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論文

Microbially formed Mn(IV) oxide as a novel adsorbent for removal of Radium

田中 万也; 山路 恵子*; 升屋 勇人*; 富田 純平; 小澤 麻由美*; 山崎 信哉*; 徳永 紘平; 福山 賢仁*; 小原 義之*; Maamoun, I.*; et al.

Chemosphere, 355, p.141837_1 - 141837_11, 2024/05

本研究では生物性マンガン酸化物を用いて人形峠坑水からのラジウム除去実験を行った。その結果、7.6mgの生物性マンガン酸化物を用いて3L坑水中から98%以上の$$^{226}$$Raを除去することが出来た。これは固液分配係数に換算すると10$$^{7.4}$$ mL/gという非常に高い値となり、生物性マンガン酸化物が実際の坑水処理に有効であることを示している。

論文

Fe, Mn and $$^{238}$$U accumulations in ${it Phragmites australis}$ naturally growing at the mill tailings pond; Iron plaque formation possibly related to root-endophytic bacteria producing siderophores

中本 幸弘*; 土山 紘平*; 春間 俊克*; Lu, X.*; 田中 万也; 香西 直文; 福山 賢仁; 福嶋 繁; 小原 義之; 山路 恵子*

Minerals (Internet), 11(12), p.1337_1 - 1337_17, 2021/12

AA2021-0764.pdf:3.94MB

 被引用回数:5 パーセンタイル:36.78(Geochemistry & Geophysics)

坑水は、重金属の含有や低pHのため、世界中で鉱業の重要な水問題となっている。水生植物による「rhizofiltration」は、根系に重金属を蓄積することにより水中の重金属を除去する効果的な浄化方法のひとつである。ヨシは根の周囲に鉄プラークを形成して重金属を蓄積することから「rhizofiltration」に使用できる候補植物とされる。本研究調査地である人形峠ウラン鉱山の鉱さいたい積場には1998年からヨシが自然に繁茂している。本研究の結果から、ヨシはFe, Mn, Uを高濃度で節根に蓄積しており、また鉄プラークを形成する節根にもこれらの元素が高濃度蓄積していることが明らかになった。さらにヨシの節根から分離した細菌837株のうち88.6%にシデロフォア産生能が確認された。細菌のシデロフォアにはカテコール基を有するものが多く報告されているが、Feとカテコールあるいはフェノール性化合物の錯体はネットワークを形成することにより沈殿することが知られている。そこで本研究では、ヨシの根周囲の鉄プラーク形成に微生物の産生するシデロフォアが影響するという仮説を立てた。内生細菌${it Pseudomonas}$ spp.や${it Rhizobium}$ spp.の代謝産物にFeイオンを加えたところ沈殿が確認され、これらの細菌の代謝産物としてフェノール性化合物が検出された。以上より、ヨシの根から分離した内生細菌${it Pseudomonas}$ spp.及び${it Rhizobium}$ spp.が産生するシデロフォアはFeと沈殿することで、鉄プラーク形成に影響している可能性が考えられた。また、鉄プラークは植物体外の金属蓄積部位としてヨシの重金属耐性に関与すると考えられることから、内生細菌${it Pseudomonas}$ spp.と${it Rhizobium}$ spp.が間接的にヨシの耐性に貢献している可能性が考えられた。

論文

A Laboratory investigation of microbial degradation of simulant fuel debris by oxidizing microorganisms

Liu, J.; 土津田 雄馬; 北垣 徹; 香西 直文; 山路 恵子*; 大貫 敏彦

Proceedings of International Topical Workshop on Fukushima Decommissioning Research (FDR 2019) (Internet), 2 Pages, 2019/05

福島第一原子力発電所(FDNPP)の廃止措置を行う上で、燃料デブリの現状を把握することは非常に重要な課題の一つである。事故直後に行われた炉内への海水注入および現在まで続く地下水の流入により、FDNPP周辺環境中の微生物の炉内への侵入が予想される。また、今後予定されている燃料デブリの取り出し作業において、人や機材などの出入りに伴う大気の流入により、新たな微生物の侵入も考えられる。これらの微生物の代謝活動は、炉内構造材の腐食や燃料デブリの分解などの原因となる可能性があり、燃料デブリの現状を正しく把握する上で考慮する必要がある。そこで、本研究では模擬燃料デブリを液体培地中で細菌と混合培養することにより、微生物の代謝による燃料デブリへの影響を観察した。

論文

Root-endophytic Chaetomium cupreum chemically enhances aluminium tolerance in $$Miscanthus sinensis$$ via increasing the aluminium detoxicants, chlorogenic acid and oosporein

春間 俊克*; 山路 恵子*; 小川 和義*; 升屋 勇人*; 関根 由莉奈; 香西 直文

PLOS ONE (Internet), 14(2), p.e0212644_1 - e0212644_16, 2019/02

 被引用回数:27 パーセンタイル:76.68(Multidisciplinary Sciences)

すすきは鉱山跡地に生える先駆植物である。すすきは、植物性シデロフォアを生産することによって、鉱山跡地の有害元素であるAlを無毒化する。すすきの根に内生する微生物であるC. cupreumは、シデロフォアを生産することによってすすきのAl耐性を向上させる。われわれは、C. cupreumが生産するシデロフォアがoosporeinであると同定した。oosporeinがAlを無毒化することを明らかにした。C. cupreumを無菌状態のすすきに接種すると、芽の生長が促進され、Al耐性が向上した。

論文

Root endophytic bacteria of a $$^{137}$$Cs and Mn accumulator plant, ${{it Eleutherococcus sciadophylloides}}$, increase $$^{137}$$Cs and Mn desorption in the soil

山路 恵子*; 長田 賢志*; 春間 俊克*; 大貫 敏彦; 小崎 完*; 渡辺 直子*; 難波 謙二*

Journal of Environmental Radioactivity, 153, p.112 - 119, 2016/03

 被引用回数:24 パーセンタイル:56.65(Environmental Sciences)

$$^{137}$$CsとMnを濃集する植物の根内生菌の役割を解明するため、463種類の根内生菌を分離し、シデロフォア排出能を調べたところ、107種が認められた。そのうち8種類の菌を用いて放射性Cs汚染土壌からの元素の溶出を調べた結果、$$^{137}$$CsとMnの溶出がFeとAlの脱離とともに進行することを明らかにした。この結果から、福島における植物への放射性Cs濃集には根内生菌が重要な役を理を担っていることが明らかとなった。

口頭

人形峠・鉱さいたいせき場に自生する水生植物による水質浄化への影響

山路 恵子*; 中本 幸弘*; 春間 俊克*; 土山 紘平*; 小原 義之; 田中 万也; 福山 賢仁; 福嶋 繁

no journal, , 

近年欧米を中心に、高濃度の重金属が存在する鉱山跡地における「環境負荷をできるだけ抑制することを目的とした、植物や微生物を利用した浄化方法」に注目が集まっている。日本原子力研究開発機構の人形峠環境技術センター内にある鉱さいたいせき場には、水生植物であるヨシとフトヒルムシロが自生している。発表者のこれまでの研究により、(1)ヨシの根にはウランや重金属元素が高濃度蓄積していること、(2)根周囲に鉄プラークを形成していること、(3)根に生息する細菌がシデロフォア(鉄と錯形成をする代謝産物)を産生することが判明した。鉄プラークには重金属元素を吸着する性質があることから、ヨシの根に形成される鉄プラークが高濃度に重金属やウランを蓄積する要因になっていると考えられる。ヨシの重金属蓄積機構をさらに明らかにするためには、植物の元素蓄積機構において寄与度が高い微生物を無視することはできず、植物単体ではなく微生物との共生系を考慮する必要がある。本発表では、現在検討中である、ヨシにおける微生物との相互作用についても考察する。また、フトヒルムシロの重金属蓄積機構についても発表し、両植物における水質浄化機能についても考察する。

口頭

内生細菌が関与するヨシ(Phragmites australis)におけるウラン($$^{238}$$U)及び重金属(Fe, Mn)蓄積メカニズムの解明

中本 幸弘*; 山路 恵子*; 春間 俊克*; 土山 紘平*; 小原 義之; 田中 万也; 福山 賢仁; 福嶋 繁

no journal, , 

近年、鉱山跡地において植物や微生物を利用した浄化方法に注目が集まっている。この候補植物の1つにヨシがあり、ウランや重金属を吸収することが知られているが、具体的なメカニズムは未だ解明されていない。植物の重金属の吸収や耐性の獲得には、植物に内生する菌の働きが関与するという報告がある。本研究では、日本原子力研究開発機構人形峠環境技術センターが所有するウラン鉱山跡地に自生するヨシを対象とし、内生細菌との相互作用を考慮した、ヨシにおける$$^{238}$$U及び重金属蓄積機構を明らかにし、ヨシによる水質浄化メカニズムの解明を目的とした。本調査地に自生するヨシを採取し、含有元素濃度を測定した結果、ヨシの根に高濃度のFeおよびMnの蓄積が確認され、根には鉄プラークと呼ばれる黒色物質の存在が確認された。ヨシ根の鉄の局在を観察した結果、表皮細胞への蓄積が確認された。以上の結果より、ヨシは根に高濃度のFeおよびMn蓄積能を有することが判明した。また、根より分離された内生細菌には高いシデロフォア産生能を有する菌株が確認され、鉄の吸収・蓄積に関与している可能性が示唆された。現在、$$^{238}$$Uの蓄積についての経時的データを取得中である。

口頭

人形峠で採取した坑水からのMn酸化菌分離とその培養特性

山路 恵子*; 小原 義之; 福山 賢仁; 長安 孝明; 春間 俊克; 田中 万也; 升屋 勇人*; 羽部 浩*

no journal, , 

人形峠環境技術センターでは、坑水中のFe, Mn, As, Raの除去が可能で、薬品使用量, 二次産生物の発生及びメンテナンス負荷が少ないなどの利点がある水処理方法に着目し、実証試験を行ってきた。しかし、本方式では、Mn除去のメカニズムが化学的には不明であり、生物的作用が機能すると推察された。そこで本研究では、本処理法におけるMn酸化菌の関与を明らかにすることを目的とした。センター内で採取した坑水からHay mediumでMn酸化菌を分離した結果、Coprinopsis urticicola及びMicrodontium sp.が確認された。また、これらの菌種は本浄化装置のカラム内の砂粒に定着していることも確認された。C. urticicolaについて培養特性を精査した結果、(1)浄化装置の水温の変動範囲(10-15$$^{circ}$$C)においては生長及びMn酸化能が確認され、また、(2)CN源添加によりMn酸化能は消失したことから浄化装置内ではMn酸化能が維持されると示唆された。以上の結果より、本浄化装置には坑水由来のMn酸化菌が定着しMn除去に関与すると考えられた。

口頭

Clay mineral dissolution by activities of siderophore producing bacteria

木村 建貴; Guido-Garcia, F.; 香西 直文; Zhang, S.*; 山路 恵子*; Yu, Q.*; Grambow, B.

no journal, , 

粘土鉱物を溶解するバクテリアの能力を理解するため、南大阪で自制するシロツメクサからシデロホア産生バクテリアを単離した。シデロホア産生能力をCASプレート培地で評価した。この試験では粘土鉱物として、イライト, バイオタイト, バーミキュライト, ノントロナイトを使用した。3種類のバクテリアを培養し、植菌前に遠心分離, 洗浄を行った。乾重量50mgのバクテリアを100mlの改変Balland培地に植菌し、それぞれ100mgの粘土鉱物を添加した。鉄, アルミニウム, ケイ素の濃度はICP-OESで測定した。有機化合物の存在はSEC-ICP-OESで決定した。シデロホアのピークは405nmの吸光度で評価した。その結果、バクテリアが産生するシデロホアは粘土を溶解できることを明らかにした。この結果は、セシウム溶解へのシデロホアの影響は間接的プロセスによると示唆された。

口頭

Ba AND Sr adsorption on microbially formed Mn oxide; Implication to removal of Ra from U mining wastewater

田中 万也; 香西 直文; 山路 恵子*; 升屋 勇人*; Grambow, B.

no journal, , 

人形峠環境技術センターの鉱山廃水中のラジウム226濃度は当センターの排出基準を超過している。そこで本研究では、ラジウム除去を念頭においた生物性マンガン酸化物へのバリウム及びストロンチウム吸着実験を行った。バリウム、ストロンチウムの吸着量はともに水溶液のNaCl濃度に依存するが、全体の傾向としてバリウムの方が分配係数Kd値が一桁高かった。人形峠の鉱山廃水と同程度の塩濃度である10mM NaCl水溶液でのバリウムのKd値は10$$^{5}$$を超えていた。バリウムとラジウムはイオン半径が類似しており、生物性マンガン酸化物はラジウムに対しても同様の高いKdが期待され鉱山廃水の処理において効果的であると考えられる。

口頭

Root endophytic Chaetomium cupreum enhanced tolerance of aluminum in Miscanthus sinensis and produced a siderophore

春間 俊克*; 山路 恵子*; 升屋 勇人*; 関根 由莉奈; 香西 直文

no journal, , 

Miscanthus sinensisの根から内生菌であるChaetomium cupreumを単離した。C. cupreumが生産するシデロフォアを回収・精製し、シデロフォアの作用を調べた。そのシデロフォアはoosporeinであった。C. cupreumは、菌糸内にAlを集めAlを無毒化することによって、あるいはAlを局在化させることによってM. sinensisのアルミニウム耐性を高めることがわかった。

口頭

Macro and micromorphological characteristics of soils under the abandoned fields of mines, Ningyo-toge, Japan

Jiang, Q.*; 田村 憲司*; 浅野 眞希*; 福山 賢仁*; 山路 恵子*

no journal, , 

本研究は人形峠鉱山の夜次露天採掘場跡地の土壌のマクロ的及びミクロ的形態の特徴を解明するための研究である。夜次露天採掘場跡地は植生遷移が進んでおらず、優占植生はススキ草原のままである。本研究の結論は以下のとおりである。露天採掘場跡地に設置した2箇所の調査サイトのうちサイトBのBC層のEhは低かった。それは下層の空隙の少なさによる。そしてそのことが季節的な水の集積という結果となっている。Mn, Cd, Pb, Coの含有量は平均的な日本の土壌のそれよりも高かったが、汚染というレベルではなかった。土中の酸溶解性鉄の含有量はかなり低かった。調査地では、鉄は主に残留形態であり、一部は還元性形態で存在する。しかし、Mnは酸溶解形態が多く、Mnは植生に対する影響が大きい。本研究サイトでは人による外的な要因の影響が大きい。多量の黒色の残渣と木片を混合していた。土層の0-5cmは良好な構造であるが、それより下層は十分に発達しておらず塊状構造であった。

口頭

An Experimental study of microbial effect on simulant fuel debris

Liu, J.; 土津田 雄馬; 北垣 徹; 香西 直文; 山路 恵子*; 大貫 敏彦

no journal, , 

原子力過酷事故後、水における燃料デブリの周囲に微生物の繁殖が確認された。このため、福島第一原子力発電所の炉内において、微生物による燃料デブリ中の元素のマイグレーションを考慮する必要がある。本研究では、自然界に広く存在する微生物を液体培地中で模擬燃料デブリと培養し、微生物による燃料デブリ中のアクチノイド, ジルコニウム, 鉄のマイグレーションメカニズムを明らかにした

口頭

人形峠坑水の重金属処理槽内における微生物群集構造解析

羽部 浩*; 稲葉 知大*; 青柳 智*; 愛澤 秀信*; 佐藤 由也*; 堀 知行*; 山路 恵子*; 小原 義之; 福山 賢仁; Cai, H.*; et al.

no journal, , 

休廃止鉱山の第5次基本計画に基づき、鉱害防止技術に関する基礎研究、技術開発が産学官連携で推進されており、特に重金属除去作用を有する植物や微生物を利用した自然回帰型坑廃水浄化法に関して効果検証が行われている。人形峠環境技術センターでは、従来の中和処理法と比較し、薬品使用量の削減や殿物の減容化が可能で、かつメンテナンス頻度も低い廃水処理システムに着目し、坑水中の鉄やマンガン等金属の除去について実証試験を重ねてきた。本廃水処理システムにおいては、化学的酸化による除鉄のみならず、生物的な反応による鉄除去の関与も推測されたが、除鉄槽内に存在する微生物等については解析されていなかった。そこで次世代シークエンサーを用いて、人形峠坑水および除鉄槽内の微生物コミュニティを網羅的に解析した。

口頭

ヨシ(${it Phragmites australis}$)におけるウラン及び重金属(Fe, Mn)蓄積への内生細菌の関与

中本 幸弘*; 山路 恵子*; 春間 俊克; 土山 紘平*; 小原 義之; 福山 賢仁; 福嶋 繁

no journal, , 

近年、休廃止鉱山において植物や微生物を利用した浄化方法が処理コストや廃水量の削減等の観点から注目を集めている。本研究調査地である日本原子力研究開発機構人形峠環境技術センターでは、鉱さいたい積場に坑水を一時貯留後、水質改善処理を行って河川に放流している。本たい積場の坑水にはFeやMn及び$$^{238}$$U, Raが含まれ、抽水植物のヨシ(${it Phragmites australis}$ (Cav.) Trin. ex Steud.)群落が成立している。ヨシは重金属を蓄積することで水質浄化を行うことが可能な植物種として知られているが、具体的なメカニズムに関しては未だ不明な点が存在する。重金属を蓄積する植物は、根に生息する内生微生物の存在により、植物が重金属耐性を高め、高濃度に蓄積することができるという知見がある。そこで本研究では、鉱さいたい積場における坑水の自然浄化機能に関与している可能性があるヨシを研究対象植物とし、内生微生物の関与を考慮した重金属元素及び$$^{238}$$Uの蓄積機構を解明することを目的とした。ICP-OESおよびICP-MSによる植物体内の元素濃度を測定した結果、ヨシはFe及びMn, $$^{238}$$Uを節根に高濃度蓄積していた。ヨシ節根におけるFeの局在部位を観察したところ、ヨシ節根の表皮細胞と側根の部分にFeを蓄積していることが判明した。またヨシの節根から内生細菌を分離し、重金属耐性に寄与する化合物であるシデロフォアの産生能を確認した結果、分離された菌株のうち、約88%の細菌にシデロフォア産生能が確認された。シデロフォア産生能を有する細菌がヨシ節根に高頻度で生息していることから、ヨシにおけるFeやMn, $$^{238}$$Uの蓄積に関与している可能性が示唆された。現在、ヨシより分離した内生細菌をヨシ滅菌実生に接種する接種試験を行い、ヨシの重金属元素及び$$^{238}$$Uの蓄積機構への内生微生物の関与を精査している。

口頭

ヨシの根におけるウラン吸着能および鉄プラーク形成機構の解明

春間 俊克*; 土山 紘平*; 田中 万也; 高橋 嘉夫*; 福山 賢仁; 小原 義之; 山路 恵子*

no journal, , 

調査地とした人形峠環境技術センターは1959年から1982年まで操業されていたウラン鉱山であり、坑水処理のための鉱さいたいせき場を有する。鉱さいたいせき場では1998年以降ヨシの自生が確認されている。ヨシは根に鉄の沈殿物である鉄プラークを形成し、ヒ素などを吸着することで水質を浄化すると考えられている。また、鉄プラークはウランの吸着にも関与している可能性が示唆されている。しかし、鉄プラークの形成機構や鉄プラークがウランを吸着することに関する知見は少ない。そこで、本研究ではヨシのウラン蓄積と鉄プラークの形成機構を解明することを目的とした。SPring-8のBL37XUによってヨシの鉄プラークにおける鉄およびウランの局在部位を観察した結果、鉄プラークには鉄と共にウランやマンガンなどの重金属が局在していた。そのため、鉄プラークがヨシのウラン吸着能に寄与すると考えられた。鉄プラークにおける鉄の化学形態を明らかにするために、高エネルギー加速器研究機構Photon Factory (PF)のBL-4Aにおいて鉄プラークのXANESを測定した結果、約90%がフェリハイドライトであった。最後に鉄プラークのフェリハイドライトは、鉄が無機的に酸化して形成されたものか、生物が関与して有機的に形成されたものかを確認するために、PFのBL-12CにおいてEXAFSを測定した。その結果、鉄プラークのフェリハイドライトは、有機的に形成されていることが確認された。また走査型電子顕微鏡で鉄プラークを確認したところ、微生物に由来する構造も確認された。既往報告でヨシの根には内生細菌が多く生息していることが判明しており、鉄プラークの形成には内生細菌の関与が考えられた。以上のことから、ヨシの根の鉄プラークはウランや重金属の吸着サイトとして機能すると共に、内生細菌が関与して有機的に形成されている可能性が示唆された。

口頭

鉱さいたい積場のヨシにおける重金属元素の蓄積及び鉄プラーク形成へ関与する内生細菌

中本 幸弘*; 土山 紘平*; 春間 俊克*; Lu, X.*; 田中 万也; 香西 直文; 福山 賢仁; 福嶋 繁; 小原 義之; 山路 恵子*

no journal, , 

近年、休廃止鉱山において植物や微生物を利用した浄化方法が環境負荷の観点から注目されている。本浄化に利用できる湿生植物の一つにヨシがあり、重金属やUを蓄積する報告がある。また、湿生植物の根には鉄プラークという水酸化鉄の沈着が確認され、金属吸着能が知られている。金属元素を高濃度に蓄積する植物の根より、金属元素と錯体形成する化合物(シデロフォア)を産生する微生物が分離されている。細菌が産生するシデロフォアとしてカテコール骨格を有する化合物が報告されているが、本構造を有する化合物はFeとの沈殿を形成する報告があるため、シデロフォアが鉄プラークの形成に関与する新たな可能性が考えられた。以上より、本研究では、根に内生する微生物の持つ機能に着目し、微生物が関与したヨシにおける重金属及びUの蓄積機構の解明を目的とした。日本原子力研究開発機構の人形峠環境技術センター内にある鉱さいたい積場を調査地とし、そこに自生するヨシを対象とした。本調査地のヨシ節根には鉄プラークが確認され、元素分析の結果、本部位及び節根に高濃度のFeやMn, Uの蓄積が確認された。また、節根にはシデロフォア産生能を有する内生細菌が高頻度で分離された。内生細菌の産生するシデロフォアが鉄プラーク形成に寄与するか明らかにするため、(1)二価及び三価のFeイオンと内生細菌の培養ろ液を混合した際の沈殿形成の確認、(2)内生細菌の産生するシデロフォアの定性分析を行った。その結果、(1)シデロフォア活性を示した${it Pseudomonas}$属、${it Rhizobium}$属細菌の培養ろ液において沈殿物が生じること、(2)これらの培養ろ液にフェノール性化合物が検出され、本化合物がシデロフォアである可能性があることを確認した。以上の結果より、重金属及びUを蓄積する節根から分離した内生細菌のシデロフォアが金属蓄積部位である鉄プラークの形成に関与する可能性が考えられた。

口頭

ウラン鉱山たいせき場に自生するヨシにおける重金属蓄積機構; 内生細菌の関与を考慮して

春間 俊克*; 山路 恵子*; 中本 幸弘*; 土山 紘平*; 高橋 嘉夫*; 田中 万也; 香西 直文; 福山 賢仁*

no journal, , 

本研究では、ヨシの重金属耐性による水質浄化作用に着目し、内生細菌が関与するヨシの重金属蓄積機構を明らかにすることを目的とした。具体的には、ウラン鉱山跡地の鉱さいたい積場に自生するヨシを採取し、重金属元素の分析を行った。その結果、節根に高濃度の鉄,マンガン及びウランを蓄積しており、特に鉄プラークを形成する節根での蓄積が顕著であった。このことから、鉄プラークはヨシにおける主要な重金属蓄積部位と考えられた。こうした鉄プラークの形成には内生細菌の産生する有機化合物(siderophore)が関与していると考えられることから、ヨシの節根から内生細菌を分離してsiderophore産生能を評価した。分離された837菌株の内生細菌のうち88.6%に当たる742菌株がsiderophore産生能を示した。以上のことから、siderophoreを産生する内生細菌は鉄プラークの形成に寄与し、ヨシの重金属蓄積に重要な役割を果たしていると考えられる。

口頭

Elucidation of heavy-metal tolerance mechanism in ${it Phragmites australis}$ (Cav.) Trin. ex Steud. without iron plaque formation

大熊 美結*; 山路 恵子*; 中本 幸弘*; 福山 賢仁*; 綱嶋 康倫

no journal, , 

我々の研究サイトである鉱さいたい積場は、鉄やマンガンを含んだ処理が必要な坑水の一時貯留施設であり、そこは、ヨシ(Phragmites australis (Cav.) Trin. ex Steud)が自生していることが知られている。ヨシはいくつかの金属に対する耐性があると考えられている。事実、ヨシは、鉄プラークを形成することにより重金属に対する耐性を強化することがこれまでに報告されている。しかし、当該鉱さいたい積場の坑水流入口付近の鉄が堆積している場所で生育するヨシの根には、鉄プラークがほとんど観察できなかった。これはヨシが、鉄プラークに依存しないほかの重金属耐性機構を有していることを示唆している。本研究の目的は、鉄プラークを形成しないヨシの重金属耐性機能を解明することである。元素分析によりヨシの健全な節根には高濃度の鉄,アルミニウム,亜鉛の蓄積が明らかになった。通常の植物に比べて、過剰な鉄の蓄積が確認された。根の解毒分析により、金属耐性に有効なフェノール性物質や有機酸の生成が不十分であることが示された。フェロシアン化カリウム溶液で染色したヨシ節根の切片を観察した結果、表面と皮層細胞の最外層の細胞壁に鉄の存在が観察された。細胞壁の重金属の固定は植物の重金属耐性機能の一つとして知られていることから、我々の研究結果は、ヨシが体内細胞への重金属の進入を防ぐために、細胞壁で鉄を固定する重金属耐性を示す可能性を示唆した。

口頭

Coprinopsis urticicola Mn-2株により形成するマンガン酸化物へのバリウム及びストロンチウムの吸着

田中 万也; 香西 直文; 山路 恵子*; 升屋 勇人*; Grambow, B.

no journal, , 

人形峠環境技術センターでは、ウラン坑道から流出する坑水中のラジウム226濃度がセンター外への排出基準を超過している。そのため、センター外に排出する前に坑水中に含まれるラジウムを除去する必要がある。本研究では、このようなラジウム除去の予備実験として、坑水中から単離したマンガン酸化菌により形成するマンガン酸化物へのバリウム及びストロンチウムの吸着実験を行った。ストロンチウムとバリウムの吸着量はともにNaCl濃度依存性を示したがその程度はバリウムの方がやや小さかった。すべてのNaCl濃度条件においてバリウムの方がストロンチウムに比べて分配係数Kd(固液濃度比)が一桁程度大きかった。0.01M NaCl溶液でのバリウムのKdは2.0$$times$$10$$^{5}$$ mL/gと高い値を示した。ラジウムとバリウムのイオン半径は類似していることから、ラジウムに対しても同様に高いKd値が期待される。このことから微生物が形成するマンガン酸化物はラジウムを効果的に除去できるものと期待される。

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