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阪井 寛志*; 江並 和宏*; 古屋 貴章*; 加古 永治*; 近藤 良也*; 道園 真一郎*; 三浦 孝子*; Qiu, F.*; 佐藤 昌人*; 篠江 憲治*; et al.
Proceedings of 56th ICFA Advanced Beam Dynamics Workshop on Energy Recovery Linacs (ERL 2015) (Internet), p.63 - 66, 2015/12
コンパクトERLとして入射器および主加速器モジュールの開発を行った。入射器モジュールは3台の2セル空洞で、主加速器モジュールは2台の9セル空洞で構成されている。建設後、20MeVのエネルギーで80A以上の電流でエネルギー回収に成功した。入射器、主加速器とも安定に運転されているが、主加速器については電界放出が、入射器についてはHOMカップラーの発熱が問題となっている。コンパクトERLの2台のクライオモジュールの長時間ビーム運転中の性能について発表する。
春名 匠*; 山本 達也*; 宮入 洋志*; 柴田 俊夫*; 谷口 直樹; 坂巻 景子; 立川 博一*
材料と環境, 64(5), p.201 - 206, 2015/05
オーバーパック候補材料である炭素鋼の酸素欠乏地下水中での腐食速度を推定するための基礎研究として、Feを高温酸化することで作製した酸化皮膜中のDOの拡散係数を決定することを試みた。Fe板を大気中で573K, 723Kまたは873Kで高温酸化させて酸化皮膜を作製した。X線回折およびSEM観察による皮膜性状を確認した後、皮膜にDOを接触させ、5184ksまでの種々の時間保持することでDOを浸透させた。DOを浸透させた試料に昇温脱離ガス分析試験を行い、皮膜中の浸透DO量を測定した。573Kおよび723Kで酸化させた試料にはFeO単層皮膜が、873Kで酸化させた試料にはFeOとFeOの二層皮膜が確認された。また、DO浸透量がDO浸透時間の平方根に対して直線関係を示すこと、ならびに長時間浸透させるとDO浸透量が定常値を示すことがわかった。Fickの第二法則に基づいて推定された各種酸化皮膜中のDOの拡散係数は、FeO皮膜では9.710cms、FeO皮膜では5.510cmsから2.210cmsであった。
梅森 健成*; 古屋 貴章*; 加古 永治*; 野口 修一*; 阪井 寛志*; 佐藤 昌人*; 宍戸 寿郎*; 渡辺 謙*; 山本 康史*; 篠江 憲治*; et al.
Proceedings of 15th International Conference on RF Superconductivity (SRF 2011) (Internet), p.956 - 961, 2011/07
コンパクトERL計画が日本で進められている。この計画は100mAの電子ビームを35-200MeVでエネルギーでERLを実証することである。入射器と主加速器に使われる超伝導加速器は重要開発項目である。入射器の入力カップラーは最重要で試作機を製作し、大電力試験を行った。HOMカップラーの冷却性能もCWでの運転においては重要である。ビーム不安定性を避けるためHOM減衰の9セル空洞を用いる。空洞,入力カップラー,HOMダンパーの試作機を製作し、性能試験を行っている。入射器,主加速器ともクライオモジュールの設計を行っており、2012年に完成予定である。
坂中 章悟*; 明本 光生*; 青戸 智浩*; 荒川 大*; 浅岡 聖二*; 榎本 収志*; 福田 茂樹*; 古川 和朗*; 古屋 貴章*; 芳賀 開一*; et al.
Proceedings of 1st International Particle Accelerator Conference (IPAC '10) (Internet), p.2338 - 2340, 2010/05
日本においてERL型放射光源を共同研究チームで提案している。電子銃,超伝導加速空洞などの要素技術開発を進めている。また、ERL技術の実証のためのコンパクトERLの建設も進めている。これら日本におけるERL技術開発の現状について報告する。
阪井 寛志*; 古屋 貴章*; 加古 永治*; 野口 修一*; 佐藤 昌史*; 坂中 章悟*; 宍戸 寿郎*; 高橋 毅*; 梅森 健成*; 渡辺 謙*; et al.
Proceedings of 45th Advanced ICFA Beam Dynamics Workshop on Energy Recovery Linacs (ERL '09) (Internet), p.57 - 62, 2010/05
コンパクトERLのための入射器クライオモジュールと主加速器用クライオモジュールの開発が2006年より始まっている。入射器のクライオモジュールには2セル1.3GHzの空洞が3個、主加速器クライオモジュールには9セル1.3GHzの空洞が2個納められる設計になっている。これらクライオモジュールの開発の現状について報告する。
梅森 健成*; 古屋 貴章*; 加古 永治*; 野口 修一*; 阪井 寛志*; 佐藤 昌史*; 宍戸 寿郎*; 高橋 毅*; 渡辺 謙*; 山本 康史*; et al.
Proceedings of 14th International Conference on RF Superconductivity (SRF 2009) (Internet), p.896 - 901, 2009/09
将来のERLをもとにしたX線光源実現のための基盤技術確立のためコンパクトERLの建設が計画されている。ビームエネルギーは60200MeVで、電流は100mAである。超伝導空洞は重要な開発項目の1つで入射器と主加速器部分に使われる。入射器における重要項目は300kWの入力カップラーの開発である。またビーム不安定性や冷凍機の負荷を削減するために強力なHOM減衰が主加速器の重要項目である。空洞開発の現状について報告する。
加藤 佳明; 山本 敏雄; 高田 文樹; 近江 正男; 中川 哲也
JAEA-Testing 2008-004, 22 Pages, 2008/06
本報告は、平成19年度に実施したJMTRホットラボにおける鉛セル内放射線モニターの更新についてまとめたものである。鉛セル内放射線モニター7系統のうち2系統の更新を実施した。その設計,製作,据付、及び調整検査について記述した。
坂中 章悟*; 吾郷 智紀*; 榎本 収志*; 福田 茂樹*; 古川 和朗*; 古屋 貴章*; 芳賀 開一*; 原田 健太郎*; 平松 成範*; 本田 融*; et al.
Proceedings of 11th European Particle Accelerator Conference (EPAC '08) (CD-ROM), p.205 - 207, 2008/06
コヒーレントX線,フェムト秒X線の発生が可能な次世代放射光源としてエネルギー回収型リニアック(ERL)が提案されており、その実現に向けた要素技術の研究開発が日本国内の複数研究機関の協力のもと進められている。本稿では、ERL放射光源の研究開発の現状を報告する。
山本 康史*; 早野 仁司*; 加古 永治*; 野口 修一*; 佐藤 昌史*; 宍戸 寿郎*; 梅森 健成*; 渡辺 謙*; 阪井 寛志*; 篠江 憲治*; et al.
Proceedings of 5th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan and 33rd Linear Accelerator Meeting in Japan (CD-ROM), p.888 - 891, 2008/00
高エネルギー加速器研究機構では超伝導RF試験施設(STF)の建設を行っている。この施設には電界研磨装置, 高圧洗浄装置, クリーンルーム, 冷凍機設備, 大電力高周波装置, 縦測定装置などで構成されている。2007年より製作を進めていた縦測定装置が3月に完成した。7月初めに最初の総合試験を行い、その結果を報告する。
若井 栄一; 安堂 正巳; 沢井 友次; 谷川 博康; 田口 富嗣; Stroller, R. E.*; 山本 敏雄; 加藤 佳明; 高田 文樹
Journal of Nuclear Materials, 367-370(1), p.74 - 80, 2007/08
被引用回数:9 パーセンタイル:58.28(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉の実証炉等に向け、構造材料として研究開発を進めているF82H鋼(Fe-8Cr-2W-0.1C系マルテンサイト鋼)に関して、照射硬化と脆化をコントロールさせるための熱処理法の検討を行った。本研究では焼き戻し温度を750Cから800Cまで振り、その時間を0.5時間から10時間まで振った。これらをパラメータにして照射硬化量の変化及び引張試験温度に対する硬化量の変化を調べた。JMTR炉で微小引張試験片(SS-3タイプ)を150Cと250Cで約2dpaまで中性子照射を行った。照射後、引張試験を室温から500Cまで行った。750Cで焼き戻しを行った場合、室温試験において、硬化量が100240MPa程度であったが、500Cの試験ではいずれの試料においても、硬化量がほとんどなくなった。一方、焼き戻し温度をやや高めに(780C又は800Cで0.5時間)した試料では、室温試験で硬化量は約300MPa程度であった。また、500C試験では硬化量が130R200MPa程度まで保持された。このことから、やや高めで焼き戻し処理をした試料では、高温まで比較的安定に存在する照射欠陥クラスターが形成されていると考えられる。以上のように、照射硬化量は照射前に施す焼き戻しの温度と時間に依存して変化するため、照射硬化と脆化の抑制には熱処理法による調整が有効な方法であると考えられる。
三輪 幸夫; 加治 芳行; 塚田 隆; 山本 敏雄; 加藤 佳明; 米川 実; 松井 義典
Proceedings of 15th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-15) (CD-ROM), 6 Pages, 2007/04
単軸引張変位下での照射行き応力緩和試験を316Lステンレス鋼に対して実施した。その試験片は4レベルの変位条件で、JMTRにて561Kで3レベルの照射量条件まで照射された。照射誘起応力緩和した後の照射硬化とIASCC感受性を、溶存酸素を含む高温水中低ひずみ速度引張試験で調べた。その結果、照射誘起応力緩和は316L鋼において照射硬化及びIASCC感受性にほとんど影響がないことがわかった。すべての試験片で、残留応力は照射量の増加とともに急速に低下し、その残留応力はIASCCを発生する応力レベルよりも低い状態であった。
若井 栄一; 大塚 英男*; 松川 真吾; 古谷 一幸*; 谷川 博康; 岡 桂一朗*; 大貫 惣明*; 山本 敏雄*; 高田 文樹; 實川 資朗
Fusion Engineering and Design, 81(8-14), p.1077 - 1084, 2006/02
被引用回数:11 パーセンタイル:60.35(Nuclear Science & Technology)微小試験片の試験技術は核融合炉材料の強度特性を調べるために発展しているが、これは特に、IFMIFでは照射スペースが小さくならざるを得ないことに由来している。本研究ではF82H鋼を用いて微小な曲げ試験片(ノッチ部に疲労予亀裂入)であるt/2の1/3PCCVN(pre-cracked Charpy V-Notch)とDFMB(deformation and fracture mini bend)を作製し、これらの曲げ試験片の靭性を評価するための新しい試験装置の開発について紹介する。本装置は約-180Cから300Cまでの範囲で、変位量を高精度に制御して試験できるように設計した。また、室温でこれらの試験片を用いて静的破壊靭性試験を行い、大きめのサイズを持つ0.18DCT試験片の試験結果との比較を行った。加えて、t/2-CVNと1/3CVN及びt/2-1/3CVN片を用いて、衝撃試験によって得られた吸収エネルギーの温度変化から延性脆性遷移温度(DBTT)を評価し、t/2-1/3CVNのDBTTは大きい試験片の場合より約30C低くなる結果を得た。他方、微小引張り試験やスモールパンチ試験による強度とDBTT等の評価も同様に進めた。
若井 栄一; 實川 資朗; 富田 英樹*; 古谷 一幸; 佐藤 通隆*; 岡 桂一朗*; 田中 典幸*; 高田 文樹; 山本 敏雄*; 加藤 佳明; et al.
Journal of Nuclear Materials, 343(1-3), p.285 - 296, 2005/08
被引用回数:48 パーセンタイル:93.9(Materials Science, Multidisciplinary)低放射化マルテンサイト鋼F82Hの照射硬化と脆化に及ぼすHe生成効果とその生成量依存性を引張試験片(SS-3)と破壊靭性試験片(0.18DCT)を用いて評価した。中性子照射はJMTR炉にて250Cで約2.2dpaまで行った。本研究ではHeを材料中に生成させるためにボロン10を添加した。He生成量を変数にするため、ボロン10とボロン11の配合比(0:1, 1:1, 1:0)を変えて、ボロン添加総量を60mass ppmに揃えた3種類の添加材を作製し、照射前後の特性を比較してボロンの化学的な効果を最小限に抑えた。また、これらの試料での生成He量は約5, 150, 300appmである。一方、ボロンの効果を完全に排除した50MeVのサイクロトロン照射実験も行った。この方法ではボロンを添加しないF82H鋼を用い、直径3mm,厚さ0.3mmのTEM片に約120Cで約85appmのHeを均一に注入した後、スモールパンチ試験によって強度特性を評価した。この弾き出し損傷量は約0.03dpaであった。これらの試験結果から中性子照射後の降伏応力と最大引張応力はHe生成量の増加に伴ってやや増大した。また、中性子照射後の延性脆性遷移温度(DBTT)は40Cから150Cの範囲にあり、He生成量の増加に伴って高温にシフトした。また、サイクロトロンHe照射法によっても同様のHeによるDBTTシフト効果が確認できた。
村井 祐一*; 大岩 浩司; 佐々木 敏男*; 近藤 勝彦; 吉川 信治; 山本 富士夫*
Measurement Science and Technology, 16(7), p.1459 - 1468, 2005/07
被引用回数:30 パーセンタイル:81.54(Engineering, Multidisciplinary)ヘリカルコイル管内の空気-水二相流をバックライトを用いて断層撮影し、相分布と相関の干渉を明らかにした。内径20mmの管でみかけ流速6m/sまでの条件で測定を行った。遠心力の流況への影響が顕著なスラグ流を集中的に撮影した。互いに異なる角度で管外側に設置された6枚の鏡を用いて二相の構造を可視化した。線形後退投射アルゴリズムを用いて時間軸を加えた映像を生成して相分布を構築した。この断層撮影によって、高流速条件下での壁面被覆効果などの、ヘリカル管の新しい特徴をいくつか示すことができた。
山本 一也; 渡辺 文隆; 松岡 紀雄*; 小澤 敏克*
JNC TN1420 2005-001, 366 Pages, 2005/06
経産省の受託の一環としてすすめている,我が国の「原子力防災情報ネットワークの整備」ならびに「核燃料輸送位置監視システムの開発」に関連して,米国の原子力災害情報の広報体制及び国家非常事態管理システム,核燃料・廃棄物輸送の連続監視システム,輸送情報管理体制について,ワシントンD.C.において関係機関の調査及び意見交換を行った。日本と米国では,事故に対する認識や関係機関の体制が異なるので,米国の体制をそのまま参考とするわけにはいかないが,今回の米国調査で得られた情報は,我が国の原子力防災体制の強化を考える上で,非常に有益なものであり,キーとなるポイントを明確にすることができた。
西谷 智博; 中西 彊*; 山本 将博*; 奥見 正治*; 古田 史生*; 宮本 延春*; 桑原 真人*; 山本 尚人*; 浪花 健一*; 渡辺 修*; et al.
Journal of Applied Physics, 97(9), p.094907_1 - 094907_6, 2005/05
被引用回数:64 パーセンタイル:87.35(Physics, Applied)GaAs-GaAsP及びInGaAs-AlGaAs歪み超格子光陰極は50%を超える偏極度の電子生成を実現してきた。InGaAs-AlGaAs歪み超格子光陰極では高い量子効率0.7%を達成したが、その偏極度は775%であった。一方、GaAs-GaAsP歪み超格子光陰極では926%の高い偏極度を0.5%の高い量子効率で達成した。さらに、このような超格子光陰極を用いたときの高い偏極度の電子生成メカニズムを実験的に得たスピン分解量子効率により明らかにした。
若井 栄一; 田口 富嗣; 山本 敏雄*; 富田 英樹*; 高田 文樹; 實川 資朗
Materials Transactions, 46(3), p.481 - 486, 2005/03
被引用回数:7 パーセンタイル:51.72(Materials Science, Multidisciplinary)F82H鋼の照射硬化に関するヘリウム生成量依存性を照射温度の関数として調べた。照射量は約2dpaである。本研究に用いた試料はアイソトープ調整したボロン、すなわちB, B及びBとBを50%ずつ混合させた3種類をそれぞれ60wtppm添加したものである。照射によって生成されたヘリウム量は約15から330appmであった。照射後、引張り試験を行った結果、いずれの照射温度においても照射硬化が生じたが、B添加による硬化の増加は300C照射材のみでわずかに生じたが、150C照射材では観察されなかった。B添加による硬化の促進効果は照射温度に依存して生じると考えられる。他方、焼もどし時間に対する照射硬化の変化は、150Cで2dpa照射したF82H鋼の引張り特性から解析し、照射による硬化量は焼き戻し時間と温度の増加に伴って増加することがわかった。また、延性脆性遷移温度と降伏応力の照射による変化を解析した結果、照射後のF82H鋼の強度特性は照射前に行う焼き戻し時間や温度の調整によってその性能を向上させることができることがわかった。
大岩 浩司; 村井 祐一*; 佐々木 俊男*; 吉川 信治; 山本 富士夫*
Proceedings of 4th World Congress on Industrial Process Tomography, Vol.1, p.428 - 433, 2005/00
減り駆るコイル管内気液二相流を画像解析する6方向バックライトCT解析システムを構築した。実験結果より、コイルの遠心力によって生じる二次流れによって気体スラグ上壁部において重力に反して壁面を被う液膜の層が生じていることがわかった。また、この層は気液の流量から計算される見かけの平均速度が速い条件で現れることが明らかになった。
若井 栄一; 田口 富嗣; 山本 敏雄*; 加藤 佳明; 高田 文樹
Materials Transactions, 45(8), p.2638 - 2640, 2004/08
被引用回数:1 パーセンタイル:12.47(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉構造材料の第一候補材料である低放射化フェライト鋼の照射硬化に及ぼす熱遍歴効果を調べた。本研究ではF82H鋼を用いて、焼きならしを1040Cで30分行った後、焼きもどしの温度と時間を変数にして、照射前後の引張り特性変化を調べた。焼きもどしの条件は750C, 780C, 800Cの各温度で30分の熱処理した場合と750Cで30分から10時間まで変化させた場合の試料を用意した。照射はJMTR炉で約250Cにて1.9dpaまで照射した。引張試験にはSS-3タイプの微小試験片を用いて室温から400Cまで試験した。また、照射前の微細組織をTEM観察した。その結果、この低照射量域での照射硬化の変化は焼きもどしの温度の低下とその時間の短縮に伴って減少する傾向にあることがわかった。また、この照射硬化量の低下の原因は焼きもどしの温度と時間によって変化する固溶炭素濃度の低下によって生じる欠陥クラスター形成の減少と転位密度の増加による欠陥クラスターの成長速度の低下によると考えられる。
若井 栄一; 松川 真吾; 山本 敏雄*; 加藤 佳明; 高田 文樹; 杉本 昌義; 實川 資朗
Materials Transactions, 45(8), p.2641 - 2643, 2004/08
被引用回数:6 パーセンタイル:41.18(Materials Science, Multidisciplinary)JMTR炉で300C, 2.3dpaまで中性子照射したF82H鋼の引張り特性に関する破断と硬化の挙動に及ぼすHeの効果を調べた。本研究では材料中にHeを生成させるためにアイソトープ調整したボロンを添加させ、中性子照射中にHe量を約5から330appmまで発生させた。照射後、室温にて引張り試験を行い、破断面をSEMで観察した。その結果、He生成量の増加に伴って硬化量がやや増加したが、絞りは減少傾向にあった。この絞りと破断時の強度から近似的に算出した破断応力は材料中に生成したHe量の増加に伴って減少することがわかった。他方、ボロンと窒素を微量添加したF82H鋼(Fe-8Cr-2W-0.1C-0.3V-0.04Ta)の引張り特性とシャルピー衝撃特性の試験片サイズ効果を調べた。引張り試験には標準的サイズのJIS 14A(平行部径6mm,平行部長さ33mm)と小型サイズのSS-J3(平行部1.2mm0.77mm,平行部長さ5mm)を用い、シャルピー衝撃試験には標準の1/2t-CVNと小型の1/2t-1/3CVNを用いて評価した。その結果、引張り特性に関しては試験片の小型化による影響はほとんどなかったが、衝撃特性では試験片の小型化によって、破断面の単位面積あたりの吸収エネルギーが低下しただけでなく、DBTT(延性脆性遷移温度)が約12C低下することがわかった。