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論文

Uncertainty analysis of the inverse LASSO estimation scheme on radioactive source distributions inside reactor building rooms from air does rate measurements

Shi, W.*; 町田 昌彦; 山田 進; 岡本 孝司

Progress in Nuclear Energy, 184, p.105710_1 - 105710_10, 2025/06

 被引用回数:0

最近、原子炉建屋内の少ない観測点で測定された空間線量値から放射線源分布を逆推定する方法としてLASSO(Least Absolute Shrinkage and Selection Operator)が提案された。しかし、空間線量値を測定する際には誤差が含まれるが、この誤差が逆推定結果の精度にどのように影響するかは解析されていなかった。そこで本論文では、LASSOに対する不確実性解析を行い、Candesの理論に基づく不確実性推定関数を提案した。実際に、モンテカルロ法の1つであるParticle and Heavy Ion Transport code System (PHITS)を使用して得られた不確実性を持つ数値を入力値として用いたテスト計算を実施し、計算結果の誤差が提案された推定関数に従うことを示した。これにより、LASSOは推定された不確実性の範囲内で放射線源分布を求めることができる方法であることが確認できた。

論文

Selection method for observation points using Bayesian LASSO at estimating radiation source distribution from air dose rates

山田 進; 町田 昌彦; 谷村 直樹*

EPJ Web of Conferences, 302, p.16004_1 - 16004_10, 2024/10

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Computer Science, Interdisciplinary Applications)

原子炉建屋の廃炉を安全に行うためには、放射線源の分布を知ることが重要である。適切な位置で観測された空間線量値が用意できれば、LASSOを用いることで線源の分布を推定できることが報告されている。しかしながら、事前に適切な観測点の位置を知ることは難しい。そこで、LASSOによって推定した線源分布の事前分布からベイジアンLASSOを用いて事後分布を求め、その事後分布から追加する観測点の候補位置における空間線量値の予測分布を評価し、この予測分布の分散に基づいて追加する観測点位置を決定する方法を提案した。この方法を用いることで、多くのケースにおいて、ランダムで観測点を追加するよりも少ない観測点の追加で線源を推定できることが確認できた。

論文

1F廃炉に向けた放射線源逆推定及び線源対策に係るデジタル技術の研究開発; 3D-ADRES-Indoor FrontEnd: 廃炉現場で用いるファストデジタルツイン技術

町田 昌彦; 山田 進; Kim, M.; 田中 伶詞*; 飛田 康弘*; 岩田 亜矢子*; 青木 勇斗; 青木 和久; 柳澤 憲一*; 山口 隆司; et al.

RIST News, (70), p.3 - 22, 2024/09

福島第一原子力発電所(1F)建屋内には、原子炉内から漏洩した放射性物質の汚染により高い放射線量を示す地点が多数存在し、廃炉作業を円滑に進める上での大きな障害となっている。日本原子力研究開発機構(JAEA)は、この課題解決に貢献するため、経済産業省の廃炉・汚染水対策事業費補助金「原子炉建屋内の環境改善のための技術開発(被ばく低減のための環境・線源分布のデジタル化技術の高機能化開発)」を受託し、令和(R)5年度4月より、廃炉屋内の放射線環境改善に係るデジタル技術の研究開発事業を進めている。本事業では、前期事業(R3$$sim$$4年度実施)にて開発した3 D-ADRES-Indoor(プロトタイプ)を発展させ、現場で活用可能な高速デジタルツイン技術より成るFrontEnd、1F新事務本館等の居室で詳細解析を行うPro、そして、収集したデータ及び解析したデータを集中管理するデータベースの役割を果たすBackEndの3つの連携システムの開発を目標としている。本報告では、この3つの連携システムの中でも現場で活用するシステムとして、点群測定後、迅速に3Dメッシュモデルを作成し、線量率の計測結果から線源を逆推定し、その推定線源の位置や強度を更に高精度化する計算技術(再観測指示と再逆推定)を有するFrontEndを中心に、その開発状況について報告し、その検証結果として5号機での試験結果を示す。また、簡単に当該事業の今後の研究開発の計画も報告する。

論文

Effectiveness of fused LASSO for prediction of distribution of radioactive materials in reactor buildings

山田 進; 吉田 亨*; 長谷川 幸弘*; 町田 昌彦

Proceedings of Waste Management Symposia 2024 (WM2024) (Internet), 15 Pages, 2024/03

原子炉建屋の廃炉を安全に行うためには、放射線源分布の位置を特定することが非常に重要になる。これまでにも、同じ形状のセルで表現されているモデルに対して、LASSOを用いることで観測した空間線量から線源分布を推定できることが報告されている。さらに、セルが同じ形状でない場合でも、隣接セル間の濃度差を考慮した評価関数をfused LASSOを用いて最小化することで分布の推定ができる。しかし、モデルの構造データの精度の関係で、あるセル群が周囲のセル群と接していないとみなされている場合、そのようなセル群において推定される線源濃度が非常に高くなることかある。この問題を避けるため、新しい評価関数を提案し、テスト問題でその有効性を確認した。さらに、この提案した評価関数を用いることで、原子力機構のJMTRのプールカナル循環系機器室の線源分布をこれまでよりも正確に推定することに成功した。

論文

福島第一原発港湾から流出した放射性ストロンチウム$$^{90}$$Sr($$^{89}$$Sr)量の経時変化の推定; 原発事故から2022年3月までの流出量変化の分析と福島沿岸および沖合への環境影響評価

町田 昌彦; 岩田 亜矢子; 山田 進; 乙坂 重嘉*; 小林 卓也; 船坂 英之*; 森田 貴己*

日本原子力学会和文論文誌(インターネット), 22(4), p.119 - 139, 2023/11

本論文では、2013年6月から2022年3月までの福島第一原子力発電所(1F)港湾からの$$^{90}$$Srの月間流出量を、港湾内の$$^{90}$$Srのモニタリング結果からボロノイ分割法を使用して推定した。その結果、2015年の海側遮水壁閉合が、流出量の削減に最も効果的であったことがわかった。また、福島沿岸および沖合のバックグラウンドレベルから放射能濃度の上昇を観察するために必要な月間流出量を推定し、事故後の流出量の変遷と沿岸および沖合での放射能濃度の変化について議論した。これらの結果は、1Fに蓄積された処理水の今後の放流計画に対する環境影響を考慮する上で重要と考えられる。

論文

1F廃炉に向けた放射線源逆推定及び線源対策に係るデジタル技術の研究開発; 3D-ADRES-Indoor:デジタル技術を集約するプラットフォームの現状紹介

町田 昌彦; 山田 進; Kim, M.; 奥村 雅彦; 宮村 浩子; 志風 義明; 佐藤 朋樹*; 沼田 良明*; 飛田 康弘*; 山口 隆司; et al.

RIST News, (69), p.2 - 18, 2023/09

福島第一原子力発電所(1F)建屋内には、原子炉内から漏洩した放射性物質の汚染により高い放射線量を示す地点が多数存在し、廃炉作業を円滑に進める上での大きな障害の一つとなっている。この課題解決に資するため、日本原子力研究開発機構(JAEA)は、経済産業省の廃炉・汚染水対策事業費補助金「原子炉建屋内の環境改善のための技術の開発(被ばく低減のための環境・線源分布のデジタル化技術の開発)」を受託し、令和3年度より2年間に渡り、放射線源の逆推定と推定線源に対する対策を仮想空間で実施可能とするためのデジタル技術の研究開発を実施してきた。本記事では、上記プロジェクトの成果(以下、前期プロジェクトと呼び、その2年間の研究開発の成果)を紹介する他、令和5年度4月より、新たに開始した継続プロジェクト(以下、後期プロジェクトと呼ぶ)の計画についても報告する。前期プロジェクトにて当初予定していた機械学習技術(LASSO)については、建屋内の複雑な構造情報と汚染源の性質を反映した一つの派生版手法へと結実させた成果を報告する他、実際の原子炉施設での検証結果を示す。更に、開発技術を集約したプラットフォームとしての機能を持つソフトウエア:3D-ADRES-Indoorを紹介し、継続して実施する予定の後期プロジェクトの研究開発計画も紹介する。

論文

Inverse estimation scheme of radioactive source distributions inside building rooms based on monitoring air dose rates using LASSO; Theory and demonstration

Shi, W.*; 町田 昌彦; 山田 進; 吉田 亨*; 長谷川 幸弘*; 岡本 孝司*

Progress in Nuclear Energy, 162, p.104792_1 - 104792_19, 2023/08

 被引用回数:3 パーセンタイル:46.61(Nuclear Science & Technology)

空間線量率のモニタリングに基づいて原子炉建屋内の放射源分布を予測することは、原子力発電所の廃止措置に向けた最も重要なステップの一つである。しかし、この問題は、一般には数学的には計算を行うには条件が足りない不良設定問題になり、解くことが困難である。そこで、このような不良設定問題でも線源分布の逆推定を成功させるために、損失関数$$||CP-Q||_2^2+lambda ||P||_1$$を最小化する機械学習手法であるLASSOの有効性を調査する。ここで、$$P$$および$$Q$$はそれぞれ建屋の表面メッシュ上で定義された放射線源により構成されたベクトルおよび室内で観測された空間線量で構成されたベクトルである。また、$$C$$はPHITSを用いて計算された建屋の表面メッシュと観測点の寄与率で構成される行列である。CandesとTaoの理論に基づき、線源分布を正しく予測するための観測点の個数に関する条件を数学的に見出し、実際に、LASSOでは、観測点数がこの条件を満たす限り、実際に高い可能性で線源の分布を示すことができることを確認した。さらに、検出点数が基準値より少ない場合でも、線源分布の一部が示されることを見出した。さらに、現実的な実験モデルにおいても、放射線源が逆推定できることを確認する。最後に、逆推定における予測可能性を高めるために、観測点と線源間の距離のような影響因子を調査する。以上の実証結果から、LASSOスキームは福島第一原子力発電所のような損傷した原子力発電所で見られるホットスポットを探索するのに非常に有用な方法であることを示す。

論文

Simulation study on $$^{3}$$H behavior in the Fukushima coastal region; Comparison of influences of discharges from the Fukushima Daiichi and rivers

佐久間 一幸; 山田 進; 町田 昌彦; 操上 広志; 御園生 敏治; 中西 貴宏; 飯島 和毅

Marine Pollution Bulletin, 192, p.115054_1 - 115054_10, 2023/07

 被引用回数:4 パーセンタイル:63.02(Environmental Sciences)

This article reports the $$^{3}$$H behavior in the Fukushima coastal region, considering the effects of FDNPP discharge and riverine $$^{3}$$H inputs. The simulation results showed that discharges from the port of Fukushima Daiichi dominantly affected the $$^{3}$$H concentrations in monitoring points within approximately 1 km. Moreover, the results indicate that the effect of riverine $$^{3}$$H discharge was limited around the river mouth under base flow conditions. However, its impact on the Fukushima coastal regions under storm flow conditions was found, and the $$^{3}$$H concentrations in seawater in the Fukushima coastal region were formed around 0.1 Bq/L (mean $$^{3}$$H concentrations in seawater in the Fukushima coastal region) in the near shore.

論文

シルトフェンスによる懸濁粒子の水底堆積促進効果; シミュレーションによる矩形開水路での放射性物質の拡散抑制評価

山田 進; 町田 昌彦; 有川 太郎*

日本原子力学会和文論文誌(インターネット), 22(2), p.73 - 86, 2023/06

本論文では、水路等に設置したたわみのあるシルトフェンスによる放射性物質の付着した懸濁態の拡散抑制効果について計算機シミュレーションにより評価した結果を報告する。本研究では、シルトフェンスが設置された水路内の流れ場を求めるために、シルトフェンスの変形と流れ場の連成シミュレーションを実施し、計算で得られた流れ場内での懸濁態の振る舞いを評価した。その結果、シルトフェンスを設置することで、粒径が小さく沈降速度の遅い懸濁態の堆積が促進できることを見出した。

論文

LASSO reconstruction scheme for radioactive source distributions inside reactor building rooms with spectral information and multi-radionuclide contaminated situations

Shi, W.*; 町田 昌彦; 山田 進; 吉田 亨*; 長谷川 幸弘*; 岡本 孝司*

Annals of Nuclear Energy, 184, p.109686_1 - 109686_12, 2023/05

 被引用回数:5 パーセンタイル:62.75(Nuclear Science & Technology)

Clarification of radioactive source distributions is one of the most important steps in initial decommissioning of not only normally shutdown reactors but also damaged ones by accidents like Fukushima Daiichi Nuclear Power Plants (FDNPP). Generally, since radioactive hot spots are restricted into specific areas in normal operating conditions, the clarification scheme can be mapped onto the inverse estimation in sparse source distributions. On the other hand, the fact that radioactive hot spots are largely spread in unknown manner as seen in FDNPP motivates to construct an inversion scheme in non-sparse source conditions. Thus, a reconstruction scheme applicable to both sparse and non-sparse radioactive distributions is highly in demand. In addition, a variety of radionuclides is produced in reactors. Thus, we also need a scheme to distinguish each source distribution in mixed multi radionuclides. In this paper, we confirm that the inverse estimation scheme using Least Absolute Shrinkage and Selection Operator (LASSO) method with spectral information commonly shows excellent performance in the above all situations. The proposed LASSO scheme with the spectral information enables to reduce the number of measurement points in sparse conditions, while information proliferation by sensing the spectrum makes it possible to directly reconstruct source distribution as almost solvable problems in non-sparse ones. Moreover, the LASSO scheme allows to reconstruct the source distribution of each potential radionuclide in multi-radionuclide coexisting situations. Consequently, we confirm that the LASSO scheme to reconstruct radioactive sources is promising for the future nuclear decommissioning projects widely from normally shutdown reactors to damaged ones like FDNPP.

論文

Estimation of temporal variation of tritium inventory discharged from the port of Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant; Analysis of the temporal variation and comparison with released tritium inventories from Japan and world major nuclear facilities

町田 昌彦; 岩田 亜矢子; 山田 進; 乙坂 重嘉*; 小林 卓也; 船坂 英之*; 森田 貴己*

Journal of Nuclear Science and Technology, 60(3), p.258 - 276, 2023/03

 被引用回数:5 パーセンタイル:61.74(Nuclear Science & Technology)

本論文では、福島第一原子力発電所の港湾口から沿岸へと流出するトリチウム量を、港湾内のトリチウムモニタリング結果から推定し、事故当初の2011年4月から2020年3月までのおよそ9年間に渡り、月間流出量を算出した。その結果、2015年の海側遮水壁閉合により、未知の流出はほとんど抑制されたことが分かった。また、この推定量を基に、日本全体の原子力施設からのトリチウム年間排出量を求め、事故前後の排出量の変遷を議論した。その結果、2015年以降、福島第一原子力発電所からの流出量は、事故前の約半分程度となっている一方、事故後の日本全体の排出量は大きく減少していることが分かった。

論文

LASSO reconstruction scheme to predict radioactive source distributions inside reactor building rooms; Practical applications

町田 昌彦; Shi, W.*; 山田 進; 宮村 浩子; 吉田 亨*; 長谷川 幸弘*; 岡本 孝司; 青木 勇斗; 伊藤 倫太郎; 山口 隆司; et al.

Proceedings of Waste Management Symposia 2023 (WM2023) (Internet), 11 Pages, 2023/02

In order to find radioactive hot spots inside reactor building rooms from structural data together with air dose rate measurement data, Least Absolute Shrinkage and Selection Operator (LASSO) has been recently suggested as a promising scheme. The scheme has been examined in simplified room models and its high estimation feasibility has been confirmed by employing Particle and Heavy Ion Transport code System (PHITS) as a radiation simulation code. In this paper, we apply the scheme to complex room models inside real reactor buildings. The target rooms are pool canal circulation system room and main circulation system room in Japan Materials Testing Reactor (JMTR) at Oarai area, Japan Atomic Energy Agency (JAEA). In these real rooms, we create STL format structural data based on Computer Aided Design (CAD) models made directly from their point group data measured by laser scanning devices, and we notice that the total number of their surface meshes in these real rooms reaches to the order of 1 million. Then, this order of the mesh number clearly indicates that one needs a simplified radiation simulation code considering only direct transmission of gamma ray as a radiation calculation instead of PHITS demanding high computational costs. By developing such a simplified code and customizing it to perform LASSO scheme, we consequently confirm that LASSO scheme driven by the simplified simulation can also successfully predict unknown radioactive hot spots on real structural models.

論文

LASSO reconstruction scheme to predict radioactive source distributions inside reactor building rooms; Theory & demonstration

Shi, W.*; 町田 昌彦; 山田 進; 吉田 亨*; 長谷川 幸弘*; 岡本 孝司*

Proceedings of Waste Management Symposia 2023 (WM2023) (Internet), 8 Pages, 2023/02

Clarifying hot spots of radioactive sources inside reactor building rooms based on monitoring air dose rates is one of the most essential steps in decommissioning of nuclear power plants. However, the attempt is regarded as a rather difficult task, because information obtained by air dose rate measurements is generally not enough to inversely estimate contaminated distribution among a tremendous number of potential distributions inside complex reactor building rooms as far as one uses the conventional ways. Then, in order to successfully perform the inverse estimations on source distributions even in such ill-posed circumstances, we suggest that a machine learning method, least absolute shrinkage and selection operator (LASSO) is a promising scheme. Subsequently, we construct a simple room model and employ Monte Carlo simulation code, Particle and Heavy Ion Transport Systems (PHITS) to numerically test feasibility of LASSO inverse estimation scheme. Consequently, we confirm high reconstruction performance of the LASSO scheme in successfully predicting radioactive source distributions. In addition, we carry out uncertainty analysis for the inverse estimation and derive an error function describing uncertainty of the inverse estimation as a useful error estimator. Finally, we find that additional use of spectral information in the measurements can significantly decrease the number of measurement points for the present inverse estimation. In conclusion, LASSO scheme is a quite useful way to explore radioactive hot spots toward the future decommissioning of nuclear power plants.

論文

福島前面海域におけるトリチウム存在量の推定とその経時変化; 福島沿岸および沖合のトリチウム存在量と1F貯留量および年間放出管理量との比較

町田 昌彦; 岩田 亜矢子; 山田 進; 乙坂 重嘉*; 小林 卓也; 船坂 英之*; 森田 貴己*

日本原子力学会和文論文誌(インターネット), 22(1), p.12 - 24, 2023/01

2013年から2021年の1月まで、福島第一原子力発電所周辺の福島沿岸と沖合という二つのエリアで、トリチウムのモニタリングデータからそのインベントリーの経時変化を推定した。それらの結果から沖合のエリアにおけるインベントリー平均量は、1Fに貯留されているトリチウムの凡そ1/5程度であり、その時間変動量は、1F貯留量の1/20程度ということが分かった。これらの結果は、既に海域に存在しているトリチウムのインベントリーが、1F貯留量の放出に際し、無視できないことを示している。また、その沖合の一定のエリアにおけるインベントリーの評価を1960年代にまで遡ると、過去には核実験により、平均して1F貯留量の4倍程のトリチウムインベントリーが1960年代に存在していた他、1960年から1980年代にかけて凡そ30年に渡り、1F貯留量と同程度かそれ以上のインベントリーが存在していたことが分かった。この事実は、過去に既に1F貯留量を瞬時に放出し当該沖合の海域に滞留するとした保守的条件より遥かにトリチウムが海洋中に存在していた時期が長期間あったことを示している。更に、トリチウムのインベントリーを千葉から宮城沖まで含めた領域に拡大し評価すると、現在、1F貯留量の凡そ半分が存在していることが分かる。ここで、トリチウムの被ばく量を魚食を通じた内部被ばくと仮定し、1F貯留量がその拡大領域にて拡散し1年滞留するとした保守的評価をすると、その量は、自然放射線からの寄与の100万分の一程度であり、殆ど無視できることが分かった。

論文

1F廃炉に向けた放射線源の逆推定及び線源対策に係るデジタル技術の研究開発; 3D-ADRES-Indoor:デジタル技術を集約するプラットフォームの開発状況

町田 昌彦; 山田 進; Kim, M.; 奥村 雅彦; 宮村 浩子; Malins, A.; 志風 義明; 佐藤 朋樹*; 沼田 良明*; 飛田 康弘*; et al.

RIST News, (68), p.3 - 19, 2022/09

福島第一原子力発電所(1F)建屋内には、原子炉内から漏洩した放射性物質の汚染により高い放射線量を示す地点が多数存在し、廃炉作業を円滑に進める上での大きな障害の一つとなっている。この課題の解決に資するため、日本原子力研究開発機構(JAEA)は、経済産業省の廃炉・汚染水対策事業費補助金「原子炉建屋内の環境改善のための技術の開発(被ばく低減のための環境・線源分布のデジタル化技術の開発)」を受託し、令和3年6月より放射線源の逆推定と推定線源に対する対策を仮想空間にて実施するためのデジタル技術及びその関連技術の研究開発を開始した。本記事では、上記技術のコアとなる概念(逆推定に用いるLASSO: Least Absolute Shrinkage and Selection Operator)を紹介するとともに、開発技術を集約したプラットフォーム機能を持つソフトウエア: 3D-ADRES-Indoorの開発進捗と、その活用の際に重要な役割を果たす放射線量の可視化技術等の研究開発の進捗について報告する。

論文

福島第一原発港湾から流出したトリチウム量の経時変化の推定; 流出量変化の要因分析と福島事故前後の日本および世界の原子力施設との排出量比較

町田 昌彦; 岩田 亜矢子; 山田 進; 乙坂 重嘉*; 小林 卓也; 船坂 英之*; 森田 貴己*

日本原子力学会和文論文誌, 21(1), p.33 - 49, 2022/03

本論文では、福島第一原子力発電所の港湾口から沿岸へと流出するトリチウム量を、港湾内のトリチウムモニタリング結果から推定し、事故当初の2011年4月から2020年3月までの凡そ9年間に渡り、月間流出量を算出した。その結果、2015年の海側遮水壁閉合により、未知の流出は殆ど抑制されたことが分かった。また、この推定量を基に、日本全体の原子力施設からのトリチウム年間排出量を求め、事故前後の排出量の変遷を議論した。その結果、2015年以降、福島第一原子力発電所からの流出量は、事故前の約半分程度となっている一方、事故後の日本全体の排出量は大きく減少していることが分かった。

論文

A Modeling approach to estimate $$^{3}$$H discharge from rivers; Comparison of discharge from the Fukushima Dai-ichi and inventory in seawater in the Fukushima coastal region

佐久間 一幸; 町田 昌彦; 操上 広志; 岩田 亜矢子; 山田 進; 飯島 和毅

Science of the Total Environment, 806, Part 3, p.151344_1 - 151344_8, 2022/02

 被引用回数:7 パーセンタイル:31.98(Environmental Sciences)

Estimation of $$^{3}$$H discharge from river catchments is important to evaluate the effect of Fukushima Dai-ichi discharge and future planned $$^{3}$$H release to the ocean on the coastal environment. Using a previously developed model based on the tank model and observed $$^{3}$$H concentration in river water, the $$^{3}$$H discharge from the Abukuma River and 13 other rivers in the Fukushima coastal region were estimated from June 2013 to March 2020. The annual $$^{3}$$H discharge from catchments of the Abukuma River and 13 other rivers in the Fukushima coastal region during 2014-2019 were estimated to be 1.2-4.0 TBq/y. These values were approximately 2-22 times larger than the annual $$^{3}$$H discharge from the Fukushima Dai-ichi after 2016, indicating the significance of naturally derived $$^{3}$$H discharge from the catchments through the rivers. This estimation is expected to be useful to evaluate and predict $$^{3}$$H concentrations and inventories in the Fukushima coastal region for consideration of planned $$^{3}$$H release to the ocean.

論文

High performance parallel LOBPCG method for large Hamiltonian derived from Hubbard model on multi-GPU systems

山田 進; 今村 俊幸*; 町田 昌彦

Supercomputing Frontiers, p.1 - 19, 2022/00

 被引用回数:1 パーセンタイル:37.95(Computer Science, Theory & Methods)

本発表は科学研究費補助金(科研費)研究「エクサスケール計算機を想定した量子モデルシミュレーションに対する並列化・高速化」の一環として実施した量子問題計算に現れる大規模な対称疎行列の複数固有値を求める計算をGPUを用いて高速に計算する方法についての報告である。GPU側のメモリは小さいため、大規模な問題をGPUを用いて計算するとき、すべてのデータをGPU側のメモリに格納することができず、一部のデータをCPU側のメモリに格納することになるが、CPUとGPU間のデータのやり取りには多くの時間がかかる。そこで、LOBPCG法のアルゴリズムの特徴を考慮してこのデータのやり取りを削減する方法を提案した。実際に原子力機構のスパコンHPE SGI8600のGPUシステムを用いた並列計算から提案方法を用いることで高速化を実現できることを確認した。この成果は、固有値計算の高速計算だけでなく、現在の主流の1つであるGPU計算機の有効利用に資する成果でもある。

論文

水中シルトフェンスの変形・移動を可能とする3次元モデリング; 流体・シルトフェンス連成計算の実現

山田 進; 町田 昌彦; 田中 みのり*; 関 克己*; 有川 太郎*

日本応用数理学会論文誌, 31(1), p.20 - 43, 2021/03

原子力規制庁の受託研究に基づき開発した水路等に設置したたわみのあるシルトフェンスを流れ場に合わせて変形させるアルゴリズムを報告する。さらに、このアルゴリズムを用いて、水路内の流れ場とシルトフェンスの連成シミュレーションを実施しその変形を評価するとともに、実際の水路実験の結果との比較を行い、提案したアルゴリズムの妥当性を報告する。

論文

シルトフェンスを2重に設置した際の汚濁物質拡散抑制効果の検討

田中 みのり*; 渡部 真史*; 町田 昌彦; 山田 進; 榎本 容太*; 郡司 滉太*; 有川 太郎*

土木学会論文集,B2(海岸工学)(インターネット), 76(2), p.I_103 - I_108, 2020/11

原子力規制庁の受託研究に基づき実施した水路に2枚のシルトフェンスを設置した際の汚濁物質の拡散防止効果の評価を目標とした水理模型実験の結果報告である。シルトフェンスを適切な間隔で2枚設置すると1枚目のシルトフェンスの影響で2枚目のふかれ量が少なくなり、1枚だけの場合よりもより多くの汚濁物質が捕捉できるようになることを報告する。また、平面水槽実験においても同様の結果が得られたことも報告する。

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