の大きい高エネルギーX線を用いる場合は、比較的厚い試料に対して容易に測定できる。ここでは、比較的低エネルギー領域にX線の吸収端を持つ遷移金属元素を対象とし、ガラス材料などの薄くすることが難しい試料中での価数分布を高速スクリーニングすることを目的とした蛍光法の開発を試みた。高感度で位置分解能を持つXAFSスペクトルを得るために、シンチレーターを用いない直接撮像型の検出器とピンホールを用いて、入射エネルギー可変で高輝度のアンジュレータ放射光での実証を行った。
熊田 高之; 大場 洋次郎; 元川 竜平; 諸岡 聡; 冨永 亜希; 谷田 肇; 菖蒲 敬久; 金野 杏彩; 大和田 謙二*; 大野 直子*; et al.
Journal of Nuclear Materials, 528, p.151890_1 - 151890_7, 2020/01
被引用回数:1 パーセンタイル:9.26(Materials Science, Multidisciplinary)ステンレス鋼の放射線照射によるナノ構造変化観測用異常分散X線小角散乱(ASAXS)装置を開発した。イオンビーム照射前後のMA956試料の散乱パターンを比較したところ、Cr析出物の形状は全く変化していないことが判明した。
今井 洋輔*; 常磐 祐平*; 上野 周作*; 谷田 肇; 渡辺 巖*; 松原 弘樹*; 瀧上 隆智*; 荒殿 誠*
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 91(10), p.1487 - 1494, 2018/10
被引用回数:2 パーセンタイル:7.27(Chemistry, Multidisciplinary)吸着界面活性剤フィルムの極性基への二成分混合対イオンの競合結合を、全反射X線吸収微細構造(XAFS)分光法によって溶液表面で調べた。臭化物対イオンについて得られたEXAFSスペクトルは、完全に水和した臭化物イオン(バルクフリーBr)および界面活性剤イオンの極性基に結合し、部分的に脱水した臭化物イオン(束縛Br)のスペクトルの線形結合であった。対イオン混合系における束縛Brの割合から、トリメチルアンモニウム(TA
)および3-メチルイミダゾリウム(MIM
)極性基について、対イオン結合の2つの相対強度を提案した。(a)TA-SO
TA-Cl
TA-Br
TA-BF
と(b) MIM-Br
TA-Br
TA-BF
MIM-BF
である。TA極性基の場合、極性基の水和結合と対イオンの組み合わせは、コリンズの法則に従ってシリーズ(a)が得られ、これはイオンの水和エンタルピーの絶対値の組み合わせたときに、接触イオン対形成の傾向が大きくなることを示す。MIM極性基については、MIM極性基と対イオンとの間の水素結合の数が重要であり、これは、MIM極性基に対する対イオンと水の相互作用の競合のためにシリーズ(b)が得られる。
松永 利之*; 山田 昇*; 小島 理恵*; 社本 真一; 佐藤 真直*; 谷田 肇*; 宇留賀 朋哉*; 小原 伸司*; 高田 昌樹*; Zalden, P.*; et al.
Advanced Functional Materials, 21(12), p.2232 - 2239, 2011/06
被引用回数:122 パーセンタイル:95.45(Chemistry, Multidisciplinary)相変化材料のアモルファスと結晶状態の熱特性は顕著な違いを示しており、それは結晶相におけるより大きな温度因子であり、またより際立った非調和的な振舞いである。これらの発見は結晶化における結合の変化に関連している。
米田 安宏; 谷田 肇*; 高垣 昌史*; 宇留賀 朋哉*
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 35(1), p.99 - 102, 2010/03
SrTiO薄膜の基板効果を明らかにするためにXAFSを行った。レーザーMBEで作製した薄膜は基板効果によって生じる格子歪みが緩和されるのに500-2500
必要であるとされている。この緩和機構を局所構造から観測することを試みた。蛍光XAFSを2次元検出器を組合せることによって、薄膜中のどの深度からの蛍光X線かを選別することができる。こうして得られた深さ依存の動径分布関数は、基板効果よりもむしろ表面における再構成構造に強く変調されていることがわかった。
吉井 賢資; 池田 直*; 森 茂生*; 米田 安宏; 水牧 仁一朗*; 谷田 肇*; 河村 直己*
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 32(1), p.51 - 54, 2007/03
ルテニウムを含むダブルペロブスカイト酸化物RuO
(
=La, Pr, Nd,
=Co, Ni, Zn, Mg)の磁性と誘電性について調べた。粉末X線構造解析から、結晶構造は
イオンとRuイオンが結晶額的に整列する構造を取っていることがわかった。磁化測定からは、
がCoとNiイオンのときのみ、20-30Kに反強磁性転移が起こるが、これは磁性
イオンとRuイオンの磁気相互作用によるものである。
イオンがMgイオン及びZnイオンの非磁性の場合には、磁気転移は起こらなかった。誘電率測定からは、
イオンがCo及びNiの場合のみ、5000程度の大きな誘電率が観測された。結晶構造及び磁化測定の結果から、この誘電率は、磁性あるいは電子移動による短距離の誘電領域が形成されたことによると考えられる。
=Niに対する放射光を使った吸収分光から、Ruイオンは4+、Niイオンは2+に近い状態で、過去の論文に提案されているようなバンド形成による電荷状態のずれは観測されなかった。
塩飽 秀啓; 岡本 芳浩; 矢板 毅; 鈴木 伸一; 湊 和生; 谷田 肇*
Zeitschrift fr Naturforschung, A, 60a(1-2), p.81 - 84, 2005/01
第三世代放射光施設であるSPring-8のアンジュレータ放射光を利用して、溶融したCdBrの局所構造を、高温状態におけるX線吸収微細構造(XAFS)分析によって解析した。SPring-8の高輝度・高エネルギー特性を生かした実験である。測定試料は吸湿性のある高温融解塩であるため、溶融塩専用に設計した石英セルを使用することによって、測定を成功することができた。測定の結果、Cd
-Br
の最近接距離は、室温固体状態中の2.71
から、溶融の状態の2.60
まで減少した。また融解により、配位数は6から4まで減少した。得られた構造パラメータは、四面体構造(CdBr
)
が溶融したCdBr
が優勢な構造をとることを示している。
岡本 芳浩; 塩飽 秀啓; 矢板 毅; 鈴木 伸一; 湊 和生; 谷田 肇*
Zeitschrift fr Naturforschung, A, 59a(11), p.819 - 824, 2004/11
溶融CdCl及びCdCl
-KCl混合系融体の局所構造を、XAFSによって調べた。CdCl
は固体では6配位を取っているが、溶融状態ではCd-Cl間距離が短くなり、配位数も4へ減少することが判明した。溶融状態で(CdCl
)
四面体構造の存在を示唆する。混合系においてもCd-Cl距離と配位数に変化はなく、四面体構造が維持されていると考えられる。
吉井 賢資; 中村 彰夫; 水牧 仁一朗*; 谷田 肇*; 河村 直己*; 阿部 英樹*; 石井 慶信; 下条 豊; 森井 幸生
Journal of Magnetism and Magnetic Materials, 272-276(Suppl.), p.e609 - e611, 2004/05
被引用回数:4 パーセンタイル:24.42(Materials Science, Multidisciplinary)ペロブスカイトCaMnOは150Kに反強磁性を示す絶縁体であるが、最近、Mnサイトを一部Ruに置き換えることによって、強磁性を示すとともに金属的になることが示された。本研究では、低温において、強磁性を示すCaMn
Ru
O
の磁気構造について中性子散乱を用いて調べた。常温での構造は単斜晶
2
/
ペロブスカイト構造であった。低温での磁気ピークを含めた回折パターンは、強磁性と反強磁性ドメインの共存を仮定することでフィットできた。放射光を用いたX線吸収スペクトル測定からは、Ruの平均原子価が4から5+の間であることがわかった。このことは、過去の論文における、Ru
の存在によってMnイオン間の強磁性相互作用が強められるという提案を支持する。
水牧 仁一朗*; 吉井 賢資; 北澤 英明*; 谷田 肇*
Journal of Solid State Chemistry, 171(1-2), p.291 - 294, 2003/02
被引用回数:5 パーセンタイル:17.22(Chemistry, Inorganic & Nuclear)希土類金属間化合物TbPdAlは六方晶構造または斜方晶構造を有する。前者の構造を有する場合、ネール温度43Kと22Kに2段反強磁性転移を示し、かつ、100K近傍において同一の空間群を保ちながら構造相転移を起こすことが知られている。本研究では放射光を用いた吸収分光測定により、本系の性質について調べた。TbのL吸収端のEXAFS測定からは、上記の100K転移近傍においてTb周囲の結合長さに変化が見られた。また、TbのL
吸収端XANESスペクトルは温度変化を示さないのに対し、PdのK吸収端XANESスペクトルはわずかに温度変化を示した。これは100K相転移がPdの電子構造変化に起因することを示唆する。
吉井 賢資; 阿部 英樹*; 水牧 仁一朗*; 谷田 肇*; 河村 直己*
Journal of Alloys and Compounds, 348(1-2), p.236 - 240, 2003/01
被引用回数:16 パーセンタイル:64.26(Chemistry, Physical)ニッケル-ルテニウム酸化物LaNiRuO
の構造・磁性・電気伝導について調べた。過去の文献では、本物質の結晶構造は単斜晶P21/nと斜方晶Pnmaの2つの異なった構造が報告されている。本研究でのリートベルト解析は、結晶構造はRu
イオンとNi
イオンが整列配置した単斜晶P21/nを支持した。結晶の対称性は低いが、RuO
及びNiO
八面体におけるO-Ru-O及びO-Ni-O角度はいずれもほぼ90度であり、理想的な八面体構造に近い。このことは放射光吸収分光からも示唆された。したがって、結晶構造の低対称性はNi-O-Ru角度が150度と小さいことに起因すると考えられる。電気抵抗測定からは、本物質は常温以下で絶縁体的であり、Ni3d軌道のバンド幅が狭いことを反映していると考えられる。直流磁化及び交流帯磁率測定からは20Kに反強磁性的な磁気転移が観測された。
岡本 芳浩; 塩飽 秀啓; 矢板 毅; 成田 弘一; 谷田 肇*
Journal of Molecular Structure, 641(1), p.71 - 76, 2002/10
被引用回数:43 パーセンタイル:71.99(Chemistry, Physical)溶融LaCl3の局所構造をK吸収端XAFSによって調べた。最近接La-Cl間距離と配位数は、2.89$及び$7.4
であった。6よりも大きな配位数は、融体の局所構造が、今まで報告されてきたような単純に(LaCl
)
八面体構造からのみからなるのではなく、7配位の(LaCl
)
や8配位の(LaCl
)
といった錯体の存在もあることを示唆する。La-La対に対応する第2近接の相関が約
付近に見られた。これは、錯体イオンどうしが1つClイオンを共有するいわゆる頂点共有が歪んだ形に対応する。2つのClイオンを共有する辺共有が大勢をしめるYCl
融体とは対照的であることがわかった。
宇留賀 朋哉*; 谷田 肇*; 米田 安宏; 竹下 邦一*; 後藤 俊治*; 石川 哲也*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 467-468(Part1), p.782 - 784, 2001/07
被引用回数:9 パーセンタイル:55.29(Instruments & Instrumentation)SPring-8は多くの光学素子の標準化をはかっているが、偏向電磁石ビームラインの全反射ミラーもそのひとつである。ミラーの立ち上げビームラインとなったBL01B1における性能チェックの結果、設計どおりの並行性のミラーとなっていた。このミラーは後に、原研ビームライン,Bl14B1にもインストールされることになる。
成田 弘一; 矢板 毅; 岡本 芳浩; 高井 木の実; 塩飽 秀啓; 島田 亜佐子*; 山本 剛*; 谷田 肇*
Spring-8 Experiment Report, Vol.6, P. 9, 2001/00
近年、放射性廃液からの3価アクチノイド(An(III)),ランタノイド(Ln(III))の分離のための有用抽出剤として三座配位子が注目されている。酸素ドナー系配位子であるdiglycolamide型配位子はLn(III),An(III)の共抽出に、窒素ドナー系配位子であるterpyridine型配位子はAn(III)/Ln(III)分離に期待されている。そこで本研究ではN,N'-dimetyl-N,N'-diphenyl-diglycolamide(DGA)及び、2,2':6'2''-terpyridine(TPY)とLa(III)の溶液内錯体構造をSPring-8 BL01B1におけるLa K-edge EXAFS測定により調べた。La-DGA系,La-TPY系における動径構造関数の比較より、配位子とドナー原子間距離はLa-TPY系(La-N)の方がLa-DGA系(La-O)よりも長いことが明らかになった。