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丹羽 正和; 島田 耕史; 照沢 秀司*; 後藤 翠*; 西山 成哲; 中嶋 徹; 石原 隆仙; 箱岩 寛晶
Island Arc, 33(1), p.e12516_1 - e12516_16, 2024/02
被引用回数:1 パーセンタイル:72.08(Geosciences, Multidisciplinary)本研究では、地表地形では特定が不明瞭な活構造を検出する目的で、小断層の変位データを用いた多重逆解析から推定される応力と、地震データから推定されている応力とを比較することに基づく手法を検討した。南九州で知られているひずみ集中帯で検討した結果、本手法が、地下に伏在する活構造を検出するための一助となり得ることを示した。
末岡 茂; 島田 耕史; 照沢 秀司*; 岩野 英樹*; 檀原 徹*; 小北 康弘; 平田 岳史*
地質学雑誌, 127(1), p.25 - 39, 2021/01
南九州せん断帯に分布する破砕帯の活動時期を制約するため、紫尾山花崗閃緑岩体から非加熱の試料2点と破砕帯に切られたアプライト脈沿いの試料1点を採取し、フィッション・トラック(FT)およびU-Pb解析を適用した。ジルコンU-Pb年代は14.0-13.5Ma、ジルコンFT年代は14.7-13.7Ma、アパタイトFT年代は12.6-10.0Maを示した。これらの熱年代データを基に熱履歴解析を行ったところ、紫尾山花崗閃緑岩体は14.0-13.5Maに浅所に貫入し、アパタイトFT法のPAZ(60-130C)以下まで急冷されたと推定された。平八重型と楠八重型の岩相で、貫入時期と冷却史に大きな違いは見られなかった。破砕帯の活動時期は、アプライト脈の貫入時期である10.00.8Ma頃と考えられ、岩体の初期冷却に伴う収縮ではなく、岩体冷却後のテクトニックな作用に起因する可能性が高い。
後藤 翠; 佐々木 亮道*; 小松 哲也; 三輪 敦志*; 照沢 秀司*; 楮原 京子*; 島田 耕史
JAEA-Research 2020-013, 88 Pages, 2020/11
活断層を見出す調査技術の向上は、地層処分事業を進めるにあたって、断層のずれに伴う透水性の増加が生じる場所を避ける観点から重要である。通常、活断層の存在は、断層運動の地形学的痕跡である断層変位地形の空中写真判読と、現地の地質調査により確認する。しかし、地形学的な痕跡が不明瞭な場合の調査手法は十分整備されていない。そこで、本研究では、既往の地形学的手法を高度化する観点から、活断層を見出す指標となり得る地形学的特徴の直線状ないし弧状配列(リニアメント)を、通常の活断層研究ではほとんど無視されるような明瞭さが乏しいランクまで判読した。調査地域は、測地学的なひずみ集中帯であり、1997年鹿児島県北西部地震(Mj 6.6)の震源断層が伏在している南九州せん断帯である。本研究では、1/25,000地形図62枚の範囲の空中写真判読を実施し、得られた1,327条のリニアメントを地形図上に示し、リニアメントの分布密度,方向性,長さ,地形,地質などの項目について整理した。その結果、南九州せん断帯方向の東西系のリニアメントが西部で卓越し、鹿児島県北西部地震の余震分布域ではリニアメントが高密度で分布することが明らかとなった。これらの結果とともに、明瞭さ,方向,長さなどと地形的特徴の組み合わせによる類型化に基づく代表的な13条のリニアメントについてカタログをとりまとめた。
後藤 翠; 村上 雅紀*; 酒井 隆太郎*; 照沢 秀司*; 末岡 茂
JAEA-Review 2020-003, 60 Pages, 2020/03
地層処分システムに影響を及ぼす可能性がある天然現象の一つに、地震及び断層活動が挙げられる。地震及び断層活動では、断層変位による直接的な影響に加え、地震動に伴う湧水の発生や泥火山の活動、地震断層の活動により引き起こされる流体の移行経路の変化や副断層の形成のような二次的な影響も考慮する必要がある。本稿では、これらの二次的な現象による地層処分システムへの影響の理解を目的として、水理学的影響(湧水・泥火山)、力学的な影響(副断層)を対象に、既往研究を収集し取りまとめた結果を報告する。関連するキーワードを各国語で検索することで、国内外の142編の文献を収集することができた。その結果、それぞれの二次的影響の研究事例を概観し、地層処分の観点で今後の評価技術の高度化に必要な課題を抽出した。地震等の影響による湧水については、湧出機構、影響範囲、活動履歴に関する事例の蓄積を課題として示した。泥火山については、形成の要因となる異常間隙水圧のメカニズムの検討及び予測手法の高度化を課題として示した。副断層については、詳細な分布の把握と形成機構の検討の蓄積が課題であると示した。
照沢 秀司; 島田 耕史
JAEA-Data/Code 2017-017, 18 Pages, 2018/03
花崗岩中には、様々な要因によって形成された割れ目(節理、破砕帯等)が分布する。断層は、この先在する割れ目を弱面として活動する。また、割れ目の方向には定向性がある場合があり、直線的な谷などの地形として表れる。卓越する方向から広域的な応力場を推定する試みも行われている。本稿では、敦賀半島北西部に立地する高速増殖原型炉もんじゅ敷地内・敷地近傍にて実施された調査結果のうち、割れ目の特徴を示す走向傾斜データ5050点を取りまとめたデータベースを作成した。走向傾斜は、北北東北東走向高角東傾斜が卓越するが、場所ごとに異なる特徴を示しており、本データベースを用いた更なる解析が望まれる。
島田 耕史; 照沢 秀司
no journal, ,
原子力施設等の破砕帯の活動性評価においては、評価対象破砕帯がどのように選ばれたかという代表性が重要となる。また、将来の効率的な活動性の調査に役立つ着眼点を増やしていくことも重要である。高速増殖原型炉もんじゅの敷地内破砕帯調査(平成24-28年度)では、粗粒花崗岩中に見られる破砕帯の規模に着目し、現在建物が建つ基礎岩盤のなかで最長のNE走向の破砕帯の延長方向を剥ぎ取り、出現した破砕帯の活動性を評価した。この評価対象破砕帯を選択した妥当性を補強するため、既往知見に基づいて長さ分布の統計的解析を行ったところ、指数関数分布を示し、より長い破砕帯がさらに成長していくという破砕帯群の発達段階に入っていることを確認した。したがって、最長の破砕帯の延長方向で調査した妥当性は補強された。また、最終活動は既存の破砕帯構造の発達時に強度が周囲よりも低下した箇所に重複して生じたと考えられる。これらから、破砕帯の長さ分布の統計的性質に基づき、最長の破砕帯を代表としてよいことと、活動性評価に際しては強度が周囲より弱いと推定される箇所で重複変形を確認する調査が効率的と考えられることを示す。
島田 耕史; 後藤 翠; 佐々木 亮道*; 照沢 秀司*; 小松 哲也
no journal, ,
本報告では、リニアメント分布データの説明性を方位統計学的な客観的表現により向上させることを試みた。南九州で測地学的に認められるせん断帯において判読されたリニアメント分布の方位統計学的検討により、長さ重みづけされたリニアメントの方位分布が5つのvon Mises分布に分解できることが明らかになった。東西方向のリニアメントが集中する領域の客観的抽出を試みたところ、長さ重みづけをしないリニアメント方位のヒストグラム(ローズダイヤグラム)や肉眼による経験的, 定性的な分布傾向把握と整合的な結果が得られた。
島田 耕史; 末岡 茂; 照沢 秀司
no journal, ,
上載地層法が適用できない場合の破砕帯の活動性評価を進める際に、非活動的な破砕帯の小規模構造の事例は参考となる。そこで本報告では花崗岩中に発達する小規模破砕帯を紹介する。試料は、福井県敦賀半島北部のもんじゅ敷地の花崗岩中にみられる破砕帯から得られたものである。主すべり層の外側の厚さ約1cm部分に、平均せん断ひずみ(1.6)が肉眼的に見られる形で保存されており、変形は延性的である。主すべり層の端部付近の最新活動を示す変形微小構造は、厚さ約1cmのカタクレーサイトからなるひずみ集中帯中にみられる。石英の再結晶組織は認められない。黒雲母は引き伸ばされ、面構造を規定し、非対称紡錘形の粒子が右ずれセンスを示す。結晶内塑性変形を示す黒雲母と、破砕変形を示す石英、長石類の共存は、破砕帯が準脆性流動を生じつつ形成されたことを示しており、最新活動時期の変形環境は高温であり、活断層ではないことを示している。
後藤 翠; 島田 耕史; 丹羽 正和; 照沢 秀司*
no journal, ,
1990年代以降に設置された全国のGNSSネットワークにより、南九州に高いひずみ速度を伴う左横ずれのせん断帯の存在が示唆されている。この地域では1997年の鹿児島県北西部地震などの大きな地震が発生しているが、これらの地震に関連する地震断層や活断層が地表で認められていない。本研究では、測地学的研究によって示唆されたせん断帯の地質学的証拠を明らかにするために、小断層を調査した。鹿児島県北西部(2216km)の現地調査では、粘土質ガウジ及びカタクレーサイトを伴う断層はほとんど認められなかった。一方、四万十帯付加後に形成された小断層が普遍的に観察された。すべりの方向は、小断層沿いの条線を用いて決定した。条線の方向データに基づき、応力テンソルインバージョンを適用して、応力状態の解明を試みた。その結果、2km幅でE-W方向に伸び、せん断帯のひずみ(NE-SW圧縮およびNW-SE伸長)と一致する応力状態を示す領域が明らかとなった。本研究は、明瞭な活断層地形に乏しい断層(またはせん断帯)の潜在的な将来の活動を調べるアプローチの1つとして有用である。
照沢 秀司*; 島田 耕史
no journal, ,
もんじゅ敷地内で過去に掘削されたボーリングの割れ目方向データを用いて、資源探査で用いられるDip Azimuth Vectorプロットにより、ある深度領域ごとに発達する支配的な割れ目方向の傾向を可視化し、花崗岩のドメイン分割を試みた。ドメイン境界は支配的な割れ目方向の交差部となっており、主要な地下水の通り道になっているため、もんじゅに蓄積された地質データを活用する今回の試みは、もんじゅの岩盤の耐震安全性評価に関わる領域分けの客観化の向上につながるだけでなく、地層処分に関する岩盤調査の際にも応用することができる。
島田 耕史; 竹内 竜史; 尾松 圭太*; 照沢 秀司*; 上原 康裕*
no journal, ,
コア箱重量測定法(ダム工学会編, 2012)は、コア箱ごとに重量を測定してコア箱の重量を引き、コア形状を仮定して単位体積重量,密度を算出するものであり、深度方向に連続的なデータが現場で得られ、地質解析の合理化に有効である。福井県敦賀市の高速増殖原型炉もんじゅの敷地内において、基盤岩をなす江若花崗岩中に2本の岩盤ボーリング(掘進長100m, 200m、孔間距離約30m)が実施された。調査の課題は、重量構造物設置を想定した場合に問題となるような、大規模なすべり面となりうる弱面や大規模な破砕帯の有無を迅速に把握することであった。そこで、コア箱重量測定法を参考に1m毎の湿潤コア重量を測定し、コア形状を円筒と仮定して湿潤密度(以下、単に密度とする)を算出し、コア観察による岩級区分との比較を行った。各岩級の密度の相加平均と範囲は、B級岩盤は2.53(g/cm: 以下同様)と0.10、CH級岩盤は2.51と0.11、CM級岩盤は2.48と0.42、CL級岩盤は2.42と0.11であった。掘進長100mのコアでは地表からの深度44m-49mの区間で、CL級岩盤の密度平均値を下回る連続的な密度低下部が認められた。コア観察によれば、角礫状の割れ目が発達するなど、岩盤劣化部となっている。この岩盤劣化部は、例えば野島断層に伴う破砕帯のような掘進長数10mの密度低下部に比較すると小規模で、200mのコアに連続しない。したがって、確認されたデータからは、重量構造物の建設に関してただちに問題となるような大規模な脆弱部は見られない。
比嘉 咲希*; 照沢 秀司*; 丹羽 正和; 島田 耕史; 小松 哲也
no journal, ,
活断層地形が不明瞭な南九州せん断帯における1997年鹿児島県北西部地震の余震域に、南北約27kmの踏査範囲を設定し、小断層の分布、断層面に発達する線構造や変位センスデータを取得し、応力逆解析を行った結果、せん断帯中央部の南北幅2kmの範囲に限り、南九州せん断帯の左横ずれと調和的な北東-南西圧縮・北西-南東引張の応力場が卓越することが分かった。
佐々木 亮道*; 小松 哲也; 三輪 敦志*; 照沢 秀司*; 楮原 京子*; 比嘉 咲希*
no journal, ,
南九州せん断帯を事例に断層変位地形と特定できないが節理や断層などの弱線構造の存在を示唆するリニアメントの抽出を目的として空中写真判読を実施した。その結果、鹿児島県側の中部および宮崎県側の中部付近に卓越するEW方向のリニアメントは、南九州せん断帯に関連する節理や断層などの弱線構造の存在を反映している可能性があること、一方で、NE, NW方向のリニアメントは、四万十帯等の地質構造を反映している可能性が高いことがわかった。
丹羽 正和; 島田 耕史; 後藤 翠; 照沢 秀司*
no journal, ,
地層処分事業においては、概要調査における活構造の調査・評価技術の信頼性向上の観点から、地形的に不明瞭な活構造帯を検出し、その分布を把握するための調査技術の整備および事例の蓄積が必要である。全国のGNSSネットワークに基づく測地学的研究により、日本列島の複数地域でひずみ集中帯の存在が指摘されている。ひずみ集中帯には活構造が発達しやすいと考えられるが、ひずみ集中帯の範囲内に主要な活断層がほとんど報告されていない事例もある。本研究では、その代表的な事例の一つである南九州せん断帯を対象として、小断層の条線データに基づく応力テンソルインバージョンにより、GNSS観測の結果と調和的な応力状態の検出を試みた。その結果、GNSS観測から見出されているひずみ集中帯のひずみと一致する応力状態を示す領域を明らかにすることができた。本手法は、地形的に不明瞭な活構造帯の分布を把握するアプローチの1つとして有用であると言える。
島田 耕史; 石丸 恒存; 末岡 茂; 照沢 秀司; 安江 健一; 丹羽 正和; 梅田 浩司
no journal, ,
重要構造物付近の破砕帯の露出状況は多様であり、上載地層法が適用できない場合の活動性評価手法の整備が必要である。上載地層法は交差切りの法則を用いており、この法則に基づく基盤岩中の構造の切断関係による活動性評価手法は有望である。しかしながら、露出状況による制約や破砕帯自体の特徴として、切断関係が見られない、並走する粘土脈からなる小規模な破砕帯もある。ここでは、そのような事例として、一つの破砕帯露頭を取り上げ、延長部の確認、若いながらも破砕帯を覆う上載地層の年代推定、粘土脈の変位センスの確認、類似の構造を持つ破砕帯との比較、付近の活断層との粘土粒径の比較を行った。その結果、この破砕帯は小規模であり、付近の活断層と変位センスが異なり、活断層の活動時の付随的運動はなく、特異な段差は差別侵食によるものであり、累積変位量も活断層に比べ小さいことが明らかになった。これらからこの破砕帯は起震断層の運動が直接地表に現れた活断層ではなく、活断層に付随してずれ動く弱面としても機能していないと考えられる。
照沢 秀司; 島田 耕史
no journal, ,
花崗岩中の割れ目の方向には定向性がある場合があり、直線的な谷などの地形として表れる。また、卓越する方向から広域的な応力場を推定する試みも行われている。本講演では、敦賀半島北西部に立地する高速増殖原型炉もんじゅ敷地内・敷地近傍において平成19年度から28年度に行われた地質調査結果をコンパイルし、広域的に卓越する割れ目の方向の抽出を行った。その結果、調査地域北東部では、北北東-南南西方向および西北西-東南東方向、南西部では、北東-南西方向および北西-南東方向であった。挟角は北東部で約60-80、南西部で約90で、いずれもの地域でも傾斜は60-80の高角を示した。この北東部と南西部における卓越方向の違いについては、特に挟角が約60-80の北東部では、共役性のせん断節理の可能性があり、個々の節理の微小な変位の有無に着目した調査や、より広域の調査により解明できる可能性がある。