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松本 貴裕*; 杉本 秀彦*; 大原 高志; 徳光 昭夫*; 冨田 誠*; 池田 進*
Physical Review B, 103(24), p.245401_1 - 245401_9, 2021/06
被引用回数:1 パーセンタイル:5.86(Materials Science, Multidisciplinary)We investigate the quantum entangled state of two protons terminating on a silicon surface. The entangled states were detected using the surface vibrational dynamics of nanocrystalline silicon with inelastic neutron scattering spectroscopy. The protons are identical, therefore the harmonic oscillator parity constrains the spin degrees of freedom, forming strongly entangled states for all the energy levels of surface vibrations. Compared to the proton entanglement previously observed in hydrogen molecules, this entanglement is characterized by an enormous energy difference of 113 meV between the spin singlet ground state and the spin triplet excited state. We theoretically demonstrate the cascade transition of terahertz entangled photon pairs utilizing proton entanglement.
鈴木 慎太郎*; 田久保 耕*; 久我 健太郎*; 髭本 亘; 伊藤 孝; 冨田 崇弘*; 志村 恭通*; 松本 洋介*; Bareille, C.*; 和達 大樹*; et al.
Physical Review Research (Internet), 3(2), p.023140_1 - 023140_12, 2021/05
本論文では常圧において転移温度が20Kに達するYb化合物の発見について報告している。価数揺動物質-YbAlBのAlサイトをMnに置換することで、反強磁性転移温度が極めて高くなるだけでなく、重い電子状態から近藤半導体に近い抵抗の大きな金属状態へと変わることが見出された。
栗原 モモ*; 保高 徹生*; 青野 辰雄*; 芦川 信雄*; 海老名 裕之*; 飯島 健*; 石丸 圭*; 金井 羅門*; 苅部 甚一*; 近内 弥恵*; et al.
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 322(2), p.477 - 485, 2019/11
被引用回数:4 パーセンタイル:37.41(Chemistry, Analytical)福島県の淡水に含まれる低レベル溶存態放射性セシウム濃度の測定に関する繰り返し精度と再現精度を評価した。21の実験施設が5つの異なる前濃縮法(プルシアンブルー含浸フィルターカートリッジ,リンモリブデン酸アンモニウム共沈,蒸発,固相抽出ディスク、およびイオン交換樹脂カラム)によって10L試料3検体を前濃縮し、放射性セシウム濃度を測定した。全Cs濃度測定結果のzスコアは2以内で、手法間の誤差は小さいことが示された。一方で、各実験施設内の相対標準偏差に比べて、施設間の相対標準偏差は大きかった。
出来 真斗*; 岡 知輝*; 高吉 翔大*; 直井 美貴*; 牧野 高紘; 大島 武; 富田 卓朗*
Materials Science Forum, 778-780, p.661 - 664, 2014/02
被引用回数:2 パーセンタイル:71.45(Crystallography)炭化ケイ素(SiC)基板へフェムト秒レーザー照射を行うと、SiCの比抵抗が5桁程度低下することが知られている。本研究ではフェムト秒レーザーを照射したSiCの電気伝導機構に関する知見を得るため、フェムト秒レーザー照射部における抵抗値の温度依存性を測定し、照射部の活性化エネルギーを求めた。試料は半絶縁性SiCであり、基板上に1mmの間隔を設けて蒸着した2つのアルミニウム電極の間へフェムト秒レーザーを照射した。照射条件は、照射エネルギー密度21J/cm、レーザー走査速度100m/secとした。フェムト秒レーザー照射後、測定温度122473Kにおいて電極間の抵抗値の温度依存性を測定した。その結果、伝導体の下端からそれぞれ8.3および86meVにおいてエネルギー準位が存在することがわかった。以上のことより、照射エネルギー密度21J/cmの室温における抵抗値の低下は、8.3meVの活性化エネルギーを持つ順位に起因していると考えられる。
出来 真斗*; 牧野 高紘; 児島 一聡*; 富田 卓朗*; 大島 武
Materials Science Forum, 778-780, p.440 - 443, 2014/02
被引用回数:3 パーセンタイル:81.21(Crystallography)炭化ケイ素(4H-SiC)半導体を用いて作製した金属-酸化膜-半導体(Metal Oxide Semiconductor: MOS)キャパシタにおける高エネルギー重イオンに対する信頼性について検討した。実験は、蓄積方向に直流電界を印加した4H-SiC MOSキャパシタへ重イオンを照射し、酸化膜の絶縁破壊電界(Ecr)を測定した。重イオンのLET(Linear Energy Transfer: LET)を変えた照射を行うことでEcrのLET依存性の実測に成功し、Ecrは照射重イオンのLETに反比例する結果が得られた。この実験結果と、既に報告されているシリコン(Si)MOSキャパシタにおけるEcrのLET依存性とを比較した結果、Siと比較してSiC MOSキャパシタの方がEcrが大きく絶縁破壊耐性が高いことが明かになった。
大島 武; 出来 真斗; 牧野 高紘; 岩本 直也; 小野田 忍; 平尾 敏雄*; 児島 一聡*; 富田 卓朗*; 松尾 繁樹*; 橋本 修一*
AIP Conference Proceedings 1525, p.654 - 658, 2013/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Applied)炭化ケイ素(SiC)半導体デバイスのシングルイベント現象(SEGR)を把握するため、SiCエピタキシャル膜に金属-酸化膜-半導体キャパシタ(MOS)を作製し、イオン入射によりMOSキャパシタの酸化膜から検出される漏れ電流を調べた。n型六方晶(4H)SiCエピタキシャル基板上に1100C、60分間の水素燃焼酸化を行うことで6080nmのゲート酸化膜を形成し、Al金属蒸着によりMOSキャパシタを作製した。作製したMOSキャパシタのゲート電極に電圧を印加した状態で、18MeVの酸素(O)又はニッケル(Ni)イオンを照射し、照射中にゲート酸化膜から検出される漏れ電流を測定した。その結果、18MeV-Oイオン照射の場合、未照射試料でのゲート酸化膜絶縁破壊電界8.2MV/cmまで漏れ電流の急激な変化はないが、18MeV-Niイオンでは7.3MeV/cmの電界強度で漏れ電流の急激な上昇が観測されSEGRが発生することが明らかとなった。18MeV-Oの線エネルギー付与(LET)が7MeVcm/mgであるのに対し、Niは24MeVcm/mgであることから、Niの場合、Oに比べ高密度のエネルギーが付与されSEGRに至ったと結論できる。
出来 真斗; 牧野 高紘; 富田 卓朗*; 橋本 修一*; 児島 一聡*; 大島 武
Proceedings of 10th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Applications (RASEDA-10) (Internet), p.78 - 81, 2012/12
炭化ケイ素(SiC)金属-酸化膜-半導体(MOS)キャパシタへ電圧を印加した状態で重イオンを照射し、ゲート酸化膜の絶縁破壊電界(E)と入射イオンのエネルギー付与(Linear Energy Transfer: LET)との関係を調べた。n型六方晶(4H)SiC MOSキャパシタへ、9MeVのニッケル(Ni)、18MeVのNi、322MeVのクリプトン(Kr)及び454MeVのキセノン(Xe)を照射した。それぞれのイオンのLETは、14.6, 23.8, 42.2及び73.2MeVcm/mgである。その結果、LETの増加に伴うEの低下が確認され、Eの逆数とLETには直線関係があることが見いだされた。この直線関係はシリコン(Si)MOSデバイスにおいても報告されているが、SiCの場合は半導体内部で1個の電子正孔対を生成するエネルギーがSiと比較して大きいことから、Siに比べ傾きがなだらかとなることが判明した。
上田 良夫*; 大宅 薫*; 芦川 直子*; 伊藤 篤史*; 小野 忠良*; 加藤 太治*; 川島 寿人; 河村 学思*; 剣持 貴弘*; 斎藤 誠紀*; et al.
プラズマ・核融合学会誌, 88(9), p.484 - 502, 2012/09
特定領域科研費「核融合炉実現を目指したトリチウム研究の新展開」のレビューのうち第3章4節を執筆した。JT-60Uの30秒Hモード放電では外側ダイバータ板からの炭化水素の発生量が多いときに容器内に残留する水素量が増加することを示した。さらに外側ダイバータ板から発生した炭化水素がプラズマ中でどのような経路を輸送されるのかを調べるため、人為的に外側ダイバータからCHを注入する実験を行い、実験後にダイバータ・タイルを取り出しタイル上の堆積物を同定した。その結果、注入口のほぼ正面の内側ダイバータ・タイル上にCが多量のHとともに検出された。この結果は、磁力線を横切った輸送が支配的であること、及びCとHが結合した形態で輸送された可能性が高いことを示しており、これらから中性の炭化水素、すなわちCH, x=14の形態で外側ダイバータから内側ダイバータまで輸送されたと解釈される。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Armendariz, R.*; et al.
Physical Review C, 83(6), p.064903_1 - 064903_29, 2011/06
被引用回数:189 パーセンタイル:99.42(Physics, Nuclear)200GeVと62.4GeVでの陽子陽子の中心衝突からのの横運動量分布及び収量をRHICのPHENIX実験によって測定した。それぞれエネルギーでの逆スロープパラメーター、平均横運動量及び単位rapidityあたりの収量を求め、異なるエネルギーでの他の測定結果と比較する。またやスケーリングのようなスケーリングについて示して陽子陽子衝突における粒子生成メカニズムについて議論する。さらに測定したスペクトルを二次の摂動QCDの計算と比較する。
伊藤 拓人*; 出来 真斗; 富田 卓朗*; 松尾 繁樹*; 橋本 修一*; 北田 貴弘*; 井須 俊郎*; 小野田 忍; 大島 武
Proceedings of 12th International Symposium on Laser Precision Microfabrication (LPM 2011) (Internet), 5 Pages, 2011/06
The polarization dependence of local electric conductivity in Silicon carbide (SiC) modified by femtosecond laser (fs-laser) was studied. The surface of SiC was irradiated by fs-laser with the different polarization configurations. In the case that the scanning direction is parallel to the electric field, the local electric conductivity drastically increases with increasing fs-laser fluence. On the other hand, in the case that the scanning direction is perpendicular to electric field, the local electric conductivity slightly increase with increasing fluence. According to Raman spectroscopy and secondary electron microscope observation, we found that the amorphous-Si, -C, -SiC are created for parallel irradiation, but the amorphous-SiC is created for perpendicular irradiation. Therefore, we suggests that the polarization dependence of local electric conductivity is due to the chemical composition of laser modified region.
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Aramaki, Y.*; et al.
Physical Review C, 83(4), p.044912_1 - 044912_16, 2011/04
被引用回数:9 パーセンタイル:52.33(Physics, Nuclear)重いフレーバーのメソンの崩壊からの電子の測定は、このメソンの収量が金金衝突では陽子陽子に比べて抑制されていることを示している。われわれはこの研究をさらに進めて二つの粒子の相関、つまり重いフレーバーメソンの崩壊からの電子と、もう一つの重いフレーバーメソンあるいはジェットの破片からの荷電ハドロン、の相関を調べた。この測定は重いクォークとクォークグルオン物質の相互作用についてのより詳しい情報を与えるものである。われわれは特に金金衝突では陽子陽子に比べて反対側のジェットの形と収量が変化していることを見いだした。
出来 真斗; 伊藤 拓人*; 山本 稔*; 富田 卓朗*; 松尾 繁樹*; 橋本 修一*; 北田 貴弘*; 井須 俊郎*; 小野田 忍; 大島 武
Applied Physics Letters, 98(13), p.133104_1 - 133104_3, 2011/03
被引用回数:13 パーセンタイル:48.42(Physics, Applied)Enhancement of local electric conductivity in Silicon Carbide (SiC) induced by irradiation of femtosecond laser was studied. Current-voltage characteristics of the laser-modified regions were measured. As a result, it was found that the conductivity increases with increase in the fluence, and the conductivity sharply increases in the fluence range from 5.0 to 6.7 J/cm. The conductivity of modified region at the irradiation fluence of 53 J/cm is six orders of magnitude higher than the non irradiated one. From the current-voltage characteristics and the scanning electron microscope observations, we conclude that the drastic change in electrical conductivity is assumed to be associated with the phase transition induced by femtosecond laser.
出来 真斗; 伊藤 拓人*; 富田 卓朗*; 松尾 繁樹*; 橋本 修一*; 北田 貴弘*; 井須 俊郎*; 小野田 忍; 大島 武
Proceedings of 9th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Applications (RASEDA-9), p.218 - 221, 2010/10
Femtosecond laser exhibits extremely high peak intensity and short pulse duration, and can process inside transparent materials without damaging the surface of sample. In this study, the local electrical conductivity in Silicon Carbide (SiC) is evaluated. As a result of femtosecond laser irradiation with various irradiation fluences, the drastic change of electrical conductivity is observed in resistivity ranges from 10 to 10 . It is found that the local conductivity strongly depends on the fluence. We suggest that the local conductivity is attributed to the phase transition. From the surface observations by Secondary Electron Microscopy (SEM), we conclude that the formation of the classical laser-induced periodic structures causes the sudden increase in the electrical conductivities.
富田 卓朗*; 岩見 勝弘*; 山本 稔*; 出来 真斗*; 松尾 繁樹*; 橋本 修一*; 中川 圭*; 北田 貴弘*; 井須 俊郎*; 齋藤 伸吾*; et al.
Materials Science Forum, 645-648, p.239 - 242, 2010/04
フェムト秒レーザーを用いて炭化ケイ素(SiC)の改質を試みた。フーリエ変換赤外分光法(FTIR)法を用いて改質領域を調べた結果、残留線バンドの強度が減少し、この現象が結晶性の劣化によるものと説明できた。また、残留線バンドが偏波依存性を有することがわかり、この特性を活かすことで赤外領域で動作する光学素子への応用が期待できる。電流電圧特性測定とホール係数測定の結果、改質後の電気伝導度が改質前に比べて4桁以上も大きい5.910mになることがわかり、フェムト秒レーザーによりSiCの電気特性を改質できることを明らかにした。
大宅 薫*; 井内 健介*; 清水 勝宏; 滝塚 知典; 川島 寿人; 星野 一生; 畑山 明聖*; 藤間 光徳*; 冨田 幸博*; 河村 学思*; et al.
プラズマ・核融合学会誌, 85(10), p.695 - 703, 2009/10
平成19年度より採択された文部科学省科学研究費特定領域「核融合炉実現を目指したトリチウム研究の新展開」の中の6研究項目の一つである「核融合炉のトリチウム蓄積・排出評価のための理論及びシミュレーションコードの開発」に関して、研究目的,研究開発の現状及び今後の課題について述べる。特に、(1)炉内プラズマ中のトリチウム輸送と対向壁への蓄積と放出,(2)ダスト粒子の炉内プラズマ中の挙動とトリチウム蓄積,(3)プラズマ対向材料のトリチウム蓄積と放出にかかわるモデル構築,コード開発及びシミュレーションの現状を紹介する。
出来 真斗*; 牧野 高紘; 富田 卓朗*; 児島 一聡*; 大島 武
no journal, ,
横型炭化ケイ素(4H-SiC)金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)について、ソース-ドレイン間のバイアス(V)を固定した状態でゲート電極へ蓄積方向に直流電界を印加しながら重イオンを照射し、ゲート酸化膜の絶縁破壊電界(E)を測定した。Eの重イオンがSiCへ与えるエネルギー(LET)依存性およびEのV依存性について調べた。その結果、Ni-18MeVを照射したSiC-MOSFETのEは、未照射のEと比較し低下することが分かった。この結果は、我々がこれまでに報告しているSiC-MOSキャパシタにおける結果と一致する。さらに、EにV依存性は無いことが明らかになった。これは、イオン照射により発生した電荷がソース-ドレイン間の電界によってゲート酸化膜界面に収集されず、ドレイン領域へ収集されたためであると考えられる。
出来 真斗*; 伊藤 拓人*; 山本 稔*; 富田 卓朗*; 松尾 繁樹*; 橋本 修一*; 北田 貴弘*; 井須 俊郎*; 小野田 忍; 大島 武
no journal, ,
フェムト秒レーザーを炭化ケイ素(SiC)基板に照射することでSiCの電気伝導特性制御を試みた。実験は、フェムト秒レーザーを半絶縁性六方晶(6H)-SiC基板のSi面に照射し、未照射領域及び照射領域における電流電圧特性を比較した。その結果、未照射領域においては印加電圧+10Vにおける電流値が数pA程度であったのに対し、照射領域においては最大で数百nA程度となり5桁以上も電気伝導特性が変化することが明らかとなり、フェムト秒レーザーによりSiCの電気特性を改質できることを明らかにした。
柳田 栄造*; 近藤 健太*; 坂東 洋太*; 出来 真斗*; 牧野 高紘; 大島 武; 小野田 忍; 直井 美貴*; 富田 卓朗*
no journal, ,
これまでに、閾値エネルギー密度を超えるフェムト秒レーザーをSiC基板へ照射すると、室温において比抵抗が急激に低下することを明らかにしている。また、その比抵抗の温度依存性は不純物の活性化エネルギーED1, ED2の二成分で表すことができるモデルを示している。今回、不純物活性化エネルギーの照射レーザーエネルギー密度依存性を求めた。その結果、照射フルエンス5.8J/cm以下では、50meV程度のED1および150200meVのED2が得られた。一方、照射フルエンス8.7J/cm以上ではED2が消失し、新たに数meVのED2'が得られた。ED2'に起因する電気伝導度も照射フルエンスの増加に伴い増加する傾向を示しており、ED2'といった新たな不純物の増加がフェムト秒レーザー照射領域におけるキャリアを大きく増加させ、急激な比抵抗の低下に寄与していると結論できた。
出来 真斗; 伊藤 拓人*; 富田 卓朗*; 松尾 繁樹*; 橋本 修一*; 北田 貴弘*; 井須 俊郎*; 小野田 忍; 大島 武
no journal, ,
ワイドバンドギャップ半導体であるシリコンカーバイド(SiC)に、透明材料の内部加工が可能なフェムト秒レーザーを照射し、SiCの局所電気特性制御を試みた。フェムト秒パルスレーザーの照射フルエンスを1.5J/cmとしたときは、10Aオーダーの微小電流しか流れないが、照射フルエンスを5.0J/cmまで上昇させると、3桁以上も電流値が増加した。実験結果をまとめると、照射フルエンスが1.0から3.3J/cmにおいては、電流値の大きな変化は確認されなかったが、約5.0J/cmから電流値は急激に増加し、最終的におよそ10Aオーダーの電流が流れ、6から7桁も電気伝導度が変化した。5.0J/cmにおける急激な電流値の変化は、閾値フルエンスを超えた領域に発生するSiCの相転移に起因する現象であると考えられる。
伊藤 拓人*; 出来 真斗; 富田 卓朗*; 松尾 繁樹*; 橋本 修一*; 北田 貴弘*; 井須 俊郎*; 小野田 忍; 大島 武
no journal, ,
ワイドバンドギャップ半導体であるSiC(Silicon Carbide)に、透明材料の内部加工が可能なフェムト秒レーザーを照射し、SiCの局所電気特性制御を試みた。フェムト秒レーザー照射では、電場がレーザー走査方向に対して平行及び垂直となるように偏光方向を調整した。レーザー照射後に電気特性を測定した結果、電場とレーザー走査方向が平行な場合、印加電圧+0.1Vにおける電流値は550fAであった。一方、垂直な場合、印加電圧+0.1Vにおける電流値は130nAであった。このように、偏光方向が変わると電流値に6桁程度の差が生じ、電場とレーザー走査方向が垂直な場合に限り、急激な電気伝導度の変化が得られることが明らかとなった。