Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
津田 修一; 佐藤 達彦; 高橋 史明; 佐藤 大樹; 遠藤 章; 佐々木 慎一*; 波戸 芳仁*; 岩瀬 広*; 伴 秀一*; 高田 真志*
no journal, ,
重粒子線に対する生物効果を実験的に評価するうえで、重粒子線の飛跡及びその近傍における詳細なエネルギー付与分布データは重要である。本研究では重イオンの飛跡沿いに生成される線の線エネルギー分布(y分布)を精密に測定するために、壁なし型の組織等価比例計数管を製作し、放射線医学総合研究所重粒子線がん治療装置(HIMAC)の重粒子線を利用した照射実験を行っている。直径0.72
mの細胞サイズを模擬した測定条件において核子あたり400MeVの炭素線を照射した結果、入射炭素線と生成された
線による寄与を含むy分布データを取得した。講演では測定の詳細を述べるとともに、エネルギー校正方法,構造材から生成される
線評価等について発表する。
宮下 敦巳; 大沼 敏治*; 岩沢 美佐子*; 土田 秀一*; 吉川 正人
no journal, ,
SiCを用いた半導体デバイスは、従来のSiやGaAsでは動作が困難な環境下でも使用可能なデバイスとして期待されているが、SiC MOS-FETでは、SiCと酸化膜の界面にデバイス特性を劣化させる界面欠陥が多く存在しているため、その欠陥構造とデバイス特性との関連性を追求することが重要な課題となっている。本研究では実際の界面を模擬した原子構造モデルを計算機上に生成し、その電子状態が界面電気特性に与える影響を理論的側面から追求している。4H-SiC(0001)上に水晶を接続した界面原子構造モデルに対して加熱・急冷計算を行い、アモルファスSiO
/SiC界面原子構造を生成した。なお、加熱・急冷計算には第一原理分子動力学計算コードであるVASPを用いた。生成された界面構造モデルでは、従来モデルにおいて想定されていた、Si原子が界面にある2つないしは3つのSi-O結合をまとめる界面接続モデル以外にも、Si原子が一つのSi-O結合にのみ接続する構造ができていた。加えて従来モデルでは想定されていなかった、Siダングリングボンド,Si-Si結合,5配位Si等の欠陥構造が観察された。
大沼 敏治*; 宮下 敦巳; 岩沢 美佐子*; 吉川 正人; 土田 秀一*
no journal, ,
ワイドギャップ半導体であるSiCは、Si同様熱酸化により絶縁膜を作製できるため次世代のMOS型パワーデバイスとして有望であるが、同時にSiC/SiO界面ではトラップ密度が高いことや、デバイスのチャンネル移動度が低いことも知られている。SiC/SiO
界面には界面遷移層が存在しており、これが界面トラップ密度を増大させチャンネル移動度を低下させる原因とも考えられている。この界面遷移層の形成過程を解明するには、SiC/SiO
界面の熱酸化過程のメカニズムを明らかにすることが重要である。そこで、急峻かつダングリングボンドのないSiC/SiO
界面モデル中のSiO
層に対し、O分子を一つずつ追加することで、熱酸化過程の動的シミュレーションを行った。界面のSiC層側にはC面を、酸化温度には実験温度である1500Kを用い、O分子は15psごとに追加した。その結果、O分子はSiO
層中のSi原子及びSiC界面のC原子と反応し解離した。解離したO原子はSiC界面のC原子を酸化するだけではなく、SiC層の2層目のSi原子も酸化した。酸化温度2500Kにおいては一層ずつ酸化される単層酸化が起こったが、1500KにおいてはC層とSi層の二層酸化により酸化が進むことがわかった。
Hao, T.; 小野 正雄; 岡安 悟; 境 誠司; 鳴海 一雅; 笹瀬 雅人*; 楢本 洋*
no journal, ,
超重力場(以下、MG)下では、固体金属中において原子レベルの沈降現象が生じることが報告されている。この原子拡散へのMGの影響を調べるため、本研究では、Au/Cuナノ拡散対に着目し、MG印加後及び、同一温度条件で焼鈍後の試料のCuとAu原子の深さ分布変化をRBS法で評価した。真空蒸着法で二層膜: Au(60nm)/Cu(500nm)/-Al
O
(0001)を作製し、0.61
10
g, 220
Cにて時間条件のみを変えてMG実験を行った。RBS測定からは、MG実験後及び焼鈍のみの試料のいずれもAuがCuへの拡散はほぼ観察されず、CuがAu膜中を拡散してAuの表面側に新たにCu層が形成されたことがわかった。新しいCuの膜厚は処理時間とともにおおよそ増加しており、310minまでに、焼鈍のみの場合では約35nmまで、MG実験後の場合では約60nmまで成長したことがわかった。Au膜の格子定数の変化を調べると、焼鈍のみの場合では処理時間にほぼ依存せず、MG実験後では処理時間とともに減少することが明らかとなっており、MGがAu膜へのCu原子の固溶過程に影響を与えることを示唆している。
江坂 文孝; 山本 博之; 松林 信行*; 山田 洋一*; 笹瀬 雅人*; 間柄 正明; 木村 貴海; 山口 憲司; 社本 真一
no journal, ,
本研究では、放射光を励起源としたX線光電子分光(XPS)法及びX線吸収分光(XAS)法により、イオンビームスパッタ蒸着(IBSD)法を用いて成膜した-FeSi
薄膜表面の化学状態について分析を行った。測定は高エネルギー加速器研究機構(KEK)放射光実験施設(PF)、ビームラインBL-13Cにて行った。XPS測定では、放出される光電子のエネルギーを変化させることにより深さ方向分析を行った。XPS測定において、励起エネルギーの減少とともにSiO
及びSiO
に起因するピークの割合が増加した。解析の結果、最表面に1nm以下のSiO
層が、さらにその直下にSiO
層が形成されていることが確認された。本法では、固体表面の化学状態についての詳細な分析が可能であり、原子力材料の研究などに対しても有効であると考えられる。
佐藤 真一郎; 齋 均*; 今泉 充*; 島崎 一紀*; 近藤 道雄*; 大島 武
no journal, ,
水素化アモルファスシリコン(a-Si:H)は、宇宙用太陽電池といった放射線環境下での光デバイスとしての応用が期待されているものの、その放射線照射効果についてはあまり研究されていない。そこで、本研究では放射線照射によるa-Si:H薄膜の光伝導度変化について調べた。プラズマ化学気相成長(PECVD)法によりガラス基板上に製膜したa-Si:H薄膜に、0.10又は10MeVの陽子線を最大10/cm
程度まで室温照射し、そのときの光伝導度の変化を照射チャンバー内でその場測定したところ、いずれの条件においても光伝導度は陽子線照射量の増大とともにいったん上昇し、その後減少した。この異常な変化は試料に対する光安定化処理の有無とは無関係に現れた。また、光安定化処理を施した試料の場合、10
/cm
付近での光伝導度の値が光安定化処理前の値を明らかに超えていることから、この異常変化は光生成欠陥が熱回復したことによるものではないと推測される。
山内 俊彦; 竹本 亮*; 薮野 正裕*; 管野 善則*; 小林 清二*; 白水 美帆*; 竹井 透*; 加藤 初弘*; 中垣 圭太*
no journal, ,
これまでRF加熱CVDプラズマに関してハードの面から開発を進めた。実験データも集まってきた。そこでは1自己発生型ICPパルス(self-generated ICP pulse)の発生(プラズマの遷移パワー閾値に関係した受動的ICP繰返しパルス)、及び2CCPからICP遷移トリガーは、温度Teであること等実験的に煮詰めてきた。その中でTe及びneは、アンテナ近傍でICP/CCPを比べると、それぞれ2から3、及び2桁超であった。これらの空間的分布をダブルプローブで測定したところ(3ターンアンテナの軸をz方向の縦方向に採る)対照的な分布特性、すなわちICPの急勾配分布に対してCCPでは、Teは平坦及びneは15mmから平坦という独特の分布特性が観測された。次にアンテナからの距離z=5mmで水平方向にr分布を計測した。r分布も全く同様の特徴的な特性を示した。学会では、このようなTe及びne特性をメインに発表する。
景井 悠介*; 小園 幸平*; 朽木 克博*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿; 細井 卓治*; 志村 考功*; 渡部 平司*
no journal, ,
高密度プラズマ窒化処理を行った4H-SiC(0001)基板について、熱酸化の進行とともにSiO/SiC界面構造がどのように変化するのかを光電子分光法により調べた。Si2pスペクトルに注目し、Siの中間窒化状態及び中間酸化状態について評価を行った結果、通常の熱酸化膜界面に対して、プラズマ窒化処理後に酸化を行うことでSiO
/SiC界面の中間酸化状態の生成を大幅に抑制できることがわかった。MOSキャパシタの電気特性評価を行ったところ、プラズマ窒化後の熱酸化で形成したSiO
/SiC界面で欠陥密度が半減していたことから、Siの中間酸化状態成分が電気的欠陥の生成に関与していることが明らかとなった。
小野田 忍; 岩本 直也; 小野 修一*; 片上 崇治*; 新井 学*; 河野 勝泰*; 大島 武
no journal, ,
耐放射線性SiC(Silicon Carbide)デバイス開発研究の一環として、4H(Hexagonal)SiCエピ基板上に作製したMESFET(Metal Semiconductor Field Effect Transistor)に、Co-60照射施設において、8.7kGy/hの線量率で2.4MGyの線量まで線を室温にて照射した。照射前後の電流電圧特性を室温,暗条件にて測定した。その結果、2MGyを超えても相互コンダクタンスの変化はほとんど見られなかった。さらに、ゲートのリーク電流,理想係数,障壁高さ,しきい値電圧についても、同様に大きな変化は観測されなかった。以上のことから、4H-SiC MESFETは高い耐放射線性を有することが示された。
穂積 英彬*; 小川 修一*; 吉越 章隆; 石塚 眞治*; 寺岡 有殿; 高桑 雄二*
no journal, ,
Si酸化における表面歪みの影響を調べるため、p型Si(001)表面にCH
を暴露してSi
C
合金層を形成してSi表面に格子歪みを加え、この合金層の酸化反応過程をリアルタイム光電子分光にて観察した。実験はSPring-8のBL23SUの表面化学反応解析装置にて行った。清浄表面と比較して合金層表面の酸化速度が大きい。また、界面の炭素濃度は表面酸化ではほぼ一定で界面酸化では減少することから、C原子はCO, CO
として脱離せず、基板内部へ拡散することが示唆された。以上の結果は「点欠陥発生を介した統合Si酸化反応モデル」を適用して説明できることを明らかにした。
小野 正雄; Hao, T.; 岡安 悟; 江坂 文孝; 大澤 崇人; 井口 裕介*; 真下 茂
no journal, ,
液体や気体中での粒子の沈降現象はなじみ深い。この沈降粒子の最小サイズは、加速度場が大きいほど小さくなる傾向にある。地上重力の1g付近では静置した泥水中の泥が沈降する程度であるが、おおよそ1万gレベルから、媒質中でブラウン運動している微粒子の沈降も生じるようになる。10万gレベルともなると、固体中の原子の拡散に対する重力場の影響が無視できなくなり、原子単位での沈降が生じるようになる。固体中の原子の沈降現象に関する研究の歴史としては、まず、1969年に、16万gの遠心加速度場下に置かれた固体状態の単体金属K中において、格子間原子として振る舞う不純物レベルのAu原子の沈降が初めて確認されている。1997年には、100万gレベルの遠心加速度場にてBi-Sb固溶系合金(固体)中において、物質の構成原子の沈降が初めて確認されている。さらに、2007年には、固体状態の単体金属や合金中において、同位体の沈降現象が初めて確認されている。以上が固体中の原子の沈降に関する簡単な歴史であるが、液体中の原子の沈降については、2007年に報告された融体Se中の同位体の沈降に関する報告が初めての報告となっている。本研究では、われわれが行った固相や液相の金属中での同位体の沈降に関する研究について紹介したい。
松本 吉弘; 境 誠司; 楢本 洋*; 中川 剛志*; 高木 康多*; 横山 利彦*; 島田 敏宏*; 三谷 誠司*; 高梨 弘毅; 前田 佳均
no journal, ,
フラーレン(Co)-コバルト(Co)化合物中にCoナノ粒子が分散するCo
-Co共蒸着薄膜において、巨大トンネル磁気抵抗(TMR)効果の発現が明らかとなっている。本研究ではCoの組成比が異なる試料(Co
Cox)に対してX線吸収分光(XAS), 磁気円偏光二色性(MCD)測定、及び量子化学計算を実施し、TMR効果発現にかかわるスピン状態の解析を行った。結果としてXAS、及びMCD測定から、薄膜中のCo
-Co化合物に局在する電子状態として、Co
分子とCo原子が結合した状態(
-d混成軌道)に由来するスピン偏極状態が明らかとなった。さらにTMR効果の理論モデルに、同局在スピンの振る舞いがCoナノ粒子間をトンネルする伝導電子のスピン偏極率に影響を及ぼす過程を考慮すると、磁気抵抗率の計算値(MRcalc)がSQUID測定から得られた実測値(MR0)と一致することが明らかとなった。これはCo
-Co薄膜で発現する巨大TMR効果へのCo
-Co化合物の寄与を明確にした結果となる。
境 誠司; 松本 吉弘; 菅井 勇*; 三谷 誠司*; 高梨 弘毅; 前田 佳均
no journal, ,
本研究ではグラニュラーC-Co薄膜のTMR効果メカニズムの追究を目的に、C
-Co薄膜(100
300nm厚)を銀電極層でサンドイッチした低抵抗なCPP(current-perpendicular-to-plane)素子を作製し、ゼロ電圧付近までの磁気伝導特性の評価を行った。本研究の結果、グラニュラーC
-Co薄膜のTMR効果が、素子構造や膜面に対する伝導方向に依存せず等方的に生じる物質固有の効果であることが確かめられ、スピン分極率の効果による上限値(MR=50%)を越えるTMR効果の発現と指数関数的MR-V依存性が薄膜中のCoナノ粒子のクーロン閉塞と関連する同一のメカニズムによることが明らかになった。講演で詳細な結果を報告する。
林 由紀雄; 神門 正城; 小瀧 秀行; 川瀬 啓悟; 本間 隆之; Bulanov, S. V.
no journal, ,
エネルギー連続可変単色X線はイメージングや結晶構造解析など幅広く利用されている。このようなエネルギー連続可変単色X線の生成方法として、電子線などをターゲット材に照射した際に生成される制動放射X線を結晶分光により単色化する手法が一般的である。ただしこの方法では大部分の制動放射X線は利用されていないという問題がある。上記と異なる生成方法のエネルギー連続可変X線としてS.A.Vorobievらが発見したパラメトリックX線が知られている。この単色X線はブラッグ条件に従うので、電子の入射角を変えることで任意のエネルギーのX線を取得することができる。極短パルスのパラメトリックX線を発生レーザープラズマ電子線により生成できれば、非常にユニークな線源になると考えている。現在は手始めとしてレーザープラズマ電子ではなく、150MeV電子加速器を利用してパラメトリックX線の生成を試みており、その結果について報告する。
谷村 嘉彦; 三枝 純; 志風 義明; 堤 正博; 吉澤 道夫
no journal, ,
原子力機構では、中性子測定器のエネルギー特性試験を専門に行うための単色中性子校正場を整備している。今回、トリチウムの(p,n)反応を新たに利用して、ISO 8529-1に基づく1.2及び2.5MeVの単色中性子校正場を開発した。校正場の開発には、校正位置における中性子フルエンスを精度良く評価する必要がある。そこで、検出効率を向上させたポリエチレンコンバータ付半導体検出器(CH-SSD検出器)を作成してフルエンスを測定した。そして、中性子発生量モニタ用検出器の計数との関係を導出した。これにより、1.2及び2.5MeV単色中性子を用いた測定器のエネルギー特性試験が可能となった。
大島 武; 小野田 忍; 堀田 和利*; 鎌田 透*; 河田 研治*; 江龍 修*
no journal, ,
炭化ケイ素(SiC)デバイス作製プロセスの最適化を目的に、デバイス作製プロセスの出発点といえる基板研磨技術がデバイス特性に与える影響に着目し、異なる表面粗さを持つ六方晶(4H)SiC基板上に作製したMOSFETの電気特性について調べた。2インチ4H-SiC基板を用い、3mのダイヤモンドスラリーにより機械研磨(3MP)、さらに1/4
mで機械研磨(1/4MP),コロイダルシリカによる化学機械研磨を行った試料(CMP)を作製した。原子間力顕微鏡(AFM)観察により、3MP, 1/4MP, CMPのRmsを求めたところ、それぞれ、6.83, 1.43及び0.077nmであった。次に、化学気相成長法を用いて同一条件でp型エピ膜を堆積したところ、エピ膜成長後の表面のRmsは、3MP, 1/4MP及びCMPで、それぞれ8.47, 0.906及び0.260nmであった。これらエピ基板1/4部分に150個程度のMOSFETを同一条件で作製し、しきい値電圧(V
)を測定した。V
の理想値は2.8Vであり、いずれのMOSFETも理想値より大きい値であったが、表面平坦度がよくなるに従い6.73Vから5.19Vと理想値に近づく結果となった。また、分布は3MPでは
0.77Vであるが、CMPでは
0.51Vと表面平坦度がよくなるに従い分布幅も小さくなった。以上より、基板の表面平坦度の向上はMOSFET特性の向上につながることが判明した。
田中 弥生*; 堀田 和利*; 鎌田 透*; 河田 研治*; 大島 武; 江龍 修*
no journal, ,
炭化ケイ素(SiC)基板を形状加工しながら最表面まで単結晶状態とし、かつ、均質な原子ステップで構成される面を形成し、ショットキーダイオード(SBD)によりその特性を評価した。部分的に耐圧が低い箇所が見いだされたが、それが基板起因であるのか、形状加工過程にあるのかを調べるため、ラッピング工程における基板のSBD特性を調べた。特にダイヤモンド加工工程で生じるスクラッチが基板潜傷となり、リーク原因となる可能性に着目し実験を行った。半絶縁性六方晶(4H)SiC表面を粒径3mとそれに続く1/4
mのダイヤモンドスラリーで加工し、その面上に直径4mmのショットキー電極を作製し、耐圧評価を行った。SBDの逆方向特性を測定した結果、1/4
mダイヤモンド仕上げ面は以前調べた化学機械研磨(CMP)仕上げ面に比べて一桁多いリーク電流が観測されたが、1.2KVの範囲ではブレークしないことが明らかとなった。しかし、3
mダイヤモンド仕上げ面では、大きくリークした箇所が観測された。このことより、表面に残存する深いスクラッチがSBDのブレーク起因となる可能性があり、かつ、CMP面と比較することにより、1/4
m研磨での浅いスクラッチであってもリーク電流を増大させることが判明した。
堀田 和利*; 鎌田 透*; 河田 研治*; 江龍 修*; 大島 武
no journal, ,
市販されている炭化ケイ素(SiC)基板は、デバイスを作製する(0001)Si面がメカノケミカルポリシング(CMP)面、裏面の(000-1)C面がメカニカルポリシング(MP)面となっている。この表裏の加工状態の差は、基板表面に応力差を生じさせ、基板形状を悪化させる原因となる。今後のSiC基板大口径化や量産化においては、基板形状の高精度化は必須となると考えられ、基板表裏をCMP面とする必要があるが、現在は(0001)Si面及び(000-1)C面の性質の違いから、片面ごとにCMPすることしかできず、加工に長時間を必要とする問題がある。そこで本研究では、加工時間の短縮並びに基板形状の高精度化を目的に、(0001)Si面及び(000-1)C面を同時にCMPできる技術の開発を試みた。実験には両面研磨機(浜井産業製6BN)を用い、加工圧及び定盤回転数を346g/cm及び40rpmとした。研磨後、表面粗さを原子間力顕微鏡にて評価したところ、表面にスクラッチやピットがないことが観察され、表面粗さRaは0.1nm以下であり、良好な平坦度を有する面であることが確認された。
加藤 正史*; 福島 圭亮*; 春日 将宣*; 鬼頭 孝輔*; 市村 正也*; 兼近 将一*; 石黒 修*; 加地 徹*; 大島 武
no journal, ,
窒化ガリウム(GaN)は電子デバイス用材料として有望であるが、デバイス作製プロセスにおいて窒素空孔が生成され電気的特性に悪影響を与えると言われている。本研究ではGaNに電子線照射を行い、ガリウムに比して軽元素である窒素のみを弾き飛ばし意図的に窒素空孔を生成させ、電気的評価を行うことで窒素空孔が生成する深い準位についての知見を得た。サファイア基板上に有機金属化学気相法により成長させたアンドープGaNウェハーをカットし、一部の試料に電子線(200keV)照射を行った。それら試料へNi蒸着を行いショットキーダイオードを作製し、電流-電圧測定を行うことで特性を評価した。その結果、電子線照射後のGaNは未照射に比べ直列抵抗が増加することが確認された。さらに、容量-電圧測定から、正味のドナー濃度が減少することが判明した。これより、電子線照射により窒素空孔が生成され、それが欠陥準位を形成することでキャリア濃度を減少させ、抵抗を増大させることが示唆された。
宗和 誠*; 岡田 美智雄*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿; 笠井 俊夫*
no journal, ,
TiNi合金の酸化反応を放射光光電子分光と超音速酸素分子線を用いて大型放射光施設SPring-8の原子力機構専用ビームラインBL23SUで行った。Arイオンスパッタリングで表面を清浄化したTiNiを酸素ガスに曝すとおもにTiOが生成する。他にTi
も生成することがわかった。これは酸化膜中に欠陥が多いことを示唆している。一方、2eVの並進運動エネルギーを持つ超音速酸素分子線を照射した場合は、TiO
のみが生成することを見いだした。膜厚は2nm程度であった。さらに、基板を673Kに加熱しながら2eVの酸素分子線を照射すると80nm程度のTiO
膜を形成させることができた。