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論文

微小核物質粒子の同位体組成分析; 目に見えない小さな粒子から隠した核活動を見つけ出す

宮本 ユタカ; 鈴木 大輔; 富田 涼平; 富田 純平; 安田 健一郎

Isotope News, (786), p.22 - 25, 2023/04

IAEAが核不拡散条約に基づき、IAEAに未申告の原子力活動を探知するための技術としてIAEAが実施している「保障措置環境試料」の分析について、技術的な側面から概要を述べるとともに、国際協力の一環として日本のIAEAネットワーク分析所として活動している原子力機構の分析技術について解説する。特に微小核物質粒子の検知および核物質の同位体組成分析技術に焦点を当てて解説する。

論文

前処理段階における試料の加熱温度とウラン粒子の結晶性、二次イオン発生効率の変化

富田 涼平; 富田 純平; 蓬田 匠; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; 江坂 文孝; 宮本 ユタカ

KEK Proceedings 2022-2, p.108 - 113, 2022/11

ウラン粒子に対するSIMS分析では最初に粒子自動測定(APM)を行う。APMを行うことで試料台上に存在するウラン粒子の個数とその位置や、どの程度の濃縮度であるかを知ることができる。APMは測定範囲350$$mu$$m四方に酸素イオンビームを短時間照射する同位体比測定を座標を移動しながら繰り返すことで試料台全体の様子を網羅していくが、その精度や確度は試料の状態の影響を大きく受ける。そこで、試料の前処理で行っている加熱処理の温度がウラン二次イオンの発生効率やウラン水素化物の生成量、粒子の結晶性等に与える影響を調べ、APMに適した条件を求めた。得られた実験結果を元に試料の状態に応じた粒子分析スキームを作成した。実験により800$$^{circ}$$Cの加熱処理は350$$^{circ}$$Cと比較してウラン二次イオンの検出量が33%まで低下し、ウラン水素化物の生成も4倍となる結果が得られた。ラマン分光分析によって800$$^{circ}$$Cの加熱は結晶性の向上に繋がることがわかったが、二次イオンの発生効率を低下させるような変質が引き起こす悪影響の方が顕著であり、今回の実験では350$$^{circ}$$Cによる加熱が適した加熱条件であるとわかった。

論文

存在度の低いウラン同位体比分析のための模擬核物質粒子の作成

富田 純平; 富田 涼平; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; 宮本 ユタカ

KEK Proceedings 2022-2, p.154 - 158, 2022/11

保障措置環境試料に含まれるウラン粒子中の存在度の低いウラン同位体($$^{233}$$U及び$$^{236}$$)を精密に測定することは、施設の原子力活動を検認するうえで重要である。本研究では、これら存在度の低いウラン同位体の測定技術を開発するために使用するウラン模擬粒子の作成方法を検討した。ウランの代用としたルテチウム溶液を粒子母体である多孔質シリカビーズを効果的に含浸させる方法を検討した。走査型電子顕微鏡で粒子の含浸状態を観察した結果、シリカビーズと溶液をPFA棒で混合するよりも時間をかけて静かに含浸させる方法が含浸粒子を効果的に作成できることが分かった。

論文

高水素化物生成比を示す高濃縮ウラン粒子に対するSIMS-APMの最適化

富田 涼平; 富田 純平; 蓬田 匠; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; 江坂 文孝; 宮本 ユタカ

KEK Proceedings 2021-2, p.146 - 150, 2021/12

大型二次イオン質量分析装置(LG-SIMS)を使用したウラン粒子のスクリーニング測定(APM)は広い測定領域に複数の粒子を収め、測定範囲内に存在する個々の粒子の座標と同位体組成の情報を得る連続測定である。特に高濃縮の粒子を含むAPMではウラン粒子表面の水素化物生成比が高い場合に$$^{236}$$U$測定値$=$$^{235}$$U$$^{1}$$H+$$^{236}$$U$真値$となる影響を受けて$$^{236}$$Uの存在率が見かけ上高くなる。APMでは個々の粒子から得られる二次イオンが少ないため正確な水素化物補正ができず、この影響でウラン全体に対する$$^{235}$$Uの存在率が見かけ上低下する問題が起きる。そこでAPMの測定前に一定時間だけイオンビームを照射することでウラン粒子表面の水素化物生成比の低減を試みた。また、粒子表面を十分にスパッタしやすいマニピュレーション-APM(APM-mani)についても実験を行い、水素化物を効果的に低減できるスクリーニング条件を検討した。

論文

Odd-parity autoionizing levels of uranium observed by two-color two-step photoionization optogalvanic spectroscopy

宮部 昌文; 佐藤 志彦; 若井田 育夫; 寺林 稜平*; Sonnenschein, V.*; 富田 英生*; Zhao, Y.*; 坂本 哲夫*

Journal of Physics B; Atomic, Molecular and Optical Physics, 54(14), p.145003_1 - 145003_8, 2021/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Optics)

高繰返しチタンサファイアレーザーとウランホローカソードランプを用いて、2色2段階光イオン化光ガルバノ分光法により、ウランの2段階共鳴イオン化スキームの探索を行った。基底状態のウラン原子を1段目のレーザー光で5つの偶パリティ励起準位に遷移させ、2段目のレーザー波長をスキャンすることで多くのイオン化遷移を観察した。1段目のレーザー光を遮断することで、単色・2光子イオン化遷移の同定も行った。これらの結果から、イオン化ポテンシャル(49958.4cm$$^{-1}$$)から51150cm$$^{-1}$$までのエネルギー範囲で、50個以上のウランの奇パリティ自動イオン化準位を見出した。得られた準位エネルギーは、これまでに報告されている値と$$pm$$1cm$$^{-1}$$以内で一致した。これらの結果から、工学院大学や名古屋大学と共同開発している共鳴イオン化スパッタ分析装置を用いた放射性微粒子のウラン分析のための基礎データを取得することができた。

論文

Age determination analysis of a single uranium particle for safeguards

鈴木 大輔; 富田 涼平; 富田 純平; 江坂 文孝; 安田 健一郎; 宮本 ユタカ

Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 328(1), p.103 - 111, 2021/04

 被引用回数:3 パーセンタイル:47.54(Chemistry, Analytical)

保障措置のためのウラン粒子の精製年代分析技術を開発した。ウランの精製年代は、粒子中のウランとトリウムを化学分離したのち、シングルコレクタ型誘導結合プラズマ質量分析計を用いて$$^{230}$$Th/$$^{234}$$U原子個数比を測定することにより得た。粒子中の$$^{230}$$Th及び$$^{234}$$Uの原子個数の定量は、既知量の$$^{233}$$U濃縮同位体標準物質及びその標準物質に$$^{233}$$Uの娘核種として含まれる$$^{229}$$Thをスパイクとして用いて行った。精製年代既知(精製からの経過年: 61年)の二種類の同位体標準物NBL U-850及びU-100のウラン粒子を用いて分析を行ったところ、得られた推定精製年代はそれらの標準物質の参照精製年代と良く一致した結果であった。さらに、単一のU-850ウラン粒子を用いて分析を行った結果、推定精製年代は参照精製年代から-28年$$sim$$2年のずれの範囲内で得ることができた。

口頭

福島原発事故以降の河川における溶存態と底質土のセシウム同位体比変化

富田 涼平*; 松中 哲也*; 本多 真紀*; 佐藤 志彦; 松村 万寿美*; 高橋 努*; 坂口 綾*; 松崎 浩之*; 笹 公和*; 末木 啓介*

no journal, , 

福島第一原子力発電所事故により拡散した放射性核種は降雨などの影響を受けて地上に沈着した。原子力発電所から200km離れた千葉県東葛地域の河川底質土からも原子力発電所由来の放射性核種が検出されており、我々は地点毎に河川水溶存態中放射性セシウム$$^{137}$$Csや放射性ヨウ素$$^{129}$$I、それらの安定同位体濃度を測定した。特にセシウムに関して特徴的な変化が観測された。本流と比較して低いセシウム同位体比($$^{137}$$Cs/$$^{133}$$Cs)を示す利根川河川水の注水によって本流の溶存態中$$^{137}$$Cs/$$^{133}$$Cs比が一時的に大きく減少していた。一時的に減少した$$^{137}$$Cs/$$^{133}$$Cs比は河口に向けて移動している間に徐々に上昇する変化が観測された。この溶存態中$$^{137}$$Cs /$$^{133}$$Cs比の上昇には底質土が大きく寄与していると考え、底質土から逐次抽出によりCsの抽出を行い、各フラクションの$$^{137}$$Csと$$^{133}$$Csを定量し、溶存態との比較を行った。結果、速い速度で底質土と溶存態との平衡に達することが示唆された。

口頭

電子線後方散乱回折による単一ウラン微粒子の化学状態分析

江坂 文孝; 蓬田 匠; 富田 涼平; 宮本 ユタカ

no journal, , 

環境中に存在する個々の微粒子に対してその化学状態を調べることは、その起源や環境への影響を明らかにする上で重要である。しかし、個々の微粒子中に含まれる元素量は少なく、元素組成のみならず化学状態まで明らかにすることは非常に困難である。本研究ではより微小な粒子の分析を目的として、電子線後方散乱回折(EBSD)法を用い、ウラン微粒子の化学状態分析への適用可能性について検討を行った。その結果、直径1$$mu$$m以下の粒子に対しても明瞭な電子線回折パターンを取得することができた。また、UO$$_{2}$$微粒子ではCubic構造、U$$_{3}$$O$$_{8}$$微粒子ではOrthorhombic構造に対応した電子線回折パターンを取得でき、本法により各微粒子の化学状態の違いを区別できることが示された。一方、微粒子の表面は平滑ではないため、測定位置によっては後方散乱電子の検出器への到達が妨げられ、明瞭な電子線回折パターンが取得できないことも明らかとなった。これは、微粒子表面を研磨することなどにより解決できるものと考えられる。

口頭

環境試料中に存在する単一ウラン粒子の同位体比分析

富田 涼平; 江坂 文孝; 宮本 ユタカ

no journal, , 

環境試料(IAEAによる原子力施設の査察試料)中に含まれるウラン粒子をマイクロマニピュレーションにより取り出すことで、ウラン以外の粒子から放出される分子イオンの影響を排除した精密なウラン同位体比を二次イオン質量分析(SIMS)によって測定する方法の開発を行ってきた。しかし、試料中に数多くのウラン粒子が存在する場合には、分析時間の制約上、ウラン粒子の一部(1試料当たり10$$sim$$20粒子程度)を無作為に取り出して分析することになるため、必ずしも試料全体のウラン同位体比の分布を反映することにはならないという問題があった。本研究ではマイクロマニピュレーションで分離した50個以上のウラン粒子をSIMSの簡易測定で短時間におおよそのウラン同位体比分布を把握した後、この分布を代表する粒子を選び出して詳細分析した。これにより、少数の粒子分析でも試料全体のウラン同位体比分布を網羅できる分析方法を実現した。

口頭

SIMSによる含ウラン粒子環境試料の精密分析と簡易スクリーニング測定の導入

富田 涼平; 江坂 文孝; 宮本 ユタカ

no journal, , 

IAEAによる原子力施設の査察試料中に含まれるウラン粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)観察下でのマイクロマニピュレーションにより取り出すことで、二次イオン質量分析(SIMS)におけるウラン以外の粒子に起因する分子イオンの影響を排除した精密なウラン同位体比測定を実施してきた。しかし、分析時間の制約上、試料に含まれるウラン粒子の一部(1試料当たり10$$sim$$20粒子程度)を無作為に取り出して分析することになるため、必ずしも試料全体のウラン同位体比の分布を反映することにはならないという問題があった。本研究ではマイクロマニピュレーションで分離した50個以上のウラン粒子に対し、SIMS装置に備わっている自動粒子計測機能(APM)を利用した簡易スクリーニングを実施することで、精密分析前に短時間でおおよそのウラン同位体比分布を把握する手法を導入した。

口頭

大型二次イオン質量分析装置を用いた微小ウラン粒子の同位体比分析

富田 涼平; 江坂 文孝; 安田 健一郎; 鈴木 大輔; 宮本 ユタカ

no journal, , 

従来のSIMS装置を用いたウラン同位体比分析では測定対象粒子の近くに存在する不純物(Pb, Al, Fe等)が分子イオン妨害を引き起こし、不精確な同位体比を示す問題があった。この問題を解決するために分析計を大型化したLarge-Geometry(LG)-SIMS装置を用いて、これらの分子イオン妨害の低減を図った。また、環境試料中のミクロンサイズのウラン粒子から十分な二次イオン強度を得つつ、分子イオン妨害を効果的に分離できる最適な分析条件を求める必要があった。本研究は実際の保障措置分析の要求に耐えうる最適なLG-SIMS装置の分析条件の決定を目的とし、ウランに対する代表的な分子イオン妨害を分離できる質量分解能、二次イオン強度と二次イオンのピーク形状の関係を調べた。ウラン粒子のSIMS分析における代表的な分子イオン妨害のひとつにPbAl$$^{+}$$(質量数: 234, 235)が挙げられる。この分子イオンをU$$^{+}$$から分離するには計算上で2741の質量分解能が必要となる。この質量分解能を目標とし、十分なウランの二次イオン強度が得られる条件を求めた。その結果、入口スリット200$$mu$$m、出口スリット500$$mu$$mの時に最も良好な二次イオン強度、ピーク形状が見られた。この時の質量分解能は2560であり、目標としたPbAl$$^{+}$$をほぼ分離することができる。LG-SIMS装置を用いることで、従来の装置では分離することができなかった分子イオン妨害を概ね分離しつつ、良好な測定が可能であることがわかった。

口頭

マルチコレクター型ICP-MSを用いた保障措置環境試料分析の検討

富田 純平; 富田 涼平; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; 宮本 ユタカ

no journal, , 

日本原子力研究開発機構CLEARでは、マルチコレクター型ICP-MS(MC-ICP-MS)を整備し、存在度の低いU同位体($$^{233}$$U, $$^{234}$$U, $$^{236}$$U)やPu同位体($$^{241}$$Pu)を含む極微量U及びPuの精密な同位体比測定技術の整備に着手した。NBL CRM U015(U: 1ppb)及び$$^{236}$$Uの存在度が無視できるほどに低いU0002(U: 10ppb)標準溶液を用いて、$$^{238}$$Uや$$^{235}$$Uのピークのテーリングや水素化物による影響評価試験を実施した。U0002溶液のピーク強度測定から、$$^{238}$$Uピーク強度の10$$^{8}$$分の1がテーリングとして$$^{236}$$Uピーク強度に影響することがわかった。また、測定精度を評価するために、U015標準溶液(U: 1ppb)を用いて、5回, 10回及び20回の繰返し測定を行った時の相対標準偏差をそれぞれ調べた。一元配置分散分析を行った結果、$$^{234}$$U/$$^{238}$$U, $$^{235}$$U/$$^{238}$$U及び$$^{236}$$U/$$^{238}$$U比の相対標準偏差の平均値に、繰返し測定回数の違いによる有意な差は見られなかった。

口頭

LG-SIMS装置のウラン粒子自動測定(APM)におけるミキシング効果の低減

富田 涼平; 江坂 文孝; 蓬田 匠; 宮本 ユタカ

no journal, , 

大型二次イオン質量分析装置(LG-SIMS)はウラン粒子1個に対する精密な同位体比分析において空間分解能1$$mu$$m以下の高い能力を発揮する。しかし、ウラン粒子の同定を行う自動測定(APM)は精密分析と比較して広いビーム径のイオンビームで広い領域を走査する必要がある。そのため精密分析ほどの空間分解能を保てず、近接する複数の粒子を一つの粒子として検出することで誤った結果を含む問題(粒子のミキシング)があった。そこで既知の同位体比を持つ複数の標準ウラン粒子を混合した試料を作成し、APMによってどの程度のミキシングが発生するかを確かめた。また、ミキシングを低減する方法としてウラン粒子を走査型電子顕微鏡で拾い出すマニピュレーション法を用いた手法を検討した。同位体比が既知である4種の標準ウラン粒子(U010, U100, U350, U850)が混在する試料を作成した。この試料に対するAPMでは5976個の粒子が検出され、本来存在しない同位体組成を示す粒子が1943個含まれていた。U850粒子の同位体組成が参照値と一致しない問題も見られた。これはウラン水素化物生成比($$^{238}$$U$$^{1}$$H/$$^{238}$$U)が平均0.237と高く、$$^{235}$$U$$^{1}$$Hが$$^{236}$$U同位体として含まれることでウラン全体に対する$$^{235}$$Uの存在率が見かけ上低くなったためであった。APMは粒子試料の全体像を把握する上で有効であるが、精確さに問題が生じるケースがある。そこで粒子マニピュレーションで試料から50$$sim$$80個のウラン粒子を分離した後にAPMを実施することで精確な分析結果を得ることを試みた。

口頭

高水素化物生成比を示すウラン粒子の全損分析と同位体比変化

富田 涼平; 富田 純平; 蓬田 匠; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; 江坂 文孝; 宮本 ユタカ

no journal, , 

環境試料中のウラン粒子に対するSIMS分析では最初に粒子の位置とおおよその同位体組成の情報を得る粒子自動測定(APM)を行う。APMは試料台上の広範囲を網羅する連続した測定であり、個々の領域に対する測定時間が短いため、検出された粒子の情報は表面の状態による影響を大きく受ける。特に、粒子表面でウラン水素化物生成が多い場合では$$^{236}$$Uと供に$$^{235}$$U$$^{1}$$Hが検出され、見かけ上$$^{236}$$Uの存在率が高くなる問題が顕著となる。そこで表面が高い水素化物生成比を示す標準ウラン粒子を用いて粒子が完全に消耗し切るまで同位体比測定を行う全損分析を実施し、粒子表面から内部に至る同位体比変化を観察した。これにより、粒子の全量に対して何%が表面として同位体比に影響を与えるのかを求めた。全損分析の結果を元に同位体比の変化が大きい粒子表面を除いて安定した同位体比を示す部分でデータを取得できるようなAPMのビーム強度,測定時間の条件を求めた。また、通常の手法と比較して遥かに高いビーム強度でAPMが行えるマイクロマニピュレーションを用いた手法についてもビーム強度,測定時間,ラスターサイズについて最適な条件を探った。

口頭

MC-ICP-MS用いた極微量ウラン・プルトニウム同位体比測定における分子イオンによる妨害の定量的評価

富田 純平; 富田 涼平; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; 宮本 ユタカ

no journal, , 

保障措置環境試料や地球化学試料の分析では、極微量のウラン(U)やプルトニウム(Pu)を測定する。ICP-MSによる測定では、測定試料中に不純物元素が多量に存在すると、それらがアルゴンや酸素と結合して測定目的の同位体と同質量の分子イオンを形成し、正確な同位体比測定を妨害する。本研究では、正確な保障措置環境試料分析を目的として、MC-ICP-MSを用いた正確な極微量U及びPu同位体比測定に影響を及ぼす分子イオンの同定及びその影響の定量的評価を行った。U同位体については、質量数233でIr、質量数234, 235及び236でPtによる顕著なスペクトル干渉が確認された。これらは、主に$$^{193}$$Ir$$^{40}$$Ar, $$^{194}$$Pt$$^{40}$$Ar, $$^{195}$$Pt$$^{40}$$Ar及び$$^{196}$$Pt$$^{40}$$Arによると考えられる。仮に1 ppbの天然U(IRMM184, $$^{234}$$U/$$^{238}$$U: 5.31$$times$$10$$^{-5}$$)を含む溶液中にPtが0.4ppb含まれているとすると、分子イオンの妨害により約2倍高い$$^{234}$$U/$$^{238}$$U値になると概算される。一方、Pu同位体については、質量数244でPb($$^{204}$$Pb$$^{40}$$Ar)によるスペクトル干渉が確認されたが、その他の元素に由来する明瞭な干渉は確認されなかった。

口頭

MC-ICP-MSによる高感度ウラン同位体比測定

富田 純平; 富田 涼平; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; 宮本 ユタカ

no journal, , 

保障措置環境試料中のウラン(U)粒子の同位体比を測定することによって同位体濃縮や再処理の有無等の保障措置上重要な情報を読み取ることができる。ピコグラム量のU同位体測定では、$$^{238}$$Uを測定しているファラデーカップからの出力電圧が低くなるため、同位体比を精度よく測定することは困難であった。本研究では、溶液量を0.2mL(従来の10分の1)に調製することでU濃度を高くし、ICP-MSに導入する方法を検討した。少量の溶液全量をMC-ICP-MSに導入するため、試料吸入開始直後から溶液が無くなるまでデータを取得し、得られた同位体のシグナル強度のうち空気混入の影響を除いて同位体比を算出する方法について考察した。CRM U015(U:1, 2, 8pg)及びIRMM184(2, 20pg)を測定した結果、いずれの溶液についても保証値と相対標準偏差の2倍以内で一致した。本手法では、$$^{234}$$U/$$^{238}$$U及び$$^{235}$$U/$$^{238}$$U比を従来よりも小さい相対標準偏差で測定可能となった。

口頭

ウラン標準粒子の作成と二次イオン質量分析法による同位体比分析

富田 涼平; 富田 純平; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; 江坂 文孝; 宮本 ユタカ

no journal, , 

環境試料中に存在する微小ウラン粒子に対する同位体比をマルチコレクター型大型二次イオン質量分析装置(LG-SIMS)で正確に分析するためには、ウラン同位体組成が既知のウラン標準粒子を用いて、感度やマスバイアスの違いなどを補正することが必要である。ウランを含む標準粒子の製造は同位体組成が既知のウラン標準溶液のエアロゾルを乾燥させて得る手法を主として用いている。しかし、霧状のウラン標準溶液から粒子を製造するには特殊な設備が必要であり、容易に製造することができないため、入手可能な標準粒子の同位体組成は限定されてしまう。そこで、ウラン同位体標準溶液を多孔質の微細シリカ粒子に浸透させることで同位体標準粒子と同等の試料を作成する簡便な方法を発案するとともに、LG-SIMSにおける同位体標準粒子として利用することを目指した。得られた含浸シリカ粒子をガラス状炭素の試料台に乗せて、LG-SIMSの二次イオンイメージ機能を用いてウランを含む粒子の位置を特定したのち、ウラン同位体組成を測定した。含侵粒子のウラン同位体組成測定結果は、同位体標準溶液の保証値に対して標準偏差の1$$sigma$$範囲で一致する良好な結果が得られた。このことから、本実験から既存の標準溶液を利用して簡便な方法でウラン同位体の測定標準粒子を作成することが可能となった。

口頭

原子力関連分野におけるSIMSの活用; 保障措置を目的とした環境試料中の核燃料物質を含む微粒子の同位体組成分析

富田 涼平; 富田 純平; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; 宮本 ユタカ

no journal, , 

原子力関連分野における二次イオン質量分析(SIMS)装置の利用法の一つとして、保障措置を目的とした環境試料中の核燃料物質を含む微粒子の同位体組成分析が挙げられる。IAEAは、原子力施設内に立入査察を行った際、施設の壁や床から採取した拭き取り試料(保障措置環境試料)に含まれるウラン微小粒子の同位体組成を分析することで、未申告の原子力活動が行われていないことを確認している。試料の分析はIAEAが認定したネットワーク分析所で行われ、我々の研究グループでは、試料分析・結果報告を行いつつ、分析の課題克服や極微量分析技術の開発を進めている。本講演ではIAEAのネットワーク分析所の一つである原子力機構高度環境分析研究棟(CLEAR)における我々の分析活動や、IAEA保障措置環境試料中の極微量核物質の分析技術について紹介する。さらには、SIMSによる粒子分析技術において、これまでに得られた開発成果をIAEA試料分析に対してどのように応用しているのかについても紹介する。

口頭

超極微量プルトニウムとウランの同位体組成分析技術の開発

安田 健一郎; 鈴木 大輔; 富田 純平; 富田 涼平; 宮本 ユタカ

no journal, , 

粒子の形状が観察できないほど極微小なプルトニウムやウラン及びプルトニウムが混在している粒子の、ウランやプルトニウムの同位体比を効率的に測定する手法の開発がIAEAの行う保障措置活動において求められている。本研究グループではそのニーズに対応するため、両元素の存在を視覚的に判別するトラック法に基づく手法と、同位体組成の分析中に粒子の加熱温度を変えることで化学分離を用いることなく表面電離型質量分析法(TIMS法)によって同位体組成を高精度に分析する連続加熱昇温法を開発した。トラック法において、それぞれの元素に対して特徴的に反応する検出材を使うことで、粒子がどの元素を含んでいるのかを視覚的に判別するだけでなく、1つの粒子を検出・採取し測定時に元素分離することで、効率的かつ手軽に両元素の同時分析を可能にした。本発表では、開発した技術の概要とそれに基づく測定の例を報告する。

口頭

多孔質シリカを母材とする模擬ウラン粒子の作成とLG-SIMS法による同位体比測定

富田 涼平; 富田 純平; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; 宮本 ユタカ

no journal, , 

ウラン粒子の同位体比を大型二次イオン質量分析装置(LG-SIMS)で測定するには、同位体比が保証されたウラン標準粒子が必要である。我々は、以前に多孔質シリカ粒子に同位体比標準溶液を浸透させる含侵法を考案し、ウランを含む模擬粒子を簡便な方法で作成することを可能にした。本研究では、標準粒子に近い性能を持つ模擬粒子を目標とし、粒子1個あたり数pgのウランを含む模擬粒子の作成を試みた。得られた模擬粒子の同位体比をLG-SIMSによって測定し、模擬粒子の同位体組成の正確さや精度、母材が測定結果へ与える影響を評価した。作成した全ての模擬粒子は$$^{235}$$Uの存在度(atom%)の標準誤差(2$$sigma$$:約0.3%)の範囲で保証値と一致したが、保証値に対して系統的に約0.1%高い値を示した。また、模擬粒子の測定結果から求めた質量差別効果の補正係数はU100粒子から求めた補正係数と不確かさの範囲で一致しなかった。模擬粒子はU100と同等の正確さと精度を示したが、シリカを主成分とする模擬粒子は帯電しやすいといった違いがあり、これらが同位体差別効果を通してLG-SIMS法の測定結果に影響する可能性が示された。

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