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松井 裕哉; 前田 信行; 瀬戸 政宏*
JNC TY7430 2000-001, 57 Pages, 2000/03
大規模地下空洞や大深度地下構造物の建設は、空洞周辺岩盤が本来持っている力学的・水理学的な物性を変化させ、空洞の安定性や地下水流動へ影響を及ぼす。資源環境技術総合研究所とサイクル機構は、岩盤の力学的安定性に関する調査方法や評価方法をテーマとして、平成元年度より共同研究を実施している。平成10年度から第4フェーズとして、岩盤空洞の安定性に関する評価方法の検討というテーマで、主として掘削影響領域を評価するための基礎データとなる初期応力状態や二次応力状態の計測・評価手法などについて検討することとした。本年度は、東濃鉱山の地表から掘削した深度約200mのボーリング孔において、AE法、DRAによる三次元初期応力測定およびAE法と水圧破砕法による初期応力測定を実施し、三次元的な初期応力状態を把握するとともに初期応力状態の評価手法の適用性について検討した。それらの結果の概要について、以下に述べる。・鉛直方向の応力値は、堆積岩部では推定される土被り圧とほぼ等しく、花崗岩部ではそれより少し大きい。・水平最大主応力値は、深度と共にほぼ直線的に増加し、その勾配は花崗岩部の方が大きい傾向にあった。・水平最大主応力値は、堆積岩部では概ねN-SN45 Wで、花崗岩部ではほぼN45°W方向であった。・応力環境については、堆積岩部で遷移型(H=h)、花崗岩部では遷移型もしくは横ずれ断層型(HhV)の応力環境であった。・今回用いたAE法、DRAおよび水圧破砕法は初期応力測定手法としての適用性があり、AE法と水圧破砕法を組み合わせた三次元的な応力状態の評価方法は有効であることが示された。
渡辺 俊樹*; 真田 佳典*; 藪内 聡
JNC TY7400 2000-001, 72 Pages, 2000/03
本研究では、地下に電磁波エネルギーを送り込み、それに対する地下の応答を観測することにより地下構造を解析する地球物理学的調査において、正弦波的に変化する電磁エネルギーの周波数を高精度に制御し、連続して長時間地下に送り込む手法について研究開発を行った。本手法を採用することによって、調査深度の拡大や解析精度の向上ならびに調査機器の小型化を目指した。本報告書は本研究テーマのうち数値シミュレーションおよびデータ解析技術に関する研究の報告である。電磁波動現象は周波数によって挙動が大きく異なるため、周波数が数HZ数KHZ程度の低周波数を利用した電磁探査法および周波数が数十MHZ数GHZ程度の高周波数を利用した地下レーダー法のそれぞれについて電磁波動現象のシミュレーションを行った。次に、本調査手法の主な適用対象を岩盤内のフラクチャおよび含水破砕帯と想定し、地下レーダー法による岩盤内の微細構造の検出の可能性について検討した。次に、計測した電磁波動データから岩盤内部の物性値分布を求めるインバージョン解析手法について、数値実験および実データへの適用を行った。さらに、高分解能な時間-周波数解析アルゴリズムについて検討した。
長谷川 健
JNC TN7400 2000-004, 21 Pages, 1999/12
東濃地科学センターでは、地層処分研究開発の基盤である地層科学研究の一環として、広域地下水流動研究を平成4年度から実施している。広域地下水流動研究は、東濃鉱山を中心とした約10km10kmの地域(図1参照)を対象に、地下水の流れを明らかにするための研究のみならず、地質・地質構造、地下水の地球化学などの分野の研究を包含した総合的な地質環境を把握するための調査研究である。この研究においては、地下深部のデータを直接取得できる試錐孔を用いた調査研究が非常に重要であり、地下深部の地質や地質構造に関する調査研究、地下水の流れに関する調査研究、地下水の水質に関する研究など1本の試錐孔を用いて多角的に実施されている。本報告書は、広域地下水流動研究のため試錐孔として4番目に掘削されたDH-4号孔で行われた試錐掘削ならびに各種調査研究の結果の概要をまとめたものである。DH-4号孔では泉町河合地内に掘削され、掘削深度は約550mである。詳細な位置については、図1を参照されたい。
千々松 正和*; 杉田 裕; 藤田 朝雄; 雨宮 清*
JNC TN8400 99-034, 177 Pages, 1999/07
地層処分における技術開発の観点からは、工学規模での試験によるニアフィールド環境である周辺岩盤の挙動が人工バリアに与える影響の把握および周辺岩盤を含むニアフィールド性能の定量的評価と室内および原位置における大型試験による人工バリアの品質性能の確認を行い、地層処分技術の信頼性向上を図ることが重要となっている。そのため、核燃料サイクル開発機構東海事業所の地層処分基盤研究施設等における工学規模の試験と並行して、原位置試験場において、人工バリアの品質性能の確認およびその実岩盤条件下でのニアフィールド連成挙動を評価することが必要となっている。そこで、実条件でのニアフィールド環境を把握するため釜石原位置試験場において粘土充填・熱負荷試験を実施した。1995年には14本のボーリング孔の試錐を行い、種々のセンサーの設置を行なった。透水試験を実施した後、岩盤の力学物性を取得するために孔内載荷試験を実施した。その後、直径1.7m、深さ5.0mのテストピットの掘削を行なった。ピット掘削中は、試錐孔内に設置した計測機器により、間隙水圧、変位、温度の測定を行なった。その後、1996年にピット内に緩衝材および発熱体を設置し、連成試験を開始した。連成試験としては、ヒーターの加熱を行なう加熱試験を約260日間、ヒーター停止後の減熱試験を約180日間実施した。本論では、加熱試験および減熱試験期間中に岩盤内および緩衝材に設置した計測機器により観測された結果について報告する。また、加熱試験終了時、減熱試験終了時および緩衝材解体時に実施した緩衝材のサンプリング結果についても報告する。
中嶋 智*
PNC TJ7725 98-001, 68 Pages, 1998/05
1.目的本件では、深度1,000mまで掘削された試錐孔を複数用いて、岩盤の弾性波速度の2次元あるいは3次元的な分布を解析する弾性波トモグラフィ調査に使用するために、水中での瞬間放電を利用することにより、試錐孔を傷めることなく弾性波を発生できる試錐孔内用震源(スパーカー)を製作した。2.方法本装置は、既存のスパーカー製作技術を基にし、小口径の試錐孔でも使用できるように外径を80mmに押さえ、また取り扱いを容易にするために、孔内機器は3分割できる様に設計、製作した。製作後、本装置が弾性波トモグラフィー調査に適用可能か検討するために、既存の試錐孔で弾性波トモグラフィーデータ取得試験を実施した。3.結果本装置は、室内試験及び実孔井試験により製作仕様を満たす性能を有することを確認した。また、弾性波トモグラフィーデータ取得試験の結果、本装置により弾性波トモグラフィーデータが取得できることを確認した。
下茂 道人*; 山本 肇*; 高原 弘幸*; Doe, T.*
PNC TJ1205 98-001, 255 Pages, 1998/03
花崗岩に代表される結晶質岩中の水理・物質移行には、割れ目の分布や連続性が大きく係わっていることが知られているが、その定量的な評価に必要な原位置試験データの蓄積は十分とはいえない。そこで、本研究では、釜石鉱山550mレベルの約100m60mの領域を対象として、割れ目調査、水理試験および比収着性トレーサーによる原位置トレーサー試験を実施した。平成6年度は、水理地質構造調査の一環として、100mのボーリング孔(KH-20孔)の掘削と既存のKH-19孔での圧力応答観測、およびボーリング孔の水理地質調査を行った。平成7年度は、引き続き3本のボーリング孔(KH-23孔、KH-21孔、KH-25孔、各80m)を掘削し、削孔時の既存孔における圧力応答観測およびボーリング孔の水理地質調査を行なうとともに、KH-25孔の簡易単孔透水試験を実施した。平成8年度は、試験区域の中央および西側境界に2本のボーリング孔、KH-24孔およびKH-22孔(各80m)を掘削しトレーサー試験に必要なボーリング孔配置を完成させた。また、孔間透水試験及び予備的トレーサー試験を実施し、その結果をもとにトレーサー試験の実施対象とする透水割れ目を抽出した。その後、それまでに得られた地質データおよび水理試験データを総合的に評価して、マルチパッカーシステムの更新を行なった。最終年度となる本年度は、試験対象割れ目(単一割れ目2箇所、亀裂ネットワーク部1箇所)において、非吸着性トレーサー試験を実施した。また、得られた試験結果について準理論解を用いた解析を行ない、透水性割れ目の水理物質移行パラメータを評価した。また、これと並行して、平成8年度に動燃殿が実施した孔間透水試験結果の解析的な検討を行ない、試験対象エリアの水理地質構造について考察した。
山田 毅*; 新宮 和喜*; 高橋 英一郎*; 中嶋 敏秀*; 山下 貢*; 山本 延彦*; 鈴木 高志*
PNC TJ7187 97-002, 586 Pages, 1997/11
岐阜県土岐市の動力炉・各燃料開発事業団東濃地科学センター土岐分室敷地内において、孔長500mのDH-5号孔が深部地下水調査を目的として掘削された。本報告書は、地表から下部深部までの地質構造、地質環境の有する水理学的・地球化学的特性を把握するため、このDH-5号孔の深部地下水調査結果をまとめたものである。主な調査項目は以下の通りである。1)岩芯の採取・記載2)物理検層(一般検層項目、フローメータ検層、レーダー法シングルホール測定)3)ボアホールテレビ観察4)透水試験(透水試験、揚水試験)5)原位置における物理化学パラメータ測定6)地下水の採水7)地下水の化学分析以上の調査を行った結果、以下のことが明らかになった。・調査区間全体の地質は花崗閃緑岩であり、深度約410mに断層がある。深度約310mよりも深い位置では断層に近づくにつれ風化や変質が激しくなっている。・断層よりも上部では、深度約150m付近に破砕部があり、この付近を境に上下の岩盤で岩相が異なる。・深度約150mから断層までの間には、亀裂沿いに酸化した部分がある。これは地下水の流動を示唆するものであり、フローメータ検層、温度検層で水の流入が確認された。また、この酸化帯付近では透水係数が高く、卓越する亀裂の方向性も破砕部の上部と異なる。・深度323.8330.8mの地下水特性は、物理化学パラメータの測定から還元性で弱アルカリ性である。また、地下水の年代は同位体分析による数十年程度と判定され、水質はCa(HCO3)2型を判断された。
山井 忠世*; 若松 尚則*; 和知 剛*; 小田川 信哉*
PNC TJ7361 97-006, 121 Pages, 1997/08
対象地域の表層部(瀬戸層群瑞浪層群上部)の水理学的環境を把握するため、ボーリング孔2本を掘削し、地下水位計を設置した。地表より16.6mまでは瀬戸層群の砂礫が分布し、その下は瑞浪層群の砂質シルト岩である。地下水面は瀬戸層群下部のGL-15m付近に1面認められ、基底部の数十cmがやや砂質で鉄の沈着がみられることから、この基底部が瀬戸層群中の主要な帯水層と見ることができる。回復法による透水試験の結果、瀬戸層群の基底部でk=8.810-5cm/sの透水係数が得られた。2本のボーリング孔は、それぞれGL-15.3016.80m(瀬戸層群最下部)とGL-18.0020.00m(瑞浪層群上部)にスクリーンを設けた井戸に仕上げ、圧力センサー式地下水位計を設置した。
橋本 憲和*; 長田 和洋*; 松岡 清幸*
PNC TJ7586 97-001, 59 Pages, 1997/06
本報告書は、ハイドロフォンVSP調査法技術開発に一環として、ハイドロフォンVSPデータから推定された透水性割れ目の深度と走向の値の検証データを得ることを目的として、AN-1号孔において指向性レーダーを用いたシングルホール調査を実施した結果をまとめたものである。指向性レーダーに解析結果は総数60箇所に反射面の解析が可能であった。そのうち25箇所が反射面の方位・傾斜角度が決定出来た。反射面の走向はN20Wに卓越し、その傾斜は5080度に分布している。また、反射面の拡がりで最長のものは102mである。VSPハイドロフォンチューブウェーブ発生深度と指向性レーダの反射面深度は15箇所で一致した。そのうち反射面の方位が対比可能なものは8箇所である。
下茂 道人*; 山本 肇*; 高原 弘幸*; 根木 健介*; Doe, T.*
PNC TJ1205 97-001, 297 Pages, 1997/03
本研究の目的は、結晶質岩中における水理地質構造モデルを構築することであり、このための物質移行経路となる透水割れ目の分布および連結性を試錘孔掘削等の水理応答観測、ボアホールテレビ検層、コア観察等の調査により把握するとともに、水理試験、非収着性トレーサー試験を行い、水理・物質移行パラメータを取得することである。平成6年度は、この非収着性トレーサー試験を実施するための準備の初年度の作業として、100mのボーリング孔(KH-20孔)の掘削とこれに伴う既存のKH-19孔での圧力応答観測、およびボーリング孔の水理地質調査を行うことによりKH-19孔とKH-20孔間の水理地質構造を推定した。平成7年度は、平成6年度に引き続き3本のボーリング孔(各80m)を掘削し、ボーリング孔掘削時の既存孔における圧力応答観測およびボーリング孔の水理地質調査、簡易的な水理試験を実施し、平成6年度に取得されたデータとともに総合的に解析して試験対象領域の水理地質構造モデルを検討した。平成8年度は、新たに2本のボーリング孔、KH-24孔およびKH-22孔(各80m)を掘削しトレーサー試験に必要なボーリング孔配置を完成させるとともに、トレーサー試験用にマルチパッカーシステムのパッカー配置と配管を更新した。また、トレーサー試験対象割れ目の水理物質移行特性を概略的に把握するために孔間透水試験ならびに予備的トレーサー試験を組み合わせて実施し、平成9年度に実施する非収着性トレーサー試験に用いる透水性割れ目を抽出した。
橋本 憲和*; 鈴木 正芳*; 松岡 清幸*
PNC TJ7586 96-003, 240 Pages, 1997/02
本報告書は、岩盤の透水係数分布を推定する手法の開発の一環として、岐阜県土岐市泉町河合地内のDH-4号孔及び瑞浪市明世町月吉地内のAN-1号孔で実施した孔内物理検層のデータと原位置透水試験結果との相関性について取りまとめたものである。物理検層は、ガンマ線検層、密度検層、中性子検層、音波検層、電気検層、マイクロ検層、温度検層、フローメータ検層を実施した。花崗岩岩体の中の変質・フラクチャーの検出を目的として、上記検層データの内、5種目を用い4岩相モデルで複合岩相解析を試みた。ボアホールレーダーとボアホールテレビを比較し、亀裂についての解析を行った。JFT試験による透水係数と物理検層より算出した浸透率の相関(相関式LOG(K)=0.98LOG(1.010-6.0(Fc/Fd)+1.5)-1.34)とフローメーター検層から算出した浸透率の相関(相関式LOG(K)=1.28孔内流速変化+8.4)は、良い対応を示した。
not registered
PNC TJ1174 97-001, 586 Pages, 1997/02
本調査研究は、地下空間を利用した地震関連の総合研究である陸域地下構造フロンティア研究として行ったものであり、地下の調査坑道を利用して活断層周辺岩盤の地殻応力や地下水特性、破砕物質の特性などの調査により、内陸地震(活断層)の発生の場の地質条件を調査・解析するために以下の調査を実施した。1.地質構造の調査1)時間領域電磁探査2)微小地震観測2.活断層周辺の水理特性の調査1)既存孔の水理特性の調査2)調査孔掘削中の間隙水圧、流量測定3)調査孔の間隙水圧の長期観測3.活断層周辺の力学特性の調査1)ボーリング岩芯調査2)ボーリング孔調査(物理検層、ボアホールスキャナー観測)3)地殻応力測定(二面破砕法による応力測定、断層物性推定モデルの作成、応力測定基礎試験用岩石の切り出し)今回実施した上記の調査結果は、活断層発生の場の地質条件を調査・解消するための一資料となるが、今回の調査結果だけでは、場所、時間においてもスポット的な調査であるため、活断層発生の場の地質条件を完全に把握することは難しい。すなわち、活断層の発生の場の地質条件を把握するためには、今後茂住祐延断層近傍のボーリング孔において、より多く、より深い測点等で多様な調査を行い、それらの結果を総合的に解析する必要があると考えられる。
平田 洋一*; 後藤 和幸*; 小川 賢*
PNC TJ7439 96-003, 83 Pages, 1996/11
本業務は、既存の1,000m対応水理試験装置の設計を一部変更した試験装置を新たに製作した。本試験装置改良の主点は、圧力計測の測定精度を向上させるためにプローブの内部構造における電磁バルブ等の発熱源の温度変化による圧力変動を低減させることである。よって、以下の改良を行った。・圧力および電子基板を発熱源から遠ざける。・背圧ラインの圧力を試験装置外へ開放できるバルブの増設・電磁バルブの発熱を監視する温度センサーの増設。また、耐圧性とメンテナンス性を向上させるため配管の溶接部分及びPTネジをOリング付き継手に変更した。以上の改良を行った結果、基本性能を損なうことなく、既存の試験装置よりも測定安定性等に優れた試験装置となった。
松岡 永憲*
PNC TJ7439 96-006, 39 Pages, 1996/10
結晶質岩中の主要な物質移行経路となる割れ目(帯)およびその近傍における空隙構造を調査するための技術開発として、試錐孔を利用し、空隙中にレジンを注入するシステムを設計・製作した。本システムは、深度2001000mm、孔径40mm試錐孔に適用でき、孔口から約150mm以深に分布する割れ目(帯)に対して注入量を測定しながらレジンの注入を行うことが可能である。また、最大15kgf/cm2の圧力で、正常にレジンの注入を実施できる性能を有している。本システムの概略構成は、1)メカニカルパッカー、2)レジンタンク、3)加圧装置、4)重量測定装置となっている。
板本 昌治*; 本間 誠*; 田仲 正弘*
PNC TJ7592 96-001, 164 Pages, 1996/03
地下空洞を掘削する際に、周辺の岩盤に対して様々な影響が発生することは良く知られているが中でもひずみや応力場への影響を知ることは地下空洞の設計・施工の上で重要な事柄である。今回、東濃鉱山北延NATM坑道において埋設型8成分ひずみ計(以下ひずみ計と言う)を用い(財)電力中央研究所方式応力解放法(ひずみ計埋設法)により坑道掘削に伴って発生する、周辺岩盤のひずみ変化の計測を実施した。測定は、既設(1993年度実施)ボーリング孔底より小孔径(46mm)ボーリングを実施し、ひずみ計を孔内に埋設した後、坑道を掘削しそれに伴う岩盤ひずみ変化を測定し、三次元応力解析により、ひずみ値を応力値に換算した。ひずみ計は、掘削した坑道壁面からの距離50,100、150cmの3測点(壁面から近い順番に測定番号MS-1-2、MS-2-2、MS-3-2)で埋設し、掘削による応力再配分の現象の把握を試みた。この報告書はそれらの方法、結果について述べたものである。測定の結果、いずれの測点でも鉛直方向(掘削坑道円周方向)における圧縮応力が発生し、壁面に最も近い箇所で最大1.7MPaの圧縮応力の変化認められた。ボーリング軸方向(掘削坑道半径方向)では、壁面から50cmの箇所で0.4MPaの引張応力を測定したが、150cmの箇所では0.1MPa程の圧縮応力の変化を捉えた。坑道軸方向ではいずれの測点でも、圧縮応力の変化が認められ、その大きさは0.20.4MPaであった。
牛渡 聡*; 佐藤 伸哉*
PNC TJ7417 96-001, 163 Pages, 1996/03
本業務は、動力炉・核燃料開発事業団が実施している「深部地下水の流動に関する研究」の一環として、深部花崗岩に関する岩盤割れ目等の水理地質学的データの取得・整理解析を目的にして、ボアホールテレビジョン装置による孔内壁面観察を実施したものである。観察作業は岐阜県瑞浪市明世町に位置するDH-2号孔を対象に実施し、取得された割れ目データなどの取得、整理・解析作業を行い、岩盤中に発達する割れ目の分布特性、方向性等について検討を加えた。この結果以下のことが判明した。1)不連続面の密度不連続面は明瞭割れ目、ヘアークラック、鉱物脈からなり、開口割れ目や破砕帯はほとんど見られなかった。孔壁観察を実施した区間の全不連続面の密度は、全体では3.94本/mであった。割れ目などの少ない塊状岩盤からなる。2)不連続面の走向傾斜不連続面の卓越する走向傾斜は、ヘアークラックではN33W51NE、割れ目や鉱物脈などのその他の不連続面ではN4147W50NEであった。両者の値はよく似ており、観察区間の不連続面の方向は極めて集中性が高い。3)遭遇率の補正データの散布状況から判断して、ボーリングの方向に対して走向は90ごと、傾斜は30ごとに区分して組み合わせて系統区分を行った。この結果、全区間では9領域に区分された。補正率は低角度領域では1.06、中角度領域では1.291.59、高角度領域では2.465.76であった。
石田 章司*; 山内 政也*
PNC TJ7393 96-001, 88 Pages, 1996/03
東濃鉱山北延NATM坑道においては、機械掘削影響試験が実施されている。弾性波トモグラフィー調査も試験の一環であり、坑道掘削による岩盤の掘削影響領域を、弾性波速度分布を指標として把握しようとするものである。調査地では、すでに坑道掘削前に弾性波トモグラフィー調査が行われており、本調査の目的は、その事前調査の結果と比較するための試料を得ることである。そこで、掘削直後の坑道周辺の岩盤を対象として、弾性波トモグラフィー調査を実施し、坑道周辺の弾性波速度分布を求めた。なお、受振点・起振点配置は事前調査と同一とした。測定の結果、おおむね良好な波形記録を得ることができた。さらに、解析の結果、解析領域の全体的な速度分布を求めることができたほか、掘削した坑道の近傍では、一部で、その周囲に比べて速度の小さい領域が検出された。得られた速度値は、おおむね2.02.6KM/SEC 平均値は2.33km/secであった。また、解析結果の走時残差も十分小さな値となり、信頼性の高いものであるといえる。
下茂 道人*; 山本 肇*; 高原 弘幸*; 根木 健之*; Doe, T.*
PNC TJ1205 96-003, 340 Pages, 1996/03
本研究の目的は、結晶質岩中における水理地質構造モデルを構築することであり、このための物質移行経路となる透水性割れ目の分布および連結性を試錘孔掘削時の水理応答観測、ボアホールテレビ検層、コア観察等の調査により把握するとともに、水理試験、非収着性トレーサー試験を行い、水理・物質移行パラメータを取得することである。平成6年度は、試験の準備段階として、100mのボーリング孔(KH-20孔)の掘削とこれに伴う既存のKH-19孔での圧力応答観測、およびBTV観察、コア観察、流量検層等を実施し、KH-19孔とKH-20孔間の水理地質構造を推定した。平成7年度は、調査対象領域を広げると共に、試験の中心となる領域の水理地質構造をより詳細に把握するために、平成6年度に引き続き3本のボーリング孔(KH-21、KH-23、KH-25孔)を掘削し、既存ボーリング孔での圧力応答観測およびボーリング孔の水理地質調査を行なった。これらのボーリング孔では、BTV観察および岩芯観察による割れ目特性の把握を行なった。また、最後に削孔したKH-25孔においてビルドアップ透水試験を行った。これらの調査試験により得られた、亀裂分布、水圧分布、水圧応答経路から、平成6年度の結果を見直し、試験エリアの岩盤内の詳細な水理地質構造モデルを構築した。
児玉 伸一*
PNC TJ7694 96-001, 171 Pages, 1996/02
地層処分研究の基礎的研究である地層科学研究の推進には深度1000m級の試錐孔が必要不可欠となる。そのためには対称とする岩盤の状況に応じて、最適な掘削技術を採用する必要がある。本調査は試錐掘削技術について国内外の技術情報を収集し報告するものである。調査項目は下記の通りである。(1)孔曲がり制御技術(2)保孔方法に関するハードウェア調査(3)水質に影響の少ない泥剤の調査(4)スライム排出方法に関する工法調査(5)掘削時に於ける孔内状況把握のための装置(6)掘削中のリアルタイム坑底情報計測技術(7)掘削装置類の自動課・省力化に関する調査(8)米国DOE、ユッカマウンテンに於ける試錐掘削技術以上
宮川 嘉隆*
PNC TJ7361 95-004, 80 Pages, 1995/11
動力炉・核燃料開発事業団では、東濃地域に掘削した試錐孔を利用して、各種の調査・試験を実施している。これらの調査結果をデータベース化し、東濃地域の水理地質構造を正確に把握するためには、調査・試験に利用している試錐孔の正確な位置を把握する必要がある。そのため、本業務では東濃鉱山周辺に点在する試錐孔について、その緯度・経度および標高を測定し、各試錐孔毎の成果表と試錐孔位置図を作成したものである。測量方法としてGPS測量方式とトータルステーション測量方式を併用し、作業地域周辺の国家三角点および水準点を基準に試錐孔の位置を決定した。各試錐孔の位置精度は、水平位置および標高ともに10cm以内であり、各種の調査・試験等に利用する位置データとして十分な精度を確保していると考えられる。