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論文

Improvement in automated particle measurement using micromanipulation and large geometry secondary ion mass spectrometry to remove the particle mixing effect of uranium particles

富田 涼平; 富田 純平; 鈴木 大輔; 宮本 ユタカ; 安田 健一郎

Journal of Nuclear Science and Technology, 10 Pages, 2025/05

本研究では、大型二次イオン質量分析装置の粒子自動計測機能と粒子マニピュレーション技術を組み合わせることによって、複数のウラン粒子を単一粒子と誤認させるミキシング効果を除去し、より正確に試料内のウラン同位組成の分布を取得する手法を考案した。複数のウラン同位体組成を含む試験試料を作成し、従来法と新法でそれぞれ分析を実施し、結果の比較を行った。従来法はミキシング効果により複数のウラン粒子の同位体組成が平均化された試料内に存在しない誤った結果を多く含んでいたが、新法では粒子マニピュレーションによりミキシング効果を除去することで試料に含まれるウラン同位体組成を正確に取得することに成功した。

論文

Sensitive $$^{236}$$U/$$^{238}$$U isotopic analysis of trace uranium in safeguards environmental samples using multicollector inductively coupled plasma mass spectrometry

富田 純平; 富田 涼平; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; 宮本 ユタカ

Journal of the American Society for Mass Spectrometry, 35(6), p.1178 - 1183, 2024/05

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Biochemical Research Methods)

U-236は原子炉内における中性子照射により生成される人工放射性核種であるため、保障措置上重要な核種の1つである。しかしながら、サブナノグラム程度のウラン量では、$$^{236}$$ U量が少ないため、10$$^{-7}$$レベルの$$^{236}$$U/$$^{238}$$U比を測定することは困難であった。本研究では、これら同位体比の測定を可能にするため、マルチコレクタ型ICP-MSを用いた高感度ウラン同位体比測定法を開発した。まず、測定溶液量を10分の1としシグナル強度を高め、全量をICP-MSに導入する。次に、マルチコレクタによる測定の利点を生かし、空気が混入する試料導入時及び消耗時以外のすべての測定データを使用し、それぞれの同位体の全計数から同位体比を求めた。開発したこの手法をIRMM-184ウラン同位体標準溶液の$$^{236}$$U/$$^{238}$$U比測定に適用した結果、得られた同位体比は、不確かさ($$k$$=2)の範囲内で保証値と一致した。また、本手法を用いることにより、不確かさを従来法よりも10倍改善することができた。

論文

二次イオン質量分析法を利用した保障措置環境試料中のウラン粒子に対する同位体組成分析法の発展と分析技術開発

富田 涼平; 富田 純平; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; 宮本 ユタカ

放射化学, (48), p.1 - 15, 2023/09

二次イオン質量分析法は酸素などのイオンビームを試料に照射することで試料の構成元素から放出されたイオンを質量分析する手法である。この手法は僅かなイオンであっても高感度の計測が可能であり、極微量の元素の同位体比分析に広く用いられる。我々は高分解能を有する二次イオン質量分析装置を用いて、ウランを主とした核物質を含む微小粒子の同位体組成分析技術を開発するとともに、IAEAが原子力施設等の立ち入り査察で採取した試料に含まれるウラン粒子の同位体組成を日本のIAEAネットワーク分析所として分析し、その結果を報告している。本稿では、二次イオン質量分析法の解説と従来型の二次イオン質量分析装置から始まり、現在、主流となっている大型二次イオン質量分析装置が開発されるまでの二次イオン質量分析法を使用した保障措置環境試料中のウラン粒子に対する分析技術の発展について、我々が行った分析技術開発の成果を中心に述べる。

論文

微小核物質粒子の同位体組成分析; 目に見えない小さな粒子から隠した核活動を見つけ出す

宮本 ユタカ; 鈴木 大輔; 富田 涼平; 富田 純平; 安田 健一郎

Isotope News, (786), p.22 - 25, 2023/04

IAEAが核不拡散条約に基づき、IAEAに未申告の原子力活動を探知するための技術としてIAEAが実施している「保障措置環境試料」の分析について、技術的な側面から概要を述べるとともに、国際協力の一環として日本のIAEAネットワーク分析所として活動している原子力機構の分析技術について解説する。特に微小核物質粒子の検知および核物質の同位体組成分析技術に焦点を当てて解説する。

論文

前処理段階における試料の加熱温度とウラン粒子の結晶性、二次イオン発生効率の変化

富田 涼平; 富田 純平; 蓬田 匠; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; 江坂 文孝; 宮本 ユタカ

KEK Proceedings 2022-2, p.108 - 113, 2022/11

ウラン粒子に対するSIMS分析では最初に粒子自動測定(APM)を行う。APMを行うことで試料台上に存在するウラン粒子の個数とその位置や、どの程度の濃縮度であるかを知ることができる。APMは測定範囲350$$mu$$m四方に酸素イオンビームを短時間照射する同位体比測定を座標を移動しながら繰り返すことで試料台全体の様子を網羅していくが、その精度や確度は試料の状態の影響を大きく受ける。そこで、試料の前処理で行っている加熱処理の温度がウラン二次イオンの発生効率やウラン水素化物の生成量、粒子の結晶性等に与える影響を調べ、APMに適した条件を求めた。得られた実験結果を元に試料の状態に応じた粒子分析スキームを作成した。実験により800$$^{circ}$$Cの加熱処理は350$$^{circ}$$Cと比較してウラン二次イオンの検出量が33%まで低下し、ウラン水素化物の生成も4倍となる結果が得られた。ラマン分光分析によって800$$^{circ}$$Cの加熱は結晶性の向上に繋がることがわかったが、二次イオンの発生効率を低下させるような変質が引き起こす悪影響の方が顕著であり、今回の実験では350$$^{circ}$$Cによる加熱が適した加熱条件であるとわかった。

論文

存在度の低いウラン同位体比分析のための模擬核物質粒子の作成

富田 純平; 富田 涼平; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; 宮本 ユタカ

KEK Proceedings 2022-2, p.154 - 158, 2022/11

保障措置環境試料に含まれるウラン粒子中の存在度の低いウラン同位体($$^{233}$$U及び$$^{236}$$)を精密に測定することは、施設の原子力活動を検認するうえで重要である。本研究では、これら存在度の低いウラン同位体の測定技術を開発するために使用するウラン模擬粒子の作成方法を検討した。ウランの代用としたルテチウム溶液を粒子母体である多孔質シリカビーズを効果的に含浸させる方法を検討した。走査型電子顕微鏡で粒子の含浸状態を観察した結果、シリカビーズと溶液をPFA棒で混合するよりも時間をかけて静かに含浸させる方法が含浸粒子を効果的に作成できることが分かった。

論文

高水素化物生成比を示す高濃縮ウラン粒子に対するSIMS-APMの最適化

富田 涼平; 富田 純平; 蓬田 匠; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; 江坂 文孝; 宮本 ユタカ

KEK Proceedings 2021-2, p.146 - 150, 2021/12

大型二次イオン質量分析装置(LG-SIMS)を使用したウラン粒子のスクリーニング測定(APM)は広い測定領域に複数の粒子を収め、測定範囲内に存在する個々の粒子の座標と同位体組成の情報を得る連続測定である。特に高濃縮の粒子を含むAPMではウラン粒子表面の水素化物生成比が高い場合に$$^{236}$$U$測定値$=$$^{235}$$U$$^{1}$$H+$$^{236}$$U$真値$となる影響を受けて$$^{236}$$Uの存在率が見かけ上高くなる。APMでは個々の粒子から得られる二次イオンが少ないため正確な水素化物補正ができず、この影響でウラン全体に対する$$^{235}$$Uの存在率が見かけ上低下する問題が起きる。そこでAPMの測定前に一定時間だけイオンビームを照射することでウラン粒子表面の水素化物生成比の低減を試みた。また、粒子表面を十分にスパッタしやすいマニピュレーション-APM(APM-mani)についても実験を行い、水素化物を効果的に低減できるスクリーニング条件を検討した。

論文

Odd-parity autoionizing levels of uranium observed by two-color two-step photoionization optogalvanic spectroscopy

宮部 昌文; 佐藤 志彦; 若井田 育夫; 寺林 稜平*; Sonnenschein, V.*; 富田 英生*; Zhao, Y.*; 坂本 哲夫*

Journal of Physics B; Atomic, Molecular and Optical Physics, 54(14), p.145003_1 - 145003_8, 2021/07

 被引用回数:2 パーセンタイル:7.66(Optics)

高繰返しチタンサファイアレーザーとウランホローカソードランプを用いて、2色2段階光イオン化光ガルバノ分光法により、ウランの2段階共鳴イオン化スキームの探索を行った。基底状態のウラン原子を1段目のレーザー光で5つの偶パリティ励起準位に遷移させ、2段目のレーザー波長をスキャンすることで多くのイオン化遷移を観察した。1段目のレーザー光を遮断することで、単色・2光子イオン化遷移の同定も行った。これらの結果から、イオン化ポテンシャル(49958.4cm$$^{-1}$$)から51150cm$$^{-1}$$までのエネルギー範囲で、50個以上のウランの奇パリティ自動イオン化準位を見出した。得られた準位エネルギーは、これまでに報告されている値と$$pm$$1cm$$^{-1}$$以内で一致した。これらの結果から、工学院大学や名古屋大学と共同開発している共鳴イオン化スパッタ分析装置を用いた放射性微粒子のウラン分析のための基礎データを取得することができた。

論文

Age determination analysis of a single uranium particle for safeguards

鈴木 大輔; 富田 涼平; 富田 純平; 江坂 文孝; 安田 健一郎; 宮本 ユタカ

Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 328(1), p.103 - 111, 2021/04

 被引用回数:6 パーセンタイル:48.19(Chemistry, Analytical)

保障措置のためのウラン粒子の精製年代分析技術を開発した。ウランの精製年代は、粒子中のウランとトリウムを化学分離したのち、シングルコレクタ型誘導結合プラズマ質量分析計を用いて$$^{230}$$Th/$$^{234}$$U原子個数比を測定することにより得た。粒子中の$$^{230}$$Th及び$$^{234}$$Uの原子個数の定量は、既知量の$$^{233}$$U濃縮同位体標準物質及びその標準物質に$$^{233}$$Uの娘核種として含まれる$$^{229}$$Thをスパイクとして用いて行った。精製年代既知(精製からの経過年: 61年)の二種類の同位体標準物NBL U-850及びU-100のウラン粒子を用いて分析を行ったところ、得られた推定精製年代はそれらの標準物質の参照精製年代と良く一致した結果であった。さらに、単一のU-850ウラン粒子を用いて分析を行った結果、推定精製年代は参照精製年代から-28年$$sim$$2年のずれの範囲内で得ることができた。

口頭

MC-ICP-MS用いた極微量ウラン・プルトニウム同位体比測定における分子イオンによる妨害の定量的評価

富田 純平; 富田 涼平; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; 宮本 ユタカ

no journal, , 

保障措置環境試料や地球化学試料の分析では、極微量のウラン(U)やプルトニウム(Pu)を測定する。ICP-MSによる測定では、測定試料中に不純物元素が多量に存在すると、それらがアルゴンや酸素と結合して測定目的の同位体と同質量の分子イオンを形成し、正確な同位体比測定を妨害する。本研究では、正確な保障措置環境試料分析を目的として、MC-ICP-MSを用いた正確な極微量U及びPu同位体比測定に影響を及ぼす分子イオンの同定及びその影響の定量的評価を行った。U同位体については、質量数233でIr、質量数234, 235及び236でPtによる顕著なスペクトル干渉が確認された。これらは、主に$$^{193}$$Ir$$^{40}$$Ar, $$^{194}$$Pt$$^{40}$$Ar, $$^{195}$$Pt$$^{40}$$Ar及び$$^{196}$$Pt$$^{40}$$Arによると考えられる。仮に1 ppbの天然U(IRMM184, $$^{234}$$U/$$^{238}$$U: 5.31$$times$$10$$^{-5}$$)を含む溶液中にPtが0.4ppb含まれているとすると、分子イオンの妨害により約2倍高い$$^{234}$$U/$$^{238}$$U値になると概算される。一方、Pu同位体については、質量数244でPb($$^{204}$$Pb$$^{40}$$Ar)によるスペクトル干渉が確認されたが、その他の元素に由来する明瞭な干渉は確認されなかった。

口頭

MC-ICP-MSによる高感度ウラン同位体比測定

富田 純平; 富田 涼平; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; 宮本 ユタカ

no journal, , 

保障措置環境試料中のウラン(U)粒子の同位体比を測定することによって同位体濃縮や再処理の有無等の保障措置上重要な情報を読み取ることができる。ピコグラム量のU同位体測定では、$$^{238}$$Uを測定しているファラデーカップからの出力電圧が低くなるため、同位体比を精度よく測定することは困難であった。本研究では、溶液量を0.2mL(従来の10分の1)に調製することでU濃度を高くし、ICP-MSに導入する方法を検討した。少量の溶液全量をMC-ICP-MSに導入するため、試料吸入開始直後から溶液が無くなるまでデータを取得し、得られた同位体のシグナル強度のうち空気混入の影響を除いて同位体比を算出する方法について考察した。CRM U015(U:1, 2, 8pg)及びIRMM184(2, 20pg)を測定した結果、いずれの溶液についても保証値と相対標準偏差の2倍以内で一致した。本手法では、$$^{234}$$U/$$^{238}$$U及び$$^{235}$$U/$$^{238}$$U比を従来よりも小さい相対標準偏差で測定可能となった。

口頭

ウラン標準粒子の作成と二次イオン質量分析法による同位体比分析

富田 涼平; 富田 純平; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; 江坂 文孝; 宮本 ユタカ

no journal, , 

環境試料中に存在する微小ウラン粒子に対する同位体比をマルチコレクター型大型二次イオン質量分析装置(LG-SIMS)で正確に分析するためには、ウラン同位体組成が既知のウラン標準粒子を用いて、感度やマスバイアスの違いなどを補正することが必要である。ウランを含む標準粒子の製造は同位体組成が既知のウラン標準溶液のエアロゾルを乾燥させて得る手法を主として用いている。しかし、霧状のウラン標準溶液から粒子を製造するには特殊な設備が必要であり、容易に製造することができないため、入手可能な標準粒子の同位体組成は限定されてしまう。そこで、ウラン同位体標準溶液を多孔質の微細シリカ粒子に浸透させることで同位体標準粒子と同等の試料を作成する簡便な方法を発案するとともに、LG-SIMSにおける同位体標準粒子として利用することを目指した。得られた含浸シリカ粒子をガラス状炭素の試料台に乗せて、LG-SIMSの二次イオンイメージ機能を用いてウランを含む粒子の位置を特定したのち、ウラン同位体組成を測定した。含侵粒子のウラン同位体組成測定結果は、同位体標準溶液の保証値に対して標準偏差の1$$sigma$$範囲で一致する良好な結果が得られた。このことから、本実験から既存の標準溶液を利用して簡便な方法でウラン同位体の測定標準粒子を作成することが可能となった。

口頭

電子線後方散乱回折による単一ウラン微粒子の化学状態分析

江坂 文孝; 蓬田 匠; 富田 涼平; 宮本 ユタカ

no journal, , 

環境中に存在する個々の微粒子に対してその化学状態を調べることは、その起源や環境への影響を明らかにする上で重要である。しかし、個々の微粒子中に含まれる元素量は少なく、元素組成のみならず化学状態まで明らかにすることは非常に困難である。本研究ではより微小な粒子の分析を目的として、電子線後方散乱回折(EBSD)法を用い、ウラン微粒子の化学状態分析への適用可能性について検討を行った。その結果、直径1$$mu$$m以下の粒子に対しても明瞭な電子線回折パターンを取得することができた。また、UO$$_{2}$$微粒子ではCubic構造、U$$_{3}$$O$$_{8}$$微粒子ではOrthorhombic構造に対応した電子線回折パターンを取得でき、本法により各微粒子の化学状態の違いを区別できることが示された。一方、微粒子の表面は平滑ではないため、測定位置によっては後方散乱電子の検出器への到達が妨げられ、明瞭な電子線回折パターンが取得できないことも明らかとなった。これは、微粒子表面を研磨することなどにより解決できるものと考えられる。

口頭

多孔質シリカを母材とする模擬ウラン粒子の作成とLG-SIMS法による同位体比測定

富田 涼平; 富田 純平; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; 宮本 ユタカ

no journal, , 

ウラン粒子の同位体比を大型二次イオン質量分析装置(LG-SIMS)で測定するには、同位体比が保証されたウラン標準粒子が必要である。我々は、以前に多孔質シリカ粒子に同位体比標準溶液を浸透させる含侵法を考案し、ウランを含む模擬粒子を簡便な方法で作成することを可能にした。本研究では、標準粒子に近い性能を持つ模擬粒子を目標とし、粒子1個あたり数pgのウランを含む模擬粒子の作成を試みた。得られた模擬粒子の同位体比をLG-SIMSによって測定し、模擬粒子の同位体組成の正確さや精度、母材が測定結果へ与える影響を評価した。作成した全ての模擬粒子は$$^{235}$$Uの存在度(atom%)の標準誤差(2$$sigma$$:約0.3%)の範囲で保証値と一致したが、保証値に対して系統的に約0.1%高い値を示した。また、模擬粒子の測定結果から求めた質量差別効果の補正係数はU100粒子から求めた補正係数と不確かさの範囲で一致しなかった。模擬粒子はU100と同等の正確さと精度を示したが、シリカを主成分とする模擬粒子は帯電しやすいといった違いがあり、これらが同位体差別効果を通してLG-SIMS法の測定結果に影響する可能性が示された。

口頭

模擬ウラン粒子を用いたMC-ICP-MSによる単一ウラン粒子同位体比測定法の開発

富田 純平; 富田 涼平; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; 宮本 ユタカ

no journal, , 

単一U粒子の同位体比をPBの影響を最小限に抑えて正確に測定できる技術を開発することを目的に、使用する酸の量や容器を工夫することで、得られる効果やU同位体比測定に及ぼす影響を定量的に評価した。本実験では、U濃縮度10%のU溶液を多孔質シリカ粒子に含浸させて作った模擬U粒子を分析試料とした。底面円錐型容器を使用して溶液を1箇所に集中させることにより酸の使用量を低減したICP-MS測定試料溶液調製法を考案した。この試料調製法によるPBの$$^{238}$$U量は0.2pg、$$^{235}$$U/$$^{238}$$U比は0.0190であった。この同位体比は検出器の校正に用いるNBL CRM U015(0.0155)に近い値であることから、脱溶媒装置に極微量残存しているU015が検出されたものと考えられる。粒子中の$$^{238}$$U量が少ないほど$$^{235}$$U/$$^{238}$$U比が保証値よりも小さくなっており、PBのUに起因する影響が無視できなくなっていた。一方、$$^{238}$$U量が23pg以上の粒子では、$$^{235}$$U/$$^{238}$$U比が標準偏差(2$$sigma$$)の範囲内で保証値と一致し、正確なU同位体比測定が可能であることが明らかとなった。

口頭

マルチコレクター型ICP-MSを用いた保障措置環境試料分析の検討

富田 純平; 富田 涼平; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; 宮本 ユタカ

no journal, , 

日本原子力研究開発機構CLEARでは、マルチコレクター型ICP-MS(MC-ICP-MS)を整備し、存在度の低いU同位体($$^{233}$$U, $$^{234}$$U, $$^{236}$$U)やPu同位体($$^{241}$$Pu)を含む極微量U及びPuの精密な同位体比測定技術の整備に着手した。NBL CRM U015(U: 1ppb)及び$$^{236}$$Uの存在度が無視できるほどに低いU0002(U: 10ppb)標準溶液を用いて、$$^{238}$$Uや$$^{235}$$Uのピークのテーリングや水素化物による影響評価試験を実施した。U0002溶液のピーク強度測定から、$$^{238}$$Uピーク強度の10$$^{8}$$分の1がテーリングとして$$^{236}$$Uピーク強度に影響することがわかった。また、測定精度を評価するために、U015標準溶液(U: 1ppb)を用いて、5回, 10回及び20回の繰返し測定を行った時の相対標準偏差をそれぞれ調べた。一元配置分散分析を行った結果、$$^{234}$$U/$$^{238}$$U, $$^{235}$$U/$$^{238}$$U及び$$^{236}$$U/$$^{238}$$U比の相対標準偏差の平均値に、繰返し測定回数の違いによる有意な差は見られなかった。

口頭

模擬プルトニウム粒子作成技術の開発

富田 純平; 富田 涼平; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; 宮本 ユタカ

no journal, , 

保障措置環境試料に付着する核物質粒子を一粒毎に同位体測定することで、原子力活動情報をより詳細に知ることができる。本研究では、微小単粒子のPu同位体組成分析法を確立するために、多孔質シリカビーズに同位体比既知のPu溶液を含浸させ、分析法の検討に使用できうる模擬Pu粒子の作成を試みた。走査型電子顕微鏡画像とEDS分析の結果、多孔質シリカビーズにPuの存在が確認でき、模擬Pu粒子の作成に成功した。作成した粒子を一粒毎に溶解し、マルチコレクタ型ICP-MSで測定した結果、$$^{240}$$Pu/$$^{239}$$Pu比は保証値と標準偏差(2$$sigma$$)の範囲内で一致した。

口頭

ウラン含浸粒子のSIMS分析時に生じる帯電の解消と同位体比分析への影響

富田 涼平; 富田 純平; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; 宮本 ユタカ

no journal, , 

これまでに同位体比標準溶液を多孔質シリカ粒子に含浸させる手法(含浸法)の開発に成功し、従来法よりも簡便に様々な組成の粒子が作成可能になった。しかし、この方法で作成した含浸粒子はSIMS法による分析で正の酸素イオン(O$$_{2}$$$$^{+}$$)を一次イオンとして照射すると帯電し、ウラン同位体比測定が困難になる課題があった。そこで、この含浸粒子の帯電を解消し、正確にウラン同位体比を測定できる手法の確立を試みた。その結果、負の酸素イオン(O$$^{-}$$)を一次イオンとして照射することで含浸粒子の帯電を解消し、保証値に対する偏りが0.01%以内の正確なウラン同位体比の測定値を得ることに成功した。

口頭

保障措置分析化学研究グループの概要と研究成果

富田 涼平; 富田 純平; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; 宮本 ユタカ

no journal, , 

環境サンプリング法は隠された原子力活動を検知する方法として1996年からIAEAの保障措置に導入された。日本原子力研究開発機構の保障措置分析化学研究グループは分析能力の認定を受けたIAEAのネットワーク分析所のひとつとして、IAEAが環境サンプリング法で採取した試料の分析を実施している。本発表では研究グループの概要とともに、近年の研究成果として簡便に作業標準粒子を作成する技術開発や、この手法で作成した粒子を大型二次イオン質量分析装置で正確に測定する手法について紹介する。

口頭

超極微量プルトニウムとウランの同位体組成分析技術の開発

安田 健一郎; 鈴木 大輔; 富田 純平; 富田 涼平; 宮本 ユタカ

no journal, , 

粒子の形状が観察できないほど極微小なプルトニウムやウラン及びプルトニウムが混在している粒子の、ウランやプルトニウムの同位体比を効率的に測定する手法の開発がIAEAの行う保障措置活動において求められている。本研究グループではそのニーズに対応するため、両元素の存在を視覚的に判別するトラック法に基づく手法と、同位体組成の分析中に粒子の加熱温度を変えることで化学分離を用いることなく表面電離型質量分析法(TIMS法)によって同位体組成を高精度に分析する連続加熱昇温法を開発した。トラック法において、それぞれの元素に対して特徴的に反応する検出材を使うことで、粒子がどの元素を含んでいるのかを視覚的に判別するだけでなく、1つの粒子を検出・採取し測定時に元素分離することで、効率的かつ手軽に両元素の同時分析を可能にした。本発表では、開発した技術の概要とそれに基づく測定の例を報告する。

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