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青木 大*; 本間 佳哉*; 塩川 佳伸; 酒井 宏典; 山本 悦嗣; 中村 彰夫; 芳賀 芳範; 摂待 力生*; 大貫 惇睦
Journal of the Physical Society of Japan, 74(8), p.2323 - 2331, 2005/08
被引用回数:53 パーセンタイル:84.78(Physics, Multidisciplinary)Gaフラックス法によりNpTGa(T=Fe, Rh and Ni)系の高品位単結晶を育成し、電気伝導度,比熱,磁化率,磁化等のマクロ物性測定を行った。これらすべてのNp115系化合物は、低温で反強磁性タイプの磁気秩序を示すことを明らかにした。ネール温度は、T=Fe, Rh, Niに対して、各々118(78), 36(32), 30(18)Kであり、カッコ内に示したように、より低温においてさらに磁化方向の変化を伴う別の磁気転移を起こすことが明らかになった。また、電子比熱係数は、T=Fe, Rh, Niに対し、各々30, 52, 100mJ/K
であった。Fe系を除いては、高温での磁化率はNp原子あたり2.4-2.7ボーア磁子のキューリ則にほぼ従い、高温では局在5f
(Np
)電子状態にあることが示された。
堀田 貴嗣
Physical Review Letters, 94(6), p.067003_1 - 067003_4, 2005/02
被引用回数:15 パーセンタイル:62.10(Physics, Multidisciplinary)充填スクッテルダイト化合物の磁気的性質を明らかにするために、a伝導電子バンドと混成する7つの
-電子軌道を含むアンダーソン模型を数値的手法によって解析した。局所的な
-電子数を
とすると、Prを含む充填スクッテルダイト化合物は
=2に対応するが、このとき、たとえ基底状態が非磁性の一重項でも、わずかなエネルギー差で磁気的な三重項励起状態が存在していれば、顕著な磁気揺らぎが低温まで生き残ることがわかった。この結果は、充填スクッテルダイト構造においては、伝導電子バンドとよく混成する遍歴的な
-軌道と、ほとんど混成しない局在的な
-軌道に分かれるということで理解される。このような遍歴・局在描像は、
=1から13までの
-電子の磁化率とエントロピーの複雑な計算結果をよく説明する。
町田 昌彦; 小山 富男*
Physical Review B, 70(2), p.024523_1 - 024523_6, 2004/07
被引用回数:65 パーセンタイル:89.11(Materials Science, Multidisciplinary)高温超伝導体の結晶は、超伝導層及び絶縁層(半導体や金属の場合もある)の積層構造からなるため、積層方向に弱くジョセフソン接合していることが知られている。本論文では、この結晶構造に由来するジョセフソン接合(固有ジョセフソン接合と呼ばれる)の特性のうち、物質によって変化する電流電圧特性の違いが何に起因するかを明らかにした。一般にジョセフソン接合は、単一な接合が孤立している場合は、単振り子の運動と等価であることが知られているが、固有ジョセフソン接合は、多数の振り子の結合系であり、特有の非線形局在運動が生じる。本論文では、この非線形局在運動が、系のダイナミクスを支配し、電流電圧特性などの観測量に大きな影響を与えることを示したほか、非線形局在運動の広がりが物質により変化し、これが、物質による電流電圧特性の違いをもたらしていることを明らかにした。
平出 哲也; 熊田 高之
Materials Science Forum, 445-446, p.301 - 303, 2004/02
高分子や分子性固体に入射した陽電子は陽電子トラックの末端に形成されるスパー近傍で熱化し、近くに存在する過剰電子などの活性種と反応し、ポジトロニウムを形成する。この形成では電子のスピンは完全にランダムである。一方、放射線等で起こるイオン化に伴って放出される電子は十分低温では浅く束縛され、暗黒中で長時間安定に存在する。自由陽電子は浅く束縛されている電子を引き抜いてポジトロニウムを形成できるが、この電子の場合、強磁場中,極低温に置くとスピンの方向は揃いはじめ、偏極させることができる。そこに偏極陽電子を入射し、形成されるポジトロニウムのスピン状態に効果が現れることを実験で確認した。
平出 哲也
Materials Science Forum, 445-446, p.234 - 238, 2004/02
浅く捕まった電子と陽電子によるポジトロニウム形成は低温域での高分子中や分子固体中の現象を矛盾なく説明し、予測された現象,可視光の効果,ポジトロニウム形成の電子濃度依存性,遅れて起こる形成、などを実験により検証した。この新しいポジトロニウム形成は浅く捕まった長寿命の電子と陽電子の反応によるため、強磁場中,極低温では浅く捕まった電子がスピン偏極する。ここにスピン偏極した陽電子を入射し、ポジトロニウム形成を起こすと、形成されたポジトロニウムのスピン状態の分布に反映され、実験で確認できる。この現象を用いることにより、陽電子のスピン偏極率の測定も可能であると考えられる。これら内容について招待講演する。
小山 富男*; 町田 昌彦
Physica C, 392-396(1-4), p.145 - 148, 2003/10
最近、異方性の高い高温超伝導体の単結晶がc軸方向に積層したジョセフソン接合アレイであることが示されたが、Smを含む高温超伝導体の一種は、二つの種類のジョセフソン接合が交互に重なり合った構造を示すため、最近その光学特性を調べる多くの研究が行われている。しかしながら、未だ最も基本的特性である輸送特性、すなわち、電流電圧特性を調べる実験が行われていない。この状況を受け、発表者らは電流電圧特性を数値シミュレーションし実験結果の予測を行う。シミュレーション結果は、二つの接合アレイの交互交替型構造を反映し二種類の非線形局在モードが現れ、通常の高温超伝導体の電流電圧特性と違い多くの種類のブランチ構造が現れることがわかった。講演ではこの構造を反映したデバイス応用が可能であるかも議論する。
大道 敏彦*; 荒井 康夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.156 - 159, 2002/11
岩塩型アクチノイド化合物(MX,M:アクチノイド,X:メタロイド)の幾つかの熱力学及び磁気的性質を原子間距離を基に類推した。MXの結合エネルギーの報告値は、二,三の例外を除いてポーリングの式を用いて求めた結合電子密度と比例関係を示した。一方、全価電子から結合電子を除いた電子数と有効磁気モーメントの報告値との関係は、L-Sカップリング及びフントの法則から計算したものと良く一致したことから、この電子数は局在する5f電子数に相当するものと考えられる。これらの結果を用いて、MX中のアクチノイド原子の酸化状態や磁気エントロピーの寄与等についても議論した。
Neudatchin, S. V.; 滝塚 知典; 白井 浩; 藤田 隆明; 諫山 明彦; 鎌田 裕; 小出 芳彦; Dnestrovskij, Y. N.*
JAERI-Research 2001-056, 32 Pages, 2001/12
JT-60U中の内部輸送障壁(ITB)を持つ正及び負磁気シアプラズマ中の速い時間スケールとゆっくりした時間スケールの時間発展を調べた。弱いITBにおいて時間的に急激で空間的に広がりのある変動が、電子とイオンの熱拡散係数に生じる。強いITBを持つ負磁気シア(RS)プラズマ中では、
の変動はITBの足部近傍に局在化する。さまざまなRSプラズマにおいて、安全係数がほぼ最小になるところで熱流束の変動が最大となる。
の急変及び鋸歯的崩壊によって誘起される熱パルス伝搬を解析し、強いITB領域内では
の値は小さく熱ピンチはないことを確かめた。また、ELMで引き起こされるH-L遷移時とその回後のL-H遷移時の
の急激変動は、RSプラズマの弱いITB領域より内側の負シア領域にわたって非局在的に起きる。
諫山 明彦; 伊世井 宣明; 石田 真一; 佐藤 正泰; 児玉 武弘*; 岩間 尚文*
JAERI-Research 99-021, 34 Pages, 1999/03
JT-60Uの電子サイクロトロン放射(ECE)測定装置ではフーリエ変換分光装置(FTS)で絶対較正を行い、他のECE測定装置ではFTSをもとに相対較正している。しかし、ELM付きHモード中には非熱的放射によるパルス状のノイズが干渉信号に入るために、FTSによるバルクプラズマの電子温度測定が困難になり他の測定装置を相対較正できなくなる。ELM付きHモード中でもFTSによる電子温度測定ができるようにするため、今回非熱的放射パルスを除去する処理ソフトを開発した。ソフト作成にあたっては、JT-60Uのショット間に自動的に行えるようにするため、簡略なアルゴリズムを用いるようにした。今回作成した処理ソフトでは、従来から用いられているものに比べて処理時間が10%長くなる程度であり、得られる電子温度は相対較正した回折格子型分光装置の結果と約5%以内の誤差で一致した。
町田 昌彦; 小山 富男*; 立木 昌*
日本物理学会誌, 54(10), p.810 - 814, 1999/00
本稿では、高温超伝導体が示す固有ジョセフソン効果について電流・電圧特性と超伝導位相の非線形ダイナミクスを平易に解説する。最近、固有ジョセフソン接合が示す電流・電圧特性は、接合の数に匹敵した数の多重ブランチ構造を与えるほか、マイクロ波の照射下では、非常にシャープな共鳴を起こすなど、多くの注目を受けている。本稿では、これらの代表的実験事実を統一的に解釈できるモデルを与え、それから得られる理論的帰結を示すほか、モデル方程式に対する数値シミュレーション結果が実験を非常に良く再現することを指摘する。さらに、数値シミュレーションが示す特徴的非線形ダイナミクスを取り上げ、一次元非線形格子モデルの局在モードの概念が実際に高温超伝導体において観測されていることを明らかにする。
吉井 賢資; 馬場 祐治; 佐々木 貞吉
Physica Status Solidi (B), 206, p.811 - 822, 1998/00
被引用回数:11 パーセンタイル:53.44(Physics, Condensed Matter)いくつかの分子の凝縮系におけるSi,P,S及びCl1s吸収端で、共鳴オージェスペクトルを測定した。その結果次の現象を見出した。(1)1s励起でもっとも分岐率の大きい崩壊過程は、KLL遷移である。(2)スペクテータ・オージェピークが励起光エネルギーに対し比例したエネルギーシフトとエネルギー巾の減少を示す。(3)Si(CH)3Clにおける非占軌道は、Si3P
は局在的、Cl3P
は非局在的である。(4)SiCl
における非占軌道は、Si3P
,Cl3P
とも局在的である。(3)との比較から、-CH
基が系に非局在性を与えることが分かった。
Neudatchin, S. V.*; 滝塚 知典; 白井 浩; 藤田 隆明; 竹治 智; 伊世井 宣明; 鎌田 裕
JAERI-Research 97-052, 27 Pages, 1997/08
JT-60U中の負磁気シアプラズマと通常磁気シアプラズマにおける内部輸送障壁の構造の特性を調べた。負磁気シアプラズマがプログラム化運動する時、電子温度とイオン温度の急峻な構造を測定した。プラズマ中心側と比べて内部輸送障壁では電子熱拡散係数が1/10になっている。電子温度とイオン温度に対する内部輸送障壁の位置は互いに少し異なっている。通常磁気シアの高プラズマにおけるBLM(障壁局在モード)誘起LH遷移とHL逆遷移について調べた。BLMは内部輸送障壁領域の電子温度分布を急に緩和するが、改善輸送の性質を劣化させない。HL逆遷移は、内部輸送障壁の輸送を同時に劣化させ、電子熱拡散係数の跳びはほば1m
/sとなる。内部輸送障壁の急峻構造を測定するための新しい実験手法を提案した。
吉井 賢資; 山本 秀樹*; 斉木 幸一朗*; 小間 篤*
Physical Review B, 52(18), p.13570 - 13575, 1995/11
被引用回数:27 パーセンタイル:79.97(Materials Science, Multidisciplinary)分子線エピタキシー法により、単結晶サファイア(AlO
)上にニオブ単結晶薄膜を作製し、その超伝導特性を調べた。薄膜の厚さは100
から12
までで、電気抵抗測定ではそのすべての試料が超伝導を示した。また、超伝導転移温度(Tc)は試料が薄くなるほど低下する傾向が認められた。これらの実験結果を、近傍効果と局在との関連により議論した。
舘野 淳
Physica C, 214, p.377 - 384, 1993/00
被引用回数:8 パーセンタイル:45.82(Physics, Applied)LaSr
CuO
の非超電導相の電気抵抗をアンダーソン局在とスモール・ポーラロンの共存モデルを用いて説明した。このモデルから計算されたスモール・ポーラロンの濃度は、超電導転移温度が最大となる濃度で、最大値をとる。ホッピング伝導の活性化エネルギーの組成依存性は、アンダーソン局在とスモール・ポーラロン間の状態変をともなう輸送機構を取入れることによって説明できる。これらの解析から超電導機構としてバイポーラロンのボーズ凝縮が有力であると考えられる。
橘内 裕寿*; 笠原 茂樹; 知見 康弘; 西山 裕孝; 茶谷 一宏*; 越石 正人*
no journal, ,
中性子照射ステンレス鋼の高温水中応力腐食割れ(SCC)機構の検討に資することを目的として、照射ステンレス鋼に特有な局所変形組織形成が表面の酸化皮膜形成に及ぼす影響を検討中である。本報告では、JMTRで中性子照射した後に0.1-2%のひずみを付与したSUS316Lの表面に発現した変形組織に着目し、走査型電子顕微鏡(SEM)及び電子線後方散乱回折法(EBSD)を用いて、局所的な結晶方位の変化について観察・評価した。その結果、照射量及びひずみ付与量に応じて試験片表面にすべり線状の段状組織の形成が認められ、結晶粒界に局所的なひずみ蓄積が示唆される結果が得られた。発表では、すべり線状の組織に着目し、その発現形態・密度等と照射量・ひずみ付与量等との相関について議論する。
目時 直人; 芳賀 芳範; 山本 悦嗣; 松田 雅昌*
no journal, ,
UPdAl
の中性子散乱実験の結果、明瞭な結晶場励起が観察され、5
電子が局在的で非クラマースイオンU
(5
)の一重項基底状態あることがわかった。PrPd
Al
と類似の状態を仮定して励起スペクトルや帯磁率が定量的に説明できた。励起エネルギーがPrPd
Al
より10倍程度大きな理由は、5
電子の遍歴性が大きく、結晶場も大きいためであろう。NpPd
Al
のNpはほぼ3価のため、U
からNp
へ価数(5
電子数)が急激に変化していることがわかる。NpPd
Al
の重い電子状態には、この価数異常が関与していると考えられる。