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郡司 智; 吉川 智輝; 荒木 祥平; 井澤 一彦; 須山 賢也
Proceedings of 12th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC2023) (Internet), 8 Pages, 2023/10
燃料デブリの組成や特性は不確かであるため、安全評価に用いる計算コードや核データの妥当性を検証するための臨界実験が必要である。このため、原子力機構は「STACY」と呼ばれる臨界実験装置の更新改造を進めてきた。新STACYの初臨界は、2024年春に予定されている。本論文では、新STACYの初臨界時の炉心構成について検討した結果を報告する。初臨界時には、中性子減速条件の異なる2組の格子板(間隔は1.50cmと1.27cm)が用意される。しかし、使用可能なUO燃料棒の本数には400本までの制限がある。また、初臨界の臨界水高さを95cm程度に設定したい。これは、アルミニウム合金製の中間格子板(高さ約98cm)の有する反応度影響を回避するためである。この条件を満たす初臨界の炉心配置を計算機解析で構築した。最適な減速条件に近い1.50cmの格子板を用いた正方形の炉心構成では、臨界に達するまでに261本の燃料棒が必要である。1.27cmの格子板については、1.80cm間隔で市松模様に燃料棒を配置した2つの炉心配置を検討した。一つは1.27cmと1.80cmの2つの領域を持つ炉心配置で、もう一つは1.80cmのみの炉心配置である。臨界に必要な燃料棒は、それぞれ341本と201本である。本論文では、これら3つの炉心構成とその計算モデルについて示す。
荒木 祥平; 郡司 智; 新垣 優; 吉川 智輝; 村上 貴彦; 小林 冬実; 井澤 一彦; 須山 賢也
Proceedings of 12th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC2023) (Internet), 8 Pages, 2023/10
福島第一原子力発電所で発生した燃料デブリの臨界管理に資するため、STACY更新炉においてデブリ模擬炉心の検討を進めている。燃料輸送の問題から実験に利用可能な燃料棒本数に制限がある中で、低減速条件の炉心を構成するため、テスト領域とドライバ領域からなる2領域炉心を検討した。中性子スペクトル及びコンクリート模擬体を装荷した際の感度をMCNPとENDF/B-VIIを用いて計算した。テスト領域が1717の炉心は1313サイズの領域において低減速条件のスペクトルをRMSPEが5%以下で模擬できることを明らかにした。
荒木 祥平; 郡司 智; 新垣 優; 村上 貴彦; 吉川 智輝; 長谷川 健太; 多田 裕太; 井澤 一彦; 須山 賢也
Proceedings of 4th Reactor Physics Asia Conference (RPHA2023) (Internet), 4 Pages, 2023/10
STACY更新炉における熱出力校正試験に向けて、放射化箔を用いた積算出力の評価方法の妥当性を検証するため、溶液系STACYで測定された放射化実験データを用いて、積算出力を評価した。放射化法による評価結果と溶液系STACYにおいて出力評価に用いられていた核分裂生成物の測定による評価結果とを比較し両者がよく一致することを確認した。
奥平 琢也*; 谷 結以花*; 遠藤 駿典; Doskow, J.*; 藤岡 宏之*; 広田 克也*; 亀田 健斗*; 木村 敦; 北口 雅暁*; Luxnat, M.*; et al.
Physical Review C, 107(5), p.054602_1 - 054602_7, 2023/05
被引用回数:1 パーセンタイル:68.16(Physics, Nuclear)波共鳴と波共鳴の混合に起因するParity violationの増幅が観測されているXe+nにおける3.2eV共鳴からのガンマ線の中性子エネルギーに依存する角度分布を測定した。波共鳴からのガンマ線の遷移を同定し、1807keVの終状態に遷移する7132keVガンマ線の角度分布を評価した。この角度分布は波共鳴と波共鳴の干渉による結果と考えられており、複合核におけるParity violationの増幅メカニズムの理解に役立つ。
遠藤 駿典; 奥平 琢也*; 安部 亮太*; 藤岡 宏之*; 広田 克也*; 木村 敦; 北口 雅暁*; 奥 隆之; 酒井 健二; 嶋 達志*; et al.
Physical Review C, 106(6), p.064601_1 - 064601_7, 2022/12
被引用回数:2 パーセンタイル:52.69(Physics, Nuclear)熱外中性子入射により形成される複合核において観測された、空間反転対称性の破れの大きな増幅は、今のところ複合核状態の入射チャネルにおけるパリティの異なる部分波の混合の結果として説明されている。さらに時間反転対称性の破れも同様のメカニズムで増幅されることが示唆されている。この入射チャネルにおける混合は、複合核共鳴から放出される個々のガンマ線のエネルギー依存なスピン-角相関を引き起こす。本研究ではJ-PARC・MLF・ANNRIにて偏極熱外中性子ビームを用い、Sn()Sn反応におけるガンマ線強度分布が、中性子の偏極方向に依存することを確認した。
古賀 淳*; 高田 秀佐*; 遠藤 駿典; 藤岡 宏之*; 広田 克也*; 石崎 貢平*; 木村 敦; 北口 雅暁*; 新實 裕大*; 奥平 琢也*; et al.
Physical Review C, 105(5), p.054615_1 - 054615_5, 2022/05
被引用回数:3 パーセンタイル:66.85(Physics, Nuclear)J-PACR MLFのパルス中性子源及びBL04 ANNRIに設置されたゲルマニウム検出器を用いて、Sn(n,)反応により生じるガンマ線の中性子エネルギー依存する角度分布を測定した。Snの複合核状態からSnの基底状態への遷移で発生する9327keVのガンマ線に関して、角度によって1.33eVの波共鳴の形状が変わることが明らかに確認できた。この共鳴の低エネルギー側の積分値と高エネルギー側の積分値をそれぞれで表したとき、非対称性はcosという角度依存をし、それぞれのパラメータ値が、であることがわかった。
河野 嵩*; 鹿子木 将明*; 吉川 智己*; Wang, X.*; 角田 一樹; 室 隆桂之*; 後藤 一希*; 桜庭 裕弥*; 梅津 理恵*; 木村 昭夫*
Physical Review B, 104(19), p.195112_1 - 195112_8, 2021/11
被引用回数:4 パーセンタイル:36.85(Materials Science, Multidisciplinary)軟X線放射光を用いた角度分解光電子分光法を、1nmのAlキャッピング層を有するホイスラー型CoMnGa薄膜に適用した。バルクのフェルミ面とバンド構造は、表面処理を行っていないにもかかわらず、3次元の結晶構造に由来する面外方向の運動量に沿って変化していた。さらに、フェルミ準位付近に交点を持つ特徴的な交差バンド(ワイルコーン)が存在し、計算結果と一致していた。ワイルコーンはバルク由来のもので、高い異常ネルンスト係数と異常ホール係数の原因となっている。CoMnGeとCoMnGaのバンド構造を詳細に比較した結果、両合金とも剛体バンド描像が有効であり、異常伝導性を改善するためにGaをGeに置き換えることでキャリアの微調整が可能であることが示された。
窪田 崇秀*; 嶋田 雄介*; 土屋 朋生*; 吉川 智己*; 伊藤 啓太*; 竹田 幸治; 斎藤 祐児; 今野 豊彦*; 木村 昭夫*; 高梨 弘毅*
Nanomaterials (Internet), 11(7), p.1723_1 - 1723_11, 2021/07
被引用回数:2 パーセンタイル:17.84(Chemistry, Multidisciplinary)Heusler alloys exhibit various magnetic properties. In this study, a layered sample consisting of a Heusler alloy, MnVAl and a ferromagnet, Fe, is selected as a material system exhibiting exchange bias. Although the fully ordered MnVAl is known as a ferrimagnet, the MnVAl/Fe layered structure exhibits exchange bias. The high-angle annular dark field STEM images demonstrated the formation of MnVAl clusters with the L2 phase distributed only around the interface to the Fe layer in the sample. Furthermore, the antiferromagnetic coupling between the Mn- and Fe-moments were observed in element specific hysteresis loops measured using XMCD. The locally ordered L2 phase and antiferromagnetic Mn-moments in the MnVAl layer are important for the exchange bias.
奥平 琢也*; 遠藤 駿典; 藤岡 宏之*; 広田 克也*; 石崎 貢平*; 木村 敦; 北口 雅暁*; 古賀 淳*; 新實 裕大*; 酒井 健二; et al.
Physical Review C, 104(1), p.014601_1 - 014601_6, 2021/07
被引用回数:4 パーセンタイル:57.13(Physics, Nuclear)Neutron energy-dependent angular distributions were observed for individual rays from the 0.74 eV -wave resonance of La+ to several lower excited states of La. The -ray signals were analyzed in a two dimensional histogram of the -ray energy, measured with distributed germanium detectors, and neutron energy, determined with the time-of-flight of pulsed neutrons, to identify the neutron energy dependence of the angular distribution for each individual rays. The angular distribution was also found for a photopeak accompanied with a faint -wave resonance component in the neutron energy spectrum. Our results can be interpreted as interference between - and -wave amplitudes which may be used to study discrete symmetries of fundamental interactions.
北里 宏平*; Milliken, R. E.*; 岩田 隆浩*; 安部 正真*; 大竹 真紀子*; 松浦 周二*; 高木 靖彦*; 中村 智樹*; 廣井 孝弘*; 松岡 萌*; et al.
Nature Astronomy (Internet), 5(3), p.246 - 250, 2021/03
被引用回数:43 パーセンタイル:96.93(Astronomy & Astrophysics)2019年4月「はやぶさ2」ミッションは、地球に近い炭素質の小惑星(162173)リュウグウの人工衝撃実験を成功させた。これは露出した地下物質を調査し、放射加熱の潜在的な影響をテストする機会を提供した。はやぶさ2の近赤外線分光器(NIRS3)によるリュウグウの地下物質の観測結果を報告する。発掘された材料の反射スペクトルは、表面で観測されたものと比較して、わずかに強くピークがシフトした水酸基(OH)の吸収を示す。これは、宇宙風化や放射加熱が最上部の表面で微妙なスペクトル変化を引き起こしたことを示している。ただし、このOH吸収の強度と形状は、表面と同様に、地下物質が300Cを超える加熱を経験したことを示している。一方、熱物理モデリングでは、軌道長半径が0.344AUに減少しても、推定される掘削深度1mでは放射加熱によって温度が200Cを超えて上昇しないことが示されている。これは、リュウグウ母天体が放射加熱と衝撃加熱のいずれか、もしくは両方により熱変化が発生したという仮説を裏付けている。
豊田 智史*; 山本 知樹*; 吉村 真史*; 住田 弘祐*; 三根生 晋*; 町田 雅武*; 吉越 章隆; 鈴木 哲*; 横山 和司*; 大橋 雄二*; et al.
Vacuum and Surface Science, 64(2), p.86 - 91, 2021/02
X線光電子分光法における時空間的な測定・解析技術を開発した。はじめに、NAP-HARPES (Near Ambient Pressure Hard X-ray Angle-Resolved Photo Emission Spectroscopy)データにより、ゲート積層膜界面の時分割深さプロファイル法を開発した。この手法を用いて時分割ARPESデータからピークフィッティングとデプスプロファイリングを迅速に行う手法を確立し、4D-XPS解析を実現した。その結果、従来の最大エントロピー法(MEM)とスパースモデリングのジャックナイフ平均法を組み合わせることで、深さ方向プロファイルを高精度に実現できることがわかった。
吉川 智己*; Antonov, V. N.*; 河野 嵩*; 鹿子木 将明*; 角田 一樹; 宮本 幸治*; 竹田 幸治; 斎藤 祐児; 後藤 一希*; 桜庭 裕弥*; et al.
Physical Review B, 102(6), p.064428_1 - 064428_7, 2020/08
被引用回数:2 パーセンタイル:12.9(Materials Science, Multidisciplinary)X-ray absorption spectroscopy (XAS) and X-ray magnetic circular dichroism (XMCD) spectroscopy were applied at the Ge (Ga) edge to unravel the spin-resolved unoccupied electronic states of CoMnGe (Ga). Complicated spectral features were observed in both XAS and XMCD spectra. For their interpretation, we compared the experimental XAS and XMCD spectra with the calculated Ge (Ga) 4 and 4 orbital partial density of states. The comparison enabled a qualitative explanation of the XMCD spectra as the difference between the majority and minority-spin unoccupied density of states summed over the 4 and 4 orbitals. Our finding provides a new approach to uncover the spin-split partial density of states above the Fermi level.
山本 知樹*; 奥平 琢也; 遠藤 駿典; 藤岡 宏之*; 広田 克也*; 猪野 隆*; 石崎 貢平*; 木村 敦; 北口 雅暁*; 古賀 淳*; et al.
Physical Review C, 101(6), p.064624_1 - 064624_8, 2020/06
被引用回数:9 パーセンタイル:73.66(Physics, Nuclear)An sp-mixing model, which describes a compound nuclear reaction by mixing partial waves, predicts a correlation term in this reaction. The correlation term ( ) in the La(n,) reaction has been studied by measuring -ray and neutron energies utilizing epithermal polarized neutrons and germanium detectors. The transverse asymmetry for single -ray transition was measured to be 0.60 0.19 in the p-wave resonance.
河野 嵩*; 鹿子木 将明*; 吉川 智己*; Wang, X.*; 角田 一樹*; 宮本 幸治*; 室 隆桂之*; 竹田 幸治; 斎藤 祐児; 後藤 一希*; et al.
Physical Review B, 100(16), p.165120_1 - 165120_6, 2019/10
被引用回数:5 パーセンタイル:27.67(Materials Science, Multidisciplinary)Resonant photoelectron spectroscopy at the Co and Mn 2 core absorption edges of half-metallic CoMnGe has been performed to determine the element-specific density of states (DOS). A significant contribution of the Mn 3 partial DOS near the Fermi level () was clarified by measurement at the Mn 2 absorption edge. Further analysis by first-principles calculation revealed that it has symmetry, which must be responsible for the electrical conductivity along the line perpendicular to the film plane. The dominant normal Auger contribution observed at the Co 2 absorption edge indicates delocalization of photoexcited Co 3 electrons. The difference in the degrees of localization of the Mn 3 and Co 3 electrons in CoMnGe is explained by the first-principles calculation.
北里 宏平*; Milliken, R. E.*; 岩田 隆浩*; 安部 正真*; 大竹 真紀子*; 松浦 周二*; 荒井 武彦*; 仲内 悠祐*; 中村 智樹*; 松岡 萌*; et al.
Science, 364(6437), p.272 - 275, 2019/04
被引用回数:259 パーセンタイル:99.73(Multidisciplinary Sciences)小惑星探査機はやぶさ2のターゲット天体であるリュウグウは、始原的な炭素質物質で構成されていると考えられている。はやぶさ2に搭載された近赤外分光計(NIRS3)によって、天体の表面組成を得た。天体全体の観測で、弱く細い吸収が2.72ミクロンに確認され、OHを含む鉱物の存在を示している。弱いOH吸収と低いアルベドは熱やショックによって変質を受けた炭素質コンドライトに似ている。OHバンドの位置はほとんど一定であり、衝撃片の集合によって形成されたリュウグウは組成的に均質であることを示している。
Shikin, A. M.*; Estyunin, D. A.*; Surnin, Yu. I.*; Koroleva, A. V.*; Shevchenko, E. V.*; Kokh, K. A.*; Tereshchenko, O. E.*; Kumar, S.*; Schwier, E. F.*; 島田 賢也*; et al.
Scientific Reports (Internet), 9(1), p.4813_1 - 4813_17, 2019/03
被引用回数:19 パーセンタイル:71.48(Multidisciplinary Sciences)A new kind of magnetically-doped antiferromagnetic (AFM) topological insulators (TIs), BiGdSbTe, has been studied by angle-resolved photoemission, superconducting magnetometry (SQUID) and X-ray magnetic circular dichroism (XMCD). It has been shown that this TI is characterized by the Dirac gap at the Fermi level. In the paramagnetic phase, a surface magnetic layer is supposed to develop, where the coupling between the Gd magnetic moments is mediated by the topological surface states (TSSs). This assumption can be confirmed by opening a gap at the Dirac point indicated by the surface-sensitive ARPES, a weak hysteresis loop measured by SQUID, the XMCD showing a surface magnetic moment and the temperature dependence of electrical resistance demonstrating a mid-gap semiconducting behavior, which correlates with the temperature dependence of the surface magnetization and confirms the conclusion that only TSSs are located at the Fermi level.
長尾 敬介*; 岡崎 隆司*; 中村 智樹*; 三浦 弥生*; 大澤 崇人; 馬上 謙一*; 松田 伸太郎*; 海老原 充*; Ireland, T.*; 北島 富美雄*; et al.
Science, 333(6046), p.1128 - 1131, 2011/08
被引用回数:130 パーセンタイル:95.22(Multidisciplinary Sciences)はやぶさが回収した小惑星イトカワの岩石粒子中の希ガス同位体組成を測定した結果、月試料に匹敵する高い濃度の太陽風起源He, Ne, Arを確認した。これらの希ガス組成は繰り返されたインプランテーションと、イトカワ上のレゴリス粒子同士の摩擦によってHeに富んだリムの除去による選択的Heの損失によって説明可能である。イトカワ上のレゴリスの照射時間はわずか1000万年未満であり、小さな小惑星上の物質が容易に宇宙空間に散逸してしまうことを反映している。
澁谷 早苗; 澁谷 朝紀; 吉川 英樹; 油井 三和
PNC TN8410 95-204, 24 Pages, 1995/09
高レベル廃棄物地層処分システムにおける核種移行評価においては、信頼性の高い熱力学データを整備することが重要となる。我々は、地層処分条件下における核種の溶解度を評価するために、処分条件を模擬した系における溶解度測定を行うことによって熱力学データを取得してきた。本研究においては、高レベル廃棄物中に核分裂生成物(FP)として大量に含まれるサマリウムについて、水酸化物の熱力学データを求めることを目的として溶解度測定試験を行ったので、結果を報告する。溶解度測定試験条件は以下のとおりである。雰囲気:Ar、99.99%以上(CO/分圧1ppm,O/分圧1ppm)雰囲気制御グローブボックス中温度:2427C、平衡期間:14100日(未飽和側)、28106日(過飽和側)、イオン強度:I=0.1(NaClOにより調整)、pH範囲:pH412、溶解度測定結果から推定された水酸化サマリウムの加水分解反応とその平衡定数は以下のとおりである。Sm(OH)(cr) + 3H Sm + 3HO ;log K=16.4 Sm + HO SmOH + H ;log K=-7.2 Sm + 2HO Sm(OH) + 2H ;log K=-21.7 Sm + 3HO Sm(OH)(aq) + 3H ;log K=-24.9
澁谷 朝紀; 吉川 英樹; 佐藤 治夫; 油井 三和; 梅木 博之; 石黒 勝彦
PNC TN8410 92-163, 51 Pages, 1992/09
高レベル放射性廃棄物の地層処分システムにおける性能評価においては、緩衝材として考えられているベントナイトや、多種類の岩石中の核種移行に関する基礎データを必要とする。本報告書では、それらデータの一つである分配係数について、ベントナイトおよび岩石中での核種の収着挙動に関する理論的・実験的背景を確認した上で、これまでの報告値を整理し性能評価に用いるための値の設定について検討を行なった。これにあたっては、国際的レベルで進められてきたOECD/NEAのSDB(収着データベース)を基に、データの典拠している文献の中から、収着に影響を及ぼす因子(溶液条件・固液比・雰囲気等)を考慮し、性能評価上重要と考えられる14元素のベントナイトおよび岩石への分配係数を整理した。ベントナイトの分配係数については、さらに、我が国においてよく知られているクニピアF及びクニゲルVIの2種類のベントナイトの分配係数に関するこれまでの研究成果を取り込むことにより、 以下のように設定した。(1)圧縮ベントナイトについての分配係数が存在する場合には、この値を基本的にオーダーのレベルで優先するが、バッチ法の文献値の範囲も考慮した。(2)バッチ法の文献値しかない場合には、範囲内の低い方の値をオーダーで設定した。(3)データが両者にない場合には化学的類似性に基づき設定した。また、岩石の分配係数の設定は、我が国に一般に分布する岩石を分類、選定した上で、文献値の適合性を検討し、その範囲をオーダーで設定した。
澁谷 朝紀; 油井 三和; 吉川 英樹
17th American Materials Technology Meeting Symposium for Radioactive Waste Management, ,
高レベル廃棄物の地層処分研究上重要な核種の収着メカニズムを研究するために、Pu、Am、Seのベントナイトへの分配係数(Kd)を、pH4-10の範囲で取得した。実験方法はバッチ法を用い、Pu、Amは大気下、Seは窒素雰囲気下で行った。Pu、AmのベントナイトへのKdは10^010^2m3/kgとなった。本実験条件下でのベントナイト表面は、ゼータ電位より負に帯電していることがわかったため、PuとAmの収着メカニズムは、PuとAmの陽イオン化学種とベントナイト層間陽イオンとのイオン交換であると考えられる。これらの実験結果をもとに、陽イオン交換モデルを仮定してPuとAmの収着挙動の解析を行ったところ、解析結果は実験結果を説明できることがわかった。SeのベントナイトへのKdは10^-310^-2m3/kgとなりpH依存性は見られなかった。Seは、試験液中で陰イオンで存在すると考えられるため、ベ