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論文

Biodegradability of disulfide-organosilica nanoparticles evaluated by soft X-ray photoelectron spectroscopy; Cancer therapy implications

銘苅 春隆*; 吉越 章隆; 中村 教泰*; 堂浦 智裕*; 玉野井 冬彦*

ACS Applied Nano Materials (Internet), 2(1), p.479 - 488, 2019/01

 被引用回数:40 パーセンタイル:84.08(Nanoscience & Nanotechnology)

シリカナノ粒子は、標的薬を可能にするためにドラッグデリバリーシステムとして魅力的である。リスクを最小限に抑えるために、理想的には、薬物送達後体内でナノ粒子が分解する必要がある。しかし、シリカナノ粒子の生分解に関する研究は十分でない。本研究では、X線光電子分光と電界放射型走査電子顕微鏡を用いて、細胞中に見られるペプチドであるグルタチオンによるシリカナノ粒子の分解を調べた。我々の結果は間接的にグルタチオンがナノ粒子中のジスルフィド結合の減少(ナノ粒子の解離)を引き起こすことを示した。解離したナノ粒子は、特定の条件下で大きな楓葉形状の構造物を形成する。これらの対称構造の形成機構を検討した。

論文

Determination of the compound biological effectiveness (CBE) factors based on the ISHIYAMA-IMAHORI deterministic parsing model with the dynamic PET technique

石山 新太郎; 今堀 良夫*; 伊丹 純*; Koivunoro, H.*

Global Journal of Medical Research; F, 15(4), p.1 - 5, 2015/11

ボロン薬剤BPAを投与したがん患者PETデータからCBEファクターを求めるための決定論的石山-今堀モデル(I-Iモデル)を提案している。本論文では、実際のがん患者にBPAを投与後の動的PETデータからシグモイド関数近似を行い、I-Iモデル中のNth/Nmax値を一義的に求められることを示すことで様々な重篤度の患者33ケースで個別にCBEファクターを求めることを示した。

論文

LET dependency of human normal dermal cells survival in carbon ion irradiation

吉田 由香里*; 溝端 健亮*; 松村 彰彦*; 磯野 真由*; 八高 知子*; 中野 隆史*; 舟山 知夫; 小林 泰彦; 金井 達明*

JAEA-Review 2014-050, JAEA Takasaki Annual Report 2013, P. 81, 2015/03

日本の炭素線治療において臨床線量を決定するために用いられているclinical RBE (cRBE)はexperimental RBE (eRBE)にscaling factorをかけたものである。eRBEはhuman salivary gland(HSG)細胞を用いたコロニー形成法によりlinear-quadratic(LQ)モデルで得られた$$alpha$$値および$$beta$$値から求められた各LETにおけるRBEが採用されており、これが全ての患者(すなわちすべての細胞および組織)における炭素線治療計画に反映されている。しかしながら、RBEは線量,線量率,細胞や組織の種類、エンドポイント、酸素化の程度などにより異なる。そこで、群馬大学重粒子線照射施設(GHMC)のLET 13$$sim$$80keV/$$mu$$m、および原子力機構TIARAのLET 108$$sim$$158keV/$$mu$$mの炭素線を用い、その線量分布を評価すると共に、ヒト正常皮膚細胞への照射を行い、得られたRBE値について過去のHSG細胞の結果と比較・解析した。

論文

Epigenetic modifier as a potential radiosensitizer for heavy-ion therapy on malignancy, 2

斎藤 克代*; 舟山 知夫; 小林 泰彦; 村上 孝*

JAEA-Review 2014-050, JAEA Takasaki Annual Report 2013, P. 83, 2015/03

エピジェネティック分子標的薬は、DNAに記された遺伝暗号(塩基配列)自体は変化させないが、DNAや付随するヒストン蛋白の修飾を後天的に変化させることができる。これらの薬剤は、遺伝子異常が蓄積しているがん細胞を狙って作用するために、がん選択的な治療効果を高めることが可能である。そこで本研究では、エピジェネティック分子標的薬と重粒子線の併用が、悪性黒色腫細胞に与える影響を調べた。マウス悪性黒色腫細胞株B16F10にエピジェネティック分子標的薬を投与した後、原子力機構・TIARAにおいて炭素イオンビームで照射した。照射した細胞の生存率をコロニー形成法で評価した結果、代表的なヒストン脱アセチル化酵素阻害剤であるトリコスタチンA(TSA)で処理した試料において、TSAと重粒子線の併用が、B16F10のコロニー形成能を抑制することが明らかになった。

論文

Increase in cell motility by carbon ion irradiation via the Rho signaling pathway and its inhibition by the ROCK inhibitor Y-27632 in lung adenocarcinoma A549 cells

村田 和俊*; 野田 真永*; 尾池 貴洋*; 高橋 昭久*; 吉田 由香里*; 鈴木 義行*; 大野 達也*; 舟山 知夫; 小林 泰彦; 高橋 健夫*; et al.

Journal of Radiation Research, 55(4), p.658 - 664, 2014/07

 被引用回数:16 パーセンタイル:55.46(Biology)

ヒト肺がん細胞A549株のRhoシグナル伝達経路を介した遊走能に対し、炭素線照射が及ぼす影響を解析した。照射48時間経過後、炭素線照射したA549細胞の遊走能は大きくなり、遊走突起の形成も増加した。この遊走能の炭素線照射による増加は、X線照射後のそれと類似していた。ウェスタンブロット解析の結果は、照射した細胞がP-MLC2-S19タンパク質発現を増加させている一方で、MLC2タンパク質ファミリー全体の発現量に変化がないことを示した。ROCKタンパク質阻害剤であるY-27632の細胞への投与は、このP-MLC2-S19タンパク質の発現増加を抑制し、遊走能を低下させた。これらの結果より、ヒト肺がん細胞A549細胞への炭素線照射は、細胞遊走能をRhoシグナル伝達経路経由で増加させており、それはROCKタンパク質阻害剤で抑制されることが明らかとなった。

論文

Labeling of bifunctional chelating agent, MAG3, with carrier-free $$^{188}$$Re

橋本 和幸; Wan, K. W. H. B. B.*; 松岡 弘充

Journal of Nuclear and Radiochemical Sciences, 6(3), p.193 - 196, 2005/12

治療に有効な核的特性を有するラジオアイソトープ(RI)をがんへ集積する性質を有する生理活性物質(モノクローナル抗体等)に標識した化合物は、がんの内用放射線治療への応用が期待されている。メルカプトアセチルトリグリシン(MAG3)は、生理活性物質のRI標識に有用な二官能性配位子の一つである。本研究では、がん治療に有効な核的特性を有するジェネレータ製無担体$$^{188}$$ReによるMAG3標識について、直接合成法及び中間体を生成させるtransfer配位子(クエン酸及びグルコン酸)を用いた合成法による標識条件(Reの還元剤である塩化スズ濃度,pH,MAG3濃度,transfer配位子濃度,担体の有無等)の違いを詳細に比較検討した。最適条件下では、いずれの方法によっても90%以上の標識率が得られた。直接法とtransfer配位子法を比較すると、直接法は、反応を窒素気流中で行い、さらに溶媒の除去操作が必要であるが、transfer配位子法では必要がない。したがって、操作上は、transfer配位子法の方が簡便である。また、transfer配位子の違いにより、標識率のpH依存性の違いや室温での反応性の違いなどが観察された。今後は、transfer配位子の違いによる抗体標識及びtransfer配位子を利用した他の有用配位子の標識に関する検討を行う予定である。

論文

Development of a Rhenium-186-labeled MAG3-conjugated bisphosphonate for the palliation of metastatic bone pain based on the concept of bifunctional radiopharmaceuticals

小川 数馬*; 向 高弘*; 荒野 泰*; 小野 正博*; 花岡 宏史*; 石野 誠悟*; 橋本 和幸; 西村 洋*; 佐治 英郎*

Bioconjugate Chemistry, 16(4), p.751 - 757, 2005/07

 被引用回数:62 パーセンタイル:87.15(Biochemical Research Methods)

患者のQOL(生活の質)の向上を目指した癌性骨転移の疼痛緩和薬剤として、ビスホスホネート化合物の一つであるHEDPに$$beta$$線を放出する$$^{186}$$Reを標識した$$^{186}$$Re-HEDP化合物が検討されているが、血液クリアランスの遅さや胃への高い集積などが問題となっている。これはおもに、$$^{186}$$Re-HEDPが多核錯体であり、体内で不安定であるためであると考えられている。そこで、本研究では、二官能性放射性医薬品の概念に基づき、安定な$$^{186}$$Re単核錯体である$$^{186}$$Re-MAG3(メルカプトアセチルトリグリシン)をビスホスホネート骨格を持つ化合物に導入した新規薬剤$$^{186}$$Re-MAG3-HBPを設計・合成し、その特性を調べた。その結果、MAG3-HBPと$$^{186}$$Re標識クエン酸の配位子置換反応により、$$^{186}$$Re-MAG3-HBPを95%以上の放射化学的純度で合成できた。また、本化合物は、リン酸緩衝溶液において、24時間後でも分解は観察されず、$$^{186}$$Re-HEDPに比べてかなり安定であった。さらに、動物実験の結果、$$^{186}$$Re-MAG3-HBPは、$$^{186}$$Re-HEDPに比べて、高い骨への集積,速い血中クリアランス及び低い胃への集積を示し、癌性骨転移の疼痛緩和薬剤として優れた特性を有していることが明らかになった。

論文

Dose properties of a laser accelerated electron beam and prospects for clinical application

Kainz, K. K.*; Hogstrom, K. R.*; Antolak, J. A.*; Almond, P. R.*; Bloch, C. D.*; Chiu, C.*; Fomytskyi, M.*; Raischel, F.*; Downer, M.*; 田島 俊樹

Medical Physics, 31(7), p.2053 - 2067, 2004/07

 被引用回数:34 パーセンタイル:65.33(Radiology, Nuclear Medicine & Medical Imaging)

レーザー航跡場加速の技術が発展してきたので、その医学への応用が可能になりつつある。特に超小型の医療用加速器としての利用が考えられる。現行の実験条件でも丁度適切ながん電子治療装置を設計できる。その基本コンセプトを提示する。このさまざまな利用形態についても議論する。

論文

Separation, purification of $$^{177}$$Lu$$^{m}$$ and preparation of $$^{177}$$Lu$$^{m}$$-EDTMP

Chen, D.*; 橋本 和幸

Journal of Nuclear and Radiochemistry, 26(2), p.84 - 87, 2004/05

$$^{177}$$Luは、がん治療に適した$$beta$$線及び画像化に適した$$gamma$$線を放出し、かつ治療に適当な半減期(6.75日)を有していることから、がん治療用核種の一つとして注目されている。一方、$$^{177}$$Luの放射性医薬品を研究開発するうえで、体内動態など長期的に追跡するためには、より半減期の長い$$^{177}$$Luの核異性体である$$^{177}$$Lu$$^{m}$$(160.9日)が有効と考えられる。そこで、本研究では、$$^{177}$$Lu$$^{m}$$の製造法として、酸化ルテチウム(Lu$$_{2}$$O$$_{3}$$)の中性子照射により生成する$$^{177}$$Lu$$^{m}$$をターゲット中に存在した不純物に由来する副生成物($$^{46}$$Sc, $$^{169}$$Yb, $$^{170}$$Tm等)から陽イオン交換法により分離する方法を検討した。その結果、分離して得られた$$^{177}$$Lu$$^{m}$$の放射能量は、製造終了時において18.2MBq(Lu$$_{2}$$O$$_{3}$$:30mg, 照射:JMTR591時間, 冷却時間:318日間)であった。これはターゲット溶解時の母液中の放射能18.7MBqに対して97.3%の収率であった。放射性核種純度は、99.5%以上であった。また、得られた$$^{177}$$Lu$$^{m}$$を使用して、転移性骨がんの疼痛緩和薬としての利用が期待される標識化合物であるルテチウム-アミノメチレンリン酸化合物($$^{177}$$Lu$$^{m}$$-EDTMP)の合成条件の検討を行い、97%以上の高い標識率が得られる条件を決定した。

論文

Present status of radioisotope production for medical use with reactors and a cyclotron in JAERI

山林 尚道

Proc. of Korea Atomic Industrial Forum,Inc., p.347 - 357, 1997/04

日本原子力研究所では、医薬品の研究や医療現場で使用される診断・治療用ラジオアイソトープ(RI)の研究開発及び製造頒布を行っている。原子炉・加速器で製造される医療RIについて最近原研で開発してきたRIを中心に報告する。がん治療のためあらかじめ線源を導くアプリケータをがん患部に挿入し、遠隔で操作を行い短時間で医療従事者の被曝なしに治療できるRALS用高線量率イリジウム線源の製造、品質管理の確立及びモノクローチル抗体に標識し患部に集積し、その強いベータ線でがんの疼痛軽減、治療に有効なレニウム-186,188,ストロンチウム-89の開発状況を述べる。さらに高崎研AVFサイクロトロンによる無担体レニウム-186やPET用陽電子放出核種の製造について報告する。

論文

Present status of radioisotope production for medical Applications by reactors in JAERI

山林 尚道

Japan-Russia Seminar on Utilization of Radiation and Radioisotopes for Medical Purposes, 0, p.1 - 12, 1994/00

原研では、放射線源として、がん治療のためのLDR(低線量率)用$$^{192}$$Ir小線源7種類、及び$$^{198}$$Au小線源7種類並びにHDR(高線量率)用$$^{192}$$IrRALS(遠隔操作式治療装置)用の新しい治療用$$^{192}$$Ir線源及び骨密度診断用$$^{153}$$Gd線源の製造・開発を行っている。一方、がん治療用核医学薬品の原料として高比放射能$$^{64}$$Cu,$$^{99}$$Moの他、近い将来疼痛軽減、治療にその利用が期待される$$^{89}$$Sr,$$^{186}$$Re及び$$^{188}$$W/$$^{188}$$Reジェネレーターの製造・開発も進めている。これらの製造には、研究炉JRR-2(10MW),JRR-3M(20MW),JRR-4(3.5MW)及び材料試験炉JMTR(50MW)を利用している。

口頭

BNCTによる癌治療のための決定論的解析モデル

石山 新太郎

no journal, , 

BNCT治療のためのCBEファクターを決定するためのCBEファクターモデルをボロン薬剤のセル細胞内取り込みモデルにより下記式として導出した。CBE=CBE0+F/2・[1-(Nth/N)(-1/n)][2-(Nth/N)(-2/n)+ (Nth/N)(-1/n)](0$$<$$Nth/Nmax$$<$$1)ここでCBE0, F及びnは定数で、Nth及びNmaxはボロン濃度閾値ならびに飽和値であり、BPA薬剤の場合CBE0=0.5, F=8ならびn=3が得られた。

口頭

Atomic collision physics relevant to the treatment planning system for heavy particle cancer therapy; Radial dose simulations

森林 健悟

no journal, , 

Radial dose has been employed in the treatment planning system for heavy particle cancer therapy in order to estimate the cell survival after the exposure to a heavy particle. The two models for radial dose have been available. However, both of these two models have very roughly treated the region near the trajectory of an incident heavy particle, although this region is very important to estimate the biological effect. There are no studies involving the detailed examination of the physical phenomena that occur near the trajectory of an incident ion before ours. The progresses of atomic collision physics and computers allow us to obtain radial dose closer to reality. We may succeed to the point that our model sufficiently reproduces the trend allowing us to select the better one between the two conventional models according to incident ion energies automatically. We think that our simulation model is the only way to analyze physical phenomena near the trajectory of an incident ion in detail at present.

口頭

ヒト正常皮膚細胞における炭素線照射による生物学的効果のLET依存性の解析

溝端 健亮*; 吉田 由香里*; 松村 彰彦*; 磯野 真由*; 八高 知子*; 安藤 興一*; 舟山 知夫; 大野 達也*; 中野 隆史*; 金井 達明*

no journal, , 

日本の炭素線治療において臨床線量を決定するために用いられているclinical RBE(cRBE)はexperimental RBE(eRBE)にscaling factorをかけたものである。eRBEは過去にHSG細胞を用いたコロニー形成法により求められたRBEが採用されており、これが全ての患者および組織における炭素線治療計画に反映されている。本研究では異なる組織・異なる細胞種において従来のeRBEを用いることが妥当かどうかを検討した。NHDF細胞にX線または炭素線を照射しコロニーアッセイを行った。細胞生残率はLQモデルでフィットさせ、D10を求めてRBEを算出した。得られたそれぞれの値についてHSG細胞の結果と比較・解析した。その結果、NHDF細胞から得られたRBEはLET依存的に増加した。この傾向はHSG細胞の結果と一致しているが、それぞれのRBE値を比較するとNHDF細胞はHSG細胞よりも高かった。このことから、様々な組織に対する効果の評価にはそれぞれの組織毎にscaling factorを変える必要がある可能性が示唆された。

口頭

次世代型A-BNCT治療に関する研究開発

石山 新太郎

no journal, , 

2014年度に国立がん研究センターに実装配備されるホウ素中性子捕捉治療装置(BNCT)中性子発生部Liターゲットについて高出力化に対応できる耐熱特性改善を目的に、in situ真空蒸着法/窒素イオン注入法によるLi表面層の窒化改良を行い、高温での耐熱性を改善させた。

口頭

次世代型A-BNCTがん治療研究開発に関するR&D現状報告

石山 新太郎

no journal, , 

今後がん治療に活躍の期待されるBNCT治療をさらに(1)診断・治療、ならびに(2)A-BNCT治療の点で高度化するための最近の研究開発動向を概説する。

口頭

Availability of medaka as systemic effect model of local irradiation by histological analysis

浅香 智美*; 伊藤 加津沙*; 橋本 知佳*; 保田 隆子*; 永田 健斗*; 西槇 俊之*; 勝村 啓史*; 太田 博樹*; 鈴木 芳代; 舟山 知夫; et al.

no journal, , 

放射線は、がん治療に広く応用されているが、その照射の影響が、個体において、その生体機能を介して照射領域外にも広がる可能性が指摘されている。しかし、マウスなどの従来の実験動物では、体全体への影響を網羅的に解析することは、サイズの問題として難しい。一方、メダカは、このような体全体への網羅的な影響解析を行う上で適した大きさを持つ実験生物である。本研究では、メダカ成魚をTIARAの炭素イオンビームで照射し、その腹部のみあるいは背部のみをビームで曝露する手法を確立した。照射後、心臓の拍動数を測定することで、イオンビーム照射が心臓に与える影響を解析するとともに、その全身を固定し連続切片として網羅的な組織学的解析に供した。その結果、照射領域のみならず照射領域外においてもイオンビームによる照射影響が認められ、この影響の誘導は血液を介した免疫系によるものと予想された。

口頭

P53-dependent cell-killing effect via bystander effect using carbon-ion microbeams simulating the spot scanning system with pencil beams at HIMAC

鈴木 雅雄*; 舟山 知夫; 横田 裕一郎; 鈴木 芳代; 池田 裕子; 坂下 哲哉; 小林 泰彦; 村上 健*

no journal, , 

野生型あるは変異型のp53遺伝子をもつ各4種類の細胞株について、原子力機構高崎量子応用研究所のコリメーション式重イオンマイクロビームをもちいた照射実験を実施した。細胞集団全体の0.04%の細胞をマイクロビーム照射したところ、野生型p53遺伝子を持つ細胞株では90%に生存率が低下し、バイスタンダー効果の存在が示唆された一方、変異型p53遺伝子を持つ細胞株における生存率はほぼ100%を示し、バイスタンダー効果が誘導されないことが明らかになった。この結果は、放射線医学総合研究所HIMACにおける部分遮蔽照射実験で得られた結果と合致した。この結果は、炭素線スキャニング照射治療において、p53野生型がん細胞への細胞致死効果がギャップ結合経由のバイスタンダー効果で増刊される可能性を示唆する。

口頭

Increase in cell motility by carbon ion irradiation via the Rho signaling pathway and its inhibition by the ROCK inhibitor Y-27632

村田 和俊*; 野田 真永*; 尾池 貴洋*; 高橋 昭久*; 吉田 由香里*; 鈴木 義行*; 大野 達也*; 舟山 知夫; 小林 泰彦; 高橋 健夫*; et al.

no journal, , 

本研究では、Rho情報伝達経路を介したヒト肺がん細胞A549株の細胞遊走能に炭素イオン照射が及ぼす影響を明らかにすることを研究の目的とした。細胞遊走能の定量はwound-healingアッセイを、細胞表面突起の形成の評価はFアクチン染色を用いた。細胞生存率はWST-1アッセイを用いて定量し、MLC2タンパク質の発現量および同タンパクセリン19残基のリン酸化量の定量にはウエスタンハイブリダイゼーション法を用いた。炭素イオン照射したA549細胞における照射効果をこれらの方法で解析した結果、炭素イオン照射が、A549細胞の遊走能をRho情報伝達経路を介して増加させる一方で、Rho結合キナーゼ阻害剤によりその照射効果が抑制されることが明らかになった。

口頭

Epigenetic modification potentially sensitizes heavy-ion therapy for malignancy

斎藤 克代*; 舟山 知夫; 小林 泰彦; 村上 孝*

no journal, , 

悪性黒色腫はがんの中でも最も致死性が高い難治性がんの一つであり、化学療法のみならず放射線療法に対しても高い抵抗性を示す。一方で、エピジェネティックな分子標的薬は、遺伝子発現の異常が蓄積しているがん細胞を狙って作用するために、がん選択的な治療効果を高めることができ、高LETの重粒子線は強い抗腫瘍効果が期待できる。そこで本研究では、エピジェネティックな分子標的薬であるヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(HDACi)と重粒子線の併用が、悪性黒色腫細胞株に与える影響を、コロニー形成能、細胞増殖能、アポトーシス、細胞周期について検討した。マウス悪性黒色腫細胞株B16F10を複数のHDACiにそれぞれ曝露し、16.5時間後に重粒子線を照射した。コロニーは、照射9($$pm$$1)日後にホルマリン固定して染色し、計数した。細胞増殖能, アポトーシス, 細胞周期は、照射36時間後まで経時的に調べた。その結果、HDACiと重粒子線の併用は、悪性黒色腫細胞株B16F10に対して抗腫瘍効果を示した。その効果の程度は投与薬剤によって異なるものの、相乗的な作用が期待できるものが含まれる。

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