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論文

Gamma-ray spectroscopy of $$^{55}$$Sc

Zidarova, R.*; 宇都野 穣; 他76名*

Physica Scripta, 99(7), p.075309_1 - 075309_9, 2024/06

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Multidisciplinary)

理化学研究所のRIビームファクトリーにて$$^{56}$$Sc($$p$$,$$pn$$)$$^{55}$$Sc反応によって$$^{55}$$Scの励起状態を生成し、そこからの脱励起ガンマ線の放出を測定することによってその原子核のエネルギー準位を構築した。1510(30)keVの励起準位など、いくつかの新しい準位を見つけた。その結果を大規模殻模型計算の結果と比較し、ガンマ崩壊様式を考慮した結果、1510(30)keVの準位は$$7/2^-$$の可能性が高いことがわかった。

論文

New isomeric transition in $$^{36}$$Mg; Bridging the $$N = 20$$ and $$N = 28$$ islands of inversion

Madurga, M.*; Christie, J. M.*; Xu, Z.*; Grzywacz, R.*; Poves, A.*; King, T.*; Allmond, J. M.*; Chester, A.*; Cox, I.*; Farr, J.*; et al.

Physical Review C, 109(6), p.L061301_1 - L061301_6, 2024/06

 被引用回数:2 パーセンタイル:78.45(Physics, Nuclear)

ミシガン州立大学の国立超伝導サイクロトロン研究所にて$$^{48}$$Caからのフラグメンテーション反応によって中性子過剰核$$^{36}$$Mgを生成、分離し、そのアイソマーを探した。その結果、168keVのガンマ線を出して$$2^+$$に半減期約90nsで脱励起するアイソマーを発見した。その性質を議論するため、大規模殻模型計算の結果と比較した。Mg同位体では中性子数20から28領域にかけて広く変形核となることが知られているが、理論的には、前者の領域は$$sd$$殻から2個の中性子が励起することによって変形し、後者の領域は中性子数28の殻ギャップからの中性子励起によって変形する。$$^{36}$$Mgはその中間に位置し、両者の状態が近くに存在することで、励起エネルギーの低い$$0^+$$が出現すると理解される。

論文

Low spin spectroscopy of neutron-rich $$^{43,44,45}$$Cl via $$beta^-$$ and $$beta n$$ decay

Tripathi, V.*; Bhattacharya, S.*; Rubino, E.*; Benetti, C.*; Perello, J. F.*; Tabor, S. L.*; Liddick, S. N.*; Bender, P. C.*; Carpenter, M. P.*; Carroll, J. J.*; et al.

Physical Review C, 109(4), p.044320_1 - 044320_15, 2024/04

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Nuclear)

ミシガン州立大学の国立超伝導サイクロトロン研究所において$$^{48}$$Caのフラグメンテーション反応によって中性子過剰核$$^{43,45}$$Sを生成し、そこからのベータ崩壊および遅発中性子放出ベータ崩壊によって$$^{43,44,45}$$Clの励起状態を得た。得られた実験データをSDPFSDG-MU相互作用を用いた大規模殻模型計算と比較し、よい一致を得た。

論文

Onset of collectivity for argon isotopes close to $$N=32$$

Linh, B. D.*; Corsi, A.*; Gillibert, A.*; Obertelli, A.*; Doornenbal, P.*; Barbieri, C.*; Duguet, T.*; G$'o$mez-Ramos, M.*; Holt, J. D.*; Hu, B. S.*; et al.

Physical Review C, 109(3), p.034312_1 - 034312_15, 2024/03

 被引用回数:2 パーセンタイル:58.81(Physics, Nuclear)

理化学研究所RIビームファクトリーにて中性子過剰核$$^{50}$$Arビームからの1中性子ノックアウト反応実験を行い、$$^{49}$$Arのエネルギー準位および分光学的因子を導出した。特に、第一励起状態の$$1/2^-$$への分光学的因子が大きいことから、始状態の$$^{50}$$Arの基底状態において中性子が$$p_{1/2}$$軌道を多く占めていることがわかった。これは、中性子数32がよい魔法数として知られる$$^{52}$$Caとは異なった性質であり、カルシウムからアルゴンへと陽子が2個減ることで閉殻構造が大きく崩れることが明らかになった。

論文

Systematic shell-model study of $$^{99-129}$$Cd isotopes and isomers in neutron-rich $$^{127-131}$$In isotopes

Patel, D.*; Srivastava, P. C.*; 清水 則孝*; 宇都野 穣

Physical Review C, 109(1), p.014310_1 - 014310_16, 2024/01

 被引用回数:2 パーセンタイル:58.81(Physics, Nuclear)

大規模殻模型計算を使って、$$^{99-129}$$Cdの奇核のエネルギー準位と$$^{127-131}$$Inで知られている核異性体を計算した。知られている準位構造をよく再現した。さらに、Cd同位体において系統的に測定されている、$$11/2^-_1$$状態の電気的四重極モーメントに着目し、その中性子数に対する変化を調べた。これまでは、対相関が強い極限でよいとされる、セニョリティ描像によってこれらの四重極モーメントの値の変化が理解されてきた。大規模殻模型計算の結果、セニョリティ量子数はよくなく、変形が発達していることがわかった。四重極モーメントの変化は変形した原子核の回転軸方向を特徴づける$$K$$量子数の変化によって理解されるという新しい描像を提示した。

論文

First observation of $$^{28}$$O

近藤 洋介*; Achouri, N. L.*; Al Falou, H.*; Atar, L.*; Aumann, T.*; 馬場 秀忠*; Boretzky, K.*; Caesar, C.*; Calvet, D.*; Chae, H.*; et al.

Nature, 620(7976), p.965 - 970, 2023/08

 被引用回数:27 パーセンタイル:94.86(Multidisciplinary Sciences)

非常に中性子が過剰な原子核$$^{28}$$Oは、陽子、中性子ともに魔法数であることから古くからその性質に興味が持たれていたが、酸素の最後の束縛核$$^{24}$$Oよりも中性子が4個も多いため、これまで観測されてこなかった。この論文では、理化学研究所RIBFにて$$^{29}$$Fからの1陽子ノックアウト反応によって$$^{28}$$Oを生成し、そこから放出される中性子を測定することによって初めてその観測に成功した。核構造の観点からは、$$^{28}$$Oでは二重閉殻が保たれているか興味が持たれていたが、実験で得られた分光学的因子が殻模型計算で予言されて程度の大きいことから、閉殻構造をもたない可能性が高いことがわかった。

論文

Large collectivity in $$^{29}$$Ne at the boundary of the island of inversion

Revel, A.*; Wu, J.*; 岩崎 弘典*; Ash, J.*; Bazin, D.*; Brown, B. A.*; Chen, J.*; Elder, R.*; Farris, P.*; Gade, A.*; et al.

Physics Letters B, 838, p.137704_1 - 137704_7, 2023/03

 被引用回数:3 パーセンタイル:60.26(Astronomy & Astrophysics)

中性子数20近傍の中性子過剰核は、魔法数20が消滅して原子核が大きく変形していることが知られており、その魔法数が消滅する領域は逆転の島と呼ばれている。$$^{29}$$Neは中性子数19で逆転の島の境界線上に位置するとされてきたが、その変形度は不明だった。ミシガン州立大学の国立サイクロトロン研究所にて$$^{29}$$Neのクーロン励起反応実験を行った結果、931keVの励起状態への$$B(E2)$$値が163$$e^2$$fm$$^4$$と大きな値となり、大きく変形していることが確かめられた。この実験結果をよく使われているいくつかの殻模型計算と比較したところ、大きな$$B(E2)$$値は概ね再現するものの、励起エネルギーの一致は不十分であり、理論の改善が必要であるとわかった。

論文

A First glimpse at the shell structure beyond $$^{54}$$Ca; Spectroscopy of $$^{55}$$K, $$^{55}$$Ca, and $$^{57}$$Ca

小岩井 拓真*; Wimmer, K.*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; Barbieri, C.*; Duguet, T.*; Holt, J. D.*; 宮城 宇志*; Navr$'a$til, P.*; 緒方 一介*; et al.

Physics Letters B, 827, p.136953_1 - 136953_7, 2022/04

AA2021-0775.pdf:0.62MB

 被引用回数:7 パーセンタイル:67.20(Astronomy & Astrophysics)

中性子過剰核$$^{54}$$Caでは、新魔法数34が発見されて以来、その構造を知るために多くの実験がなされてきたが、それを超える中性子過剰核の情報は全く知られてこなかった。本論文では、理化学研究所RIBFにて$$^{55}$$K, $$^{55}$$Ca, $$^{57}$$Caの励起状態から脱励起するガンマ線を初めて観測した結果を報告した。それぞれ1つのガンマ線しか得られなかったものの、$$^{55}$$Kおよび$$^{55}$$Caのデータは、それぞれ、陽子の$$d_{3/2}$$$$s_{1/2}$$軌道間のエネルギー差、中性子の$$p_{1/2}$$$$f_{5/2}$$軌道間のエネルギー差を敏感に反映し、両方とも最新の殻模型計算によって200keV程度の精度で再現できることがわかった。また、1粒子状態の程度を特徴づける分光学的因子を実験データと歪曲波インパルス近似による反応計算から求め、その値も殻模型計算の値と矛盾しないことがわかった。

論文

In-beam $$gamma$$-ray spectroscopy of $$^{32}$$Mg via direct reactions

北村 徳隆*; Wimmer, K.*; 宮城 宇志*; Poves, A.*; 清水 則孝*; Tostevin, J. A.*; Bader, V. M.*; Bancroft, C.*; Barofsky, D.*; Baugher, T.*; et al.

Physical Review C, 105(3), p.034318_1 - 034318_17, 2022/03

 被引用回数:6 パーセンタイル:67.20(Physics, Nuclear)

$$^{32}$$Mgは中性子魔法数20が消滅する中性子過剰核のモデルケースとして有名な原子核であるが、約1MeVという低い励起エネルギーにある$$0^+$$励起状態の性質が未だに謎に包まれているなど、その構造は未解明な点が多い。この原子核の励起構造を解明するため、米国国立超伝導サイクロトロン研究所にて$$^{33}$$Mgからの1中性子ノックアウト、$$^{34}$$Siからの2陽子ノックアウト反応で$$^{32}$$Mgの励起状態を生成し、そこからの脱励起ガンマ線の測定によってその準位構造を得た。得られた約20本のエネルギー準位を殻模型計算による理論と比較した。低い$$0^+$$励起状態の存在を再現する計算によって予言されていた強い生成強度をもった状態は存在せず、その$$0^+$$状態がない古い理論の方が全体的な傾向をよく再現した。その結果、$$0^+$$励起状態の謎は依然、解明されずに残ることとなった。

論文

Probing different characteristics of shell evolution driven by central, spin-orbit, and tensor forces

宇都野 穣

Physics (Internet), 4(1), p.185 - 201, 2022/03

殻構造が安定核から不安定核にかけて変化すること(殻進化)は、ここ数十年の間で得られた不安定核構造における知見の中で最も重要なものの一つである。当初は束縛エネルギーの変化によってこの現象は説明されてきたが、近年、有効核力によってもたらされることもわかった。現在では、理論によってどれくらい定量的に殻進化を記述できるかが重要な課題となっている。本論文では、発表者がこれまで研究してきた軽い不安定核の殻進化が、現象論的な中心力にスピン軌道力とテンソル力を加えた有効核力を用いた殻模型計算によってどの程度説明されるかをまとめた。特に、スピン軌道分離エネルギー変化によってテンソル力の強さが厳しく制限されること、また、現象論的な中心力によって中性子数28の魔法数消滅など多くの現象がかなり定量的に説明できることを示した。

論文

Emerging concepts in nuclear structure based on the shell model

大塚 孝治*

Physics (Internet), 4(1), p.258 - 285, 2022/02

不安定核の実験の進展と大規模殻模型の発展によってもたらされた、原子核構造の新たな展開をレビューする。特に、モノポール相互作用による魔法数の変化、モンテカルロ殻模型計算によって明らかにされた変形共存、第一原理的な有効相互作用を用いた中性子ドリップ線の理解をとりあげる。

論文

Moments and radii of exotic Na and Mg isotopes

大塚 孝治*; 清水 則孝*; 角田 佑介*

Physical Review C, 105(1), p.014319_1 - 014319_8, 2022/01

 被引用回数:6 パーセンタイル:67.20(Physics, Nuclear)

核力から第一原理的に導出した殻模型有効相互作用を用いて、中性子過剰なNaとMgの電気四重極モーメント、磁気双極モーメントと変形度を計算した。実験値のあるNa同位体については、計算が測定されたモーメントの値をよく再現した。また、これらの原子核が静的な変形をもつことを仮定して計算した変形度から核半径を導き、実験値をよく再現することに成功した。

論文

Coexisting normal and intruder configurations in $$^{32}$$Mg

北村 徳隆*; Wimmer, K.*; Poves, A.*; 清水 則孝*; Tostevin, J. A.*; Bader, V. M.*; Bancroft, C.*; Barofsky, D.*; Baugher, T.*; Bazin, D.*; et al.

Physics Letters B, 822, p.136682_1 - 136682_7, 2021/11

AA2021-0459.pdf:1.01MB

 被引用回数:10 パーセンタイル:72.28(Astronomy & Astrophysics)

ミシガン州立大学の国立超伝導サイクロトロン研究所にて、中性子過剰核$$^{32}$$Mgの励起状態を$$^{33}$$Mgからの1中性子ノックアウト反応および$$^{34}$$Siからの2陽子ノックアウト反応によって生成し、そこからの脱励起ガンマ線をGRETINA検出器を用いて観測した。$$^{32}$$Mgは中性子魔法数20が消失していることが古くから知られている原子核であるが、10年ほど前に理論予想よりもはるかに低い励起エネルギーに$$0^+_2$$状態が出現することがわかり、その核構造は完全には解明されていない。この実験で得られた生成断面積を理論計算と比較したところ、$$0^+_2$$状態の位置を再現する最近の理論計算で予言される、励起エネルギー2MeV以下の大きな断面積は実験では得られず、$$0^+_2$$状態の位置を再現しない古い理論計算に近い断面積分布となることがわかった。この結果から、$$^{32}$$Mgの低い$$0^+_2$$状態の謎は未だに残されたままとなった。

論文

Investigation of the ground-state spin inversion in the neutron-rich $$^{47,49}$$Cl isotopes

Linh, B. D.*; Corsi, A.*; Gillibert, A.*; Obertelli, A.*; Doornenbal, P.*; Barbieri, C.*; Chen, S.*; Chung, L. X.*; Duguet, T.*; G$'o$mez-Ramos, M.*; et al.

Physical Review C, 104(4), p.044331_1 - 044331_16, 2021/10

AA2021-0468.pdf:1.29MB

 被引用回数:10 パーセンタイル:72.28(Physics, Nuclear)

理化学研究所のRIビームファクトリーにて中性子過剰$$^{47,49}$$Clの励起状態を$$^{50}$$Arからのノックアウト反応によって生成し、脱励起ガンマ線からそのエネルギー準位を測定した。また、陽子ノックアウトの運動量分布から$$^{49}$$Clの基底状態が$$3/2^+$$であることがわかった。その結果を大規模殻模型計算およびいくつかの第一原理計算と比較した。$$^{47,49}$$Cl同位体の基底状態および第一励起状態は、計算で用いた相互作用に敏感であることがわかった。それは、陽子の一粒子エネルギーと四重極集団運動との複雑な結合によるためであると考えられる。

論文

Cross-shell excitations in $$^{46}$$Ca studied with fusion reactions induced by a reaccelerated rare isotope beam

Ash, J.*; 岩崎 弘典*; Mijatovi$'c$, T.*; Budner, T.*; Elder, R.*; Elman, B.*; Friedman, M.*; Gade, A.*; Grinder, M.*; Henderson, J.*; et al.

Physical Review C, 103(5), p.L051302_1 - L051302_6, 2021/05

 被引用回数:3 パーセンタイル:35.67(Physics, Nuclear)

カルシウム同位体は陽子魔法数20を持つため基底状態は球形であるが、変形共存と呼ばれる、数MeV上に変形した状態がある現象が予想されている。回転バンドの存在によってそれが実験的に確かめられるが、$$^{46}$$Caは安定核の融合反応で作るには中性子が多すぎるため、これまで回転バンドの存在が確かめられていなかった。この研究では、ミシガン州立大学の超伝導サイクロトロンにて中性子過剰核$$^{45}$$Kビームを作り、そこから$$^7$$Li($$^{45}$$K,$$alpha 2ngamma$$)$$^{46}$$Ca反応によって$$^{46}$$Caの高スピン状態を生成した。そこからの脱励起ガンマ線の観測により、$$6^+$$までの回転バンドの存在を確立した。そのエネルギー準位は、大規模殻模型計算の予言とよく合うことがわかり、$$^{46}$$Caでも変形共存が起こることが明らかになった。

論文

Gamow-Teller transitions of neutron-rich $$N$$ = 82, 81 nuclei by shell-model calculations

清水 則孝*; 富樫 智章*; 宇都野 穣

Progress of Theoretical and Experimental Physics (Internet), 2021(3), p.033D01_1 - 033D01_15, 2021/03

AA2020-0889.pdf:1.07MB

 被引用回数:5 パーセンタイル:44.93(Physics, Multidisciplinary)

中性子数が82および81の中性子過剰核はr過程による元素合成で生成されるため、そのベータ崩壊の半減期は元素合成過程を理解する上で重要である。この研究では、中性子数82,81の中性子過剰核のうち、陽子数49から42までのものに対するガモフテラー遷移強度分布を大規模殻模型計算によって系統的に計算した。計算で得られた半減期のうち、測定されているものに対しては、2倍以下の範囲内で実験値を再現することに成功した。陽子数に対するガモフテラー遷移強度分布の系統性を調べたところ、半減期に重要な低励起状態への強度が陽子数を減らすとともに増大することがわかった。特に、陽子数が40まで減ると、その低励起状態への遷移強度は著しく強くなり、超許容ガモフテラー遷移と呼ぶべき遷移強度になることがわかった。そのメカニズムについて、超許容ガモフテラー遷移が実験的に知られている$$^{100}$$Snとの対比から議論した。

論文

The Impact of nuclear shape on the emergence of the neutron dripline

角田 直文*; 大塚 孝治; 高柳 和雄*; 清水 則孝*; 鈴木 俊夫*; 宇都野 穣; 吉田 聡太*; 上野 秀樹*

Nature, 587, p.66 - 71, 2020/11

 被引用回数:67 パーセンタイル:94.62(Multidisciplinary Sciences)

与えられた陽子数に対し、どれだけの中性子数の原子核が存在可能であるかという問いは、原子核物理における最も基本的な問題の一つである。原子核は独立粒子描像がよく成り立つため、従来は陽子数で決まるポテンシャルが作る束縛状態の個数で決まると考えられてきた。この研究では、最近実験で確定した、フッ素からナトリウムに対する中性子ドリップ線(最も中性子数の多い同位体)を、核力から出発した第一原理的な大規模殻模型計算によって再現し、そのメカニズムを理論的に解析した。ハミルトニアンを単極相互作用と多重極相互作用に分解し、さらに多重極相互作用を対相互作用と残りの部分に分け、基底状態におけるそれぞれの項の寄与を調べた。その結果、多重極相互作用の変形エネルギーに相当する部分が中性子ドリップ線を決めるのに非常に重要な役割を果たしていることがわかった。すなわち、中性子数が増えていくと徐々に変形エネルギーが増大するものの、ある中性子数でそれが飽和し、その後は減少していくが、その減少過程で中性子ドリップ線が決まるというシナリオである。本研究は、ドリップ線に対する新しい見方を与え、天体中の元素合成過程の理解に重要な貢献をすることが期待される。

論文

Structure of $$^{30}$$Mg explored via in-beam $$gamma$$-ray spectroscopy

北村 徳隆*; Wimmer, K.*; 清水 則孝*; Bader, V. M.*; Bancroft, C.*; Barofsky, D.*; Baugher, T.*; Bazin, D.*; Berryman, J. S.*; Bildstein, V.*; et al.

Physical Review C, 102(5), p.054318_1 - 054318_13, 2020/11

AA2020-0765.pdf:4.4MB

 被引用回数:6 パーセンタイル:50.34(Physics, Nuclear)

$$^{30}$$Mgは中性子数20の魔法数が消滅する原子核としてよく知られている$$^{32}$$Mgの2中性子少ない系であり、魔法数消滅のメカニズムを解明する重要な情報を与える原子核である。この研究では、ミシガン州立大学のサイクロトロンを用いて$$^{31}$$Mgからの中性子ノックアウト反応によって$$^{30}$$Mgを生成し、そのガンマ線分光から構造を探求した。変形の小さなバンドと変形の大きなバンドの他に負パリティ状態と見られるエネルギー準位が得られ、それらの分光学的因子が導かれた。その結果を大規模殻模型計算と比較したところ、エネルギー準位はよく再現するものの、分光学的因子の一部に不一致があり、より正確な記述という観点からは理論に課題があることがわかった。

論文

Restoration of the natural $$E(1/2^+_1)-E(3/2^+_1)$$ energy splitting in odd-K isotopes towards $$N=40$$

Sun, Y. L.*; Obertelli, A.*; Doornenbal, P.*; Barbieri, C.*; 茶園 亮樹*; Duguet, T.*; Liu, H. N.*; Navr$'a$til, P.*; Nowacki, F.*; 緒方 一介*; et al.

Physics Letters B, 802, p.135215_1 - 135215_7, 2020/03

 被引用回数:35 パーセンタイル:94.95(Astronomy & Astrophysics)

カリウムは陽子数が19であるため、その$$1/2^+_1$$, $$3/2^+_1$$状態はそれぞれ陽子の$$s_{1/2}$$, $$d_{3/2}$$軌道の空孔状態によって支配されている。その中性子数を$$N=20$$から増やすとこの2つの準位のエネルギー差$$E(1/2^+_1)-E(3/2^+_1)$$は大きく変化することが知られており、中性子過剰核における殻進化と呼ばれる現象のプロトタイプとなっている。これまで$$E(1/2^+_1)-E(3/2^+_1)$$$$N=30$$まで知られていたが、この研究では、理化学研究所RIビームファクトリーにて、カルシウム同位体からの陽子ノックアウト反応によって$$^{51,53}$$Kの励起状態を生成し、そこからの脱励起ガンマ線を測定することによって、$$N=32, 34$$における$$E(1/2^+_1)-E(3/2^+_1)$$を測定することに成功した。歪曲波インパルス近似計算と実験で得られた断面積の比較から、$$1/2^+_1$$, $$3/2^+_1$$状態は空孔状態によって支配されていることを確かめた。$$E(1/2^+_1)-E(3/2^+_1)$$の値は$$N=28$$で最小となり、そこから中性子数を増やすとともに増大することがわかった。これは、中心力とテンソル力による殻進化描像にしたがった振る舞いである。

論文

Evolution of shell structure in exotic nuclei

大塚 孝治*; Gade, A.*; Sorlin, O.*; 鈴木 俊夫*; 宇都野 穣

Reviews of Modern Physics, 92(1), p.015002_1 - 015002_52, 2020/03

AA2019-0511.pdf:5.43MB

 被引用回数:280 パーセンタイル:96.52(Physics, Multidisciplinary)

魔法数によって特徴づけられる原子核の殻構造は、長らく陽子数, 中性子数によらずほぼ不変であると考えられてきたが、近年、不安定核ビーム実験の著しい進展により、極めて中性子過剰核では安定核では見られなかった魔法数が出現するなど、殻構造が陽子数, 中性子数に応じて動的に変化することが明らかになった。本レビュー論文は、不安定核の殻構造研究に業績のある理論, 実験研究者によって、その理論的な基礎と最近の実験の進展をまとめたものである。殻構造の変化の源となるモノポール相互作用の定義など、従来の文献でははっきりと書かれてこなかった事項も含め、詳しく説明した。

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