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金子 政志; 佐々木 祐二; 松宮 正彦*; 中瀬 正彦*; 竹下 健二*
Journal of Nuclear Science and Technology, 58(5), p.515 - 526, 2021/05
被引用回数:3 パーセンタイル:34.17(Nuclear Science & Technology)マイナーアクチノイドの分離変換技術開発で重要であるAmとEuの金属イオン選択性を理解することを目的として、密度汎関数計算をジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)及びそのビスアミド(DTPABA)キレート配位子との金属錯体の分子構造及び錯生成反応のモデル化に適用した。構造最適化計算により得られたDTPA及びDTPABAの錯体構造は、既に報告されている単結晶構造を再現した。錯生成反応におけるギブズエネルギー解析の結果、どちらのキレート配位子ともEuイオンよりAmイオンと安定な錯体を生成することが示され、実験結果のAm/Eu選択性と一致した。金属イオンと配位子との化学結合解析の結果、Amの5f軌道とDTPA及びDTPABAの窒素ドナー原子との強い共有結合が、高いAm選択性が発現した一因であることが示唆された。
金子 政志; 鈴木 英哉; 松村 達郎
Inorganic Chemistry, 57(23), p.14513 - 14523, 2018/12
被引用回数:20 パーセンタイル:77.49(Chemistry, Inorganic & Nuclear)マイナーアクチノイドの分離変換技術開発の一環として、アメリシウム(Am)とキュリウム(Cm)の分離が課題となっている。本研究では、AmとCmの分離メカニズム解明を目的として、異なる二つのジアミド型配位子であるジグリコールアミド(DGA)とアルキルジアミドアミン(ADAAM)によるAm/Cm選択性の違いを、密度汎関数計算を用いて解析した。モデル錯体として[M(DGA)]と[M(ADAAM)(NO)(HO)]の分子構造探索、錯生成反応ギブズエネルギー計算を行った結果、DGA配位子のCm選択性とADAAM配位子のAm選択性を再現することに成功した。さらに、Am/CmとDGA/ADAAM配位子の化学結合解析を行った結果、結合解離エネルギーの差がAm/Cm選択性の違いに影響を及ぼしており、f軌道電子の共有結合性の違いがAmとCmの分離メカニズムの一因であることが示唆された。
木村 太己*; 金子 政志; 渡邉 雅之; 宮下 直*; 中島 覚*
Dalton Transactions (Internet), 47(42), p.14924 - 14931, 2018/11
被引用回数:9 パーセンタイル:48.50(Chemistry, Inorganic & Nuclear)マイナーアクチノイド(MA)と希土類の分離メカニズム解明を目的として、密度汎関数計算を用いたEu(III)もしくはAm(III)とニクトゲンドナー(X)配位子(CH)X-CH-CH-X(CH) (X=窒素,リン,ヒ素,アンチモン)との錯体に対する計算化学解析を試みた。配位子との錯体生成ギブズエネルギーを解析した結果、リンドナー配位子がEu(III)と比較してAm(III)と安定に錯体を生成することが示唆された。金属(Eu(III)もしくはAm(III))とニクトゲンドナーとの化学結合を解析した結果、Am(III)とリンとの共有結合性が他のニクトゲンに比べて高く、リンドナー配位子が高いAm(III)選択性を有することが示唆された。
重河 優大*; 笠松 良崇*; 安田 勇輝*; 金子 政志; 渡邉 雅之; 篠原 厚*
Physical Review C, 98(1), p.014306_1 - 014306_5, 2018/07
被引用回数:4 パーセンタイル:35.62(Physics, Nuclear)Uの半減期は化学的環境に依存して変化することが報告されており、本研究では、初めてUの半減期と内部転換電子エネルギー分光を同一化学的環境下で測定することに成功した。Uの酸化物とフッ化物の試料について測定を行った結果、酸化物に比べフッ化物の半減期は短くなることが観測された。密度汎関数法を用いて内部転換電子エネルギースペクトルのピークを帰属した結果、価電子の化学結合特性の違いが半減期の変化に影響を与えていることが示唆された。
金子 政志
放射化学, (35), p.36 - 39, 2017/03
2016年日本放射化学会賞・奨励賞受賞者の受賞対象研究を紹介した解説記事である。メスバウアー分光パラメータと密度汎関数計算を用いて、鉄錯体のスピン相転移現象やランタノイド・アクチノイドの分離メカニズムを明らかにした研究成果について解説を行った。
村松 康司; 上野 祐子*; 石渡 洋一*; 江口 律子*; 渡辺 正満*; Shin, S.*; Perera, R. C. C.*
Carbon, 39(9), p.1359 - 1402, 2001/06
環境汚染物質の吸着除去剤や環境触媒などとして注目されている多孔質カーボンにおいて、孔内部の化学反応特性に強く影響を及ぼすと考えられる酸素の化学結合状態を解明するため、多孔質カーボンのOKX線発光吸収スペクトルを測定した。分光測定はAdvanced Light Sourceの回折格子軟X線発光分光装置を用いて行った。その結果、従来の分光手法では直接検出が困難であった孔内部の酸素を軟X線発光吸収分光法によって容易に直接検出できることを示した。さらに、得られたX線スペクトルをDV-X分子軌道計算法により解析した結果、多孔質カーボン中の酸素は従来の熱脱離法で予測されていた-OH,-CHO,-COOHなどの置換基状態では十分に説明できないことがわかった。
村松 康司; 広野 滋*; 梅村 茂*; 上野 祐子*; 林 孝好*; Grush, M. M.*; Gullikson, E. M.*; Perera, R. C. C.*
Carbon, 39(9), p.1403 - 1407, 2001/06
被引用回数:18 パーセンタイル:58.22(Chemistry, Physical)電子デバイスなどの超硬質表面保護膜として注目されているスパッタカーボン膜の膜質向上・制御を目指し、分子レベルでの化学結合情報を取得することとその局所構造を解明するため、系統的に条件を変化させて成膜したスパッタカーボン膜のCKX線発光吸収スペクトルを測定した。分光測定はAdvanced Light Sourceにおいて行った。その結果、従来のEELSでは識別できなかった微細構造を吸収スペクトルにおいて観測するとともに、発光スペクトルにおけるショルダーピーク強度と吸収スペクトルにおける微細構造ピークの相対強度比が成膜条件に依存することを見いだした。得られたX線スペクトルをDV-X分子軌道計算法により解析した結果、これらのスペクトル形状はsp炭素原子とsp炭素原子の結合の組み合わせによって定性的に説明できた。
平田 勝; Bastug, T.*; 館盛 勝一; 関根 理香*; 尾上 順*; 中松 博英*
Advances in Quantum Chemistry, Volume 37, p.325 - 333, 2001/00
相対論密度汎関数法を用いて硝酸ウラニル錯体のポテンシャルエネルギー曲線を計算した。ウランに配位している水分子及びウラニル酸素の原子位置を変化させながら全エネルギー計算を行い最安定原子間距離を求めた結果、水分子についてはこれまでに報告されている実験結果と良好な一致を示した。一方、ウラニル酸素については、わずかに原子間距離の長いところで安定となることがわかった。また、得られたポテンシャル曲線各々の化学結合の強さを反映しており、ウラニル酸素は水分子より深いポテンシャル曲線となることがわかった。
平田 勝; 館盛 勝一; 関根 理香*; 尾上 順*; 中松 博英*
Advances in Quantum Chemistry, Volume 37, p.335 - 351, 2001/00
相対論DV-DFS分子軌道法を用いて硝酸アクチニル2水和物[AnO2(NO3)2(H2O)2,An=U,Np,Pu]の電子状態と化学結合を調べた。アクチノイド原子と配位子間の結合は、原子番号の増加に伴ってイオン結合的にも共有結合的にも弱くなることがわかった。また、硝酸アクチニルの原子価安定性についてもHOMO-LUMOエネルギー準位と化学結合解析から評価し、UNpPuの順に不安定になることを明らかにした。
村松 康司; 竹中 久貴*; 上野 祐子*; Gullikson, E. M.*; Perera, R. C. C.*
Applied Physics Letters, 77(17), p.2653 - 2655, 2000/10
被引用回数:13 パーセンタイル:51.41(Physics, Applied)高輝度放射光に代表される大強度軟X線の分光・集光素子として不可欠な耐熱性多層膜ミラーの開発に資することを目的として、耐熱特性を支配する化合物バリア層の化学結合状態を解明するため、Mo/SiC/Si多層膜におけるシリコンカーバイド層のCKX線発光吸収スペクトルを測定した。分光測定はAdvanced Light Sourceにおいて行った。得られたX線スペクトルをDV-X分子軌道法により解析した結果、このシリコンカーバイド層はh-またはc-SiCの基本構造において一部のシリコン原子を炭素原子で置き換えた炭素過剰な状態にあることが示唆された。併せて、多層膜における化合物層の非破壊状態分析に軟X線発光吸収分光法が有効であることを示した。
川面 澄*; 竹島 直樹*; 寺澤 昇久*; 青木 康; 山本 春也; 梨山 勇; 鳴海 一雅; 楢本 洋
JAERI-Review 99-025, TIARA Annual Report 1998, p.188 - 190, 1999/10
MeV/uの軽イオン及び重イオンをNi, NiO, Cu, CuOに照射して、放出されるLX線の微細構造を調べ、内殻電子の励起過程及び外殻電子の内殻空孔への脱励起過程に対する化学結合効果の影響を調べた。得られたLX線スペクトルはイオン種によって異なり、重イオンの多重電離による衛星線及び超衛星線によるスペクトルの変化が観測された。また、L, LX線スペクトルは明らかに標的に依存する違いが見いだされた。これは、最外殻の3d電子が遷移に関与するために大きな化学結合結果が現れる結果だと考えられる。
工藤 博司
化学と工業, 45(5), p.941 - 944, 1992/00
リチウムは水素化物と類似のの化合物を形成する。しかし、最近めざましい進歩をとげている計算化学によると、水素化物の水素原子とリチウム原子との置きかえにより、従来の常識では考えられないような特異な化学結合を有するポリリチウム化分子の生成が示唆されている。筆者らは、理論的に存在が予測されているこのような分子のうち、CLi,LiO,LiO,LiS,LiS,LiPなどいくつかの超リチウム化分子の実在を確認した。本稿では、金属リチウムクラスターおよび超リチウム化分子を対象に、リチウムがつくる新しい分子種の化学結合について解説する。
工藤 博司
化学, 46(11), p.748 - 752, 1991/00
理論的に存在が予測されているいくつかの超リチウム化分子のうち、これまでの実験でCLi,LiO,LiO,LiO.LiS,LiSおよびLiPの実在を確認した。これらの分子は、オクテット則(八隅説)に従う通常の分子に比べて1~2個過剰の原子価電子をもつ奇妙な分子であるが、熱力学的にはかなり安定な分子であることがわかってきた。量子論にもとづく化学結合論では必ずしも異常な結合状態とは言い切れないが、特異な結合状態の解明は今後の化学結合論の展開に新たな示唆を与えるものである。本稿では、八隅説の始まりから、超リチウム化分子発見の経緯、化合物の化学熱力学的性質などについて、初学者向けに解説する。
小川 徹
Phys.Status Solidi A, 66, p.175 - 181, 1981/00
被引用回数:2 パーセンタイル:23.16(Materials Science, Multidisciplinary)明瞭なモルフォロジーを有する、粒子状ZrC結晶をZrBr-CH-H-Ar系からの化学蒸着によって合成した。結晶の基本形はプリズムであり、110方向に伸び、それぞれ4つの{111}面、2つの{111}面と2つの{100}面、2つの{111}面と1つの{100}面で囲まれた、菱形、偽-菱形、三角形断面を有していると考えられる。その他に、おそらく100軸を有する円錐形結晶も見られた。これらのプリズム形、および円錐形結晶が、同一の結晶群から成長していることから、上記モルフォロジーは蒸着位置に依存しないと考えられる。プリズムのモルフォロジーはZrCのNaCl型構造において、強い金属-金属、金属-非金属結合を仮定して、PBC理論によって説明する事ができた。{111}面の安定性はZrCの結合のイオン性が小さいことを意味すると考えられる。
川面 澄; 小沢 国夫; 藤本 文範*; 寺沢 倫孝*
Phys.Lett.,A, 60(4), p.327 - 329, 1977/04
原研2MV Van de Graff加速器を用いて0.25~2.0MeVのH,He,N,Ne,Arイオン衝撃によるBe及びBeOからのX線発揮スペクトルを結晶分光器を用いて調べた。 得られた結果は次のようになる。(1)BeからのK X線は108.5eV,K,X線(K殻の二重電離)は146.1eVでありHFSによる計算結果とほぼより一致を示す。(2)Be原子のK殻電離機構は軽イオンの場合には直接のクーロン相互作用によって、重イオンの場合には電子昇位モデルによって説明される。(3)BeOの場合には化学結合効果によって低エネルギー側へシフトし、Be-K及びKX線は、それぞれ104.6eV及び143.3eVとなる。エネルギーシフトは各々-4.1eV及び-3.8eVである。(4)それぞれの主線から約11.5eV高エネルギー側にKL及びKLX線が現われる。これは重イオンによる外殻電子の多重電離と電子昇位に基づく内殻電子の電離の増加を通して起こる。そしてこの遷移による電子はO原子の価電子から生じていることがエネルギー準位の計算から示される。
井出野 一実
KURRI-TR-55, p.31 - 33, 1969/00
原子核に中性子を入射すると、複合核レベルに相当する中性子エネルギーで中性子は共鳴吸収される。孤立したレベルの共鳴線のかたちはBreit-Wignerのsingle-level formulaであらわせるが、実際に観測されるものは試料中の原子の熱振動のためにDoppler効果をふくんだものになる。試料として気体をもちいたときには、Doppler効果でひろがった共鳴線はよくしられている-関数であらわされる。結晶に束縛された原子による中性子共鳴吸収のDoppler効果についての理論は、はじめてLambによって1939年にあたえられた。
金子 政志; 木村 太己; 渡邉 雅之; 宮下 直*; 中島 覚*
no journal, ,
分離変換において重要であるMAと希土類及びMA間の分離研究の一環として、計算シミュレーションによるMAの分離メカニズムの解明に取り組んできた。本件では、性能予測のために重要である金属と分離試薬の化学結合を網羅的に評価し、分離性能予測や新規分離試薬の開発のためのデータベースを構築することを目的としている。密度汎関数法を用いたエネルギー解析によって、15族元素と16族元素配位子によるAm/Eu分離挙動は、Hard and Soft Acids and Bases則によるソフト酸の分離と関連付けられることを明らかにした。また、化学結合解析によって、Amとより強く結合する配位子が、より高いAm選択性を有することが示唆された。
金子 政志; 加藤 茜*; 中島 覚*; 北辻 章浩
no journal, ,
メスバウアー異性体シフトと原子核位置での電子密度の線形関係は、メスバウアー元素とその周辺環境との共有結合的相互作用の定量性を保証する。この線形関係を用いることによって、未知の化合物の化学結合特性を量子化学計算による電子密度解析によって予測できるようになる。本研究では、高レベル放射性廃液の分離プロセス阻害因子の一つであるルテニウムの安定性解明に向けた第一歩として、ニトロシルルテニウム錯体の化学結合特性の予測のための基礎的な検討を行う。塩化物イオンやアンモニアなどの基本的な配位子を持つニトロシルルテニウム錯体[Ru(NO)L] (L = Br, Cl, NH, CN)を密度汎関数計算によってモデル化し、電子密度解析によってRuメスバウアー異性体シフトを予測した。その結果、錯体の構造は、実験の単結晶構造をよく再現し、Ruメスバウアー異性体シフト予測値は、0.1mm/s以内の誤差で一致した。また、分子軌道解析により見積もったルテニウムのd電子軌道の分裂の大きさは、L = Br, Cl, NH, CNの順に増加し、メスバウアー異性体シフトの序列とも一致した。これは、金属-配位子の共有結合的相互作用は、ルテニウムのd電子軌道の相互作用に起因していることを示唆している。
金子 政志
no journal, ,
高レベル放射性廃棄物の分離変換処分を目指し、溶媒抽出法を用いたマイナーアクチノイド(MA=Am, Cm)と希土類元素(RE)の分離技術開発が進められている。溶液中において三価であるAm及びCmは、REと類似した抽出機構を示し、抽出剤のドナー原子の違いを反映して異なる選択性を示すことが知られている。本発表は、ジチオホスフィン酸及びホスフィン酸によるAm/Eu選択性の違いを理論的に明らかにすることを目指し、密度汎関数計算に基づいた錯生成反応モデルや配位結合解析を用いてアプローチを行った。既に報告されている単結晶構造や反応機構に基づいて錯体モデルを作成した。錯生成反応におけるギブズエネルギー差を解析した結果、ジチオホスフィン酸はEuよりもAmと安定に錯体を生成し、ホスフィン酸はAmよりもEuと安定に錯体を生成し、報告されているAm/Eu選択性と一致した。錯体中の金属イオンとドナー原子との軌道間の相互作用を解析した結果、Amのf軌道とドナー原子との相互作用が、Am/Eu選択性を決める一因であることを示唆した。なお、本発表は、第39回溶媒抽出討論会での特別講演である。
金子 政志; 渡邉 雅之; 宮下 直*; 中島 覚*
no journal, ,
本研究では、OドナーとSドナーで同じ配位幾何学を示すイミドジホスフィン酸配位子を用いて、Eu, Am錯体の安定性および結合状態について議論した。相対論DFT計算を適用し、単結晶構造を初期構造として構造最適化を行い、水和錯イオンに対する熱力学エネルギーを算出した。その結果、Eu, Am錯体は、O, Sドナーともに同じ配位構造となり、単結晶構造の結合距離をよく再現した。熱力学エネルギーを見積もった結果、OドナーはAmよりもEuと選択的に錯生成し、SドナーはEuよりもAmと選択的に錯生成することが示唆された。